公開日:2022-11-17 更新日:2024-10-12
【図解】リノベーションとリフォームとの違いとは|選ぶならどっち?メリット・デメリット・費用で徹底比較
「リノベーションとリフォームとはどう違うの?」「どっちがいいの?」と思う方も多いでしょう。
建物を修繕・改修する点ではどちらも同じですが、目的や工事内容が異なるため、進め方や費用が大きく変わってきます。
今回は、約20年間で8,000件超のリノベーション・リフォーム実績がある「SHUKEN Re」が、それぞれのメリット・デメリットや、具体的な事例や間取り図も比較しながら違いをわかりやすく解説します。
中古住宅の購入や自宅や実家の住まいの改修を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
・リノベーションとは、既存の建物を作り変えて性能・使い勝手・価値を高めること。新築時の目論見とは違う次元に改修する(改修)
・建物の築年数や状態、目的によって最適な工事の内容が異なりますので、リノベーション・リフォーム実績が豊富な会社に相談するのがおすすめです。
・住み替えを検討中の方は、中古物件探しからリノベーション・リフォーム工事までワンストップで相談できる専門業者がおすすめです。
目次
■リノベーションとは「既存の建築物を作り変えて性能・使い勝手・価値を高めること」
まずは「リノベーション」という言葉の定義や意味を確認しておきましょう。
リノベーションの定義
一般社団法人リノベーション協議会では、以下のようにリノベーションを定義しています。
リノベーション【renovation】とは、機能、価値の再生のための改修。その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修中古住宅を現代のライフスタイルに合った住まいによみがえらせること。
一方、国土交通省のガイドラインには、「新築時の目論見とは違う次元に改修する(改修)」と定義されています。
つまり、「既存の建築物を作り変えて、性能・使い勝手・価値を高めるために改修すること」と言えるでしょう。
リフォームのように老朽化した建物を新築のように新しく修繕するだけでなく、リノベーションは自分好みに作り変えて、より快適に暮らせるように性能や住み心地を高め、「バージョンアップ」するという違いがあります。
語源は英語の「renovation」と日本後のリノベーションの違いとは
英語圏では、住宅の一般的な改修や修繕もリノベーション(renovation)と言います。
日本の建築業界では、概ね
・老朽化した建築物を新築時に近い状態に戻す「原状回復」を目的とした改修は「リフォーム」、
・新たに建築物を住まいを作り変えて、性能・間取り・デザインなどを刷新し、新たな価値を生み出すような大規模な改修を「リノベーション」
として使い分けられています。
最近は、リノベーションを「リノベ」と略して、「実家をリノベする」「中古マンションを買ってリノベ」「古い団地をDIYでリノベする」といった使われ方もされるようになりました。
リノベーションが注目される背景は?
以前は、リノベーションと言えば、
- ・中古住宅の購入時に気になる箇所を「部分的にリノベーション」する
- ・リノベーション済みマンション物件を購入(賃貸)する
のが一般的でした。
近年は、
- ・中古物件を購入して新築のように「リノベーション」する
- ・実家や団地をDIYなどで「セルフリノベーション」する
- ・購入したマンションを、注文住宅のように自分好みに「フルリノベーション」する
- ・リノベーション前提で中古物件を探して「ワンストップリノベーション」をする
- ・マンション・アパート・ホテルなどを「一棟まるごとリノベーション」する
といったように、住み替えの選択肢としてリノベーションの普及が進み、さらにその選択肢も多様化しています。
マイホーム取得の観点からは、中古住宅は新築よりリーズナブルな価格で購入できること、物件数も豊富で立地も選びやすいこと、注文住宅のように自由度の高い間取りやデザインにできること、新築よりも資産価値の目減りが少ないこと、建物を再利用することでエコでサステナブルなライフスタイルが実現できるなど、新たなマイホーム購入の選択肢としてリノベーションの人気が高まっています。
国土交通省は、中古住宅の流通を促進し、優良な既存住宅を次世代に継承する政策として、「既存住宅・リフォーム(リノベーションを含む)市場の活性化に向けた取組み」を推進しており、国を挙げて推進しています。
