“リフォーム済み”中古物件購入時の注意点や確認すべきポイント9選
中古住宅の市場において、注目されているのが「リフォーム済み・リノベーション済み物件」です。
しかし、物件選びの際にどのような注意点があるのか知らない方も多いでしょう。
そこで、今回は「リフォーム済み・リノベーション済み物件」を選ぶ際のポイントを紹介します。
これからマイホーム購入を検討する方は、ぜひ参考にしてください。
・リフォーム済みの中古住宅は、ローンの一本化や購入後即入居できるなどのメリットがありますが、性能が不十分な場合もあるので、じっくり物件選びをしましょう。
・ 思うようなリフォーム済み物件が見つからない場合は、「中古を買ってリノベ」という方法もおすすめです。
・私たち“howzlife”では、中古住宅の物件探しをリノベーションのプロがサポートする「ワンストップリノベーション」サービスをご用意しています。
Contents
リフォーム済み中古住宅のメリットは?
リフォーム済みの中古住宅とは、不動産会社などが中古住宅を購入し、リノベーションしてから売り出す物件。
これらは、不動産のプロが“売れる”と見込んで購入・改修するため、立地条件や管理状況などが比較的良い物件が多い点が特徴です。
また、既に設備機器や内装が更新されているため、買主が購入後に費用をかける必要がなく、住宅ローン・リフォームローンと複数借入をする必要はありません。
購入後にすぐ入居できる点も大きな魅力。
通常は、中古物件を購入してリノベーションするとなると、工事期間中は仮住まいにかかる費用と購入した物件にかかる費用が重複してしまうでしょう。
しかし、リフォーム済み物件ですとその心配はなく、住み替えコストを抑えられます。
また、万が一住み始めてから不具合が見つかったとしても、リフォーム済みで不動産会社(法人)から売り出されている物件については「契約不適合責任」が付帯される点も大きなメリット。
買主は売主へ「履行の追完請求権」「代金減額請求権」「債務不履行の規定による損害賠償」「債務不履行の規定による契約解除」を申し出る権利があります。(参考:一般財団法人 住宅金融普及協会|瑕疵担保責任から契約不適合責任へ)
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リフォーム済み物件=買取再販物件
中古住宅について調べていると「買取再販物件」というキーワードを見かけませんか?
不動産会社が中古物件を買い取り、自社でリノベーションを行って売りに出す物件です。
(引用:国土交通省|買取再販事業について)
つまり、まさに“リフォーム済み物件”そのもの。
売主が個人ではなく法人であるものを指します。
実は、この買取再販物件の数は年々増加しており、都市部を中心に住宅業界における一事業として確立しつつあるのです。
(引用:国土交通省|買取再販事業について)
つまり、マイホーム購入を検討する際に、「新築住宅」「中古住宅+リノベーション」に加え「リフォーム済み物件」を選択肢に入れる方が増えているということです。
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リフォーム済み中古物件を購入する際の注意点とチェックポイント
メリットが多く人気の高い“リフォーム済み”物件ですが、見つけたからと言って即決するのは少々リスクが伴います。
購入を後悔しないためにも、これから紹介する9つのポイントを必ず確認しましょう。
その① 工事範囲はどこか
リフォーム済み物件は見た目がきれいなため、建物本体の状態が把握しにくい点には注意しなくてはいけません。
必ず「いつ・どこを」改修したのかを確認しましょう。
可能であれば、ビフォー・アフター両方の図面を見せてもらうのもおすすめです。
工事範囲と時期を知れば、どこまで劣化などが直されているのかや、新築時からそのままになっている部分がどこなのかが分かります。
住み始めてからのメンテナンス計画を立てる上でも貴重な情報なので、購入を決断する前に必ず売主へ聞いてみてください。
その② リフォーム費用が上乗せされていないか
“リフォーム済み”と言っても、その工事内容は様々です。
フルリノベーションされている物件もあれば、内装や設備機器の入れ替えだけ行う表層リノベーションがされている物件もあります。
ここでポイントなのが、それらの工事費を単純に物件価格に上乗せされていないかという点です。
単純に、「物件相場価格 + 標準的なリノベーション価格」であれば問題ないのですが、“リフォーム済み”というオプションを掲げて過剰な価格設定がされている場合もゼロではありません。
