公開日:2023-03-31 更新日:2024-07-04
戸建住宅のリノベーション相場は?工事内容別の費用目安を紹介
一戸建て住宅のリノベーションと言っても、工事内容によってかかる費用には大きな幅があります。
そのため、一体いくら予算を立てればいいか分からないという方も少なくないはずです。
そこで今回は、一戸建て住宅リノベーションの主な工事内容と費用相場についてお話しします。
築年数とリノベーションとの関連性も解説しますので、これからリフォーム・リノベーション計画を始める方は、是非参考にしてください。
・部位によってメンテナンスすべき時期は異なります。
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目次
■ 戸建住宅リノベーションの主な工事内容と費用相場は?
一戸建て住宅は、マンションと違い、室内だけではなく、建物外部から性能に関わる部分まで、広範囲にわたって維持管理しなくてはいけません。
そのため、今後家を長持ちさせるためにはどのような工事をしなくてはならず、どれくらいの費用を見込んでおかなければいけないのか、不安に感じている方もいるでしょう。
ここでは、最低限検討すべき主な工事内容とそれにかかる費用相場を紹介します。
・耐震改修工事
その家で今後、安心安全な生活を送るためには、最低でも耐震改修工事を検討しましょう。
耐震改修工事の主な工事内容と費用目安は以下の通りです。
【屋根の軽量化工事】
日本瓦など重い屋根材から、金属屋根材などに軽量化すると、家の重心が下がって、地震時に受ける揺れの影響を軽減できます。
費用目安は、100〜250万円程度です。
※足場の設置・解体、既存屋根材の解体撤去、下地工事、防水工事、新規屋根材の設置工事など
※新規の屋根材や立地状況によって、金額は変動します。
※既存屋根材にアスベストが混入している場合は、処分費が別途かかります。
【外壁軽量化工事】
タイル張りなど荷重の大きな外壁から、金属系サイディングなどの軽量な材料に変えることで、建物へかかる負荷が減って耐震性が向上します。
また、地震時の外壁材脱落による二次災害を防ぐ上でも重要です。
費用は200〜400万円程度です。
※足場の設置・解体、既存外壁材の解体撤去、モルタル工事、塗装工事など
※立地状況や材料によって、金額は変動します。
※既存外壁材にアスベストが混入している場合は、処分費が別途かかります。
【間仕切り壁の追加・補強】
間仕切り壁は不足していたり、配置バランスが偏っていると、耐震性に大きく影響します。
耐震診断の結果を踏まえて、壁を追加したり、既存壁を補強しなくてはいけません。
費用目安は、工事内容によって異なります。
・耐震パネルへの取り替え(室内間仕切壁):20〜25万円(/幅90cm)程度
・耐震パネルへの取り替え(外壁に面した壁):50〜65万円(/幅90cm)程度
・筋交の追加:15〜30万円(/幅90cm)程度
※壁の仕上げ工事は別途かかります。
【構造体接合部への補強金物設置】
柱と梁・筋交など、異なる主要構造部の接合箇所を金物で強固にすることで、地震の揺れによって外れるリスクを軽減できます。
金物種類によって設置費用は異なりますが、3〜5万円(/カ所)程度が一般的です。
※壁や天井、床の解体及び復旧は別途かかります。
【基礎補強工事】
基礎は、家の荷重を支える重要な役割を果たすため、大きなクラックが入っていたりすれば、耐震性に影響してしまいます。
費用目安は、施工方法によって異なります。
基礎のコンクリート増し打ち:40〜60万円程度
炭素繊維シートを用いた基礎補強:40〜70万円程度
※付帯する外構工事は別途かかります。
【防蟻工事】
シロアリの被害によって、柱や土台など重要な構造躯体が劣化していると、新築当時と比べて、その耐震性は大きく低下しています。
5〜10年に一度の間隔で行わないと薬剤の効果は切れてしまいますので、定期的な工事が必要です。
費用は、5〜10万円(/1階坪)程度ですが、施工するために床や玄関土間などの部分解体が必要な場合もあります。
施工会社は、事前に行った耐震診断の結果を基に、これらの改修工事を組み合わせて耐震プランを立てます。
