公開日:2022-08-06  更新日:2023-04-06

築年数の古いマンションはデメリットが多い?購入・リノベーション時の注意点

築36年の中古マンションリノベーション

 

リノベーションを前提として中古マンションの購入を検討中の方の中には、築浅、築10年、15年、30年以内…など、「マンションの築年数」を基準にしてお探しの方も多いのではないでしょうか。

 

築年数が30年以上の古いマンションは、物件の選択肢が多く、購入費を抑えやすいなどのメリットがありますが、古いからこそ注意したいデメリットもあります。

 

築年数の古い中古マンションを購入・リノベーションする際のポイントをチェックして、後悔しないマンションリノベを成功させましょう!

 

この記事のポイント

・築年数の古いマンションを購入・リノベーションして住むメリットが分かります。
・築年数の古いマンションを購入するデメリットや、リノベーション前提で中古マンションを選ぶ際の注意点が分かります。

 

■今後20年で築30年以上の古いマンションが約2倍に

 

築39年の中古マンションリノベーション事例

事例を見る:Case122「回遊=幸せのかたち」

 

日本では、2008年ごろから分譲マンションの新規供給戸数が減少傾向にあります。

 

そして、築年数30年、40年、50年超のマンションはこれから20年の間に約2倍になると予測されています。

 

参考:国土交通省「マンションに関する統計・データ等(分譲マンションストック戸数)(築後30、40、50年以上の分譲マンション戸数)

 

新築マンションが減っている分、立地条件などの希望と照らし合わせると中古マンションが最も条件に合う、というケースがこれからも増えていくことは間違いありません。

 

これからマンションを購入する際にポイントとなる築年数。

 

築年数が古いマンションのメリットとデメリットを簡単にまとめてみます。

 

 

■築年数が古いマンションのメリット

 

築36年のマンションをリノベーションした事例

事例を見る:Case138「ビールがおいしい大空間」

 

 

①購入価格を抑えられる

 

築年数が30年以上の古いマンションは、新築や築浅のマンションと比べると価格が低いのがメリットです。

 

国土交通省が公表している「不動産取引価格情報検索」をもとに、

 

2021年第1四半期〜2021年第4四半期の東京都千代田区の中古マンションの取引総額を築年数別に表でまとめてみました。

 

千代田区の築年数別中古マンション等取引価格(2021年第1四半期〜2021年第4四半期・総数198件)

取引価格(平均値) 取引価格(中央値)
築50年以上 255万円 255万円
築40年~50年 2941万円 1400万円
築30年~40年 4458万円 2700万円
築20年~30年 2億158万円 5100万円
築10年~20年 4716万円 2900万円
~築10年 7791万円 5100万円

(出典)国土交通省「不動産取引価格情報検索」を元に弊社で作成

 

今回のデータを見ると、

 

築30年以内の中古マンションは立地や間取り、専有面積の違いなどによって価格のばらつきが大きいのに対して、

 

築30年以上の中古マンションは、物件の条件による価格のばらつきが小さめで、築年数が増えるほど平均価格が低くなっていくということが分かります。

 

築年数が30年を超えてくると、似たような立地や間取り、面積でも築浅物件より価格を抑えやすい傾向があると言えるでしょう。

 

 

②立地条件が良い

 

築47年の中古マンションリノベ事例

事例を見る:Case135「快適ひとり暮らし」

 

マンションを選ぶ際、立地条件は重要なポイントですが、立地条件の良い場所にはすでにマンションが建っていることが多いため、中古マンションを選んだという方も多くいらっしゃいます。

 

逆に、新築や築浅など築年数を限定すると、選択肢が狭まり、さらに競争率も高いため価格も高騰しやすくなります。

 

予算が決まっていて、立地条件に合ったマンションを購入したい場合は、中古市場にも視野を広げて探してみましょう。

 

また、一概に築年数が古いといっても、物件の状態はピンキリで、断熱性・耐震性に問題がなく、しっかりと管理が行き届いている中古マンションもあります。

 

築年数が古い中古マンションを検討するなら、不動産会社やリノベーション会社と相談しながら条件に合う物件を探すのがおすすめです。

 

 

③リノベーションで暮らしやすさを向上できる

 

築43年の中古マンションリノベ事例

事例を見る:Case132「楽しいわが家♪」

 

