【築年数別】中古マンション相場とおすすめリフォーム工事を解説
中古マンションを購入する際、築年数に応じて、どのようなリフォームやリノベーション工事を行うかが大きく変わってきます。
今回は、中古マンションの築年数別におすすめの工事内容と、それぞれの相場を紹介します。
・中古マンションの相場は、築年数が古いほど物件価格は安くなり、工事費用は高くなる傾向にあります。
・専有面積70㎡の中古マンションの工事費用の相場は、築10年未満では30~180万円前後、築40年以上では1,050~1,400万円前後と幅があります。
・築30〜40年以上の中古マンションは、内装や間取りを自分好みに1から作り直す「スケルトンリノベーション」に向いています。
Contents
【築年数別】中古住宅のリリフォーム工事の相場
事例を見る:築38年中古マンション【リノベ費用560万円・専有面積30.5㎡】
2017年にリクルート住まいカンパニーが実施した、中古住宅のリフォームに関する調査によると、マンションの平均リフォーム費用は539.9万円でした。
また、マンションと戸建てを合わせた、築年数別のリフォーム費用の分布は次のようになっています。
※本調査は、300万円以上のリフォームを3年以内に実施した人を対象としています。
(出典)「2017年 大型リフォーム実施者調査/(株)リクルート調べ」を基に弊社で作成
グラフで分かるように、築年数が古くなるほど、リフォーム費用が大きくなる傾向にあり、
築40年以上の中古住宅では、リフォーム費用が「1,000万円以上」が36.1%と全体で最も多くなっていることが分かりますね。
築年数別のリフォーム費用を平均すると、
- 築10年未満…429.2万円
- 築10~20年未満…528万円
- 築20~30年未満…532万円
- 築30~40年未満…654.4万円
- 築40年以上…934.1万円
という結果になっています。
築年数別の中古マンションリフォーム工事と費用相場
事例を見る:築46年中古マンション【リノベ費用870万円・専有面積64.5㎡】
先ほど紹介したデータは300万円以上のリフォームをした人の平均値であり、同じ築年数の中古住宅でも、物件の状態や希望するリノベーション内容によって費用は大きく変わってきます。
例えば、比較的小規模の部分リフォームで済む場合もありますし、骨組みだけを残して大掛かりなスケルトンリノベーションをする場合もあります。
では、中古マンションのリフォームは、どんな項目によって費用に違いが出てくるのでしょうか?
この章では築年数別によくあるリフォーム工事の種類と、各工事の費用相場を紹介します。
検討している中古マンションの築年数・状態や、希望する工事内容に応じて、リフォーム費用の目安を知る参考にしてくださいね。
築10年未満のリフォーム工事と費用相場
築10年未満の中古マンションのリフォームは、壁や天井のクロス張り替えや、畳の表替えなどの小規模な部分リフォームが中心で、費用相場は30~180万円前後です。
また、状態によってはトイレの温水洗浄便座(ウォシュレット)やキッチンのレンジフード、IHコンロなど、水回り設備を単体で交換するケースもあります。
<よくあるリリフォーム費用の例>
リフォーム項目 | 工事費用相場 |
---|---|
壁・天井クロス張り替え(住戸全体/専有面積70㎡の場合) | 30~40万円前後 ※1,000円/㎡ |
畳の表替え(6畳の場合) | 3万6,000円~7万2,000円前後 ※6,000円~1万2,000円/枚 |
レンジフード、コンロなどの交換 | 20~120万円前後 |
トイレの部品・ウォシュレットなどの交換 | 1~15万円前後 |
築10~20年未満のリフォーム工事と費用相場
事例を見る:築15年中古マンション【リノベ費用800万円・専有面積80㎡】
築10~20年未満の中古マンションのリフォームは、各水回り設備本体の交換や、フローリングの張り替えなど、比較的大掛かりなリフォームが中心になり、費用相場は300~900万円前後です。
水回り設備は場合によってはまだまだ使えることもありますので、物件の状態によってケースバイケースで判断します。
また、クロスに加えて床のフローリングの傷みや汚れが気になってくるのもこの頃。
これまでに一度も内装リフォームの履歴がないマンションの場合は、リフォーム費用の総額が大きくなりやすいかもしれません。
