公開日:2023-03-04
マンションリノベーションで“水回り”は移動できる?注意点から費用まで解説
マンションのフルリノベーションのプランを考える際、真っ先に検討するのがキッチンや浴室など水回りの位置です。
一般の方の中には、部屋の中ならどこにでも移動できると思っている方も多いかもしれません。
しかし、実はマンションによっては移動ができなかったり、できたとしても少ししか場所を変えられない場合も。
今回は、マンションリノベーションで水回りを移動する際の注意点を詳しく解説します。
費用目安についてもお話ししますので、マンションのフルリノベーションをご検討中の方は、是非参考にしてください。
・水回りの移動を検討する前に、既存配管の状態やマンション管理規約などについて、しっかり確認しましょう。
・“SHUKEN Re”では、物件探しからローン相談、リノベーションの設計・施工、アフターメンテナンスまでを専門スタッフがサポートする「ワンストップリノベ」をご用意しています。
目次
■ マンションリノベーションで水回りは移動できる?
結論から言うと、マンションリノベーションでキッチンや浴室、洗面、トイレなどの水回りを移動することはできます!
ただし、いくつもの条件をクリアしなくてはいけません。
そのため、全てのマンションで移動ができるとは限りませんし、移動できたとしてもかなりの費用や日数がかかる可能性があります。
例えば、独立型のキッチンからLD対面のキッチンにしたい場合は、給水管・給湯管・排水管の位置をかなり移動しなくてはいけません。
リノベーション会社によっては施工できるところとできないところがあるのが実情です。
ただし、いくら設計力・施工力のあるリノベーション会社であっても、“移動できない”と判断せざるを得ないケースもあります。
フルリノベーションの間取りを検討する際は、今から紹介します5つの注意点を十分理解しておきましょう。
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■ 水回りの移動を前提としたプランニングは危険!知っておくべき注意点5つ
では、マンションリノベーションで水回りを移動する障壁となるのは、どのような点なのでしょうか。
ここでは、特に重要な5つの注意点・チェックポイントを紹介します。
ご自宅がどれか一つにでも該当している場合は、水回りの移動が叶わないかもしれません。
● 管理規約で移動が禁止されていないか
マンションの建物やそれに付随する配管、開口部などは、「建物の区分所有等に関する法律」を元に、全て専有部分と共用部分に分けられます。
ここでポイントとなるのが、システムキッチンやシステムバスなどの設備機器本体や、室内に配置された配管は「専有部分」で、大元の排水取り込み口は「共用部分」であるということ!
そのため、水回りの移動をする際にも、区分所有者の判断で施工できる範囲が限られているのです。
共用部分を撤去・移動・交換してしまうと、重大な管理規約違反となってしまいます。
また、水漏れのリスクが高まることを危惧して、そもそも一切の水回り移動を禁止しているマンションも少なくありません。
水回りの移動を伴うフルリノベーションを検討する際は、まず最初に管理規約を確認することをおすすめします。
● 床スラブ下配管でないか
マンションの配管方式は「床スラブ上配管」と「床スラブ下配管」の2種類があり、大元の排水管までの横引き配管が床構造体の上を通っているか、下階の天井裏を通っているかに分かれます。
先ほども紹介した「建物の区分所有等に関する法律」では、横引きの排水管は専有部分扱いとなるため、本来は取り替えや移動を区分所有者の判断で行うことができます。
しかし、床スラブ下配管の場合は、下階の部屋の天井を開けなくてはいけませんし、床スラブに配管を通すための貫通孔を開けることができないため、移動のハードルはかなり高めです。
築40年近いマンションですと、床スラブ下配管のケースも多いため、まずは管理組合などから図面を借りて、排水配管の位置を確認しましょう。
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● 配管が劣化していないか
水回り移動の際に必ずチェックしなくてはいけないのが、配管の劣化状況です。
材質によって寿命が異なり、築年数の古いマンションの場合は既に劣化が進んでいる可能性は否めません。
特に、水漏れや水質汚染の原因となる給水菅・排水管については注意が必要です。
【配管の材質】 | 【寿命】 |
・鉄管 | 15~20年 |
・鉛管 | 15~20年 |
・銅管 | 20~25年 |
・ステンレス管 | 30~40年 |
・硬質ポリ塩化ビニル管 | 20~25年 |
・架橋ポリエチレン管 | 30~40年 |
・ポリブデン管 | 30~40年 |
築30年を超える中古マンションですと、かなりの確率で配管が傷んでいる可能性も高いでしょう。
劣化が進めば、弱っている部分から水漏れが起きたり、錆が水へ溶け出して水質汚染を引き起こしたりしてしまいます。また、水圧も低くなりがちです。
つまり、配管を更新しない限り、水回りの移動をしても長持ちしないということ!
