公開日:2026-04-29 

民泊規制が経営に与える影響とは?規制強化によるデメリットと対策を解説

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民泊規制の対象となる宿泊施設

 

インバウンド需要を背景に都市部を中心に増えている民泊ですが、近隣トラブルなどを受けて規制強化に乗り出す自治体が増えています。

 

営業日数やエリアなどの規制強化は、民泊の経営に大きな影響を与え、事業の存続自体にも関わる重要なポイントです。

 

そこでこの記事では、民泊規制強化の状況と今後の動向を踏まえて、今後取るべき対策まで詳しく解説します。

 

既に民泊施設を経営している方、これから開業を検討している方どちらにも役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 

この記事のポイント
  • ・2018年の規制緩和により民泊開業のハードルは下がりましたが、現在は規制強化が進み経営面のリスクが発生しています。
  • ・開業エリアや営業日数の制限、運営ルールの厳格化など、自治体の上乗せ条例による規制強化の内容を把握しましょう。
  • ・商業系地域での開業や簡易宿所の選択など、規制強化によるリスクを回避するための考え方をご紹介します。
SHUKEN Re 編集部


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住宅リノベーション専門家集団が、単に情報をまとめただけの簡易的な記事ではなく、真剣にリノベーションを検討している読者に役立つ、価値ある中身の濃い情報をお届けしています。

 

 

 

■民泊規制の緩和、強化の背景と状況

 

民泊規制の緩和と強化のイメージ

 

自治体による規制強化について掘り下げる前に、まずは現在民泊が置かれている状況について正確に把握しておきましょう。

 

 

インバウンド需要の増加による民泊規制の緩和

 

2018年の「住宅宿泊事業法(民泊新法)」の施行によって民泊規制が緩和されました。

 

インバウンド需要の爆発的な増加に対し、既存のホテル・旅館だけでは宿泊施設が決定的に不足したこと、社会問題化している空き家の有効活用などが規制緩和の背景です。

 

〈関連コラム〉

インバウンド需要が民泊経営成功のカギ?外国人観光客に選ばれるサービスづくりのポイントとは

 

民泊新法が施行される前は、主に旅館業法における簡易宿所の許可を得る必要があり、開業できる用途地域も限られていました。

 

その結果、無許可で営業する民泊施設が増加し、近隣トラブルや安全性の欠如が大きな社会問題となりました。

 

こうした状況を受けて、民泊を合法的に運営できるルールを整備する必要性が高まり、2018年6月に「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行されました。

 

新法の誕生により、建物の用途を住宅のままで住居系用途地域でも開業できるようになり、ルールに則った民泊施設が全国的に増えて現在に至ります。

 

個人や不動産会社、空き家所有者などの参入が相次いだことで、宿泊業界の新たな選択肢として注目を集めています。

 

〈関連コラム〉

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自治体による規制強化の状況

 

民泊新法の施行によって施設が急増した一方で、近隣住民とのトラブルなどを受けて民泊の規制を強化する自治体が増えています。

 

住宅街の中に多くの民泊施設が新設されたことで、深夜・早朝の騒音や、不適切なゴミ出し、見知らぬ外国人の出入りといった問題が発生したためです。

 

特に人口が多い都市部や観光客が多いエリアでは、「観光公害(オーバーツーリズム)」が、地域住民の生活環境に影響を与える大きな社会問題となっています。

 

国が定めた民泊新法では、年間180日までの営業が認められています。

 

しかし、この一律のルールだけでは、地域ごとの細かな住環境の特性や住民の不安を解消しきれないケースが増えてきました。

 

そこで、自治体が独自の「上乗せ条例」を制定し、地域の実情に合わせた民泊の規制強化に乗り出す動きが増えています。

 

民泊が普及し、宿泊の選択肢として定着した現在、市場はとにかく数を増やす段階から、地域と共生できる質の高い施設だけを残す段階へと移行しています。

 

これからも安定した民泊経営を続けるためには、規制強化の動きを把握したうえで、施設や運営ルールを変化させることが大切です。

 

 

■民泊規制強化|自治体の「上乗せ条例」の具体例

 

民泊の上乗せ条例による駆けつけ要件のイメージ

 

ここからは、自治体独自の「上乗せ条例」による民泊規制強化の具体例をチェックしていきましょう。

 

上乗せ条例がある自治体では、住宅宿泊事業法以上の厳しい規制によって、民泊の開業や営業が制限されている状況です。

 

 

新規開業・営業日数・エリアの制限

 

一部の自治体では、民泊の新規開業の受け付けを停止したり、特定エリア内での営業を事実上制限したりする動きが増えています。

 

民泊の営業に関わる規制は経営に大きく影響するため、全体の動向や自治体の動きを把握しておくことが大切です。

 

自治体

規制の内容

大阪府大阪市

2026年5月29日をもって特区民泊の新規受付を終了(※2025年11月に正式決定済)。

東京都豊島区

2026年12月の条例施行により、区内全域での営業日数の大幅制限や、特定地域での新設制限を予定。

 

