公開日:2026-09-23
老後はマンションか一戸建てか|暮らし方とリノベーションで選ぶポイント

老後の住まいを考えるとき、「マンションと一戸建て、どちらがいいのか」で迷う方は多いのではないでしょうか。
SHUKEN Reにも、お子さまの独立を機に住まいを見直す50代・60代の方から、どちらを選べばよいか決めきれない、というご相談が寄せられます。
マンションと一戸建ては、どちらかが一方的に優れているわけではありません。
大切なのは、老後の暮らし方に合うのはどちらか、という視点です。
さらに、リノベーションを前提にすると、それぞれの弱点を補える範囲も見えてきます。
このコラムでは、マンションと一戸建ての違いを比較して、暮らし方から選ぶ考え方と、リノベーションで変えられる範囲と実例を紹介します。
自分たちに合った住まいを選ぶ手がかりとして、ぜひ参考にしてくださいね。
- ・マンションと一戸建ては、より自分の老後の暮らし方やライフプランに合うのはどちらか、という視点で考えると選びやすくなります。
- ・リノベーションを前提に考えると、マンションと一戸建てのどちらも、設備の古さや段差などの弱点をどこまで補えるかが見えてきます。気になる点だけで候補を外さずに済むので、住まい選びの幅が広がります。
- ・リノベーションでは変えられない建物構造や、変えにくい管理の仕組みなどの違いを踏まえて、どちらが自分に合っているか考えると、納得して選びやすくなります。
目次
■老後の暮らしで見るマンションと一戸建ての違い

マンションのリノベーション事例を見る:Case174「Second Stage」
マンションと一戸建てには、老後の暮らしにかかわる違いがいくつかあります。
まずは生活動線や維持管理など、複数の視点で比較した表を紹介します。
|
視点 |
マンション |
一戸建て |
|
日々の動線 |
ワンフロアで完結しやすい |
2階建て以上は階段が生じやすい(平屋ならワンフロア) |
|
維持管理 |
共用部は管理組合・管理会社が担う |
屋根・外壁なども自分で手配する |
|
毎月の費用 |
管理費・修繕積立金がかかる |
積立の義務はないが修繕費を自分で備える |
|
立地 |
駅近など利便性の高い物件が多い |
郊外の落ち着いた環境が多い |
|
防犯 |
オートロックなど共用の設備がある |
防犯対策を自分で用意する |
|
間取りの自由度 |
専有部は変えやすいが共用部・規約の制約がある |
構造の範囲で比較的自由に変えられる |
|
資産の考え方 |
立地次第で需要を保ちやすい |
建物より土地が資産として残りやすい |
どちらが良いかは、住む期間や暮らし方などによって変わります。
また、資産性についても立地や建物の状態次第なので、一律にどちらが優れているとは言えません。
上記はあくまで傾向として捉え、次章で解説する見極めポイントを、自分の暮らしに当てはめて考えてみてください。
項目ごとにもっと細かく診断したい場合は、暮らし全般の視点で比較した以下のコラムも参考にしてください。
〈関連コラム〉
【都内で中古物件購入】マンション・戸建どっちがいい?9項目の診断ポイントを解説
■老後のマンション暮らし・一戸建て暮らしを選ぶポイント

マンションのリノベーション事例を見る:Case221「Each room」
マンションと一戸建てのどちらが良いかを決める前に、「老後にどんな暮らし方をしたいか」を先に思い描くと、選びやすくなります。
生活動線・維持管理・立地の3つの視点から、自分に合っているかどうかを具体的にイメージしてみましょう。
体の変化と住まいの生活動線
年齢を重ねると、階段の上り下りが負担に感じられることがあります。
動線の短さ、移動の楽さを重視するなら、すべての部屋がワンフロアに収まるマンションや、階段のない平屋が適しています。
〈関連コラム〉
平屋リノベーションのメリット・デメリット|費用相場や注意点も
また、2階建て以上でもLDKと水回り・主寝室が1階にあり、生活がほぼ1階で完結する間取りの一戸建ても選択肢になります。
維持管理の手間
住まいの維持管理やメンテナンスの手間をどこまで負担に感じるか、価値観は人それぞれです。
建物全体の維持を管理組合や管理会社に任せて負担を少なくしたいなら、マンションが向いています。
一方、庭の手入れや建物のメンテナンスも自分の裁量で手をかけたいなら、一戸建てが合っています。
立地と移動手段
老後に車の運転をやめたあとの生活を考えると、駅やスーパー、病院などに近い立地の方が暮らしやすくなります。
マンションは駅近の物件が多く、一戸建ては環境の落ち着いた郊外に多い傾向です。
将来の移動手段はどうなるかを具体的にイメージして、無理なく生活できる立地で住まいの形を考えることも1つの判断基準になります。
■リノベーションを前提にした老後の住まい選びのポイント

