公開日:2022-12-03 更新日:2025-10-15
【2025年版】リノベーション費用相場|マンション15〜20万円/㎡・戸建て10〜22万円/㎡の実例|業者選びと予算の立て方まで徹底解説
リノベーション費用相場は、マンションで15〜20万円/㎡、戸建てで10〜22万円/㎡が目安です。
たとえばマンション70㎡なら1,050万〜1,400万円、戸建て100㎡なら1,000万〜2,200万円と幅があります。
リノベーションは新築のように価格が固定されておらず、物件の状態や間取り変更の有無、グレードによって金額が大きく変動します。
そこで本記事では、8,000件超のリノベーション・リフォーム実績がある専門家集団「SHUKEN Re」が、リノベーション費用の相場と実例、失敗しない予算の立て方、業者選び、費用を抑えるコツまで徹底解説します。
「そろそろマイホームをリフォームしたい」「中古物件を買う前にリノベーション費用感を知りたい」という方は、資金計画の参考にしてください。
・SHUKEN Reの2025年時点実績では、16~18万円/㎡(70㎡の場合1,120万〜)が最も多い価格帯です。
・費用の変動要因は、広さ・間取り・修繕箇所・グレードなどでケースバイケースです。
・費用を抑えるなら「中古物件探し〜施工まで一貫対応」の「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
目次
■ リノベーション費用相場はいくら?【早見表+平米別実例】
リノベーション事例を見る:Case103「レトロ × グリーン」
フルリノベーションの費用相場(マンション・戸建て)
早見表(平米単価でシミュレーション)
物件タイプ | 広さ | 平米単価 | 費用相場 |
---|---|---|---|
マンション | 60㎡ | 15〜20万円/㎡ | 900万〜1,200万円 |
マンション | 70㎡ | 15〜20万円/㎡ | 1,050万〜1,400万円 |
マンション | 80㎡ | 15〜20万円/㎡ | 1,200万〜1,600万円 |
戸建 | 90㎡ | 10〜22万円/㎡ | 900万〜1,980万円 |
戸建 | 100㎡ | 10〜22万円/㎡ | 1,000万〜2,200万円 |
戸建 | 110㎡ | 10〜22万円/㎡ | 1,100万〜2,420万円 |
※本表は工事費+設計監理費を含む目安(税別)。共用部養生・管理申請・近隣挨拶等は物件・管理規約・時期により上下します。首都圏基準のため地域差で±5〜15%の開きが生じる場合あります。
マンションの平米単価は15〜20万円/㎡が一般的な目安です。媒体によって15〜25万円/㎡とする解説もあり、設計・施工会社や仕様次第で変動します。
なお、SHUKEN Reでは、16万円~18万円/㎡の中級グレードが最多です。例えば、70㎡のマンションのフルリノベーションの場合は1,120万円~1,260万円程度が目安となります。(2025年時点弊社実績)
詳細は物件状況・工事範囲によって変動しますので、詳しくはリノベーション会社に相談するのがおすすめです。
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部分・表層リノベーションの費用相場(目安)
物件が築浅で間取りや設備がそのまま使えるなど、部分的にリノベーションする場合の費用相場は以下のようになります。
部分・表層リノベーション・リフォーム費用相場(目安)
キッチンリフォーム | 80~150万円 |
浴室リフォーム | 80~120万円 |
洗面所リフォーム | 30~50万円 |
トイレリフォーム | 30~40万円 |
水回り(4点)リフォーム | 250~300万円 |
壁紙・フローリングの貼り替え | 150~200万円 |
間取り変更・水回りの移動 | 100~200万円 |
建具(扉等)・収納の交換 | 100~150万円 |
※壁紙リフォームは量産〜標準仕様で800〜1,500円/㎡が目安。下地補修・諸経費込みやハイグレード材、小面積・高所などは条件次第で2,000〜4,000円/㎡程度になることもあります。
物件ごとに工法や下地の状態が異なるため、相場だけを参考にして総予算を見積もるのは少々リスクが伴います。
