公開日:2023-03-01 更新日:2024-07-04
【リノベーション済みマンションをお探しの方へ】メリット・デメリットをプロが解説
好立地の新築マンションはどうしても選択肢が限られてくるため、最近中古マンションの購入を検討する方は少なくありません。
物件情報サイトなどを見ていると目に留まるのが「リノベーション済み」物件。
最近は、主に不動産会社が、中古マンションをリノベーションして売りに出すケースが増えています。
そこで今回は、リノベーション済み物件のメリット・デメリットから、選ぶ際のポイントまで“リノベのプロ”が解説します。
マイホーム購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
・リノベーション済みマンションを探す際には、部屋の中だけではなく築年数や共有部の状態など様々な視点からチェックしなくてはいけません。
・“SHUKEN Re”では、物件探しからローン相談、リノベーションの設計・施工、アフターメンテナンスまでを専門スタッフがサポートする「ワンストップリノベ」をご用意しています。
目次
■ リノベーション済み物件が増えています
みなさんは「買取再販物件」という言葉を聞いたことはありますか?
これがまさにリノベーション済み物件を指します。
ここ数年、この買取再販物件数が増えており、情報サイトによっては、3年間で2倍以上にもなっているところもあるほどです。
増加が著しいエリアを見てみると、越後湯沢や熱海などバブル期に開発が進んだリゾートマンションや、「川口駅(埼玉県)」、「三軒茶屋(東京都世田谷区)」、「恵比寿駅(東京都渋谷区)」、「麻布十番駅(東京都港区)」、「目黒駅(東京都品川区)」など、利便性が高く人気の高いエリアが目立ちます。
これらの地域は、既にマンションやビルが建ち並んでいるため、新たなマンション開発が進められない場所は少なくありません。
そこで注目されているのが、「買取再販物件」。
ストック住宅(中古住宅)をリノベーションできれいに蘇らせ、新築志向の方へもアプローチする不動産会社は増えています。
未リノベーションの物件を購入後リノベーションするケースと併せて、選択肢の一つとなっており、好立地でマイホームを持ちたい方には見過ごせない存在です。
では、買取再販物件=リノベーション済み物件にはどのような魅力があるのでしょうか?
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■ リノベーション済みマンションのメリットは?
中古マンション市場では、リノベーション済み物件の数が年々増えており、東京などの都心部を中心にその人気が高まっています。
物件探しの条件に、「リノベーション済み」を必須としている方も少なくありません。
では、なぜ今リノベーション済み物件が人気なのでしょうか?
主なメリットは、7つあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
● 新築マンションより価格が安い
リノベーション済み物件の中には、築20年を超えるものも少なくありません。
そのため、いくらリノベーション済みであっても、当然のことながら同じ立地条件・広さであれば、新築マンションよりも価格が安いです。
東京などの都心部でマンションを探す場合は、特に価格差が大きいため、駅近などの好立地物件を探す方の中には、リノベーション済み物件に限定して探す方もいます。
● 新築マンションよりも選択肢が多い
都心部において、人気のエリアは既に都市開発が進んでおり、新築マンションに限定するとエリアがかなり限られてしまいます。
また、間取りもデベロッパーによってスタンダードプランが決まっていることが多いため、物件情報を比較しても同じような間取り・デザインの物件が目立つでしょう。
一方、リノベーション済み物件はマンションの建てられた時期やリノベーション会社によって多種多様なプランがあります。
そのため、他の人と一味違うマンションを見つけたいという方からも、建築時期が様々なリノベーション済み物件への注目が高まっています。
● 契約不適合責任の対象となる
リノベーション済み物件の多くは、売主が不動産会社(宅地建物取引事業者)です。
そのため、引き渡しを受けた物件が契約内容に合っていない場合は、売主に「契約不適合責任(2020年以前は瑕疵担保責任)」が課せられます。
買主は契約履行時までに発生した契約不適合部分に対して、「契約解除・損害賠償請求・追完請求・代金減額請求」を求められます。
リノベーション済みマンションの売買契約については、「最低2年」の契約不適合責任が義務付けられているため、水漏れや電気関係などの不具合など、生活してみなければ分からない問題点が見つかっても安心です。
ちなみに、売主が個人(個人間取引)の場合は、契約不適合責任の対象期間を2〜3ヶ月で設定するケースがほとんどなので、築年数の古い物件を購入する場合にも、不動産会社が売主のリノベーション済み物件はメリットがあります。
● デザイン性が高くおしゃれな物件が多い
リノベーション済みマンションの特徴は、デザイン性に富んでいる物件が多いという点です。
なぜなら、売り手は築年数という懸念点を払拭すべく、トレンドを取り入れたスタイリッシュなデザインにすることを重視しているケースが多いから!