マンションのリノベーション事例を見る:Case202「Like a one-room」
マンションも一戸建ても、リノベーションをすれば、古くなった間取りや設備を、ある程度まで住みやすく変えられます。
ただし、変えられる部分と、建物の構造や制約上どうしても変えにくい部分があるのも事実です。
両方を知っておくと、それぞれの住まいで気になる点をリノベーションで補えるかどうかまで見極めた上で選べます。
マンションで変えられること・変えにくいこと
専有部分(室内)は、間取りや水回りをある程度自由に変えられます。
壁を取り払って広いワンルームのように使ったり、回遊できる動線をつくったりと、老後の暮らしに合わせて住みやすくできます。
ただし、撤去できない構造壁や、管理規約による床材・水回りのルールがあり、一戸建てほど自由に変えられるわけではありません。
さらに、共用部分にかかわる工事は、区分所有の性質上、管理組合の決議が必要です。
例えば建物の耐震改修は、一戸建てのように自分の判断だけで部分的に進めることはできません。
ワンフロアでバリアフリー化しやすい強みを活かしつつ、専有部でどこまで変えられるかを確認しておきましょう。
あわせて、共用部分の制約や建物の耐震性(旧耐震か新耐震か、耐震診断・改修の実施状況)も購入前に確認しておくと安心です。
〈関連コラム〉
新耐震基準はいつから?旧耐震との違い・見分け方・中古マンション購入前に確認すべきポイント
一戸建てで変えられること・変えにくいこと
一戸建ては、構造の範囲で比較的自由に間取りを変えられ、増改築の選択肢も広い点がメリットです。
ただし、段差の解消や断熱性能・耐震性能などを強化できる範囲と費用は、建物の構造や状態によって大きく変わります。
また、一戸建ては屋根や外壁、外構などの維持管理費用も、自分で備えておく必要がある点に注意が必要です。
自由度の高さとメンテナンスの手間の両面から考えると、暮らし始めてからの後悔を防ぎやすくなります。
| 種類 |
リノベーションで変えやすい部分 |
リノベーションで変えにくい部分と注意点 |
|
マンション |
専有部の間取り・水回り・内装 |
共用部分にかかわる工事は管理組合の決議が必要(区分所有の性質上)。専有部分の床材や水回りなどの変更は管理規約の制約を受ける |
|
一戸建て |
性能向上も含めた増改築の自由度が高い |
段差解消や断熱・耐震改修は構造によって実施できる工事の種類や範囲が変わる。建物状態によって工事費用の幅が大きい |
気になる住まいで希望がかなうかどうかを、購入前に建物の状態とあわせて確認しておくと安心です。
〈関連コラム〉
【2026年版】リノベーション費用相場|マンション15〜20万円/㎡・戸建て10〜22万円/㎡の実例
リノベーション実例:マンションを大きく変えて、人生の新たな章へ|神奈川県横浜市・60代

マンションのリノベーション事例を見る:Case233「New Chapter」
息子さんの独立を機に、より明るい住まいを求めて住み替えをされた60代ご夫妻のマンションリノベーション実例です。
Before

After

リノベーションで間取りを3LDKから1LDKに再構築し、家のどこにいても移動しやすい回遊動線と、開放的なオープンキッチンのある住まいに一新しました。

マンションのリノベーション事例を見る:Case233「New Chapter」
住み替えにあわせて持ち物を整理し、寝室にはウォークスルークローゼットとご主人のワークスペースをつなげて、ふたりそれぞれの居場所も確保しています。

