公開日:2025-07-06
眺望を楽しむリビングの窓の大きさは?マンションで採光・開放感を最大化するには
「眺望を楽しめるリビングにしたいけど、窓の大きさってどれくらいがベスト?」そんな疑問をお持ちの方へ。
窓のサイズにこだわることで、海や夜景など、外の美しい景色を存分に楽しめる空間をつくることができます。
ただし、理想の眺望を叶えるためには、窓の大きさだけでなく、間取りや設置場所、窓の変更が難しい場合の工夫もポイントです。
この記事では、眺望を楽しめるリビングをつくるための窓の最適なサイズやアイデアをわかりやすく解説。
おしゃれな事例やリノベーション時の注意点もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください♪
- ・眺望を楽しむリビングの窓の大きさは、床から天井付近まで届くサイズの「掃き出し窓」が最適です。
- ・窓のサイズアップのリノベーションができない場合は、キッチンの位置変更でリビングからの見通しを改善するなど工夫を取り入れましょう。
- ・SHUKEN Reが手がけたリノベーション事例から、眺望を楽しむリビングの窓のおしゃれな事例をご紹介します。
目次
■眺望を楽しむリビングの窓の大きさとは
リビングで眺望を楽しみたい場合には、床から天井付近もしくは天井まで届く大きさを持った「掃き出し窓」のサイズがおすすめです。
窓には以下のように種類によって標準サイズがあり、掃き出し窓のサイズが大きいことがわかります。
種類 | 標準サイズ | |
幅mm | 高さmm | |
掃き出し窓 | 1,690 | 1,830〜2,030 |
腰窓 | 1,690 | 370〜1,570 |
FIX窓 | 405〜640 | 770〜970 |
縦滑り出し窓 | 405〜640 | 570〜970 |
上げ下げ窓 | 405〜640 | 770〜970 |
また、一口に「掃き出し窓」といっても、ガラス障子が2枚で構成された2枚建てのタイプもあれば、4枚で構成された4枚建てのタイプもあり、見える景色の範囲が異なります。
掃き出し窓の2枚建てと4枚建ての幅の標準サイズ比較を、チェックしてみましょう。
掃き出し窓の2枚建てと4枚建ての幅の標準サイズ比較
- ・2枚建て:幅1,690mm
- ・4枚建て:幅2,470〜2,560mm
「広い範囲の眺望を楽しみたい」「開放感にあふれた空間で伸び伸び生活したい」とお考えの方は、ガラス障子の枚数が多い掃き出し窓や天井に届くハイサイズの掃き出し窓が最適です。
なお、マンションの窓は共用部分に該当する傾向にあり、サイズ変更は認められないケースが多い点に注意する必要があります。
現在お住まいの物件や購入予定の物件のリビングで「眺望を活かしきれていない」と感じている場合は、次の章以降でご紹介する工夫も検討してみてください。
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■眺望を楽しむリビングの窓にするための工夫【サイズアップができない場合】
続いて、眺望を楽しむリビングの窓にするための工夫をご紹介していきます。
現在お住まいのマンションや購入予定のマンションの窓のサイズアップが制限されている場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
サッシをスリムフレームのタイプに交換する
サッシの枠の立ち上がり部分がスリムなタイプのフレームに交換すると、立ち上がり部分が少なくなるため、視界が広がって窓からの眺望を楽しみやすくなります。
スリムフレームのサッシは立ち上がり部分によって採光が遮られるリスクが低く、室内にたっぷりと日差しが届き、明るいリビングを実現できるのもメリットです。
また、スリムフレームのサッシはデザイン性が高く、内装の雰囲気をスタイリッシュにまとめられます。
間取りを変更する
眺望を楽しむリビングを目指す場合には、以下のような間取り変更のリノベーションをするのも方法の1つです。
間取り変更のリノベーション例
- ・眺望がいい窓がある位置にリビングを移動する
- ・リビングと隣接した空間をリノベーションで一体化し、隣接した空間の窓をリビングに取り込む