ただし、見えない部分に配管されている給水管や排水管の材質を確認することは難しいため、図面に添付されている仕様書などで確認しなくてはいけません。
今までフルリノベーションをしたことがあるお部屋ですと、既に新しい配管へ更新されている可能性もありますので、購入する場合は売主へその旨を確認してください。
● 排水勾配を確保できるか
配管内の詰まりや逆流、水漏れを防ぐためには、適切な排水管の勾配を確保しなくてはいけません。
建築基準法規定内では、以下のように定められています。
・配管口径50mm以上(洗面、洗濯機など) | 1/50以上 |
・配管口径65mm以上(キッチン、浴室など) | 1/50以上 |
・配管75mm以上(トイレ ) | 1/100以上 |
・管径100mm以上 | 1/100以上 |
勾配1/50とは、1mの距離で2cmの傾斜をつけなくてはいけないということになり、1/100ですと1mの距離に対して1cmの高さが必要です。
大元の排水接続部との距離が遠くなればなるほど、設備機器に接続する排水管の高さをあげなくてはいけません。
床下に配管が収まり切らない場合は、床を一部上げるなどの工夫が必要で、天井高を確保できるかも併せて検討する必要があります。
先ほども紹介した床スラブ下の場合は、横引き排水管を移動できず、水勾配の確保が難しいでしょう。
● 換気ダクトの移動ができるか
給排水管やガス管の移動に関する問題をクリアしたとしても、水回りが移動できるとは限りません。
水回り空間に必須の換気ダクトを移動できるかも確認しましょう。
ダクトとは、室内の空気を室外へ送り出すための管で、通常は換気扇やキッチンフードから外壁の穴まで天井裏に配置されます。
水回りの移動先によっては、コンクリート梁が邪魔になって天井裏を通せない可能性があるため注意してください。
元々、ダクトを梁に貫通させるためのスリーブ(孔)が開けられている場合はいいのですが、これを区分所有者で行ってはいけません。
なぜなら、梁は重要な構造体であり共用部だから!
ダクトを固定するためのビスを梁に刺すこともNGです。
ただし、この問題を解決する方法があります。
それは、思い切って見せてしまうこと。
上の写真のように、最近トレンドのインダストリアルデザインとも相性が良く、無骨でメタリックなダクトがインテリアのアクセントになります。
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■ 水回りを移動するとどれくらいの費用がかかる?
キッチン・浴室・洗面・トイレをリノベーションに伴い移動する場合、同位置での取り替えと比べるとかなりの追加費用がかかります。
- ・大元の排水接続口と既存水回り、移動先の水回り付近の床解体
- ・給水管、排水管、ガス管などの配管延長や位置変更
- ・換気ダクト配管の延長や位置変更(場合によっては天井の一部解体も)
- ・床や天井の解体部分復旧工事
- ・設備機器本体
- ・内装仕上げ工事(床、壁、天井)
設備機器本体や内装仕上げ工事は、選ぶ商品や材料によって大きく異なりますが、配管移動や解体撤去工事、下地復旧工事の費用目安は以下の通りです。
【キッチン移動の基本工事費用目安(設備機器本体・内装工事の費用別途)】
35〜70万円(諸経費・消費税別途)
【浴室移動の基本工事費用目安(設備機器本体・内装工事の費用別途)】
70〜120万円(諸経費・消費税別途)
【洗面台移動の基本工事費用目安(設備機器本体・内装工事の費用別途)】
20〜40万円(諸経費・消費税別途)
【トイレ移動の基本工事費用目安(設備機器本体・内装工事の費用別途)】
30〜50万円(諸経費・消費税別途)
ただし、部屋の端から端まで移動させる場合は、解体範囲がかなり広くなるため、スケルトンリノベーションを視野に入れることもおすすめ!
築年数の古いマンションの場合は、水回りのうちのどれか一部を移動させる場合も、全ての配管を入れ替えておくと安心です。
ポイントは、水回りを移動する場合は併せて部屋全体の仕様を見直すことです。
せっかく大掛かりな工事をするのですから、範囲を広げて一気にリノベーションすることで時間も費用も無駄を抑えられて効率的です。
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■ まとめ:マンションリノベーションの水回り移動は現状を把握してから
理想の間取りを思い描く際、どうしても水回りを移動しなくてはいけないことも少なくないはずです。
しかし、残念ながらどのマンションでも移動できるとは限りません。
まずは、物件の現状を把握してから、無理のない程度に移動することを検討しましょう。
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