公開日:2023-05-03 

ビルの建て替え年数はどれくらい?耐用年数を過ぎたビルの建て替え・リノベーション費用相場

一棟リノベーション後のオフィスビル

 

鉄筋コンクリート造のビルは耐用年数が長いイメージがありますが、建て替えのタイミングとなる寿命は存在します。

 

現在ビルをお持ちのオーナーの方はもちろん、購入を検討している投資家の方にとっても、ビルの建て替え年数の目安は必ず把握しておくべき情報です。

 

しかしビルの建て替え年数は、税制上の法定耐用年数、鉄筋コンクリートの寿命、耐震性、経済的な寿命などさまざまな要素で変動します。

 

今回はビルの建て替え年数を判断するための基本的な知識と、耐用年数を過ぎたときの選択肢、建て替え・リノベーションの費用相場などを詳しくチェックしていきましょう。

 

この記事のポイント
・鉄筋コンクリート造ビル自体の寿命は100年以上といわれていますが、築30~50年で建て替えられることが多いです。
・床面積500㎡のオフィスビルの建て替え費用は2億円前後、一棟リノベーション費用は5,500~1億2,000万円が目安になります。

 

■ビルの建て替え年数はどれくらい?

 

鉄筋コンクリート造ビルの建て替え年数は、次の3つの要素が影響します。

 

 

鉄筋コンクリートの寿命 100年以上

 

古いビルを一棟リノベーションするリスク

 

一般的な鉄筋コンクリートビル自体の物理的な寿命は100年以上と言われることが多いです。

 

国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書によると、鉄筋コンクリート造の耐用年数は120年、外装仕上げで延命した場合150年です。

 

日本では1911年竣工の横浜三井物産ビルが現存していることが、鉄筋コンクリート造の耐久性が100年以上ある事を証明しています。

 

参照元:公益財団法人日本コンクリート工学会 三井物産横浜ビル

 

 

ビルの法定耐用年数 31~50年

 

ビルを含むすべての建物には法定耐用年数が定められていています。

 

法定耐用年数は国が定めた税制上の決まりで、建物の資産価値がなくなるまでの期間のことを指します。

 

※鉄筋コンクリート造ビルの法定耐用年数

  • 事務所用 50年
  • 住宅用 47年
  • 店舗用 39年
  • 飲食店用 34~41年
  • 旅館・ホテル用 31~39年

出典:国税庁 耐用年数(建物/建物附属設備)

 

上記のように、ビルの用途によって31~50年と法定耐用年数は異なります。

 

耐用年数は建物自体の寿命と直接関係ないため、期間を過ぎても使えなくなるわけではありません。

 

しかし、法定耐用年数を過ぎると節税効果が少なくなってしまうのが大きなデメリットです。

 

ビルの取得費用は残りの耐用年数で分割して「減価償却費」として経費計上することができ、毎年の税金を軽減できます。

 

しかし耐用年数を過ぎると減価償却費を経費計上できなくなり、帳簿上の利益が増えるため所得税が増えてしまいます。

 

節税効果がゼロになるわけではありませんが、金額が大きいため帳簿上はかなり不利になってしまいます。

 

 

経済的な寿命 30~50年

 

前述したように鉄筋コンクリート造ビルは100年以上の耐久性が期待できるにも関わらず、実際は経済的な寿命によって早めに建て替えられるケースが多いです。

 

公益社団法人ロングライフビル推進協会がビルの所有者や設計者を対象に実施した調査によると、「築30~50年以内で建て替えていると思う」と回答した方が全体の約74%を占めました。

 

参照元:公益社団法人ロングライフビル推進協会 賃貸事務所ビルの寿命に関する意識調査

 

築年数が古くなると間取り・デザイン・設備が現代のニーズに合わなくなり、耐震性などの不安も大きくなるため入居率が低下するケースが多いです。

 

また築30~50年で前述した法定耐用年数を過ぎるため、節税効果が無くなるのも建て替えられる大きな理由の一つと言えるでしょう。

 

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■耐用年数を過ぎたビルはどうなる?