物件ごとに改修内容が異なるため、リノベーションは現地調査ベースの見積もりが必須です。
現地調査をしないと想定外の費用が発生したり、着工後のプラン変更が必要になる可能性があります。
見積もりを取得する際は必ず現地調査を依頼しましょう。
▶︎SHUKEN Reのリノベーション事例集:マンション・戸建ての実例を見る
ここからは、SHUKEN Reが施工した60㎡、70㎡、80㎡、90㎡のリノベーション事例と平米別の費用相場をご紹介します。
60平米のマンションリノベーション費用相場|実例と価格目安
60平米のマンションのリノベーション費用相場は、900万〜1,200万円程度です。
都会暮らしのジャストサイズとも言われる60~65平米の2~3LDKのマンションは、リノベーションをすれば広々と暮らすことができます。
【65㎡】1,100万円のマンションリノベーション事例(東京都)
65㎡(東京都)の事例を見る:Case126「ひとり時々ふたり」
こちらは、築20年の65平米の中古マンションを購入し、約1,100万円でリノベーションした事例です。
「一人、ときどき二人」で過ごす二拠点居住の自由な暮らしをイメージ。
開放感のあるオープンスペースをコンセプトに設計し、費用も抑えつつシンプルでホテルライクな雰囲気に整えました。
【61㎡】約1,000万円のマンションリノベーション事例(東京都)
61㎡(東京都)の事例を見る:Case185「Surprising Idea」
こちらの事例は、築37年・61㎡のマンションを約1,000万円でリノベーションしたケースです。
■リノベーション概要
工期 | 60日 |
---|---|
家族構成 | ファミリー(3人家族) |
エリア | 東京都江東区 |
年代 | 40代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 37年 |
間取り | 2LDK + WIC + SIC |
広さ | 61㎡ |
リノベーション費用 | 約1,000万円 |
「家族3人が心地よく暮らせる空間」をテーマに、限られた予算の中で効果的なプランニングを実施しました。
狭さを感じていたキッチンは壁付けレイアウトを見直し、開放的で使いやすい形へ変更。既存の一部設備を活かしながら、ご希望だったパントリーも新設しました。
また、リビングと和室を一体化してワイドなLD空間を確保。新たにWICや玄関土間を設けることで収納力も向上しています。
仕上げ材には、北欧調のクロスやヘリンボーン調のフロアタイルなど、コストを抑えつつデザイン性を高められる素材を選定。
結果、1,000万円という費用の中で「間取りの大胆な改善」と「内装のホテルライクな雰囲気」の両立を実現しました。
このように、60平米台の物件をフルリノベーションすれば、1人~4人家族までの幅広いライフスタイルに対応できる、「ちょうどいい暮らし」が実現できます。
50平米から60平米台のリノベーションの費用事例は以下の関連コラムで詳しく紹介しています。
〈関連コラム〉
60平米のマンションリノベーションでちょうどいい暮らし♪間取り図&費用も掲載
50平米のマンションのリノベーション費用はどれくらい?施工事例やポイントも解説
70平米のマンションリノベーション費用相場|実例と価格目安
70平米のマンションのリノベーション費用相場は、1,050万円~1,400万円程度です。
70平米台のマンションはDINKS、ファミリー、シニア世代まで幅広いライフステージにフィットするスタンダードなサイズです。
【70㎡】マンションリノベーション事例(東京都)
70㎡(東京都)の事例を見る:Case142「設計のプロのお宅拝見!」
こちらの70㎡の事例は、弊社SHUKEN Reのリノベーションプランナーとして活躍していたHさんがご自身で設計した間取り。
築16年の中古マンションを購入して、コストを抑えながら理想の空間をつくることを心掛けたそうです。
4LDKであれば4~5人家族でも住めますが、できれば収納はもう少し余裕があるとうれしい広さです。
3人家族なら、間取り変更で2LDKにすれば、広々としたリビング、ファミリークローゼットも実現できます。
【70㎡】約1,300万円のマンションリノベーション事例(東京都世田谷区)
70㎡(東京都)の事例を見る:Case198「Easygoing」