上乗せ条例で新規受け付けを完全に停止している自治体はまだ少ないですが、今後増加する可能性もあり、民泊開業のエリア選択が狭まるリスクがあります。

 

さらに、開業自体は受け付けていても、営業日数やエリアの制限がかけられている自治体も増加しています。

 

自治体

規制の内容

東京都墨田区

家主不在型の場合、区内全域において、日曜日の正午から金曜日の正午までの間は営業不可。(※2026年4月1日以降の新規届出が対象)

京都府京都市

住居専用地域における営業期間を1月15日から3月16日までの約60日間(冬の閑散期)に限定

 

民泊開業が可能な自治体でも、上乗せ条例によって特定エリアの営業期間を制限するケースが増えています。

 

例えば、東京都墨田区では、家主不在型民泊の区内全域で平日の営業が制限されているため、上限の180日で稼働することはできません。

 

特に東京23区内は家主不在型民泊の営業日時を制限しているケースが多く、開業エリア選びで注意すべきポイントです。

 

 

運営ルールの厳格化

 

近隣トラブルの多発を受けて、上乗せ条例によって住宅宿泊事業法以上に厳しい運営ルールを定めている自治体も増えています。

 

特に、トラブルや苦情が発生した際の駆けつけ要件は、民泊の開業エリアや運営に影響する重要な要素です。

 

自治体

規制の内容

東京都台東区

苦情等への30分以内の迅速な対応、喫煙ルールの遵守に関する必要な措置などの義務付け

京都府京都市

営業中は現地対応管理者を施設内、またはおおむね10分以内に駐在させることを義務化

 

東京23区では、管理者の常駐、もしくは30分以内の駆けつけ要件を定めているケースが増えています。

 

また、京都市のように、10分以内とより厳しい駆けつけ要件が設けられている地域では、民泊の開業や運営ハードルは高くなります。

 

自治体によっては、ICT(カメラ)による遠隔管理を認めていないケースもあり、人員配置やエリア選択のハードルはさらに高いです。

 

開業後に駆けつけ要件の厳格化が進んだ場合、民泊運用や人件費などに大きな影響を及ぼすリスクがあります。

 

ここで挙げたように、多くの自治体で民泊の上乗せ条例による規制強化が進んでいる現在、開業時の対策が重要になります。

 

特にどのエリアで民泊を開業するのかは、経営計画や集客力、収益性に直結する重要なポイントです。

 

各自治体の最新の情報をご自身で調べるだけでなく、民泊リノベーションの実績が豊富で市場動向に精通しているプロのアドバイスやサポートを受けることも大切です。

 

私たちSHUKEN Reは、これまで多くの民泊・宿泊施設づくりをサポートした実績がございます。

 

民泊開業のエリア選定はもちろん、所有物件を管轄する自治体の条例やルールを踏まえた施設づくりまでトータルサポートが可能です。

 

ぜひお気軽にご相談ください。

 

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■民泊規制強化への対策

 

民泊規制に対策した施設のキッチン

 

規制強化が進む民泊の厳しい状況に対応するためには、開業前の対策が重要になります。

 

特にこれから民泊施設を新規開業する場合、現状の上乗せ条例と今後の動向を踏まえて開業エリアや経営計画を立てることが大切です。

 

 

商業地域で開業する

 

上乗せ条例による民泊の営業日時の規制強化への対策としては、商業系地域で開業するのが理想的な対策です。

 

民泊の規制が強化されているのは主に住居専用地域で、これからも多くの自治体が対策を進める可能性が高いです。

 

住居系の用途地域での営業日数や曜日が制限されている自治体でも、「商業地域」や「近隣商業地域」などのエリアなら180日フルで営業できる可能性があります。

 

ただし、近年は墨田区や豊島区のように『区内全域』を対象として厳しい制限をかける自治体も出てきているため、商業地域であっても油断せず、必ず管轄自治体の最新条例を確認することが重要です。

 

 

旅館業法における簡易宿所での開業

 

自治体の上乗せ条例による規制強化は住宅宿泊事業法の民泊施設が対象のため、旅館業法における簡易宿所での開業を検討するのも有効な対策です。

 

簡易宿所は用途地域や設備などの要件は厳しくなるものの、住宅宿泊事業法の民泊施設を対象とした上乗せ条例の影響を受けません。

 

ただし、自治体によっては簡易宿所等を対象とする別の条例が定められている場合もあるため、旅館業法で開業する場合でも、必ず自治体の規制内容を確認することが重要です。

 

簡易宿所は民泊のような営業日数の上限がなく、365日通年営業も可能になるため、より収益性を高める経営計画も立てやすくなります。

 

こちらのコラムで民泊と簡易宿所の違いについて詳しく解説しています。

 

〈関連コラム〉

民泊許可に必要な費用の内訳と相場を解説|収益性を高めるためのリノベーション費用も

 

 

「ハイブリッド運営」の仕組み化

 

今後民泊規制強化が進むことを想定して、営業できない期間に別の方法で収益を上げるハイブリッド運営の仕組みをつくるのも効果的な対策です。

 

