【古い家のリフォーム】メリット・デメリットと費用目安、建て替えとの違い、物件選びのポイントを解説
「古い家を買ってレトロでおしゃれな家にリフォームしたい」「新築住宅や建て替えと中古住宅のリフォームを迷っている」という方のために、中古住宅の寿命からリフォーム費用の相場、メリット・デメリット、築年数と間取りが分かる施工事例を一挙に解説します。
その他スケジュールの目安やお得な補助金・減税制度、自分でDIYリフォームする際の注意点など“よくある質問”も紹介しますので、マイホーム購入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
● 古い家のリフォームにはメリットとデメリットの両方があります。
● 古い家のリフォームは物件購入費用と工事費用のトータルコストを把握することが重要です。
● リフォーム前提で中古住宅を購入したい方は、物件探しから改修まで相談できるSHUKEN Reのワンストップリノベーションがおすすめです。
Contents
リフォームできる古い木造の家|耐用年数・寿命と築20・30・40・50年の違い
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case99「レトロカフェ」
木造住宅の耐用年数を調べると「22年」という数字を見かけますが、これはあくまでも法定耐用年数=減価償却期間(※)であり、物理的な寿命と等しい訳ではありません。
※減価償却期間:事業のために使用する建物および建物附属設備、車両などの資産に対して、取得金額を分割して経費計上できる法令で定められた期間(参考:国税庁|No.2100 減価償却のあらまし)
古い家でも適切なメンテナンスを定期的に行えば、法定耐用年数以上の期間住み続けることは十分可能です。
国土交通省の調査によると木造戸建て住宅の平均寿命は「65年」程度で、新築時の仕様やその後のメンテナンス計画によっては100年を超える住宅もあります。
(参考:国土交通省|参考資料、国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装設備の更新による価値向上について)
ただし、木造住宅は築年数によってリフォーム内容やその他特徴が異なりますので、物件選びの際には注意しましょう。
築年数 | 物件の特徴 |
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築20年代 |
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築30年代 |
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築40年代 |
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築50年以上 |
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古い家の中でも1981年5月31日までに建築確認を受けた住宅は「旧耐震基準建物」と呼ばれ、耐震性が現行の基準と比べて低く、資産価値・担保価値はあまりないと判断されます。
そのため、住宅ローン審査が通りにくい可能性があるため事前に金融会社へ相談しましょう。
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古い家のリフォーム費用相場|フルスケルトン・部位別
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中古住宅のリフォーム費用は、フルスケルトンにして間取りから全てやりかえるのか、部分的なリフォームを何ヶ所かやるのかによって大きく変わります。
中古戸建て住宅のフルリノベーション費用は、「16〜22万円/㎡(53〜73万円/坪)」程度が相場です。
延べ床面積 | 費用目安 |
---|---|
20坪 | 1,060〜1,460万円 |
30坪 | 1,590~2,190万円 |
40坪 | 2,120〜2,920万円 |
中古住宅を購入してからフルリノベーションする場合は、上記費用と別に物件購入費用もかかります。
首都圏における2024年9月の中古戸建て住宅平均価格(成約価格)は「4,061万円」です。(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年)
ちなみに、比較的築年数の浅い中古住宅や購入前に部分的なリフォームが済んでいる住宅は、全体的な改修は必要ない物件もあります。
リフォーム部位 | 費用目安 |
---|---|
キッチン | ・50〜300万円 |
浴室 | ・在来浴室からユニットバス:70〜180万円 ・在来浴室から在来浴室:80〜200万円 ・ユニットバスからユニットバス:70〜150万円 |