こちらの事例は、築25年・70㎡の中古マンションを購入し、約1,300万円でリノベーションしたケースです。
■リノベーション概要
工期 | 60日 |
---|---|
家族構成 | ファミリー(3人家族) + ネコ |
エリア | 東京都世田谷区 |
年代 | 30代+40代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 25年 |
間取り | 2LDK+パントリー |
広さ | 70㎡ |
リノベーション費用 | 約1300万円 |
「家族3人と猫がのびのび暮らせる空間」をテーマに、余裕ある広さを活かしながら、生活動線と収納を重視したプランニングしました。
3LDKから2LDKに間取りを変更し、家族が集まるLDKにゆとりを確保。残りの2部屋はドアを設けず、ワークスペースや趣味の場として柔軟に使える風通しのよい空間としました。
シンプルな設備とオープン棚の採用により費用を抑えつつ、「回遊性の高い間取り」「家族と猫が心地よく過ごせる余裕あるLDK」「収納とデザイン性の両立」を実現しています。
70平米台のリノベーション費用の事例は、以下の関連コラムで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
70平米マンションリノベーション費用相場|安く抑えるポイントも
80平米のマンションリノベーション費用相場|実例と価格目安
80平米のマンションリノベーション費用相場は、1,200万円~1,600万円程度です。
80平米なら、2~5人家族で、ペットとも暮らしやすい、ゆったりとした空間が確保できます。
【81㎡】マンションリノベーション事例(東京都中央区)
81平米(東京都)の事例を見る:Case129「シャープ&シックに」
こちらは、ご夫婦、娘さん、ワンちゃんが暮らす築10年の81平米のマンションの事例です。
モルタル仕上げの壁。板張りの天井。北欧ヴィンテージ家具が似合う空間。
内装や設備は妥協なく選び抜き、施主様から弊社のプランナーもご指名いただき、納得のリノベーションを実現した事例です。
【81㎡】約1,200万円のマンションリノベーション事例(東京都渋谷区)
81平米(東京都)の事例を見る:Case186「gray tone」
こちらの事例は、築10年・81㎡の中古マンションを購入し、約1,200万円でリノベーションしたケースです。
■リノベーション概要
工期 | 60日 |
---|---|
家族構成 | 大人ふたり |
エリア | 東京都渋谷区 |
年代 | 50代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 10年 |
間取り | 2LDK |
広さ | 81㎡ |
リノベーション費用 | 約1,200万円 |
「大人ふたりのシックで洗練された暮らし」をテーマに、グレーと黒を基調とした統一感ある空間づくりを実現しました。
リビングからキッチン、水まわり、寝室に至るまで木目調や白は使わず、落ち着きのある都会的な雰囲気に仕上げています。
IKEAのインテリアもセンス良く取り入れコストも抑えつつ、仕上げ材や造作にこだわるなど、メリハリをつけたプランニングを行いました。
1,200万円という費用の中で「美意識が生み出すシックな空間」と「効率的な生活動線の改善」を両立し、大人のライフスタイルにふさわしい住まいが完成しました。
80平米台のリノベーション費用の相場や事例は、こちらのコラムで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
80平米マンションリノベーションの費用相場|新築・中古マンション価格も比較
90平米のマンションリノベーション費用相場|実例と価格目安
90平米のマンションのリノベーション費用相場は、1,350万円~1,800万円程度です。
東京郊外・千葉・神奈川など首都圏近郊に多い90平米~100平米前後のマンションは、壁を抜いて開放的なオープンスペースにしたり、逆に部屋数を増やしたりと、間取り変更の自由度が高い広さです。
【90㎡】マンションリノベーション事例
「自分たちだけの特別なデザインの家に住みたい」というご夫婦の思いで、中古マンションの物件探しからリノベーションまでお手伝いした事例です。
間仕切り壁のない広いLDKとスケルトン天井がより開放感をアップさせています。