例えば、定期借家契約を結んでマンスリーマンション(1ヶ月単位)のような形態で貸し出すことは可能です。

 

なお、ウィークリー(週単位以下の短期)での貸し出しは旅館業法の適用を受ける可能性があるため、管轄の保健所に事前確認することをおすすめします。

 

マンスリー専用のプラットフォームなどに登録して、長期滞在のゲストを受け入れる仕組みをつくっておけば、営業日数の規制による売り上げ減少を補填できます。

 

 

運営ルールの構築と近隣説明の徹底

 

今後民泊の規制強化が進むのを防ぐために、開業前に運営ルールを構築し、近隣説明を徹底することも重要です。

 

自治体が上乗せ条例を施行する原因となっている、騒音やゴミ出しなどのルールを細かく定め、利用者に守ってもらう運営方法まで落とし込む必要があります。

 

特に外国人利用客が想定される場合は、多言語対応や分かりやすい標識の設置など、ルールを周知するための運営や施設づくりも大切です。

 

ゴミ箱のフタや室内に写真付きの分別ルールを表示したり、夜間に外へゴミを出さないなどの運営を徹底したりするなどの対策が効果的です。

 

また、騒音センサーの設置で、一定のデシベルを超えるとゲストに警告メッセージが飛ぶ仕組みを取り入れるなど、トラブルを防止する方法も検討しましょう。

 

こうしたルールを細かく定めたうえで、近隣住民への説明会で同意を得て苦情やトラブルを予防するのも大切なポイントです。

 

前述したようなトラブルを予防するルールや仕組みをつくっていることを近隣住民に知ってもらい、説明会で顔の見える関係をつくることが重要です。

 

万が一トラブルが発生したときの直通電話の設置など、近隣住民の要望や不安を取り入れた対策も検討しましょう。

 

ただ近隣の合意を得るだけでなく、トラブルの予防と万が一発生した際のスムーズな解決まで想定することが、安定した民泊運営につながります。

 

 

■民泊の規制に関するよくある質問

 

民泊規制対策のリノベーション事例

 

最後に、東京・千葉・神奈川エリアで約25年にわたり8,000件超のリノベーション設計・施工実績があるSHUKEN Reが、民泊に対する規制についてよくある質問にお答えします。

 

 

 

 

■まとめ

 

多くの自治体で民泊の規制強化が進んでいる現在、開業エリアの選定や運営ルールなどを慎重に検討する必要があります。

 

また、住宅宿泊事業法や条例の基準をクリアするだけでなく、実際に集客をして収益を確保するための魅力的な施設づくりも求められます。

 

民泊の規制緩和によって開業自体のハードルは下がったものの、実際に経営を成り立たせるためにはさまざまなポイントについて考える必要があるのです。

 

なるべく開業計画の初期段階で専門家に相談し、適切なアドバイスやサポートを受けるのが成功のポイントです。

 

東京・千葉・神奈川の首都圏エリアで民泊開業を検討の際は、私たちSHUKEN Reにご相談ください。

 

多くの民泊施設づくりをサポートした実績を活かし、開業エリアや物件の選定から、上乗せ条例を含めた市場動向を踏まえた施設づくりまでお手伝い可能です。

 

ぜひお気軽にご相談ください。

 

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Q 自分の物件が「上乗せ条例」の対象かどうか、どこで確認すればよいですか?

A

自治体の公式サイトや窓口で確認できます

 

民泊の上乗せ条例による規制内容は自治体によって異なるため、物件を管轄する市区町村の公式サイトや保健所・生活衛生課などの窓口で確認するのが確実です。

 

例えば、東京都の場合は市区町村によって、営業可能エリアや日数、駆けつけ要件などのルールが大きく異なります。

 

また、上乗せ条例の内容は民泊の開業計画や施設づくりにも影響するため、実績が豊富な施工会社に相談するのもおすすめです。

Q 自治体の条例以外に気をつけるべき規制はありますか?

A

マンションの管理規約は特に注意が必要です

 

区分マンションのワンルームなどで開業を検討している場合は、独自の管理規約による営業禁止ルールなどに注意が必要です。

 

住宅宿泊事業法や自治体の条例をクリアできても、管理規約で民泊営業が制限されている場合は開業できません。

 

また、住民の同意を得るハードルも高いため、共同住宅での民泊を検討する際は注意が必要です。

 

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マンション民泊はワンルームより一棟がおすすめ|メリットや施工事例を紹介

Q 「家主不在型」から「家主居住型」へ切り替えることは可能ですか?

A

可能ですが、一定の条件を満たす必要があります

 

家主不在型民泊の規制強化への対応として、開業後に家主居住型へ切り替えることは可能です。

 

ただし、家主居住型として認められるには「家主の生活の本拠(住民票がある等)」がその住宅にあることや、家主が不在にする時間に制限があるなど、厳しい条件があります。

 

単に「時々寝泊まりする」程度では認められないケースが多いため、事前に管轄の保健所へ相談することをおすすめします。

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