- ・キッチンの位置変更などによってリビングの窓からの見通しを改善する など
上記の間取り変更のリノベーションによって、眺望のいいリビングを実現できるとともに、ご家族が生活・家事しやすい動線に変更することも可能です。
また、眺めのいいリビングの実現はもちろん、「住まい全体をおしゃれにしたい」とお考えの方は、間取り変更を含めてフルリノベーションを検討しましょう。
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■眺望を楽しむリビングの窓のおしゃれな事例
ここでは、SHUKEN Reが手がけたリノベーション事例から、眺望を楽しむリビングの窓のおしゃれな事例をご紹介します。
事例をチェックしながら、リビングの窓のイメージを膨らませましょう。
東京タワーが見える景色を堪能できるようにキッチンの壁を取り除いた事例
こちらは、東京タワーが見える景色を堪能できるようにキッチンの壁を取り除いた事例で、キッチンとリビング・ダイニングのつながりもアップしています。
ホワイトを基調とした内装が大きな窓から入り込む自然光を反射し、開放感を感じられるのも特徴です。
加えて、ホワイトの内装や壁を撤去した開放感のあるLDKによって、よりホテルライクな印象になりました。
和室とLDKを一体化して光あふれる空間を実現した事例
こちらは、リノベーションで和室とLDKを一体化して光あふれる空間を実現した事例です。
具体的には、以前のLDKの窓は3枚建ての掃き出し窓のみでしたが、リノベーションによって和室と一体化することで和室の2枚建ての掃き出し窓がLDKにプラスしました。
また、窓際に配置した観葉植物によって空間にメリハリが生まれており、おしゃれな内装に仕上がっています。
垂れ壁によってやわらかく眺望を切り取っている事例
こちらは、天井から垂れ下がった形状をしている「垂れ壁」を取り入れることで、やわらかく眺望を切り取っている事例です。
また、リノベーションによって和室とLDKの間の壁を取り除いており、視界が開けるように工夫しています。
窓付近にはキッチンカウンターを設置しているため、自然光が差し込む気持ちのいい空間で食事を楽しめます。
天井に届くハイサイズの窓で高級感のあるリビングの事例
こちらは、天井に届くハイサイズの掃き出し窓を採用している事例で、リビング全体に高級感を感じられます。
ハイサイズの窓は窓の上下に壁が少ないため、眺望がいいのはもちろん、視界が開けて開放感が生まれやすいのもメリットです。
また、ホワイトのブラインドを取り入れているので、ブラインドを下げた状態でも圧迫感を感じにくくなっています。
2つの3枚建ての掃き出し窓によって眺望と開放感を満喫できる事例
こちらは、2つの3枚建ての掃き出し窓によって眺望と開放感を満喫できる事例で、リビングだけではなくLDK全体が光に包まれています。
ベランダにはデッキチェアを設置しているため、外で風を感じながら景観を楽しむことも可能です。
窓際にレイアウトした大きな観葉植物が空間のアクセントとなっており、おしゃれな雰囲気に仕上がっています。
■リビングの窓の種類
事例を見る:Case131「Living with Cats」
ここでは、リビングの窓の種類について解説していきます。
それぞれの種類の特徴を押さえて、どのような眺めが楽しめるかチェックしましょう。
掃き出し窓
「掃き出し窓」とは、窓の下部分が床に接している窓のことで、高さは天井や天井付近まであるのが一般的です。
掃き出し窓は室内外を行き来する役割もあり、ベランダやバルコニーに面したリビングなどに設置されています。
標準サイズで1,690×1,830〜2,030mmと大きな掃き出し窓は、外の眺望を活かしやすく、ご家族で景観を楽しみながら生活できます。
また、ガラス面積の広い掃き出し窓は採光性に優れているため、日当たりを確保しやすいのも特徴です。
腰窓
「腰窓」とは、その名のとおり人の腰の高さに設置する窓のことです。
具体的には、腰窓は床から窓の下枠まで約700~1,000mmの高さに取りつける傾向にあります。
腰窓は1,690×370〜1,570mmのサイズで掃き出し窓よりは小さくなるものの、ある程度の眺望を確保しながらプライバシーを確保できるのが魅力です。