そのため、提示価格をそのまま鵜呑みにせずに、相場に合っているかどうかを必ず確認しましょう。
一戸建て住宅をフルリノベーションした場合の坪単価目安は「30〜60万円 (1㎡単価 10〜22万円)」程度です。
似たような条件のリフォームされていない物件価格を踏まえ、極端に高くないかチェックしてみてください。
中古住宅の価格相場を知りたい方は、国土交通省の運営している「不動産取引価格情報検索」サービスがおすすめです。
市区町村単位まで物件を絞り込め、取引金額だけではなく大きさや築年数まで分かります。
その③ 法令に則した住宅か・違反はないか
それほど多くはありませんが、まれに違法に増築されているなど、建築基準法をなどの法令に違反している中古住宅が売りに出されているケースもあります。
構造や間取りに問題がなくても、いわゆる違法建築であれば、住宅ローンが通らなかったり、将来的に確認申請の伴うリノベーションができなかったり、スムーズに売却できなかったりする可能性があるのです。
資産価値も大きく下がってしまうため、いくら気に入っても購入は絶対におすすめできません。
よくある違反事項が、「建蔽率・容積率オーバー」や、「接道義務違反」です。
「接道義務違反」
旗竿敷地など、現行の建築基準法で定められた接道長さを満たしていない土地に建てられた建物は、将来建て替えできないため、売却の際に大きく不利になります。
ただし、接道義務が建築基準法によって定められたのは1950年なので、現存する中古住宅はごくわずかです。
(引用:国土交通省)
その④ 耐震性は十分か
築年数の古い中古住宅を購入する際には、その耐震性もしっかり確認しましょう。
一つの目安となるのが、建築時期です。
1981年に建築基準法の大きな改正があり、1981年5月31日までに建築確認を受けた建物「旧耐震基準」と、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物「新耐震基準」とでは、耐震性に大きな差があります。
その後2005年にも再び建築基準法が改正されたため、新耐震基準をクリアしていても、築18年を超える住宅は現行の法律に基づく耐震性能は持っていません。
(引用:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)
ただし、古い住宅の全てにおいて耐震性が不十分とは限りません。
リノベーションの際に、耐震診断を行い、適切な耐震補強をしている物件も多いです。
購入を検討する際には、耐震診断・耐震補強の実施有無について、必ず売主へ確認しましょう。
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その⑤ 断熱性は十分か
いくら見た目がきれいに生まれ変わっていても、家の断熱性が低ければ快適な生活は送れません。
また、結露によって、壁紙などだけではなく、柱などの構造体にまでカビや腐朽が発生している恐れもあります。
そのため、リフォームの際に断熱工事がされたかどうかは、重要なポイントです。
最近建てられた住宅は省エネ性の観点から求められる断熱水準が高まっていますが、築30年を超える住宅ですと、最近建てられた新築住宅の半分程度しか断熱性能がない可能性もあります。
※1980年と2023年の外皮平均熱貫流率基準を比較した場合(参考:ホームズ君|省エネ基準の変遷)
もし、断熱性に関して新築時より何も改善されていないと、冬寒く夏暑い家になるだけではなく、結露によって住宅の劣化が早まったり、空調にかかる光熱費がかさんだりしてしまいます。
せっかくリフォーム済みの物件を買っても、後から費用をかけて断熱リノベーションをしなくてはいけなくなるかもしれません。
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その⑥ 間取り・デザインは好みに合っているか
リフォーム済み物件最大のデメリットでもあるのが、間取りとデザインを自身で決められないという点です。
いくらリフォーム済みであっても、間取りやデザインが思い通りでなければ、無理して購入することはありません。
購入してからリノベーションし直す方法もありますが、それではコストが無駄になってしまいますし、すぐに引っ越せるというメリットも活かしきれないでしょう。
間取りやデザインに強いこだわりがある方は、リフォーム済み物件ではなく、まだ手をつけられていない現状渡しの中古住宅を選びましょう。