全国各地で都市再開発、地域商店街の活性化、空き家対策など、リノベーションを地域活性化に活用する取り組みも広がりをみせており、今後もさらなる普及が予測されています。
▶SHUKEN Reのリフォーム・リノベーション事例集とお客様インタビュー
■リフォームとは「老朽化した住まいを新築に近い状態に戻すこと」
リフォームの定義
一般社団法人リノベーション協議会では、リフォームを以下のように定義しています。
リフォームとは、原状回復のための修繕営繕・不具合箇所への部分的な対処
国土交通省のガイドラインでは、「新築時の目論見に近づくように復元する(修繕)」と定義されています。
いずれも、老朽化した建築物の内装や設備を原状回復して「新築に近い状態に戻すこと」を意味します。
主に経年劣化した設備を新品に交換したり、色あせた壁紙やフローリングを貼り替えるなどの修繕が多い傾向があります。
なお、日本で使用されている建築用語の「リフォーム」は和製英語です。英語圏で建築物の改修や修繕を指す単語は、「リノベーション(renovation)」が一般的です。
■【図解】リノベーションとリフォームの違いを間取り図で比較
これまでご説明してきたように、建築用語の「リフォーム」と「リノベーション」の違いは、次のような意味で使い分けられています。
- 【リフォームとは】建築物を新築に近い状態に復元すること(原状回復、修繕)
- 【リノベーションとは】建築物を作り変えて性能・使い勝手・価値を高めること(刷新、改修)
では、具体的にリフォームとリノベーションは何が違うのか、間取り図などを見ながら比較してみましょう。
リフォームとリノベーションの間取りの違い(間取り図比較)
では、まずキッチンの間取り図を例に挙げて、リフォームとリノベーションの違いを具体的に比較してみましょう。
■リフォームのビフォーアフターの間取り図
リフォームは、こちらの間取り図のように、古くなったキッチンを新築のときと同じレイアウトで交換し、使い勝手や性能を元に戻すのが目的です。
■リノベーションのビフォーアフターの間取り図
リノベーションの場合は、下記のように、間取り・レイアウトも変更し、現代のライフスタイルに合わせて使い勝手や性能を向上させるのが目的です。
「リフォーム・リノベーションどちらが優れているということはなく、工事をする目的に合わせて選ぶ」ことになります。
例えば今の間取りや設備に不満が無ければ、リフォームでも問題ありません。
しかし、築年数が古い物件であったり、家族構成やライフスタイルが変わるタイミングで、より快適な暮らしを実現したい場合は、リノベーションの方が理想の住まいを作れる可能性が高いでしょう。
リノベーションとリフォームの費用の違い
リノベーションの費用相場
リノベーションの費用相場は、15~20万円/㎡です。建物の状態、工事の内容、改修する面積などによって異なりますが、おおむね費用の目安は以下の通りです。
60㎡ | × | 15~20万円 | = | 900万円~1200万円 |
70㎡ | × | 15~20万円 | = | 1050万円~1400万円 |
80㎡ | × | 15~20万円 | = | 1200万円~1600万円 |
一方、築年数が浅く、間取りや設備の不満がなく部分的にリフォームを検討する際の費用の目安は、以下のようになります。
リフォームの費用相場
壁紙やフローリング貼り替え | 150~200万円 |
水回り設備4点(キッチン・バス・トイレ・洗面台)の交換 | 250~300万円 |
建具や収納の交換 | 100~150万円 |
間取り変更や水回りの移動 | 100~200万円 |
実際のリノベーションやリフォームにかかる費用は、建物の状態や広さ、選ぶ建材・設備のグレードで大きく変動しますので、ご参考まで。
間取りや広さごとの費用の事例は、こちらのコラムを参考に検討してみてください。
リノベーションとリフォームの工事の違い
リノベーション工事の多くは、壁の移動や撤去などを含む間取り変更、水道管・配水管の交換・移動など、より建物の構造部に近い大規模な改修工事などが含まれます。
リフォーム工事は、主に内装の壁紙の貼り替え、水回り(キッチン・浴室など)などの設備の交換などの建物の表層の改修が中心です。
近年、建物の躯体のみを残し、壁や内装などを取り払いスケルトン状態にしてから、大規模に作り直すスケルトン工事によるフルリノベーション工事が多くなっています。
フルリノベーション、スケルトンリノベーション、コンバージョンの違いとは
リノベーションには工事の内容によって、フルリノベ、スケルトンリノベ、コンバージョンなどの種類があります。参考までに、それぞれの違いを見てみましょう。