中古マンションは新築マンションに比べて物件の購入価格を抑えやすいため、その分の予算を住みやすさ向上のためのリノベーションに充てられます。

 

リノベーションによって、新築と同等の設備や内装にしたり、間取りを自分好みに変えたりすることも可能です。

 

物件の特徴を活かしつつ、自分らしい住まいを作れるのは中古マンションならではの魅力ですよね。

 

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■築年数が古いマンションのデメリット・注意点【購入時】

 

築約40年のマンションリノベ実例

事例を見る:Case131「Living with Cats」

 

次に、築年数が古いマンションを購入する際のデメリットや注意点をまとめてみます。中古マンション選びの参考にしてください。

 

 

①そのままでは住みづらいことも

 

築年数30年以上の古い中古マンションは、基本的に「リフォーム・リノベーション済み物件」「購入後のリノベーション前提の物件」の2種類に分かれます。

 

リノベーション前提の物件はリノベーション済みの物件よりも安く購入できることが多いですが、設備や住環境の面で、そのままでは住みづらいことが多いため、リノベーション用の予算も合わせて資金計画を立てていく必要があります。

 

 

②住宅ローンは築年数による条件を確認する

 

中古マンションを購入する際も、新築と同様に住宅ローンを利用できます。

 

金融機関によっては、中古住宅の住宅ローンで「築年数○年以内」と申し込み条件を設けているところもあるため事前にチェックしましょう。

 

住宅ローンの審査は収入や過去の返済状況、住宅ローン以外の借入状況などを元に行われますが、審査の判断基準には「物件の担保評価」も含まれます。

 

中古マンションは新築と比べるとどうしても価値が下がっているため、担保評価額も抑えられる傾向にあります。

 

その結果、借入金額の上限が下がる、返済期間が短くなるなどの制限を受ける場合があることも頭に入れておきましょう。

 

 

マンションリノベ

マンションリノベについて詳しくみる

 

 

③リノベーション費用に利用できるローンの種類に注意

 

中古マンション購入+リノベーションの場合は、物件購入に「住宅ローン」、リノベーション費用に「リフォームローン」を利用するのが一般的です。

 

リフォームローンは無担保で借入れができることが多く、ローン審査も比較的通りやすいのがメリットですが、その分住宅ローンと比べると金利が高く設定されています。

 

また、借入額の上限も住宅ローンより低く、借入期間(返済期間)も短く設定されていることが多いため、リノベーションにかける費用によっては利用しづらいこともあります。

 

 

・購入+リノベーション一体型ローンを活用する方法

 

リフォームローンのデメリットを避ける方法として、中古住宅の購入とリノベーション費用をまとめて住宅ローンとして組める(一体型ローン)金融機関を利用する方法があります。

 

(参考)中古住宅購入費+リノベーション費用をまとめてローンが組める金融機関の例

 

みずほ銀行:「中古住宅購入・借り換え」と「リフォーム」をお考えのお客さまへ

 

りそな銀行:りそな住宅ローン<リフォーム資金セット型>

 

イオン銀行:住宅ローン・リフォーム活用プラン

 

※今回ご紹介した一体型ローンの商品情報・URLは2022年7月時点の情報です。最新の情報は各金融機関のWebサイトで必ずご確認ください。

 

一体型ローンは、金利設定や借入額の上限、返済期間の設定が住宅ローンと同等になり、より低金利で余裕を持った返済計画が立てやすくなるのがメリットです。

 

一方、リフォームローンと比べると審査には一定の条件があり、審査にかかる日数も長めです。

 

 

④住宅ローン控除が受けられないケースがある

 

中古マンションの購入の際も、新築同様に住宅ローン控除を受けられます。

 

住宅ローン減税の概要

(図表引用元)国土交通省「住宅ローン減税」

 

ただし、昭和56年12月31日以前に建築された中古住宅を取得した場合、住宅ローン減税の適用を受けるためには、耐震基準適合証明書等の書類を用意する必要があります。

 

(参考)国土交通省:「住宅ローン減税(昭和56年12月31日以前に建築された中古住宅を取得した場合)」

 

新耐震基準に適合していることが証明できれば、新築住宅や築年数の浅い住宅同様に控除を受けられます。

 