トイレ | ・15~60万円程度 |
洗面室 | ・10〜40万円程度 |
洋室・リビング(内装) | ・30〜150万円程度 |
屋根塗装 | ・50〜120万円程度 |
屋根被せ葺き | ・150~250万円 |
外壁塗装 |
・70〜180万円程度 |
耐震補強 | ・旧耐震建物:180万円程度 ・新耐震建物:150万円程度 |
※30坪程度の木造住宅で平均的なサイズ・仕様の場合
※全て同位置・同サイズの場合
築年数によっては、部分的なリフォームに加えて断熱リフォームをした方が良いケースもあり、その場合は設備や内装を変える範囲以外も天井・床・壁を解体する必要があるので注意しましょう。
断熱リフォームの費用目安は「【中古住宅の断熱リフォーム】効果が高い方法は?費用と補助金も紹介」で詳しく紹介しています。
部分的なリフォームを段階的に工事するよりフルリフォームで内装や間取りを一新した方が、工事費や諸経費を圧縮できて結果的にトータルコストを抑えられる可能性があります。
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古い家をリフォームするメリット
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case13「対象モダン・和室でくつろぎ夫婦円満」
古い家のリフォームには、コスト・利便性・デザインにおいてメリットがあります。
- ・「土地購入+新築」よりもコストを大幅に抑えられる(築年数によっては建物費用がほとんどかからない可能性がある)
- ・コストを抑えて好立地で暮らせる(新築や築浅賃貸物件は立地の選択肢が少ない)
- ・新築よりも固定資産税・都市計画税が安い(経年減価補正によって築27年を超えると建物評価額が新築の20%程度になる)
- ・新築や建て替えよりも購入から入居できるまでの期間が短く、仮住まい家賃などの諸経費を圧縮できる
- ・ライフスタイルや好みに合うインテリアデザインや間取りの家が手に入る
- ・相続した不動産や思い出の詰まった実家などを生まれ変わらせて再活用できる
- ・レトロ、ビンテージ、インダストリアルデザインと相性がいい(新築・築浅物件ではリアルさを追求するのにコストや時間がかかる)
このように、古い家のリフォームは物件購入にかかる費用を抑えて理想的な住まいを手に入れられます。
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古い家をリフォームするデメリット・注意点と対策
古い家のリフォームにはいくつものメリットがある反面、中古物件を購入する前に知っておいていただきたいデメリットや注意点もあります。
- ・いざリフォームするために解体すると、予想外の劣化や不具合が見つかる可能性もある(工事費用のアップ)
- ・間取りやインテリアデザインについて、全ての要望が実現するとは限らない(構造などの既存条件)
- ・ホームインスペクション(住宅診断)の費用がかかる(古い家ほど専門家に事前チェックしてもらうと安心)
- ・地盤改良が必要な可能性がある(新築時には発覚していなかった地盤沈下や不同沈下の調査)
- ・新築や築浅中古住宅よりも「耐震・断熱・省エネ」などの住宅性能は低い(性能を向上させるために費用がかかる)
- ・給排水管やガス管、電気配線などの隠蔽部までやりかえ(更新)が必要な可能性が高い
新築から年数が経っている住宅ほど、一見分かりにくい劣化や性能不足が見つかる可能性があるため、思わぬコストが発生してしまうかもしれません。
中古住宅を買う前に「物件購入費用+改修費用」のトータルコストを把握できるワンストップリノベーションがおすすめです。
予算オーバーになるリスクを抑えられるだけではなく、リノベーションのプロのサポートを受けながら理想的なデザイン・間取りを実現しやすい物件を探せます。
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「建て替え」と「リフォーム」の違い
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case1「築50年の魅力たっぷり!古き良き下町カフェ」
古い家を住めるようにする主な方法は「建て替え」と「リフォーム」です。
どちらにするか迷っている方は少なくありません。
それぞれメリット・デメリットがありますので、人生プランやご予算に合わせて適切な方法を選びましょう。
リフォーム | 建て替え | |
主要となる構造体や基礎 | 「残る」 | 「残らない」 |
内外装や設備機器 | 「交換するケースが大半」 | 「必ず交換」 |
メリット |
・総コストを抑えられる ・完成までの日数が短い |