また、腰窓の下部分は壁となるため、窓際にソファなどのインテリアをレイアウトでき、スペースを有効活用しやすくなります。
FIX窓
「FIX窓」とは、開閉できないように固定された窓のことで、「はめ殺し窓」とも呼ばれます。
サッシが最小限でガラスの面積が広くとれるFIX窓は、室内から広い範囲の景色を楽しめます。
また、FIX窓は四角だけではなく丸型などの形状もあり、デザインのバリエーションが多いのも魅力です。
高窓
「高窓」とは、天井付近など高い位置に取りつける窓のことです。
高窓からは空や木々などの高い位置ならではの景色が見え、時間や季節によって変化する様子を楽しめます。
また、高窓は外部からのぞかれにくく、プライバシーを守りながら眺望や採光を確保できます。
スリット窓
「スリット窓」とは、細長い形状の窓もしくは細長いスペースにはめられた窓のことで、横と縦の両方のパターンがあります。
たとえば、縦長のスリット窓は掛け軸のように外の景色を切り取り、空間に彩りが生まれます。
また、スリット窓は細長い形状から、空間をシンプルでモダンな雰囲気にまとめやすいのもポイントです。
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■リビングの窓をリノベーションする方法・費用相場
続いて、マンションのリビングの窓をリノベーションする方法・費用をチェックしていきましょう。
今回ご紹介する費用はあくまでも相場であり、素材・工法・サイズなど条件によって費用が変化するので、目安として参考にしてください。
ガラス交換
マンションの窓ガラスを交換する場合の費用相場は、以下のとおりです。
種類 | 費用相場 |
フロートガラス | 1万〜2万円/枚 |
くもりガラス | 1万〜2万円/枚 |
複層ガラス | 3万〜6万円/枚 |
※サイズが900×1,800mmの場合
上記のように、ガラス交換のリノベーション費用は、ガラスの種類によって交換費用が異なります。
フロートガラスは1枚のガラスで構成された一般的な種類で、費用は抑えられるものの断熱性が低いので注意しましょう。
また、2枚のガラスで構成された複層ガラスに交換すると熱の出入りを抑えられるものの、ガラスが3枚のトリプルガラスのほうが断熱性に優れています。
単板ガラスからトリプルガラスに交換をする際は、厚みによって既存の窓枠やサッシは使用できないので、次の章でご紹介する「窓ガラス+サッシ交換」を検討しましょう。
窓ガラス+サッシ交換
窓ガラス+サッシを交換する場合の費用相場は、以下のとおりです。
種類 | 内容 | 費用相場 |
カバー工法 | 既存の窓枠の上から新しい窓枠を被せる | 10万〜30万円/窓 |
はつり工法 | 既存の窓枠を取り除き、新しい窓枠に交換する | 30万〜60万円/窓 |
既存の窓枠を活かしてリフォームする「カバー工法」は、外壁を一部壊す必要のある「はつり工法」よりも費用がリーズナブルな傾向にあります。
ただし、カバー工法は既存の窓枠の上から新しい窓枠をかぶせることでガラスの面積が小さくなるため、眺望を楽しみたい場合には事前によく検討しましょう。
また、サッシには以下のような種類があります。
サッシの種類
- ・アルミサッシ
- ・アルミ樹脂複合サッシ
- ・樹脂サッシ
- ・木製サッシ
サッシは素材によって断熱性に違いがあり、アルミサッシ<アルミ樹脂複合サッシ<樹脂サッシ<木製サッシの順番で断熱性が高くなります。
内窓の設置
「内窓」とは、現在ある窓の内側に新たに設置する窓のことで、リノベーション費用は1窓あたり10万〜30万円が相場です。
内窓を設置すると外窓との間にできる空気層によって、熱や音の出入りを減らせるので、断熱性や防音性が高まります。
現在の窓の内側に設置する「内窓」は、取りつけ部分が専有部分となるため、マンションでもリノベーションしやすいのもメリットです。
ただし、内窓を設置できるかはマンションによって異なることから、事前に管理規約を確認しましょう。
■リビングの窓をリノベーションする際の注意点
事例を見る:Case147「Simple×Relaxing」
それでは次に、リビングの窓をリノベーションするときに気をつけたい注意点を見ていきましょう。
管理規約によって窓のサイズ変更が制限されている場合がある