特に、不動産会社が売主の場合は、スムーズに売却できるように、買い手の目に留まる内装や設備を取り入れています。
メゾネットなどの特殊な間取りもあり、それら特性を活かしつつも現代風にリノベーションされた物件も少なくありません。
● 引き渡し後すぐに入居できる
中古マンションを購入して引き渡しを受けた後にリノベーション計画を始めると、短くても数ヶ月の間は新居へ引っ越すことができません。
そのため、住宅ローンなどの支払いと、その間に住む家の家賃などを二重で支払うことになってしまいます。
その点、リノベーション済み物件ですと、新築マンションと同様に、引き渡し後すぐに入居でき、スケジュールも立てやすいです。
● 住宅ローン・リフォームローン両方を契約する必要がない
最近はマンション購入資金とリノベーション資金をまとめて借りられる「リフォーム一体型ローン」もありますが、審査が厳しかったり返済期間が長期化したりなどのデメリットもあります。
しかし、住宅ローンとリフォームローンをそれぞれ借りれば、どうしても月々の返済負担は大きくなってしまうでしょう。
リノベーション済みマンションですと、新築マンション購入と同じく、支払いは住宅ローン一つのみです。
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● 完成形を見て購入を決められる
中古マンションを購入してからリノベーションする場合、どうしても完成形をイメージするのは難しいでしょう。
そのため、残念ながらリノベーション後に「思っていたのと違った」と感じてしまう方も少なくありません。
また、新築マンションの場合も人気の高い物件ですと、購入前にはモデルルームで大体の雰囲気しか確認できないというケースもあります。
一方、リノベーション済み物件は完成した部屋を実際に訪れて内覧してから購入を決められますので、ディテールまでしっかり確認して納得したい方におすすめです。
●トータル費用が分かりやすい
新築マンションと未リノベーションの中古マンションを比べると、一番の懸念点は「住まいにかかるトータル費用が分かりづらい」という点。
住宅購入費用とリノベーション費用を切り分けて考えてしまうと、最終的に予算オーバーとなって理想の住まいを妥協しなくてはいけなくなるかもしれません。
リノベーション済みマンションですと、新築マンションと同じようにトータル費用が見えやすいため、予算に限りがある場合も安心して物件選びが楽しめます。
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■ リノベーション済みマンションのデメリットや注意点は?
メリットが多く人気の高いリノベーション済物件ですが、購入前に知っておくべきデメリットや注意点もあります。
購入を検討する際には、見た目や間取りだけで即決するのではなく、あなたの理想やライフスタイルに合うかをじっくりと検討してください。
● 築40年を超えるマンションは耐震性が低く建て替え計画がある場合も
1981年に建築基準法の大きな改正があり、1981年5月31年までに建築確認を受けた建物を「旧耐震基準」、1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物を「新耐震基準」と呼びます。
(引用:国土交通省)
一方、「新耐震基準」は中規模地震(震度5強程度)で軽度な損傷に留まり、大規模地震(震度6〜7程度)の際に倒壊しない耐震性が求められます。
そのため、「旧耐震」である築年数の古いマンションを買うことはあまりおすすめできません。
耐震性に問題がなかったとしても、今後大掛かりな改修が必要となり、その費用を修繕積立費とは別途に区分所有者が負担しなくてはならなくなる可能性もあります。
また、古いマンションを買う際には、建て替え計画が持ち上がっていないかも必ず確認しなくてはいけません。
建て替え計画についても必ず国土交通省の調べによると、築40年を超えるマンションは2019年末で92万戸存在することが分かっており、10年後の2029年には約2.3倍の214万戸、20年後の2039年には約4.2 倍の385万戸となることが予測されています。(参考:国土交通省|マンション建替円滑化法の改正概要)
2021年には「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律」が施行され、老朽化したマンションの建て替えに対する法的なハードルが低くなりました。
購入後近い将来に建て替えするとなると、リノベーション済みであってもそれが無駄になってしまいます。
● 電気容量が少ない可能性がある
築年数の古いマンションにありがちなのが、電気容量が上げられないという問題です。
