公開日:2024-12-05
掃き出し窓のサイズ|標準規格や窓を大きくするリフォームの注意点も解説
中古住宅のスケルトンリフォームやフルリノベーションで、既存の窓を大きな掃き出し窓に変更したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
このコラムでは住宅用の掃き出し窓の標準的なサイズについて解説します。
掃き出し窓のメリット・採用時の注意点や、スケルトンリフォーム・フルリノベーションにおける窓の扱い方についてのポイントも紹介します。
中古物件を購入してスケルトンリフォームやフルリノベーションを検討している方は参考にしてくださいね。
・住宅用掃き出し窓のサイズは、2枚建てなら幅1,650~2,560×高さ1,800~2,200mm、4枚建てなら幅2,560~2,470×高さ1,800~2,200mmが標準規格です。
・一戸建てで既存の窓を掃き出し窓に変更するリフォームは、可能なケースが限られ、難易度・コストともに高めになる点に注意が必要です。
・中古物件を購入して、窓のサイズ変更や移動などを含むスケルトンリフォームやフルリノベーションをしたい場合は、事前に可能かどうかを施工会社に確認してもらうのがおすすめです。
■掃き出し窓とはどんな窓?特徴をおさらい
断熱リフォームの事例を見る:Case181「Backyard」
掃き出し窓とは、床から天井付近までの高さがあり、人が出入りできるサイズの大きな窓を指します。
テラス窓と呼ばれることもあり、ほうきでゴミやほこりを「外に掃き出す」窓として使われていたことが名前の由来です。
現在はリビングなど日中メインで過ごす空間の住環境や、外観デザインにも影響する窓の1つとして多くの住宅で採用されています。
掃き出し窓のメリット
- ・簡単に屋外、室内に出入りできる
- ・通風、採光性が高い
- ・眺望がいい
- ・開放感が得られる
- ・災害時に玄関以外の避難ルートになる
庭やベランダへの動線を作れるため、ウッドデッキテラスやアウトドアリビングとも相性が良い窓です。
また、ガラス面が大きいことから、光や風をたくさん取り込め、明るく開放感あふれる室内空間を演出できます。
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■掃き出し窓の標準的なサイズ
マンションリノベーションの事例を見る:Case185「Surprising Idea」
掃き出し窓の標準的なサイズは、内法寸法で高さ1,800~2,400mm×幅1,650~3,470mmの間です。
※窓の内法寸法とは、窓枠の内側のサイズを指します。
一般社団法人日本サッシ協会では、各メーカーのサッシ製作の基準となる規格サイズ(標準規格寸法)を以下のように定めています。
(出典)一般社団法人日本サッシ協会|住宅サッシ/住宅出入り口商品「標準規格寸法」2021年4月改訂
上の表のうち、内法基準高さ(h)1,800mm以上が、掃き出し窓やテラス窓と呼ばれるタイプです。
標準規格寸法は、各サッシメーカーのほとんどの商品でラインナップされています。
また、内法基準幅(w)が3,470mmのタイプは4枚建て、2,560mmのタイプは2枚建てと4枚建ての2パターンあることが多くなっています。
掃き出し窓の標準規格サイズパターン(幅×高さ)
〈2枚建て〉
- ・1,650×1,800mm
- ・2,560×1,800mm
- ・1,650×2,000mm
- ・2,560×2,000mm
- ・1,650×2,200mm
- ・2,560×2,200mm(最大サイズ)
〈4枚建て〉
- ・2,560×1,800mm
- ・3,470×1,800mm
- ・2,560×2,000mm
- ・3,470×2,000mm
- ・2,560×2,200mm
- ・3,470×2,200mm(最大サイズ)
また、幅(w)については、上記に加えて独自のサイズを標準として採用しているメーカー・製品もあります。
各メーカーの標準規格以外のサイズであっても、1mm刻みでオーダー製作できる製品が多いですが、その分コストと納期が多めにかかる点に注意が必要です。
■掃き出し窓を採用する際の注意点
マンションリノベーションの事例を見る:Case186「gray tone」
掃き出し窓を採用する際は、デメリットも把握し対策した上で計画しましょう。
- ・窓の面積が大きい⇒サッシ・ガラスの断熱性能をしっかり検討する
- ・出入りできる窓⇒適切な防犯対策をする
- ・外から室内が見えやすい⇒プライバシーを考慮した設計
- ・壁が少なくなる⇒家具の配置をしっかりシミュレーションする
例えば、南道路の戸建てで南側に大きな掃き出し窓を設置する場合、通行人から室内が見えやすいため、日中にカーテンを閉めたままになってしまうことも。
掃き出し窓と道路との間に庭を設けたり、外構用フェンスを設置したりするなど、プライバシーを守る工夫をしましょう。
■中古住宅の窓リフォームのポイント
マンションリノベーションの事例を見る:Case200「Premium」
中古住宅のスケルトンリフォームやフルリノベーションを検討する際に知っておきたい、窓リフォームに関するポイントをまとめます。
戸建てリフォームで窓サイズを変更できる?