現状、購入予定のマンションが新耐震基準に適合していない場合は、住宅取得の日までに新耐震基準に適合するように工事が施されれば住宅ローン控除が利用できます。

 

耐震基準適合証明書の申請から取得までには1ヶ月程度の期間が必要なため、住宅ローン控除を受ける確定申告までに間に合うように余裕を持って取得スケジュールを立てましょう。

 

 

■築年数が古いマンションをリノベーションする際の注意点

 

築37年の中古マンションリノベ実例

事例を見る:Case128「ふたりで育てる「白い箱」」

 

築年数が古いマンションで、購入と同時にリノベーションを行う場合、注意したい物件選びのポイントをまとめてみます。

 

 

①断熱性・遮音性能をチェック

 

マンションは鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)が多く、基本的には木造の一戸建てよりも断熱性や気密性は高くなっています。

 

ただし、築年数が古いマンションは特に、物件によって性能に差がある点には注意が必要です。

 

断熱性が低いと暖房が効きにくい上結露も発生しやすく、カビ・ダニが原因の健康被害の可能性もあります。

 

断熱性・気密性の低いマンションの場合、樹脂製の内窓を入れたり、壁の中に断熱材を入れる「断熱リフォーム」で性能を上げることはできます。

 

断熱リフォームは大規模な工事になり費用もアップするため、予想外の費用で予算オーバーとならないためにも、物件の断熱性能はしっかりとチェックしておきましょう。

 

断熱性能同様に、新耐震基準を満たしているか、階下に音が響きにくくなっているかなどもチェックポイントになります。

 

 

②目に見えない部分の老朽化をチェックする

 

床解体後のマンション

 

築年数の古いマンションは、水回りの給排水管が劣化していたり、壁の内側の躯体コンクリートに大きなひび割れ(クラック)があった場合、交換や補修が必要です。

 

マンションリノベーションの経験豊富な施工会社が図面確認や現地調査をすればある程度予測ができますが、

 

壁や床、天井に隠れて見えない部分は、リノベーション工事が始まって中身を見て初めて分かることもたくさんあります。

 

中古物件は、工事が始まってからも躯体や配管などの状態によってはプランを柔軟に調整していく必要も出てくる可能性があることを覚えておくと、予想外のことが起きた場合も冷静に対処できます。

 

 

③管理状態を調べる

 

マンションは、快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上をはかるために、長期的なメンテナンスの計画が必要不可欠です。

 

マンションのメンテナンス計画は、「長期修繕計画書」で定められています。計画書がきちんと作られているか、内容は適切か、修繕工事に基づいた修繕積立金の金額は妥当か、などをチェックしましょう。

 

築年数が古いマンションでも、適切な長期修繕計画書に基づき適宜修繕が行われている記録があり、現状問題なく管理されていれば安心して購入できます。

 

築年数だけにとらわれず、実際の状況をしっかり確認していくことが重要です。

 

マンションの管理履歴やメンテナンスについては専門的な内容も多いため、判断が難しい部分は、リノベーションの施工会社や不動産会社の担当者に相談しましょう。

 

 

④間取り変更の自由度

 

築39年の中古マンションをリノベーション

事例を見る:Case125「北欧ブルーのくつろぎ空間」

 

リノベーションは、内装や設備だけでなく、間取りも暮らしやすく変えられます。

 

ただし、構造を支える柱や梁・壁や、PS(パイプスペース)と呼ばれる排水管を通すスペースなどは、壊したり動かすことはできません。

 

RC造のマンションの場合、ラーメン構造なら柱と梁、壁式構造なら壁と床で建物を支える構造になっています。

 

RCラーメン構造は、構造上重要な柱と梁を残せば、壁を無くしたり移動したりできるので、間取り変更の自由度は比較的高い構造ですが、

 

壁式構造は、床と壁の「面」で構造を支えているので、例えば2部屋をつなげて(壁を取り除いて)1部屋にする間取り変更が難しい場合があります。

 

マンションの構造は、間取り変更の自由度に大きく関わるため、忘れずにチェックしておきたいポイントです。

 

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■まとめ

 

築年数が古い中古マンションは、立地条件が良い物件が多く、物件購入価格を抑えて、その分リノベーションを充実させやすいなど、メリットがたくさんあります。

 

希望の場所で自分らしい住まいを手に入れるなら、中古住宅+リノベーションがおすすめです!

 

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