<よくあるリフォーム費用の例>
リフォーム項目 | 工事費用相場 |
---|---|
壁・天井クロス張り替え(住戸全体/専有面積70㎡の場合) | 30~40万円前後 ※1,000円/㎡ |
畳の表替え(6畳の場合) | 3万6,000円~7万2,000円前後 ※6,000円~1万2,000円/枚 |
フローリング張り替え(住戸全体/フローリング40畳分の場合) | 40~160万円前後 ※1~4万円/畳 |
キッチン本体交換 | 100~300万円前後 |
トイレ本体交換 | 20~40万円前後 |
洗面化粧台本体交換 | 15~30万円前後 |
ユニットバス本体交換 | 100~250万円前後 |
給湯器本体交換 | 30~70万円前後 |
築20~30年未満のリフォーム工事と費用相場
事例を見る:築22年中古マンション【リノベ費用880万円・専有面積74.5㎡】
築20~30年未満の中古マンションのリフォームは、水回りの交換やフローリングの張り替えに加えて、給排水管の交換や間取りリフォームをするケースも増えるため、費用相場は450~1,200万円前後になります。
<よくあるリフォーム費用の例>
リフォーム項目 | 工事費用相場 |
---|---|
壁・天井クロス張り替え(住戸全体/専有面積70㎡の場合) | 30~40万円前後 ※1,000円/㎡ |
和室を洋室に変更(6畳の場合) | 50~100万円前後 |
2部屋を1部屋につなげる間取り変更 | 50~100万円前後 |
フローリング張り替え(住戸全体/フローリング40畳分の場合) | 40~160万円前後 ※1~4万円/畳 |
キッチン本体交換 | 100~300万円前後 |
トイレ本体交換 | 20~40万円前後 |
洗面化粧台本体交換 | 15~30万円前後 |
ユニットバス本体交換 | 100~250万円前後 |
給湯器本体交換 | 30~70万円前後 |
配管の更新(給排水管・給湯管・ガス管) | 50~100万円前後 |
築30~40年未満のリフォーム工事と費用相場
事例を見る:築34年中古マンション【リノベ費用1,080万円・専有面積97.21㎡】
築30~40年未満の中古マンションをリフォームする場合、キッチンを対面式にする、トイレを移動するなど水回りの移動を含むフルリノベーションが多く、費用相場は550~1,200万円前後になります。
<よくあるリフォーム費用の例>
リフォーム項目 | 工事費用相場 |
---|---|
壁・天井クロス張り替え(住戸全体/専有面積70㎡の場合) | 30~40万円前後 ※1,000円/㎡ |
和室を洋室に変更(6畳の場合) | 50~100万円前後 |
2部屋を1部屋につなげる間取り変更 | 50~100万円前後 |
フローリング張り替え(住戸全体/フローリング40畳分の場合) | 40~160万円前後 ※1~4万円/畳 |
キッチン本体を対面式にして交換 | 150~300万円前後 |
トイレ本体交換+移動 | 30~60万円前後 |
洗面化粧台本体交換 | 15~30万円前後 |
ユニットバス本体交換 | 100~250万円前後 |
給湯器本体交換 | 30~70万円前後 |
配管の更新(給排水管・給湯管・ガス管) | 50~100万円前後 |
築40年以上のリフォーム工事と費用相場
事例を見る:築47年中古マンション【リノベ費用1,500万円・専有面積76.7㎡】
築40年以上の中古マンションの場合、内装を全て取り壊して1から作り直す「スケルトンリノベーション」を選ぶ人も多くなってきます。
スケルトンリノベーションは、構造の強度に影響を与えない範囲で、間取りを自由に作り直せるのが大きなメリットです。
マンションのスケルトンリノベーションの費用相場は1㎡あたり15~20万円前後で、専有面積70㎡のマンションだと1,050~1,400万円前後が目安になります。
※工事費用は専有面積70㎡・3LDKの場合で概算しています。
【番外編】断熱リノベーション・リフォームの費用相場
マンション1室全体を断熱リフォームする費用は、実施する工事や断熱材の種類などによって変わってきますが、およそ50〜400万円前後が相場になります。