オーダーで造作したシンプルなステンレスキッチンや敢えてラフに塗った壁やダクトなど、シンプルさとこだわりの追求により、メリハリをつけた予算配分が実現しました。
【91㎡】約1,400万円のマンションリノベーション事例(東京都江戸川区)
91㎡(東京都)の事例を見る:Case221「Each room」
こちらの事例は、築42年・91.5㎡のマンションを約1,400万円でリノベーションしたケースです。
■リノベーション概要
工期 | 90日 |
---|---|
家族構成 | 大人ふたり |
エリア | 東京都江戸川区 |
年代 | 60代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 42年 |
間取り | 2LDK |
広さ | 91.5㎡ |
リノベーション費用 | 1400万円 |
20年前にSHUKEN Reでリノベをされて、今回2度目のリノベとなったAさま夫婦。
お子さまが独立し、ご夫婦ふたり暮らしとなった今のライフスタイルに合わせ、老朽化の改善と空間の刷新を目的にプランニングしました。
素材にこだわりながらも以前のリノベで制作した造作棚や建具は有効活用するなど予算を抑えています。
「ライフステージに合わせた間取りの見直し」と「素材へのこだわり」を両立し、ご夫婦ふたりにふさわしい、ゆったりと落ち着いた住まいが完成しました。
90平米台のリノベーション費用相場は、こちらの関連コラムの事例もチェックしてください。
〈関連コラム〉
間取り別のリノベーション費用相場(1LDK、2LDK、3LDK、4LDKの事例)
リノベーションは、マンションでも戸建てでも、その物件の個性をいかしながら、注文住宅のような自由度の高い家づくりが可能です。
家族構成の変化や理想のライフスタイルに応じて、大胆に間取り変更もできますし、間取りはあええてそのままにして造作家具を中心にリノベーションするなど、リノベーションのプランはアイディア次第です♪
空間を最大限に活用するリノベーションのアイディアは、1LDK、2LDK、3LDK、4LDKのマンションの間取り別の費用事例も参考にしてください。
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2LDKマンションリノベーション事例|費用相場や安くするコツも
3LDKマンションのリノベーション費用事例|費用を抑えるコツも
4LDKマンションリノベーション事例3選|費用相場&おすすめ間取りアイデアも
■ リノベーション費用の平均はいくら?実態調査データから解説
リノベーション事例を見る:Case131「Living with Cats」
リノベーションは、築30年超の中古物件では1,000万円以上かかるケースが多く、表面的な改修だけでも600万円以上が目安です。
こうした費用相場は、複数の調査データや業界の相場から見えてきます。
住宅リフォーム推進協議会調査:平均支出434万円
一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が2025年3月に公表した「2024年度住宅リフォームに関する消費者・事業者に関する実態調査」によると、マンション・戸建てを問わずリフォーム(リノベ含む)の平均支出は434万円。
意外と「安い」と思うかもしれませんが、この中には設備故障や雨漏り修理といった部分改修が多く含まれ、いわゆる“フルリノベーション”の事例はごく一部です。
リクルート大型リフォーム実施者調査:610.4万/628.1万
少しデータが古いので参考値ですが、リクルート社が実施した「大型リフォーム実施者調査2017」(300万円以上の事例対象)では平均610.4万円、物件購入時にリフォームしたケースでは平均628.1万円という結果が出ています。
ただし、この調査でもマンションなどの浴室・トイレ・キッチンなど水回りのみの部分工事が半数以上を占め、戸建てでは外壁や屋根など外装リフォームなど部分的な改修が中心です。
国土交通省の建築工事費の価格上昇トレンド調査
近年は建築資材価格の高止まりや労務費の増加等により、同じ仕様でも2020年比で1~2割程度高くなる傾向があります。
これらの調査結果を総合すると、間取り変更や内装・設備をすべて一新するフルリノベーションは、調査平均額よりも費用が高くなりやすく、1,000万円以上かかるケースが多いのが実際です。