マンションのリノベーション事例を見る:Case233「New Chapter」
|
物件項目 |
内容 |
|
築年数 |
17年 |
|
リノベーション後の間取り |
3LDK→1LDK+WTC+納戸+書斎 |
|
専有面積 |
98.5㎡ |
〈お施主さまの声〉
「広々としたキッチンは作業がしやすく、住み替えてからは夫と2人で作業することが増えました。テレビを見ながら、外の景色を眺めながら作業できるのも気に入っています」
「リビングのソファにゆったり座って、お茶を飲みながら録画したドラマを見る時間に幸せを感じます」
リノベーション実例:段差と寒さを解消し、収納豊富な一戸建てに|東京都世田谷区・60代

一戸建てのリノベーション事例を見る:Case181「Backyard」
20年暮らした一戸建てを、これからのふたりの暮らしに合わせてリノベーションされた60代ご夫婦の実例です。
Before

After

リノベーションでは、「今後のことも見据えてバリアフリーも考えておきたい」という思いから、主に1階を中心に住まいを整えました。

一戸建てのリノベーション事例を見る:Case181「Backyard」
リビング横にあった和室を撤去して段差をなくし、明るく広いリビングダイニングに一新しました。

一戸建てのリノベーション事例を見る:Case181「Backyard」
窓にはインナーサッシ、洗面室には床暖房を入れ、冬の寒暖差による体への負担(ヒートショック)にも備えています。

一戸建てのリノベーション事例を見る:Case181「Backyard」
玄関・階段・浴室に設けた手すりも、暮らしの安心につながっています。
収納は、「今の持ち物を減らさずに片付けられるようになること」をテーマにプランニングしました。

一戸建てのリノベーション事例を見る:Case181「Backyard」
キッチンの背面収納やウォークインクローゼット、階段下収納などを適材適所に設けたことで、衣類や生活用品が収納したい場所に収まるようになりました。
|
物件項目 |
内容 |
|
築年数 |
20年 |
|
リノベーション後の間取り |
4LDK→3LDK+WIC |
|
延床面積 |
129㎡ |
〈お施主さまの声〉
「手すりは、ちょっと体を支えられるだけでこんなにラクなんだ!と実感しています」
「持ち物が納まるべきところに納まったのがうれしい。こちらの要望にきちんと応えてくれるリノベ会社さんに出会えたことが大きかったですね」
マンションでも一戸建てでも、希望の暮らしがかなうかどうかは、建物ごとに変わります。購入前に、実現できる範囲を一緒に確認しませんか。
SHUKEN Reなら、不動産と建築の両面から、変えられる範囲を具体的にご提案します。
▶︎50代からの二人暮らし~セカンドライフのためのマンション・一戸建てリノベーション
■老後にマンションが向いている人・一戸建てが向いている人

マンションのリノベーション事例を見る:Case206「Memorable」
前章まででご紹介した、マンション・一戸建ての特徴とリノベーションで変えられる範囲を踏まえて、それぞれに向いているケースをまとめます。
〈マンションが向いているケース〉
- ・ワンフロアで段差の少ない暮らしをしたい(平屋の一戸建ても選択肢になります)
- ・建物全体の維持を管理組合・管理会社に任せたい
- ・駅やスーパーに近い、利便性の高い立地で暮らしたい
- ・オートロックなど、セキュリティ面の安心を得やすい住まいがよい
- ・ゴミ出しの時間や、屋外の掃除の手間を減らしたい
〈一戸建てが向いているケース〉
- ・庭や趣味のスペースなど、自由度の高い住まいにしたい
- ・建物や庭の手入れも含めて、自分の裁量で手をかけたい
- ・車を使う生活で、郊外の落ち着いた環境を望む
- ・上下左右の生活音を気にせず暮らしたい
- ・ペットをのびのび遊ばせられる環境で暮らしたい
どちらの場合も、リノベーションで弱点を補いながら、暮らし方に合った住まいに整えられます。
マンションについてもう少し詳しく知りたい方は、老後のマンションで気をつけたい後悔と対策を、以下のコラムでお伝えしています。
〈関連コラム〉
老後のマンション暮らしの後悔を防ぐ|リノベで住みやすくする方法と物件選びのコツ
■老後の住み替えの資金計画とタイミング