これまでに紹介したリノベーション工事に加えて、築年数の古いマンションで、結露や湿気などの問題が起きている場合は、断熱性を上げるリフォームも検討しましょう。
マンションの断熱リフォームは、
- ・壁・床・天井に断熱材を施工する
- ・内窓(インナーサッシ)や断熱ガラスを入れる
- ・既存の窓サッシを交換する(マンション規約による)
などの工事内容があります。
中古マンションリフォームで使える補助金・減税制度
事例を見る:築48年中古マンション【リノベ費用1,200万円・専有面積83.4㎡】
中古マンションのリフォームは、築年数が古くなるほどリフォームが必要な部分が多くなる傾向があり、それに伴ってリフォーム費用も高額になりがちです。
少しでも負担を軽減できる方法として、国が実施しているリフォーム関連の補助金や減税制度があります。
代表的な制度を紹介しますので、参考にしてくださいね。
性能向上リフォームでは補助金が使える場合も
断熱リフォームや耐震補強のような、住宅の性能を向上させるリフォーム・リノベーションは、国や自治体の実施している補助金や助成制度を利用できる場合があります。
代表的な制度として、国土交通省が2023年3月下旬から実施予定の「こどもエコすまい支援事業」があります。
マンションでも、窓などの開口部の断熱改修で要件を満たすと、1戸あたり30万円を上限として補助が受けられます。
また、上限補助額は子育て世帯または若者夫婦世帯の場合は60万円に、購入する中古住宅が「安心R住宅」の場合は45万円にそれぞれ引き上げられます。
(参考)こどもエコすまい支援事業
このほか、2023年度は「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」のリフォーム関連補助金制度が予定されています。
補助金の申請や、対象となる契約期間、着工期間などは国土交通省のHPで確認できます。
(参考)住宅省エネ2023キャンペーン
これらの補助金は、登録事業者(施工業者や給湯器のリース事業者)が申請者となるので、制度を利用したい場合は事前にリノベーション施工会社に相談してくださいね。
住宅ローン控除(減税)
住宅ローン控除は、住宅ローンを借り入れて住宅の新築・取得または増改築等をした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税(一部、翌年の住民税)から最大13年間控除する制度です。
中古マンションや中古戸建て(既存住宅)を取得した場合は、10年間控除が受けられます。
(画像引用元)国土交通省「住宅ローン減税」
まとめ
中古マンションのリフォーム費用相場は、築年数が新しい程安く、古いほど高くなる傾向にあります。
今回シミュレーションした、専有面積70㎡の中古マンションのリフォーム費用の相場は
- ・築10年未満…30~180万円前後
- ・築10~20年未満…300~900万円前後
- ・築20~30年未満…450~1,200万円前後
- ・築30~40年未満…550~1,200万円前後(フルリノベーション)
- ・築40年以上…1,050~1,400万円前後(スケルトンリノベーション)
です。
特に、築30〜40年以上の中古マンションでは、部分リフォームを組み合わせるよりも、内装を骨組みだけ残して全て作り直す「スケルトンリノベーション」を実施する人が増えています。
スケルトンリノベーションは自由度が高く、自分好みの住まいを手に入れやすいのがメリットですが、希望するリノベーションプランが予算内で実現できるかどうかを判断するための「事前の物件調査」や「物件状態の見極め」がとても重要になってきます。
howzlifeは物件探しから中古マンションのリフォーム&リノベーションをお手伝いします
私たちhowzlifeは、東京23区や近隣エリア、千葉県では浦安・市川・船橋・千葉、神奈川県では横浜市・川崎市など対象エリアとした、リノベーション専門の不動産会社です。
howzlifeの物件担当は全員、宅建士・FPの有資格者です。
不動産のプロフェッショナルが”リノベ会社の知見”をもって、ご希望の条件に合った中古マンションや戸建てのご紹介はもちろん、資金計画や住宅ローンのご相談、リノベーションを含めたプランニングまでワンストップサービスでご提供します。
また、ご希望の物件探しやリノベーション内容についての無料相談会も開催していますので、お気軽にお問い合わせください。