次の章で、実際にどのような要因でリノベーション費用が変わるのかを詳しくご説明します。
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リノベーションに役立つ本・雑誌10選|おすすめポイントを紹介♪
■ リノベーション費用の変動要因10のポイント
リノベーション事例を見る:Case62「リビングで過ごす“家族時間”」
リノベーション費用は、様々な要素の影響で高くも安くもなります。費用を左右するのは主に次の10の要素です。
- ・物件の立地環境
- ・今までのメンテナンス状況
- ・設備機器や内装材のグレード
- ・大幅な水廻りの移動
- ・大幅な間取りの変更
- ・玄関の移動
- ・階段の移動
- ・吹き抜けやロフトの新設
- ・全体的な断熱改修や耐震改修
- ・資材価格等の変動の影響
このうちのどれか一つでも該当している場合は、リノベーション費用の相場から大きく変動することも想定しておきましょう。
各ポイントについて詳しく解説します。
その① 物件の立地環境
物件の広さなどだけではなく、その立地環境によってもリノベーション費用は変動します。
なぜなら、住宅密集地や繁華街にある場合、建物の近くに作業車や運搬車が停められず、人の手で資材や道具、解体材などを長距離に渡って運ばなくてはいけないケースがあるからです。
また、狭小地で作業するスペースが十分に確保できなければ、作業効率が悪く工期が長引き、コストにも影響を及ぼします。
立地条件によっては工事が難しい場合もあるため、施工会社選びも慎重にしましょう。
その② 今までのメンテナンス状況
マンション・戸建住宅問わず、新築から築年数が経っている場合は、どれくらい家のメンテナンスをしてきたかによってリノベーション費用が変わります。
例えば、築30年の物件で、今までほとんどメンテナンスしていない場合は、配管や配線が劣化しており総入れ替えしなくてはいけないかもしれませんし、戸建住宅ですと屋根・外壁の劣化や、シロアリ被害があるかもしれません。
メンテナンスがあまりされていない住宅は、大抵の場合リノベーション費用がかさんでしまいます。
その③ 設備機器や内装材のグレード
最も分かりやすいのが、設備機器や内装材のグレードです。
性能やデザイン、テクスチャー、お手入れのしやすさなどによって、これらの費用は大きく変動します。
先ほど紹介したフルリノベーションの費用相場は、中級グレードを想定した価格帯ですので、高価な機器や材料を選べばもちろんトータルコストは高くなりますし、リーズナブルなものを選べば、コストダウンできる可能性もあります。
リノベーション事例を見る:Case136「自分たち仕様=快適!!」
その④ 大幅な水回りの移動
キッチンや浴室、トイレなどの水回りを大幅に移動させる場合は、給排水管と電気配線をやりかえなくてはいけないため、その分の費用が追加されます。
また、戸建住宅については、荷重がかかる部分の耐震補強が必要な場合もあります。
ただし、「費用さえ追加すれば、大幅な移動ができる」という訳ではありません。
マンションの場合は、共有部分から専有部分への給排水管取り込み位置や勾配の制約があり、大幅な移動が不可・非推奨のケースがあるため、個別に確認が必要です。
そのため、物件によっては移動ができないということも念頭に置いておきましょう。
その⑤ 大幅な間取りの変更
間取りを大幅に変えるとなると、既存の間仕切り壁を解体して、新たに造作し直さなくてはいけません。
そのため、必然的に大幅にコストアップしてしまいます。
また、戸建住宅の場合は、間仕切り壁の位置変更によって、家の偏心率(構造物の重心が剛心から離れている度合い)が変わり、耐震力が下がってしまう可能性もあるため、適宜耐震補強が必要になるかもしれません。
その⑥ 玄関の移動
マンションの玄関ドア・枠・窓は、原則「共用部(専用使用権付を含む)」で、変更には管理規約・組合承認・仕様制約が伴います。個人判断での交換は不可か、二重窓の設置に限定されるなどの厳しい制限があると考えましょう。
戸建住宅の場合は間取り変更に伴い、玄関を移動するケースも少なくありません。
その場合は、室内の工事だけではなく、外壁の補修や下屋(玄関ポーチの屋根)の新設などの工事が必要となり、リノベーション費用が大幅に高くなってしまいます。