マンションのリノベーション事例を見る:Case237「Ingenuity」
マンションでも一戸建てでも、住み替えには資金計画とタイミングの見極めが欠かせません。
基本の考え方を押さえておきましょう。
資金計画の基本
今の住まいの売却と、新しい住まいの購入・リノベーションは、同時に考えることが大切です。
マンションなら購入後も管理費・修繕積立金がかかります。
国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(令和6年6月公表)では、駐車場使用料等からの充当額を除いた1戸あたりの月額平均は、管理費が11,503円、修繕積立金が13,054円と報告されています。
〈参考〉国土交通省ウェブサイト「令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)」
金額は建物の規模・築年数・設備によって幅があり、修繕積立金は長期修繕計画の見直しにともなって増額される場合もあります。
一戸建てはこうした毎月の積立義務がない一方、屋根・外壁・給湯器などの修繕費を自分で計画的に備える必要があります。
住宅ローンを利用する場合は、年齢や返済期間の条件もあわせて確認しておきましょう。
月々の負担まで含めて、老後の収支に無理がないかを見通しておくと安心です。
住み替えのタイミングの考え方
住み替えは、気力・体力に余裕があるうちに進めると、持ち物の整理や新しい暮らしへの移行がスムーズです。
売り先行・買い先行など進め方にも選択肢があるため、無理のない順序を専門家と相談しながら決めると安心です。
〈関連コラム〉
【住み替えの税金】3,000万円控除などの特例と老後に向けた最適なタイミングを解説
SHUKEN Reでは、物件探しからリノベーションまで含めた、理想のセカンドライフを実現できる住まいへの住み替えをお手伝いします。
▶︎50代からの二人暮らし~セカンドライフのためのマンション・一戸建てリノベーション
■老後の住まい選びに関するQ&A

最後に、東京・千葉・神奈川エリアで約25年にわたり8,000件超のリノベーション設計・施工実績があるSHUKEN Reが、老後の住まい選びにまつわるよくある疑問にお答えします。
■まとめ
老後の住まいにマンションと一戸建てのどちらを選ぶのが良いかは、決まった答えがあるわけではありません。
ワンフロアの動線・維持管理の手軽さ・駅近の利便性を優先するならマンション、庭や趣味のスペースの自由度と、自分の裁量で手をかけられることを優先するなら一戸建てが選びやすくなります。
そのうえで、リノベーションでどこまで補えるかを重ねて考えると、自分のライフプランや暮らし方の希望に合う住まいを判断しやすくなります。
また、住まいをフルリノベーションすれば、これからの暮らしが快適になる間取りに変えたり、好きなテイストの内装にこだわったりできるため、セカンドライフがより安心で豊かなものになります。
SHUKEN Reは、東京・千葉・神奈川で、老後の暮らしを見据えたマンションと一戸建ての物件探しからリノベーションまで、ワンストップでお手伝いします。
まずはお気軽にご相談ください。
Q 老後は賃貸と持ち家、どちらがいい?
一概にどちらが良いとは言えません。
持ち家は住まいを自由に整えやすく、賃貸は住み替えのしやすさというそれぞれのメリットがあります。
老後にどんな暮らし方をしたいかや、住む期間の見通しとあわせて考えると選びやすくなります。
Q 60代からでも住宅ローンは組める?
組める場合があります。
たとえば【フラット35】は、申込時の年齢が満70歳未満であることが条件で、借入期間は「80歳-申込時の年齢」と35年のいずれか短い方が上限とされています。
〈参考〉住宅金融支援機構「【フラット35】ご利用条件」
民間の住宅ローンも完済時年齢に上限を設けているのが一般的で、返済期間が短くなるぶん毎月の返済額は大きくなります。
実際の条件は金融機関や収入、健康状態によって変わるため、事前に確認しておくと安心です。
無理のない返済計画を立てることが、老後の安心につながります。
Q マンションと一戸建て、資産として残りやすいのはどちら?
一概には言えませんが、どちらも立地や建物の状態によって変わるため、条件とあわせて判断することが大切です。
マンションは需要が高い立地なら売却もしやすいですが、建物全体の管理状態も評価に影響するため、購入前のチェックが重要になります。
また、一戸建ては建物より土地が資産として残りやすい傾向があるため、立地が重要であることは同じですが、ZEHや長期優良住宅などの基準を満たしていれば建物の評価が上がる場合もあります。