マンションの窓は共用部分に該当しているケースが多く、管理規約によって窓のサイズ変更が制限されている場合があるので注意が必要です。
また、窓のサイズ変更以外にも以下のようなリノベーションに制限が設けられている可能性があります。
マンションでリノベーションに制限が設けられている例
- ・窓ガラスやサッシの交換
- ・間取り変更(柱や壁の除去)
- ・水回りの位置変更 など
上記は一例であり、マンションによって制限箇所は異なるので、リノベーションを決める前に管理規約から「窓は共用部分に該当するか」「どのようなリノベーションができるか」をチェックしましょう。
リノベーションには管理組合の許可が必要になる
共用部分に該当する窓をリノベーションする際は管理組合の許可が必須になり、許可が下りる場合に工事ができます。
また、専有部分をリノベーションするケースでも、建物の資産価値が下がるのを防ぐため、基本的に管理組合の許可が必要です。
マンションによってリノベーションの申請手続きに必要な書類が異なるので、管理組合にどのような書類や手続きが必要かあらかじめ確認しましょう。
また、リノベーションの申請は承認が降りるまでに2〜4週間かかる可能性があり、早めに手続きすることが重要です。
断熱性や遮音性にもこだわって計画を進める
窓ガラスやサッシからは熱や音が出入りするので、窓のリノベーションをする際は断熱性や遮音性にもこだわって計画を進めることが大切です。
断熱性や遮音性に優れた窓ガラスやサッシに交換することで、以下のようなメリットがあります。
断熱性や遮音性に優れた窓ガラスやサッシに交換するメリット
- ・熱の出入りを抑えて、室内の暑さ・寒さを軽減する
- ・室内の熱が逃げにくくなり、冷暖房効率が高まって光熱費削減につながる
- ・音が出入りする量が減り、騒音によるストレスが軽くなる
ご家族が快適に暮らすためにも、窓のリノベーションでは断熱性や遮音性を重視しましょう。
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■リビングの窓のリノベーションに関するQ&A
最後に、リビングの窓のリノベーションに関してよくいただく質問を、SHUKEN Reが解説していきます。
リビングの窓のリノベーションを決める前に、疑問を解消しましょう。
Q.大きい窓のあるリビングにはどんなメリットがある?
A.大きい窓のあるリビングは窓ガラスの面積が大きく、以下のようなメリットがあります。
大きい窓のあるリビングのメリット
- ・眺望がよく、四季や時間帯によって変化する景色を楽しみながら生活できる
- ・外とのつながりを感じられ、開放感が生まれる
- ・採光しやすく、明るいリビングを実現できる
上記のメリットが1つでも魅力的だと感じたら、リビングに大きな窓のあるマンションを選びましょう。
Q.リビングの窓の目隠し対策は?
A.マンションにおけるリビングの窓の目隠し対策は、以下の方法がおすすめです。
リビングの窓の目隠し対策
- ・カーテンやブラインドを取りつける
- ・観葉植物を設置する
- ・窓ガラスに目隠しシートを貼る など
カーテンの素材や色にこだわったり、インパクトのある観葉植物を配置したりすると、窓の目隠しはもちろん、部屋をおしゃれに演出できます。
Q.マンションのリノベーションで失敗したくない!どうすればいい?
A.マンションのリノベーションで失敗したくない場合は、実績の豊富なリノベーション業者に依頼しましょう。
実績豊富なリノベーション業者は技術力や提案力に優れている傾向にあり、理想のデザインや性能を実現できます。
リノベーション業者のホームページから、施工事例や業者の特徴を把握しましょう。
■まとめ
眺望を楽しむリビングの窓の大きさは、床から天井付近もしくは天井まで届く「掃き出し窓」のサイズが最適です。
マンションの窓のサイズアップができない場合は、リビングの移動など間取り変更によって眺望のいいリビングを実現させましょう。
「眺望を楽しむリビングにしたい」「眺望のいい中古マンションを購入してリノベーションしたい」とお考えの方は、ぜひSHUKEN Reにご相談ください。
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