・間取りやデザインの自由度が高い ・古い部分は一切残らない |
デメリット |
・構造体によって間取りやデザインに制限あり ・プランによっては古い(既存)部分が残る |
・総コストは高い ・完成までの日数が長い ・法改正により床面積が狭くなる可能性がある |
費用 |
「16〜22万円/㎡」 ※フルリフォームの場合 |
「17〜29万円/㎡」 +「解体費用1〜2万円/㎡」 |
工期 (打ち合わせ〜入居) |
「7~8ヵ月程度」 ※施工会社により異なります |
「10ヶ月以上」 ※施工会社により異なります |
これまでは木造2階建て以下で増築を伴わないリフォームはほとんどのケースにおいて建築確認申請が必要ありませんでした。
しかし、2025年4月より「4号特例の縮小」によって、木造2階建ておよび延べ床面積200㎡以上の木造平屋住宅は新2号建築物に該当し、リフォームにおいても全ての地域で建築確認申請が必要なケースが増えるため注意しましょう。(参考:国土交通省|建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し)
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リフォームに適した中古物件を選ぶポイント・注意点
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case86「温もりヴィンテージ」
中古住宅の中でも、リフォームするのに適した物件とそうでない物件があります。
マイホーム計画を後悔しないためにも、リフォームに適した中古住宅を選びましょう。
主なチェックポイントは以下の通りです。
- ・立地や周辺環境が生活スタイルや家族構成に合っているか
- ・日当たりや風通しは良いか(湿気がこもっていないか・水はけがいいか)
- ・地盤調査や地盤改良が済んでいるか
- ・耐震補強が予算内で可能かどうか
- ・主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)に致命的な劣化はないか
- ・新築時から適切にメンテナンスされているか
- ・理想的な間取りやデザインを実現できる構造計画か
一般の方が古い家をリフォームに適した物件かどうか見極めるのは簡単ではありません。
そのため、物件探しの段階から建築のプロがサポートするワンストップリノベーションがおすすめです。
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【築年数・面積・間取りが分かる】古い家のリフォーム・リノベーション事例
SHUKEN Reは東京・千葉・神奈川エリアで約20年にわたり8,000件超の設計施工実績を持つ専門会社です。
築年数の経った戸建て住宅・マンションの物件探しからリノベーションまで、多くのお客様をサポートしてきました。
その中から、古い家の改修事例を間取り図付きで紹介します。
【築47年・29坪】3LDK + パントリー + 小上がり
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case111「ほっこりレトロStyle」
工期 | 60日 |
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家族構成 | ご夫婦+お子様 |
エリア | 東京都 |
物件種別 | 戸建住宅 |
築年数 | 47年 |
間取り | 3LDK + パントリー + 小上がり |
広さ | 97.2㎡ |
こちらは、1・2階それぞれに広い和室のある築47年の住宅をレトロモダンなデザインにフルリノベーションした事例です。
水回りの位置は大きく変えずに、間仕切壁を大胆に取り去って明るく開放的な間取りに仕上げました。
新たに設けた吹き抜けの下に寝転んでくつろげる畳床の小上がりを作った点もポイントです。
【築34年・25坪】2LDK+小上がり
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case6「古民家の空気をそのままに感じる家」
工期 | 30日 |
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家族構成 | ご夫婦+お子様2人 |
エリア | 千葉県 |
年代 | 40代 |
物件種別 | 戸建住宅 |
築年数 | 34年 |
間取り | 2LDK + 小上がり |
広さ | 83㎡ |
こちらは築34年の間口が狭く奥に深い形状の住宅をフルリノベーションした事例です。
既存の間仕切り壁や古民家の雰囲気を残しつつ、現代の暮らしにフィットするプランへ変更しました。
コンパクトながらもご家族4人が思い思いに過ごせる空間をつくり、無駄のない効率的な家事動線にした点がポイントです。