マンションの場合は、建物全体での総容量が決まっているため、世帯ごとにそれぞれの希望で容量を上げることができません。
「電気容量は30Aまで」という制限のあるマンションも少なくなく、これではご家族で生活するには不十分でしょう。
ご自宅でリモートワークするなど、在宅時間が長い方は特に気をつけましょう。
●リノベーション工事の手抜きや不具合をチェックできない
リノベーション済み物件は工事の途中を見られないため、隠蔽部分の手抜きや不具合を確認できません。
そのため、「どこの会社がリノベーションしたのか」などを確認する必要があります。
また、リノベーション会社や不動産会社が独自で保証サービスやアフターサービスを設けているかもチェックしましょう。
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● デザインや間取りにこだわれない
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リノベーション済み物件は分譲マンションと比べるとデザインや間取りに凝ったものが多いですが、特にこだわりが強い方にとってはそれでは満足できないかもしれません。
そのため、一からデザインや間取りにこだわりたい方は、未リノベーションの中古マンションをおすすめします。
ただし、リノベーション済み物件の一部を再リノベーションするという方法もあります。
その場合は、出来るだけ理想に近い物件を見つけることがコストを抑えるポイントです!
建築的知識のある不動産会社に相談しましょう。
● 共用部の管理が行き届いていないことがある
専有部がリノベーションされて新築のようにきれいになっていても、共用部のメンテナンスが行き届いていないケースもあります。
物件を内覧する際には、エントランスやロビー、ゴミ置き場などもしっかり確認しましょう。
また、不動産会社を通して今までの大規模修繕工事履歴も見せてもらうのがおすすめ!
外壁や屋上防水などの改修が適切に行われていないと、マンション全体の構造が劣化している可能性もありますし、資産価値に悪影響を及ぼしかねません。
● 条件の割に価格が高い可能性がある
最新の設備機器を搭載していたり、内装材にこだわっている物件ですと、同じ立地条件や間取り、広さの新築マンションよりも価格が高い可能性もあります。
「リノベーション済み物件は新築マンションより安い」と思い込まず、ハイスペックな仕様の場合は近い条件の新築マンションと比較してみるのもおすすめです。
その上でコスパの良さに納得できる場合は、具体的に検討してみるとよいでしょう。
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■ リノベーション済み・未リノベーション・新築マンション結局どれがいい?
ここまで「リノベーション済み物件」について詳しくお話ししてきましたが、ここで重要なのは“すべての人にピッタリではない!”という点です。
考え方やライフスタイルによっては、リノベーションを済ませていない中古マンションや新築マンションがいいという場合もあります。
ぜひご家族で今後の人生や住まいへのこだわりを話し合い、後悔のないマンション購入を実現させてください。
【リノベーション済みマンションが向いている方】
- ・支払いをまとめてトータルコストを明確に把握したい
- ・立地や広さを重視している
- ・おしゃれな部屋に住みたいが、こだわりがそれほど強くない
- ・間取りやインテリアデザインの検討はプロに任せたい
- ・すぐに入居したい
【未リノベーションマンションが向いている方】
- ・デザインや間取りを徹底的にこだわりたい
- ・工事中も細かくチェックしたい
- ・立地や広さを重視している
- ・入居を急いでいない
【新築マンションが向いている方】
- ・とにかく新しい部屋がいい!
- ・購入後40年以上は住み続けたい
- ・立地にそれほどこだわりがない
- ・すぐに入居したい
- ・近い将来、転売を検討している
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■ まとめ:リノベーション済みマンションをお探しならリノベーション会社へ相談を
「立地や広さにはこだわりつつも新しい部屋に住みたい」そんな方におすすめなのが、リノベーション済みマンションです。
新築マンションよりも割安な上に選択肢も多いのが魅力です。
ただし、築年数や共用部の状態など、購入前に確認しなくてはいけないポイントもあります。
物件を探す時に大切なのは、「建築的知識のある会社へ相談すること」。
不動産・建築両方の知識や経験が豊富な会社なら、一般の方が確認し忘れてしまう問題点も見逃しません。
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