ちなみに、一般財団法人 日本建築防災協会が行った調査によると、木造住宅においては100〜150万円で耐震改修を行うケースが多く、全体の半数以上が187万円以下の工事費で収まっています。(参考:一般財団法人 日本建築防災協会|木造住宅の耐震改修の費用)
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合のアンケートでも似たような結果が出ており、耐震改修工事にかかった平均費用は、旧耐震(1981年5月以前に建てられた住宅)で189万円、新耐震(1981年6月以降に建てられた住宅)が152万円となっています。(参考:木耐協|木耐協調査データ 2021年3月4日発表)
耐震プランを立てるための耐震診断費用が20〜50万円程度かかるため、耐震改修費用として合わせて200万円程度用意しておくと良いでしょう。(参考:一般財団法人 日本耐震診断協会|耐震診断料金(費用)の目安)
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・断熱改修工事
築年数が古ければ古いほど、新築時に求められる断熱性能が低いため、室温が外気温の影響を受けてしまいます。
また、室内外の温度差による壁などの内部結露が慢性化していれば、柱などの構造体が腐朽したり、シロアリ被害を受けたりするなど、致命的なトラブルになりかねません。
部屋によって室温が大きく違えば、快適で健康的な生活すらままならないでしょう。
そのため、断熱改修工事は耐震改修工事と同様に、優先順位の高い工事です。
具体的には、壁・天井・床・天井裏などへの断熱材追加や、窓・玄関ドアの改修、構造体の隙間を埋めて気密性を高める気流止め工事をおすすめします。
比較的新しく気密性の高い住宅でも、換気扇を高性能なものに変えることで、断熱性が高まる可能性もありますので、施工会社へ相談してみてください。
【壁内・床下・天井裏への断熱材充填】
1,000〜6,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)
※使用する断熱材によって価格は異なります。
※壁・床・天井の一部解体工事及び復旧工事が別途かかります。
【窓の断熱改修(腰窓サイズ、既存と同位置・同サイズの場合)】
断熱サッシ+断熱ガラスへの取り替え:20〜60万円/箇所
※周囲壁の復旧工事、その他付帯工事が別途かかります
内窓(インナーサッシ)の追加:4〜10万円/箇所
【断熱玄関ドアへの取り替え(片開きドア、既存と同位置・同サイズの場合)】
20〜60万円/箇所
※周囲壁の復旧工事、その他付帯工事が別途かかります
【気流止め(木造2階・30坪程度)】
50〜80万円/一式
※壁・天井・床の解体及び復旧工事が別途かかります
【熱交換器付き第一種換気システムの導入(木造2階・30坪程度)】
40〜70万円/一式
※壁・天井・床の解体及び復旧工事が別途かかります
一戸建住宅で家を丸ごと断熱改修した場合、約350~600万円程度かかる場合が多いです。
ただし、この費用には付帯工事(壁・床・天井などの解体復旧工事など)も含まれるため、耐震改修やフルリノベーション工事と同時に行えば、費用を抑えることもできます。
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・フルリノベーション工事
事例を見る:Case13「大正モダン・和室でくつろぎ夫婦円満」
ある程度全体的に間取りを変え、全ての設備機器交換、内装工事を行うフルリノベーションは、選ぶ材料によって費用は大幅に変わります。
ただし、全く相場がないという訳ではありません。
国土交通省の行ったアンケート結果によると、一戸建て住宅のフルリノベーションにかかった費用は「500〜2,500万円」程度です。(参考:国土交通省|リフォームの内容と価格について)
ただし、これでは金額に幅がありすぎて、一体ご自宅ではどのくらいかかるか検討がつきませんよね。
一般的には、フルリノベーションにかかる費用相場は以下の通りです。
【一戸建て住宅のフルリノベーション相場】
50〜60万円/坪(3.3㎡)
※既存解体工事・間仕切り造作工事・設備機器取り替え工事・内装工事など
※狭小住宅の場合は多少割高になる可能性があります
※設備機器の大幅な変更や構造躯体の補修は別途かかります
・外壁塗装工事
外壁塗装は、家の外部を美装する目的だけではありません。