その⑦ 階段の移動
階段の移動は室内工事で完結するものの、床組みの変更など大幅に構造体を変えなくてはいけません。
また、1階・2階共に間取りを変更することを余儀なくされるため、家全体を大幅にリノベーションする必要があります。
ちなみに、メゾネット型マンションの階段は、ほとんどの場合がコンクリートで作られており、構造躯体や管理規約の制約により位置変更不可のケースが多いのが実際です。
管理会社や施工会社に個別に確認する必要があります。
その⑧ 吹き抜けやロフトの新設
マンションの場合はロフトであれば比較的安価に作ることもできるため、気になる方は施工会社に相談してみましょう。
戸建住宅の場合は、リノベーションで既存の床を開けて吹き抜けにしたり、小屋裏をロフトに変更することができます。
この場合、床や天井を大幅に解体する必要がありますし、家の耐震力にも影響があるため、耐震診断や耐震補強をしなければならないため、どうしても費用は膨らんでしまいます。
その⑨ 全体的な断熱改修や耐震改修
マンションは専有部で可能な断熱(二重窓・断熱窓など)に限定されがちで、躯体等の共用部は原則不可です。
戸建ての全面断熱・耐震は解体範囲が拡大し、費用上振れ要因になります。
家全体を断熱改修する際には、壁内や天井裏、床下などへ断熱材を充填したり、窓・玄関ドアを断熱仕様のものに変えなくてはいけません。
耐震改修の場合も同様で、壁や天井、床を解体し、構造体を増やしたり、間仕切り壁を追加したりする必要があります。
そのため、一般的な内装リノベーションや設備機器の取り替えと比べると、工事範囲が大幅に拡大します。
なお断熱窓改修は「先進的窓リノベ2025事業」の対象です(申請は登録事業者経由)。
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リノベーションのプランニングで“できること”と”できないこと”は?
その⑩ 資材価格等の変動の影響
近年、木材や鉄鋼、輸入建材などの価格が世界的な需給バランスの変化や為替の影響を受けて高騰しています。
2021年頃から続く木材価格の上昇(いわゆるウッドショック)に加え、輸送コストや円安の影響で、キッチン・ユニットバス・床材などの住宅設備や内装材も値上げが相次ぎました。
その結果、同じ仕様・工事内容でも2020年比で2025年は総工費が1〜2割程度上昇しているケースがあります。
また、メーカーの価格改定の影響で、見積有効期限やメーカー改定時期に留意してください。
資材価格は今後も大幅な値下げは見込みにくいとされていますので、早めの検討を意識すると、不要なコスト上昇を避けやすくなります。
■ リノベーション予算の立て方|費用を抑える6つのコツと業者選びの注意点
リノベーションは物件の現状やプランによって費用は全くと言っていいほど異なります。
住み心地やデザインを妥協せずに、リーズナブルなリノベーションを実現するには、次のような点に注意するとよいでしょう。
リノベーション費用を抑える6つのコツ
①できるだけ今の間取りを活かす
ダイナミックな間取り変更は、リノベーションの醍醐味の一つです。
しかし、間取りに不満がなければ、あえて大きく変える必要はありません。
理想と予算を踏まえてプランナーに最適な間取りを提案してもらうのがおすすめです。
②複数の工事をまとめる
時間をかけて部分的にリフォームしていく方法もありますが、工事の回数分、諸経費が余分にかかります。
部分的に手を加えていくと、部材の質感や、仕上げの微妙なトーンが変わり、空間の統一感が損なわれてしまうこともあります。
できるだけ複数の工事をまとめて行うことで、同じ職人さんが通しで施工できるので施工品質も安定するうえ、トータル費用も抑えることができます。
③設備にこだわりすぎない
有名ブランドメーカーの設備は、多機能であることが多く、費用はその分割高になります。
リノベのプロ御用達の建材やメーカー品は、品質が良く、費用もリーズナブルなものが数多くあります。
施工実績が多いリノベーション専門会社に相談すると、おすすめの製品を案内してくれるでしょう。
④リノベーション会社の得意分野を知る
リノベーション会社には、デザイン性の高いおしゃれなマンションリノベーションが得意な施工会社、リノベ向きの中古物件探しが得意なリノベーション会社、戸建ての安価で小回りがきくリフォームが得意な会社などがあります。
