公開日:2023-04-29 更新日:2024-07-04
空間を広げるリノベーション事例|増築の費用とメリット・デメリットも解説
今の住まいが狭く感じたり、家族構成が変わって部屋数が足りなくなったりしたなら、建物の増築を検討してもいいでしょう。
増築リノベーションなら、既存の建物を残したまま面積を増やすことができます。
しかし、増築は既存の建物に新たな建物を接合する工事のため、さまざまなデメリットや注意点があるのも事実です。
築年数の古い住宅の増築は、雨漏りや耐震面のリスクもあるため避けた方が良いケースもあります。
そこで今回は、増築せずに間取り変更のリノベーションで空間を広げた事例を紹介し、増築の費用とメリット・デメリットについて解説します。
・中古住宅の増築はさまざまなデメリットやリスクを伴うため、慎重に検討する必要があります。
・まずは間取り変更のリノベーションで必要な空間を広げることができないか検討してみましょう。
目次
■ 増築せずにリノベーションで空間を広げた事例を紹介
増築は居室を広げられる反面、さまざまなデメリットや注意点があります。
そこで、増築を決める前に、間取り変更のリノベーションで住まいを快適にできないかを考えてみましょう。
増築しなくても既存住宅の間取りを変えることで、ゆとりを持たせたい空間を広げることが可能です。
間取り変更を行った戸建てのリノベーション事例を紹介します。
事例① 独立したリビング・和室・キッチンをつないで25帖のLDKに
元々はリビング・和室・キッチンがそれぞれ独立した間取りだった一戸建て住宅。
家族の暮らしを考えたときに和室は不要と判断し、各空間の壁を取り払って一体の空間へ間取り変更しました。
3つの空間の壁を取り払うことで、約25畳の広々LDKが完成。
対面キッチンや横並びダイニング、スタディスペースも採用することができました。
子育て世代にぴったりな、家族でコミュニケーションが取りやすい空間です。
事例② 居室を1部屋減らして広々した洗面スペースを配置
事例を見る:Case78「COLORFUL × STYLISH」
地下1階・地上3階建ての一戸建て住宅。
BEFORE
1階に居室が3部屋あって部屋数は十分だったため、2階の1部屋を無くして広々とした洗面スペースを作りました。
AFTER
約4畳の広々空間で、洗面台を使う時間が家族で被ってもストレスになりません。
空間の広さを活かして室内物干しを設置し、ランドリールームとしても使える空間に。
使わない居室を活かして、家族の共有スペースを広げた間取り変更リノベーションです。
事例③ 和室があった空間をリビングと土間収納にリノベーション
元々は8畳の和室+1畳の押入れがあり、LDKや玄関周りがコンパクトな間取りでした。
そこで、和室と押入れを取り払ってリビングと土間収納を新設。
AFTER
約2畳の縦長の土間収納は、奥行きが浅い棚を採用することで大容量の収納を確保でき、靴や趣味のものたっぷりしまうことができるようになりました。
入口は鉄製のガラス扉を採用し、デザイン性にもこだわった点もポイントです。
1部屋の和室を2つの空間に分けることで、実用性のある収納を取り入れることに成功したリノベーション事例です。
■ 増築リノベーションとは?
事例を見る:Case13「大正モダン・和室でくつろぎ夫婦円満」
増築とは、既存の建物と同じ敷地内に新しい建物を建築して面積を増やすことです。
既存の建物とつなげて増築し、一体の建物にすることを「同一棟増築」と言います。
一方で、既存の建物と離れた場所に建物を建築することを「別棟増築」と言います。
別棟増築では、用途上不可分(=既存建物と同じ用途や付属する用途)の建物でなければ建築が認められませんので注意しましょう。
今回は既存建物のリノベーションと同時に行う「同一棟増築」について解説します。
■ 増築リノベーションの費用について
増築リノベーションの費用の相場は、70~120万円/坪です。
増築する箇所や面積、依頼するリノベーション会社によって金額は異なります。
1階部分の居室のみを増築をする際は比較的費用を抑えられますが、水回りの増築は設備の設置や給排水工事が必要なため割高です。
また、2階も合わせて増築する場合は1階部分の構造補強工事が必要なため、さらに費用がかかりやすいです。
詳しい費用の目安は下記を参考にしてみてくださいね。
〈1階居室の増築費用目安〉
坪単価70万円程度(6畳で210万円程度)
※コンセント新設などの電気工事は別途かかります。
※窓の有無、外壁及び室内の仕様によって価格は変動します。
※既存住宅の劣化度合いによって価格は変動します。
〈2階居室の増築費用目安〉
坪単価120万円程度(6畳で360万円程度)
※1階居室の場合に加えて、構造補強工事が必要になります。
※コンセント新設などの電気工事は別途かかります。
※窓の有無、外壁及び室内の仕様によって価格は変動します。
※既存住宅の劣化度合いによって価格は変動します。
〈1階バルコニーの増築費用目安〉
坪単価30〜50万円程度(6畳で90〜150万円程度)
※掃き出し窓の設置は別途かかります。
※屋外コンセント新設などの電気工事は別途かかります。
※既存住宅の劣化度合いによって価格は変動します。
〈2階バルコニーの増築費用目安〉
坪単価50〜150万円程度(6畳で150〜450万円程度)