クラック(ひび割れ)からの雨漏りを防ぎ、家の構造体劣化を遅らせるためにもとても重要です。
また、外壁塗装と同時に、窓や玄関ドア、換気口周りのコーキングをやりかえる必要がある場合もあります。
塗料のグレードにもよりますが、12〜15年周期で外壁塗装工事を検討してください。
【外壁塗装(30坪・2階建て)】
50〜100万円程度
※足場工事、外壁高圧洗浄、外壁塗装工事、雨樋塗装工事など
※モルタル外壁の場合の相場です。狭小住宅の場合は多少割高になる可能性があります
・屋根改修工事
屋根は日常的に状態を確認しづらいため、つい劣化を見落としがちですが、外壁と同様に、雨漏りから家を守る重要なリノベーションです。
既存屋根がスレート瓦ですと、塗装で防水性をプラスすることができますが、低コストな反面、耐久性が低いので注意してください。
既存屋根材を全て葺き替える方法もあります。
こちらは、費用が高く工期が長いものの、屋根下地の不具合も見付けられる点がメリットです。
最近主流なのが、既存屋根の上に、新たに防水紙・新規屋根材を敷く「重ね葺き(カバー工法)」。
既存屋根の解体処分費がかからず、短い工期で完了します。
ただし、屋根下地が傷んでいる場合はそのままでは施工できませんし、既存屋根材によっては新規屋根材を被せられません。
どの工法を選択すべきかは、施工会社へ相談してください。
【屋根塗装(30坪・2階建て)】
50〜100万円
※足場工事、飛散防止養生、下地処理、塗装工事など
※一度塗装すると10〜15年で継続して塗り替えが必要になります
【屋根葺き替え(30坪・2階建て)】
80〜300万円
※足場工事、既存屋根材解体、新規下地工事、屋根葺き工事、棟板金工事など
※屋根材によって費用は大きく変動します
※撤去した既存屋根材にアスベストが含まれている場合は、別途処分費がかかります
【屋根重ね葺き(木造2階・30坪程度)】
60〜200万円
※足場工事、新規屋根葺き工事、棟板金工事など
※屋根材によって費用は大きく変動します
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■ リノベーションの工事内容を決める際には“築年数”がポイントに
一戸建て住宅をリノベーションする際、工事範囲を決めるポイントとなるのが築年数です。
それぞれのリノベーション工事が必要かどうか、建築時期と照らし合わせて検討してください。
例えば、耐震改修が必要かどうかは、築年数である程度判断できます。
1981年5月以前に建てられた住宅は“旧耐震基準”と言われ、「震度5強程度(中規模地震)で建物が倒壊せず、補修する程度で再び生活ができる程度の耐震性」を持っていることになります。
ただし、これでは阪神淡路大震災や、東日本大震災などの大地震には耐えられません。
実際に、現在でも旧耐震基準の住宅は多く残っているため、これから古い中古住宅を購入する方も注意してください。
(引用:国土交通省|建築年代別の住宅ストック総数)
古い住宅ほど、最低でも現在の新築が持つ耐震性能程度に改修する必要があります。
断熱性についても、最近の住宅と築20年を超える住宅とでは、性能に大きな差があることは否めません。
キッチンやトイレなどの住宅設備機器の耐久年数は10〜20年、設備配管は15〜20年、電気配線は20〜30年程度の寿命です。
そして、生活していれば内装材にも汚れやキズが付いてしまうでしょう。
家族構成やライフスタイルの変化に伴い、間取りを変えた方が暮らしやすいことも少なくありません。
つまり、築年数を参考に、部位ごとの耐久年数や劣化度合いによってリノベーション範囲を決めることが重要だということです。
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■ まとめ:リノベーションの予算組みは長期的な視点で
一戸建て住宅は、マンションよりも広範囲に渡ってリノベーションしなくてはいけないため、その分多くの費用がかかってしまいます。
築年数や劣化状況などによって必要な工事が異なりますので、それぞれ計画的に予算組みをしましょう。
部位によっては20年以上耐久性を維持する場合もありますので、予算計画は長期的な視点で検討するのがおすすめです。
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