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その⑦ 主要構造部に劣化はないか
主要構造部とは、木造住宅の耐力を担う重要な構造部を指します。
第1条第3号 構造耐力上主要な部分
構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
(引用:建築基準法施行令)
これらの部分が著しく劣化していると、もはやリフォームではどうしようもできない可能性もありますし、入れ替えようとしても費用がかなりかかります。
そのため、設備機器や内装がきれいになっていることに惑わされず、主要構造部に劣化がないか確認する必要があるのです。
そこでおすすめなのが、「ホームインスペクション」。
ホームインスペクションとは、売主・買主に関わらない第三者である専門家が、建物の性能や劣化をチェックする“住宅診断”です。
見えない部分の劣化、例えばシロアリ被害や雨漏りの有無、地盤沈下の可能性などまで調査してもらえます。
一般の方では気がつきにくい重大な不具合を見つけてもらえますので、ある程度購入の意思が決まった段階で手配し、診断士に建物の最終チェックをしてもらいましょう。
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その⑧ 住宅ローンの融資金額・返済期間は理想通りか
こちらはリフォーム済み物件に限った注意点ではありませんが、中古住宅は全般的に新築住宅よりローン審査が厳しく、想定していた額の融資を受けられない可能性があります。
なぜなら、中古住宅は担保価値が低いと判断されてしまうからです。
「リフォーム済みなら価値が高まるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、担保価値算定上ではあまり関係ありません。
そのため、中古住宅を購入する前には、できるだけ早めに事前審査を受けて「どの程度の融資が受けられるのか」を把握しておくことをおすすめします。
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その⑨ 万が一不具合が起きた場合の保証はあるか
リフォームは住宅それぞれで間取りや仕様が異なりますし、施工会社によっても工法は違います。
そのため、万が一住み始めてから不具合があった場合にどのような対応をしてもらえるのかは重要なポイントです。
売主が不動産会社のような法人の場合は、「契約不適合責任」が適応され、是正などを無償で行ってもらえますが、契約書で“免責”と明記されている箇所は対象となりません。
必ず、購入前に契約資料へ記載されている免責事項をしっかりと確認しましょう。
リフォームを売主が自社で行っている場合は、独自の施工保証サービスやアフターメンテナンスサービスを用意しているところもありますので、そちらも重要なチェックポイントです。
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リノベーションしていない中古住宅を検討してみるのもおすすめ
“リフォーム済み”物件を探していても、思うような物件と出会えない場合は、ぜひリフォーム・リノベーションされていない住宅も視野に入れてみてください。
新築住宅・リフォーム済み物件よりも物件価格も安めですし、思い通りの間取りやデザインをイチから作り出せます。
ただし、理想の住まいを実現できる物件かどうかを見極めるには、どうしても建築的知見が必要です。
また、場合によっては住宅ローンとリフォームローンの両方を組まなくてはいけないかもしれません。
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ワンストップリノベーションのメリット・デメリットは?リノベ事例も紹介
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まとめ:“リフォーム済み”と“未リフォーム”の物件を比較検討しましょう
リフォーム済み物件は、新築よりも価格を抑えられ、なおかつ購入後すぐに入居できるというメリットがあります。
しかし、一方で思わぬ不具合が見つかる可能性もあるため、物件選びには慎重にならなくてはいけません。
どうしても思うような条件のリフォーム済み中古住宅が見つからない場合は、ぜひ“未リフォーム”の物件も視野に入れてみてください。
発想を少し変えるだけで、より理想のマイホームが手に入るかもしれません。
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