マンションリノベーションが得意な会社は、多様なマンション物件に応じた設計・デザインや施工のノウハウがあります。
リノベ向きの中古物件探しが得意なリノベーション会社は、独自の不動産物件の情報収集力と、リノベ向きかどうかを見抜く「目利き力」があります。
失敗しないリノベーション会社選びは、リノベーション会社の得意分野を知ることが大切。
ホームページや店舗などでリノベーション事例やお客様の声をチェックしたり、カタログを請求するなどの問い合わせをして、見学会などのイベントなどに参加してみることもおすすめです。
⑤ワンストップリノベーションを選ぶ
中古マンションや戸建てなどの「物件探し」からはじめる場合は、ワンストップリノベーションサービスを提供しているリノベーション会社を活用すると、トータルの費用が抑えられます。
リノベーションを前提に物件を探して、その物件の個性を最大限に活用したリノベーションを計画すれば、中古物件の購入費とリノベーション費用のトータルコストを踏まえた計画が立てられます。
既存の間取りを最大限に活用できれば、間取り変更の予算は最小限で済み、キッチンや造作家具など、こだわりたい部分に予算を充てやすくなります。
FP(ファイナンシャルプランナー)が資金計画の相談にのってくれる「ワンストップリノベーション会社」もあります。
ローン金利や住宅ローン控除や減税制度などのアドバイスももらえますので、住宅購入時の初期投資から、入居後のランニングコストまで、ライフプランに応じてた最適な資金計画が立てられます。
⑥補助金・減税制度を活用する
資金計画を策定する際は、国や自治体のリフォーム・リノベーション補助金を早めに確認しておきましょう。
例えば、「子育てグリーン住宅支援事業」や「先進的窓リノベ2025事業」などの断熱などの省エネ改修、子育てしやすい家にするための改修、バリアフリー化、耐震補強など、さまざまな補助金があります。
自治体によって制度が異なり、国の補助金も募集時期によって制度要件や受付締め切りが変更になる場合がありますので、公式ホームページで最新情報の確認が必要です。
確定申告での住宅ローン減税などを活用すれば、入居後の返済金利分の費用を一定期間継続して軽減することができます。
資金計画はさまざまな工夫が可能ですので、リノベーションの資金計画に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
▶︎リノベーションに使える補助金のご相談・お見積もりはこちらから
リノベーション事例を見る:Case144「アメリカンヴィンテージ」
リノベーション会社・業者選びの注意点
「工事を頼むか分からない」「費用によってはできないかもしれない」と思い、プロに相談することを躊躇してしまう人もいますが、この点については全く気にする必要はありません。
そもそも、予算が立てられなければ、リノベーション計画自体始められないからです。
中古物件を購入する場合は、物件費用とリノベーション費用の合計で予算を検討する必要があります。
ローンの利子、手数料や諸経費、工事中の仮住まい家賃やコンテナ代、引越し費用などの諸々の経費も忘れてはいけません。
近年は物件価格や建築資材が高騰していますので、施工のタイミングによっても費用が変動します。
このような条件を加味して全てを自分でリサーチして、費用を抑えながら理想の暮らしを実現する方法をシミュレーションするのは大変ですよね。
そこでおすすめなのが、物件探しからリノベーションまでをワンストップで相談できるリノベーション会社を活用する方法です。
■ 費用を抑えるなら“ワンストップリノベーション”がおすすめ
先ほどもお伝えしたように、リノベーションをする物件の現況、工事の範囲、機器や建材などのグレードによって、相場はいくらと一概には言い切れません。
相場はあくまでも目安です。具体的にリノベーション計画を進めるためには、物件を選び、その物件の状態を正確にチェックしたうえで、リノベーション費用を内訳が明確になるまで詳細に見積もらなくてはいけません。
以前は、まず不動産会社で物件を探して、その後、リノベーション会社で施工するのが一般的でした。
現在は、まずリノベーション会社に相談してリノベ向きの物件を探し、その物件の特徴を最大限に活かしたリノベーション工事をする「ワンストップリノベーション」を選ぶ方が増えています。