①フルリノベーションとは
住まいの床面積全体をやりかえて、作り直すことをフルリノベーションと呼びます。
一般的にはリノベーションと言えばフルリノベーションのことを指すことが多いです。
フルリノベーションは自由設計のオーダーメイド型、プラン選択制のパッケージ型に分かれます。
オーダーメイド型は、注文住宅のように、間取りや建材・設備を自由に選べる点が魅力です。オリジナル家具もオーダーできます。自分好みにできる分、十分な予算を確保しておく必要があります。
パッケージ型は、あらかじめ用意された標準プランからチョイスするタイプです。
パッケージ型は工事内容が一般的なリフォームとあまり違いがない場合もあるため、注文住宅のような自由度が高い設計・施工を希望する場合は、オーダーメイド型がおすすめです。
②スケルトンリノベーションとは
一戸建てやマンションの構造だけを残し、壁や床を解体してから作り変えるのがスケルトンリノベーションです。
建物の骨格の状態からゼロから作り変えるため、間取りの自由度が高く、理想のマイホームにリノベーションしやすいのが特徴です。
一方、既存の壁や床など内装や間仕切りをすべて解体するため、材料・廃材・工事にかかる費用は少し高めになります。
戸建ての場合、室内側の解体だけでなく、外壁などもスケルトンにする場合もあります。
③コンバージョンとは
リノベーションの工事の程度に拘わらず、建物の用途自体を変更することをコンバージョンと呼びます。
例えば自宅の1階部分を住居から店舗に変更するのは、コンバージョンの一種です。
もともと倉庫やオフィスだった建物を、住宅にする場合や、住宅の一部を賃貸・倉庫などにコンバージョンして、併用住宅として作り変えるのも一つの選択肢です。
マンション、アパート、社宅、ビルなどを一棟まるごとコンバージョンしたりリノベーションする場合は、こちらのコラムも参考にしてください。
リノベーションとリフォームの築年数による違い
一般的に、新築マンションや注文住宅で戸建てを新築するより、中古マンションや中古戸建てをリノベーションするほうが、費用を安く抑えることができます。
建物の種類や築年数によって、目安となる改修内容程度が変わってきます。
例えば、築浅の中古マンションで、間取りの変更などが必要がない場合はリフォームも選択肢になります。
分譲マンションや団地であれば、外壁や屋根の塗装のリノベーションは想定しなくてよいため、築30年前後までならある程度費用を計画しやすくなります。
一方、築40年以上の戸建て住宅は物件によって状態の差が大きく、リノベーション費用も建物の現況をより正確に診断しないと予測が難しくなります。
壁、床、天井などを剥がしてやり直すスケルトンリノベーションが必要になるでしょう。
築40年の中古住宅は何年住めるか|リノベーション・スケルトンリフォーム事例
築50年の中古リノベーションの失敗例と対策|リノベして何年住める?
■リノベーションとリフォーム、それぞれのメリット・デメリットは?
では、ここであらためてリノベーションとリフォームのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。
・リノベーションのメリット
リノベーションのメリットとして、まず挙げられるのは新築するより費用を安く抑えられる点です。
中古戸建てやマンションを購入してリノベーションする場合でも、新築の50~70%程度の費用でおしゃれなマイホームを手に入れることができます。
新築より物件数が豊富で、好立地の物件も選びやすいのも特徴です。
また、注文住宅のように、自分好みにオリジナリティの高いおしゃれなマイホームに仕上げられるのも魅力♪
新築より資産価値も目減りがしにくいので、リノベーションすることによって物件に新たな価値を生み出していくことも可能です。
既存の建物を大切にしながら住み続けるため、地球環境への負荷も低くサステナブルな暮らしでSDGsにも貢献します。
リノベーションのメリットについてはこちらのコラムでも詳しく解説しています。
・リノベーションのデメリット
リノベーションは、物件探しから始める場合、実際に暮らし始めるまである程度の時間がかかるのは注意が必要です。
また戸建て・マンションどちらの場合も、構造や配管などの状態が良く、リノベーションに向いている物件を見極める視点も必要になります。
特に耐震補強が必要になるとリノベーション費用が高くなるので、築年数や耐震強度のチェックも欠かせません。