 

耐用年数を過ぎたビルの解体

 

今までは耐用年数を過ぎたビルは建て替えるのが一般的でしたが、一棟まるごとリノベーションして使い続けるケースも増えています。

 

前述したように鉄筋コンクリート造ビルの構造自体は100年以上の耐久性があるため、内外装や設備をリノベーションすれば問題なく使えることが多いのです。

 

一番費用のかかる構造部分を再利用できるため、建て替えより大幅に費用を抑えられるのが一棟リノベーションのメリット。

 

またリノベーションで既存建物を再利用すれば、廃材を減らして環境負荷を抑えられるため、環境保護の観点でも推進されています。

 

建て替えと一棟リノベーションの費用相場の違い、それぞれ向いているケースなどを次の章から比較していきましょう。

 

 

■ビル建て替え費用はいくら?

 

ビルの建て替え費用

 

耐用年数を過ぎたビルの建て替え費用をデータから推測してみましょう。

 

※鉄筋コンクリート造ビルの平均建設費用

  • 事務所 38.82万円/㎡
  • 店舗 36.66万円/㎡
  • 住居 27.17万円/㎡

出典:国土交通省 建築着工統計調査報告(令和4年計分)を基に弊社集計

 

国土交通省の調査結果から、用途別に鉄筋コンクリート造ビルの1㎡あたりの建設費用を計算してみました。

 

仮に5階建て、延床面積500㎡のオフィスビルを建て替える場合、建設費用の目安は1億9,410万円になります。

 

さらに建て替えの場合は解体費用・申請手続きにかかる諸費用なども発生します。

 

地域や立地によって建設費用が変動することもありますが、建て替えするビルの床面積で大まかな目安を計算してみてください。

 

 

■ビルの一棟リノベーション費用

 

一棟リノベーション後のオフィスビル

 

ビルを一棟リノベーションする費用は、建物の状態や工事内容によって変化します。

 

※出典:一般社団法人リノベーション協議会ポータルサイト

 

上記のように、業態や間取りによって1㎡あたりの費用は11~24万円と幅広いです。

 

建て替えと同じ想定で500㎡のビルを一棟リノベーションする場合、費用相場は5,500~1億2,000万円になります。

 

エレベータの有無、共用部分の広さや設備内容などで費用は変動しますが、建て替えの50%前後の負担で一棟リノベーションできる可能性がありそうです。

 

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■ビルの建て替え・リノベーションの判断

 

建て替え年数を迎えたビル

 

建て替える、一棟まるごとリノベーションは建物の状況によってどちらが向いているか変わりますので、判断基準を覚えておきましょう。

 

 

建て替えが向いているケース

 

  • 建物の状態が悪い
  • 間取りを変更できない
  • 長期経営で確実に投資回収できる
  • 既存不適格建築物である

 

メンテナンス状況が悪く、雨漏りや鉄筋の腐食といった重大な欠陥を抱えているビルは、建て替えの方が向いているかもしれません。

 

リノベーションで補修も可能ですが、劣化やトラブルが進行していると多額の費用がかかる可能性もあります。

 

また間取りが現代のニーズに合っておらず、構造的にリノベーションで変更するのが難しい場合も、建て替えで大幅にリニューアルしたほうが良いでしょう。

 

建築後に法律が変わって既存不適格になったビルも、リノベーション以外の費用がかかるケースが多く、建て替えが向いていることがあります。

 

ただし前述したように建て替えは多額の費用が必要になるため、融資のハードルが高く、万が一失敗したときのリスクは大きくなります。

 

土地の利便性や資産価値が高いことが前提となり、確実に投資回収できる経営計画が求められます。

 

 

一棟リノベーションが向いているケース

 

  • メンテナンス状態が良い
  • 投資額を抑えたい
  • 短期間で投資回収したい

 

ご自身で建てたビルや修繕記録が明確なビルなど、メンテナンス状況が良い建物は一棟リノベーションに向いています。

 

仮に築50年のビルでも、適切にメンテナンスされていれば一棟リノベーションして50年以上使い続けられる可能性が高いです。

 

また前述したように建て替えより一棟リノベーションの方がかなり費用を抑えられるので、リスクを抑えて短期間で投資回収したい方にも向いています。

 

〈関連コラム〉

一棟リノベーションのメリット・デメリット|費用相場と事例も紹介

 

 

■まとめ

 

耐用年数を過ぎたビルは建て替えるのが一般的でしたが、一棟リノベーションなら費用を抑えて経済的な寿命を延ばすことが可能です。

 

ビルをお持ちのオーナー様、中古ビルを購入検討している方どちらも、ぜひ一棟リノベーションを検討してみてください。

 

SHUKEN Reはこれまで多くの住宅改修で培ったノウハウを活かし、一棟リノベーションをワンストップ体制でサポートしています。

 

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