私たち“SHUKEN Re”の「ワンストップリノベーション」は、リノベ向きの物件探しから、オーダーメイドのリノベーションまでワンストップでお手伝いしています。
不動産知識と建築知識の両方を持った私たちだからこそ、トータルコストを抑えた物件探しが可能になります。
また、ローン相談やインテリアデザイン、オーダーメイドの造作家具の製作も、それぞれ専門スタッフがお手伝いしています。
物件購入からリノベーション、引越しまで、理想の暮らしを納得のプランで実現したい!という方は、ぜひご相談ください。
▶︎物件探しやリノベーションのご相談・お見積もりはこちらから
■ “SHUKEN Re”のリノベーション費用と料金プラン
私たち “SHUKEN Re”では、お客様のご要望に合わせたリノベーションプランをご用意しています。
いずれのプランもオーダーメイドが可能ですので、お気軽にご相談ください。
当社のスタンダードプランで、コストを抑えながらもお客様のご要望に合わせて、スタイリッシュで世界に一つだけの住まいづくりをご提案いたします。
内装や設備の更新、間取り移動など基本的なリノベーション工事が含まれています。
デザインテイストや設備機器、内装材も選択肢があるため、スタンダードグレードながらもおしゃれなマイホームが実現できます。【㎡単価目安=16.25万円】▶︎アールイーの詳細はこちらから


長く住み続けられるマイホームだからこそ、デザインや機能にこだわりたいですよね。
こちらは、そんな人におすすめの、素材にこだわり抜いた贅沢な設えが組み込まれたハイグレードプランです。
アールイーと比べると内装材や設備機器の選択肢が増え、造作家具の追加なども可能。
オリジナリティ溢れる生活にフィットした住まいが実現します。【㎡単価目安=20万円】▶︎グラントの詳細はこちらから


人生の第2章を最高に楽しむためのライフイベント・リノベーションをコンセプトに、ずっと大切に使ってきたお気に入りの家具を活かしたプランニングや、バリアフリーに考慮したデザインをご提案します。
水廻り設備についても「全部盛り」のフルリノベではなく、必要な機能だけを取り入れて、ご予算にフィットしたプランにすることも可能です。【㎡単価目安=20万円】▶︎ふたり暮らしの詳細はこちらから
これらプランの他にも、物件探しからリノベーションまでワンストップでお手伝いする「ワンストップリノベーション」サービスがあります。
マンション・ビル・社員寮・社宅等の一棟全体の空間施工をご提案する「一棟リノベーション」などのサービスもご用意しています。ぜひお気軽にご相談ください。
■まとめ:費用は物件ごとに異なる。予算見積もりはプロに相談を
リノベーションをしたい!と思ったとき、やっぱり気になるのが費用です。
リノベーション費用の相場は、マンション15〜20万円/㎡(70㎡の場合1,050万〜1,400万円)、戸建て10〜22万円/㎡(100㎡の場合1,000万〜2,200万円)です。
SHUKEN Reのリノベーション費用は、自社実績では16~18万円/㎡(70㎡の場合1,120万〜)の中級グレードが最多です。
世界に二つと同じケースのないリノベーションでは、相場はあくまでも目安です。
築年数や物件の現状、ご要望など様々な要素によって、プランや費用が大きく変動します。
具体的な予算を検討する際は、早めにリノベーション会社に相談して概算見積もりを取得するのがおすすめです。
中古物件購入の物件探しを、資金計画やリノベーションの設計・施工面でもアドバイスできるリノベ専門の不動産会社に相談すれば、トータルの予算と費用の内訳が具体的に見えてきます。
私たちSHUKEN Reは、東京・千葉・神奈川を中心に、1998年以来、25年超で約8,000件のリノベーションやリフォームのお手伝いをしてきた実績を持つ専門家集団です。
一級建築士、宅地建物取引士、リノベーションプランナー、そして現場を熟知した施工管理技士といった、多様なプロフェッショナルが在籍しています。
フルオーダーメイドのおしゃれなリノベーションをリーズナブルな価格で提供していますので、トータルコストを抑えたい人は、ぜひお気軽にご相談ください。
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