戸建てリノベーションの事例を見る:Case13「大正モダン・和室でくつろぎ夫婦円満」
戸建てで窓のサイズを変更するリフォームが可能かどうかについて解説します。
窓を小さくする・ふさぐリフォーム
戸建ての窓サイズを小さくしたり、ふさいで無くしたりするリフォームは、構造的には問題なく実施できるケースが多いです。
ただし、「住宅の居室では採光のために一定以上の大きさの窓を設ける」という建築基準法のルールは守らなければなりません(※緩和要件あり)。
(参考)e-Gov法令検索|建築基準法施行令19条(居室の採光)
さらに、以下のような目的の場合、窓を小さくするリフォームでなくても解決できるケースがあります。
(例)
- ・断熱性を上げる⇒内窓設置、断熱性の高いサッシ・ガラスに交換
- ・防音性を高める⇒内窓設置、ガラスを複層、トリプルガラスに交換
- ・防犯性を高める⇒防犯ガラスに交換、防犯フィルムを貼る、補助錠を付ける
- ・西日対策⇒遮熱タイプの窓に交換、 ひさしやルーバー、シャッターを設置
特に、寒さや暑さ、結露対策なら家全体の窓に内窓を設置したり、断熱性の高いサッシ・ガラスに交換したりする方法も効果的で、補助金を活用すれば工事費用も抑えられます。
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窓を大きくするリフォーム
腰高窓を掃き出し窓に変更するなど、窓を大きくするリフォームは、建物の耐震性に影響を与える場合があるため、難易度は高めです。
また、開口部を広げる外壁工事も必要になるためコストも高くなります。
木造軸組構法の場合、強度を保つ柱や梁に影響しなければ、窓を大きくするリフォームができる可能性があります。
しかし、2×4工法では、構造を支える壁の面積が減ってしまうため、窓を大きくするリフォームはできないケースが多くなります。
中古住宅を購入してスケルトンリフォームやフルリノベーションを検討している場合は、構造的に希望のリフォームが可能かどうか必ず確認しましょう。
マンションの窓リフォームのポイント
マンションリノベーションの事例を見る:Case199「LIKE A HOTEL」
マンションの場合は、外壁の窓は共用部分のためサイズを変えることはできません。
マンションで窓リフォームするなら、内窓(インナーサッシ)設置による断熱性向上や、室内窓で採光・風通しをアップするなどの方法が中心になります。
掃き出し窓は面積が大きく室内の断熱性能に大きく関わってくるため、古いマンションの場合は内窓を付けると快適性がアップするためおすすめです。
内窓設置などの住まいの断熱リフォームは、国や自治体で補助金制度を実施しているため、活用できれば費用を抑えながら快適な住まいにアップデートできますよ。
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カーテン選びも想定しておく
戸建てリノベーションの事例を見る:Case144「アメリカンヴィンテージ」
一般的に、カーテンの幅はカーテンレールの長さ+約100mm、高さ(丈)はカーテンレールランナー下から床までの高さ-約20mmが目安です。
2枚建ての掃き出し窓用カーテンの標準的な寸法は、幅2,000mm×高さ1,780mm、幅2,000mm×高さ2,000mm、幅2,000×高さ2,300mmの3種類です。
天井付近まである高さ2,400mmの大きな掃き出し窓を採用した場合、カーテンはオーダーになるケースが多いため、コストアップしやすく納期も長めになる点にも注意して計画しましょう。
■まとめ
住宅用掃き出し窓のサイズは、2枚建てなら幅1,650~2,560×高さ1,800~2,200mm、4枚建てなら幅2,560~2,470×高さ1,800~2,200mmが標準規格です。
一戸建てで既存の窓を掃き出し窓に変更するリフォームは、可能なケースが限られ、難易度・コストともに高めになる点に注意が必要です。
中古物件を購入して、窓のサイズ変更や移動などを含むスケルトンリフォームやフルリノベーションをしたい場合は、事前に可能かどうかを施工会社に確認してもらうのがおすすめです。
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