【築27年・39坪】4LDK + WIC + SIC + パントリー
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case86「温もりヴィンテージ」
工期 | 60日 |
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家族構成 | ご夫婦+お子様 |
エリア | 東京都 |
物件種別 | 戸建住宅 |
築年数 | 27年 |
間取り | 4LDK + WIC + SIC + パントリー |
広さ | 129㎡ |
こちらは、開放的なリビングとご家族の靴だけではなく趣味のアイテムもしまえる広々とした土間収納(シューズインクローゼット)がポイントの事例です。
1階は元々和室とLDKの間にあった壁を取り払い、対面キッチンの明るく爽やかな空間に仕上げました。
キッチンを独立式からダイニング横に移動して大容量のパントリーを作って、生活感のないすっきりとしたキッチンを実現しました。
【FAQ】古い家のリフォーム・リノベーションに関する“よくある質問”
中古住宅購入+リフォーム事例を見る:Case99「レトロカフェ」
最後に、古い家の購入やリフォームを検討している方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「古い家の購入を検討し始めてからリフォーム、入居までの流れは?」
施工会社によって入居できるまでの期間は異なりますが、平均的には以下のようなスケジュールで進みます。
【物件探し(1〜3ヶ月)】・【資金計画・住宅ローン相談(0.5〜1ヶ月)】を同時進行
【リノベーション相談(1〜2ヶ月)】・【プランニング(0.5〜1ヶ月)】・【建材選定・ショールーム見学(1〜12ヶ月)】を同時進行
SHUKEN Reでは、じっくりお客様が心からご納得いただけるマイホーム計画を実現させるために、お打ち合わせから入居まで「7~8ヵ月程度」いただいております。
Q.「古い家のリフォームで利用できる補助金・減税制度は?」
既存住宅の活用や省エネ化促進は国の重要な取り組みのうちの1つであることから、いくつもの補助金制度と減税制度が設けられています。
【補助金制度の例】
- ・「住宅省エネキャンペーン2024(子育てエコホーム支援事業・先進的窓リノベ事業・給湯省エネ2024事業)」:2024年末で終了予定だが、今後同じような事業が再開される可能性あり
- ・「長期優良住宅化リフォーム推進事業」:長期優良住宅(長期にわたり良好な状態で住み続けられるための措置が講じられた住宅)にするための、「耐震性・省エネ性・更新性向上」を目的としたリフォームが対象
- ・その他、自治体ごとの補助金・助成金事業
【減税制度の例】
- ・「住宅ローン減税」:ローンを利用して住宅を購入した場合、年末借入残高の0.7%が所得税から控除される
- ・「リフォームにおける所得税の税額控除」:耐震・バリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化・子育て対応リフォームが対象
- ・「リフォームにおける固定資産税軽減」:耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化リフォームが対象
それぞれ要件が定められていますので、事前に詳細をチェックしておきましょう。
〈おすすめコラム〉
【中古住宅の減税制度一覧】住宅ローン控除とリフォーム減税の条件・注意点
Q.「古い家は自分でDIYリフォームできる?」
「少しでもコストを抑えたい」「思い出作りにDIYでリフォームしたい」という方もいらっしゃいますが、ご自身でのリフォームにはデメリットがあるので注意しましょう。
- ・確認申請は建築士の資格を持った人でないとできない
- ・解体してみて思わぬ状況でも臨機応変に対応しにくい
- ・電気工事やガス工事など資格がないとできない工事がある
- ・建材は一般の方が購入するとプロが仕入れるよりも価格が高くなる可能性がある
- ・耐震補強や断熱リフォームには専門的な知識が必要
間取り変更などを伴う大掛かりなリフォームは、解体してみるとプロでも予想していなかった状態であるケースは珍しくありません。
そのため、DIYリフォームに挑戦したい方は、小規模な工事や内装仕上げ工事に留めましょう。
まとめ
古い家のリフォームには、メリットとデメリットの両方があり、築年数によって必要な工事は異なります。
リフォームを後悔したくない方は、リフォームに適した中古物件探しから、資金計画、プランニング・施工、将来の売却まで相談できるSHUKEN Reのワンストップリノベーションがおすすめです。
「古い家がリフォームでどのように変身するか見てみたい」という方は、ぜひ豊富な施工事例をご覧ください。