※1階バルコニーの場合に加えて、柱設置工事などが必要となります。
※掃き出し窓の設置は別途かかります。
※屋外コンセント新設などの電気工事は別途かかります。
※既存住宅の劣化度合いによって価格は変動します。
〈1階キッチン・トイレ・洗面など水回りの増築費用目安〉
坪単価80万円程度(6畳で240万円程度)
※設備機器設置に必要な電気工事・給排水設備工事を含みます。
※給排水配管の延長距離が極端に長くなる場合は、価格が上乗せされる可能性があります。
※設備機器本体の費用が別途かかります。
※窓の有無、外壁及び室内の仕様によって価格は変動します。
※既存住宅の劣化度合いによって価格は変動します。
■ リノベーションで住まいを増築するメリット
リノベーションで住まいを増築するメリットをお伝えします。
居住スペースを増やすことができる
増築の1番のメリットは、居住スペースを増やすことができる点です。
家族構成の変化などで手狭に感じていた住まいを増築することで、快適な暮らしを手に入れることができます。
部屋数を増やすことも、玄関や水回りなどの共有スペースを広くすることも可能です。
同時に内外装もリノベーションすれば自然な仕上がりになる
増築のデメリットとして既存建物との見た目の違いが出てしまう点があります。
しかし、増築と同時に内外装のリノベーションも行えば、増築しても建物全体のデザイン性を統一させることが可能です。
既存建物と増築建物の自然な仕上がりを求めるなら、建物のフルリノベーションを検討しても良いでしょう。
建て替えるよりも費用を抑えられる
増築は建物の一部を増やすだけなので、建物を丸々建て替えるよりも費用を抑えることができます。
増築を行う箇所は基礎や構造体を一から作るため新築同様の工事が必要ですが、建て替えるよりは確実に面積が小さいため、費用はかかりにくいです。
ただし、増築を行って空間を広げるよりも、不要な空間を活かして必要な空間を広げる間取り変更のリノベーションを行った方が、金額を抑えられるケースも少なくありません。
まずは、間取り変更で広さに対する不満が解消できないか検討してみましょう。
住みながら工事を行うことも可能
増築の箇所によっては、住みながら工事を行うこともできます。
ただし、工事中は音や職人の出入りが気になるケースや、作業時に水道や電気を停止することもあります。
そのため、今まで通りの暮らしをしたままリノベーションを行うことは難しいです。
住みながらの工事も不可能ではありませんが、仮住まいに移った方がストレスを溜めずに生活できるかもしれません。
■ リノベーションで住まいを増築するデメリット
リノベーションをして住まいを増築するデメリットを紹介します。
既存建物と増築部分の接合部の雨漏りリスクが高まる
増築は既存の建物に新たな建物を接合します。
そのため、地震などによって建物にわずかな隙間が生じるリスクがあることを理解しておかなければいけません。
隙間ができたまま放置しておくと、雨漏りの原因になるため注意しましょう。
接合部のコーキングの打ち替えなどのメンテナンスを行うことで劣化を防ぐことができるため、定期的に点検を受けるようにしてくださいね。
既存建物の耐震改修工事が必要になるケースも
既存の建物が増築に耐えられる耐震性能を持ち合わせているかの確認も必ず必要です。
築年数が古くて耐震性能の低い建物だと増築ができないことも。
耐震診断を行った後、耐震改修工事を行うことで増築できるケースもあります。
まずは既存建物の耐震性能チェックを行ってから、増築を検討しましょう。
増築の登記や火災保険の内容変更などの手続きが必要
増築を行うと建物面積が変更になるため「建物表題変更登記」をする必要があります。
工事完了後1ヵ月以内に申請を行う必要があるため、計画的に段取りを進めなければなりません。
自分で行うことも可能ですが、家屋調査士などの専門家に頼んだ方が的確かつスムーズに手続きを進めてくれます。
10万円前後が相場ですので、あらかじめ予算取りをしておきましょう。
また、増築を行った場合、火災保険の内容変更の手続きも必要です。
現在加入している火災保険会社に連絡をして、ご自身で手続きを進めてくださいね。
このように、増築をするとリフォーム工事などでは必要ない申請などを行う必要があるため、費用や手間がかかります。
デメリットの1つとして覚えておきましょう。
その他の注意点として、10㎡を超える増築を行う場合は「建築確認申請」が必要です。
また、土地の「建蔽率・容積率」の制限によっては、希望する面積の増築が行えないことも。
詳しくはこちらのコラムで解説していますので、チェックしてみてくださいね。
■ まとめ:既存住宅の間取り変更を考えてから「増築」するかの検討を
増築リノベーションをすることで間取りにゆとりが生まれ、家族がゆったり快適に生活できることができます。
しかし、さまざまなデメリットやリスクがあるため、増築するかは慎重に検討しなければなりません。
そこで、まずは既存住宅を間取り変更をして、解決できないかを考えることをおすすめします。
現在使っていない空間やコンパクトにしても良い空間はどこかを、しっかりと見極めて既存住宅を再設計してみてくださいね。
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