物件によっては住宅ローン減税を受けられないケースもあるなど、税制面のデメリットもあります。
リノベーションの注意点やデメリットへの対策は、こちらのコラムも参考にしてみてください。
・リフォームのメリット
リフォームのメリットは、工事期間が短めで、部分的に工事できることです。
大規模なリノベーションをせずに、キッチン、浴室、トイレの設備の交換などであれば、数日~1ヶ月程度で済む場合もあります。
改修規模も少なく、部分的なリフォームなら費用も数十万円から数百万円程度で済みます。
間取り変更やデザイン変更はほとんど行わないため、おおよそどのような完成状態になるかがイメージがつきやすくなります。
生活動線もあまり変わりませんので、これまでと暮らし方を変えたくない場合はメリットがあるでしょう。
・リフォームのデメリット
リフォームは、新築時の状態に戻すのが基本ですので、大幅な間取り変更やデザイン性は追求しにくいのが実際です。
築古の物件は、部屋が狭かったり、キッチンや水回りの位置が使いづらいなど、暮らしにくさがあるのは否めません。
間取りを変更して生活や家事動線をスムーズにするなら、リノベーションのほうが全体最適化ができます。
また、部分的にリフォームをすると、リフォームしていない箇所と仕上がりの素材やトーンが変わってしまいます。
デザイン性を重視して、統一感を大切にしたい場合は、リノベーションのほうがよいでしょう。
リノベーションには注意点もありますので、こちらのコラムも参考にしてみてください。
■リノベーションとリフォームの流れと具体的な進め方
初めてリノベーションやリフォームを検討する場合、どのように進めて良いか迷う方が多いでしょう。
中古物件を購入してリノベーションやリフォームをする場合の大まかな流れは以下の通りです。
①中古物件選定~購入
②現地調査~工事見積もり
③工事請負契約~着工準備
④着工~完成
⑤入居
自宅や実家をリノベーション・リフォームする場合は、②からはじめることができます。
最近は、①の時点からリノベーション向き物件探しをリノベーション会社に相談したり、購入予定の中古物件の現地調査にリノベーション会社の担当者が同行してリノベーションプランを検討するケースが増えています。
各工程の詳細についてはこちらのコラムもご覧ください。
リノベーション前提の物件選びをする際に特に重要なのは、①②の中古物件購入の費用とリノベーションの費用をトータルで予算組みすること。
理想の物件探しと、自分たちのライフスタイルに合った改修プランをどのようなバランスで実現するかがポイントです。
物件に応じた改修設計が必要ですので、物件探し・リノベーション&リフォームのプラン・資金計画は、同時進行で検討しなければなりません。
これまでは、物件探しは不動産会社、工事は施工会社、資金計画は銀行などに別々に相談しなければならず、手間も時間もかかるのが一般的でした。
現在は、物件探しから「ワンストップリノベーション」の会社に相談すできるため、忙しい方やオーダーメイドの住まいを実現したい方におすすめです。
中古中古物件探しから始めるSHUKEN Reのワンストップリノベーション
■まとめ
日本においては、リフォームとリノベーションは、工事の目的や範囲が異なるため、
・リフォームとは、老朽化した建築物を新築に近い状態に戻すこと
・リノベーションとは、建築物を作り変えて新築時より使い勝手・性能・価値を高めること
と使い分けられられています。
リノベーションは、近年、
・新築注文住宅のように中古物件を自分好みにリノベーションしてから住む
・建売住宅のようにリノベーション済み物件を探して購入する
・古い物件・実家をDIYでセルフリノベーションする
・物件探しからリノベーションまでをまとめてリノベーション会社と「ワンストップリノベーション」する
など多様化しています。
リノベーションの費用の目安は、物件の状態や工事内容によって異なり、15万円~20万円/㎡と幅があります。
リフォームは、キッチンなどの水回り設備の交換、内装の貼り替えなど、工事内容などによって費用が大きく異なります。
理想の中古物件選びやリノベーション・リフォーム会社を選ぶには、リノベーション・リフォーム会社のホームページで、事例を数多くチェックして、自分好みの事例が多い会社に資料請求をするのがおすめです。
SHUKEN Reは約20年間で8,000件を超えるリノベーション&リフォームの実績があります。こちらの施工事例を参考に、理想の住まい作りをイメージしてみてください。
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