2022-11-14 

木造住宅の“耐震補強”リノベーションとは?費用はどのくらいかかる?

実家をライフステージに合わせてリノベーション

 

築年数の古い木造住宅をリノベーションする時、多くの方がどうしても間取りやデザインなどに注目しがちでしょう。

 

しかし、その家の寿命を延ばすためには「耐震性能」が最も重要と言っても過言ではありません。

 

「でも、耐震補強するにはかなり大掛かりに改装しなきゃいけない」そう考える方もいるでしょう。

 

そこで、今回は耐震補強工事の重要性から、具体的な施工方法、工事費用の目安、関連する補助金についてまで丸ごと解説します。

 

これから中古木造住宅の購入を考えている方や、今お住まいの住宅でより安心した生活を送りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

この記事のポイント
・築年数の古い住宅や、劣化が進んでいる住宅は、耐震性が低い可能性があります。
・耐震診断をした上で、必要な場所に適切な施工をすることが重要です。
・平均して100万円〜200万円程度の費用がかかりますが、条件を満たせば国や自治体から補助金をもらえます。

 

■ そもそも木造住宅の耐震性はどうやって分かる?耐震診断のチェック項目とは?

 

ダイナミックな吹き抜けにある明るいロフト

 

新築住宅の場合は、構造計算を元に設計されるため、どの程度の耐震性を持っているかが把握しやすいですが、築年数が古かったり中古住宅として購入した場合は、それらの資料が残っていない場合がほとんどです。

 

また、1981年の建築基準法改正前に建てられた住宅(旧耐震建物)は、現行の建築基準法で定められた耐震基準を満たしておらず、地震で倒壊するリスクが高いのが現実です。

 

なぜなら、旧耐震建物は「震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと」を基準としているのに対して、現在の建築基準法では「中地震では軽微なひび割れ程度の損傷にとどめ、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと」と定めているためです。

 

また、1981年6月1日以降に建築確認申請を受けた「新耐震建物」であっても、構造体に劣化が見られたり、過去に無理なリノベーションをして間取りを変えていれば、耐震性は新築時から確実に低下しています。

 

では、実際に耐震性能が十分確保できているかどうかはどのように判断すればよいのでしょうか?

 

最も確実なのが、「耐震診断」を受けることです。

 

壁などを一部解体して徹底的に診断する方法もありますが、非破壊で調査してある程度の耐震性を診断する方法が一般的です。

 

主なチェック項目は以下の通りです。

 

①図面による壁量計算・位置確認
図面がない場合は実測によって算出して、壁量や壁の位置を確認し、耐震バランスを判断します。

 

②屋根・外壁材の仕上げ確認
屋根や外壁材に重量のある材料が使われていると、建物へ荷重がかかるため耐震性に影響してしまいます。

 

③基礎・床下の状態確認(床下点検口がある場合)
基礎のひび割れや、床下の構造材に腐食やシロアリ被害がないか確認します。

 

④室内外の目視による劣化調査
室内外を全て目視で調査し、極端な傾きや歪み、ひび割れなどがないか確認します。

 

これらの調査結果を専用ソフトに入力すると、その住宅の耐震性能が各階評価・各壁方向での評価・総合評価などが四段階で数値化されます。

 

  • 【1.5以上】 倒壊しない
  • 【1.0以上~1.5未満】 一応倒壊しない
  • 【0.7以上~1.0未満】 倒壊する可能性が有る
  • 【0.7未満】 倒壊する可能性が高い

 

あくまでも非破壊による調査であり、診断士の推測に基づく評価箇所もあるため、結果の数値は“目安”ではありますが、かなり信憑性が高い方法として多くの工務店などで実施されています。

 

お住まいの耐震性に不安を感じている方は、まずこの「耐震診断」を受けることが第一歩です。

 

〈参考ページ〉
一般財団法人 日本耐震診断協会|木造住宅の耐震診断

 

 

■ 耐震補強工事“8つ”の方法

 

筋交を残して耐震性も確保した開放的な空間構成

 

では、いざ耐震補強工事が必要となった場合、どのような工事をするのでしょうか?

 

かなり大掛かりなリノベーション工事を想像するかもしれませんが、方法によっては範囲を限定した小規模の工事で耐震性を高めることも可能です。

 

ここでは、木造住宅の耐震補強工事で一般的に行われている方法を8つ紹介します。

 

 

方法① 「既存壁」を補強する

 

「耐震補強 = 家のあちこちを壊す」というイメージを持っている方も多いですが、壁の補強のみで性能を確保できると判断された場合は、既存壁の上から特殊なパネルで補強することも可能です。

 

このパネルは、剛性(変形のしにくさ)があり粘り強いため、従来のパネルよりも揺れに対する耐力が高いため、壁を壊さずに上貼りするだけで耐震性が向上します。

 

 

方法② 「耐力壁」を増やす

 

耐震診断では壁量の不足も分かるため、その不足分を補うために耐力壁を追加する場合があります。

 

耐力壁とは、腰壁(腰高までの壁)や、垂れ壁(天井から短く垂れ下がった壁)、袖壁(少しだけ伸びた壁)などの空間を間仕切るために設置された壁とは異なり、建物の負荷を支えるために設置する構造体です。

 

既存の状態で耐力壁が足りない場合はもちろん、間取りの変更に伴って既存耐力壁を撤去して、別の場所に追加する事例もあります。

 

耐震診断では、どの方向に不足しているかも分かるため、リノベーション会社はその結果をもとにバランスよく耐力壁を追加していきます。

 

 

方法③ 「筋交」を増やす

 

木造住宅の壁内には、×のように設置された筋交(すじかい)と呼ばれる部材があります。

 

筋交があることで、壁の揺れ防止になるため、耐震性が高まるのです。

 

しかし、全ての壁にこの筋交が入ってる訳ではないため、耐震性を高めるために、壁を壊して筋交を追加する方法があります。

 

また、最近では敢えて筋交を見せ、壁パネルを貼らないデザインもトレンドで、壁として仕上げるよりも圧迫感が軽減でき、緩やかに空間を区切ることができます。

 

 

方法④ 「屋根」を軽量化する

 

日本古来の木造住宅には、日本瓦などの瓦材が敷かれていることが一般的でした。

 

しかし、最近では重量が大きい故に耐震性能を落とすことが分かっています。

 

なぜなら、屋根が重いと建物の重心が高くなり、地震の際に左右に大きく揺れてしまうからです。

 

一方、コロニアル屋根や金属屋根など軽量な素材に変えると、重心が低くなり、建物の横揺れを最小限に抑えられます。

 

いくら耐力壁が十分入っていても、屋根が重ければ揺れの影響を大きく受けてしまいます。

 

ですから、瓦屋根などの場合には、まず軽量化を検討することを最優先しましょう。

 

 

方法⑤ 「基礎」を補強する

 

基礎に大きなひび割れがある場合は、鉄筋の入っていない無筋基礎の可能性があります。

 

また、鉄筋が入っていたとしてもひび割れから侵入した雨水によって腐食している場合も少なくありません。

 

これらの症状があると、確実に耐震力は落ちてしまうため、既存基礎の内側にコンクリートを追加するなどの補強をする必要があります。

 

 

方法⑥ 「土台」を補強する

 

土台とは、基礎上にある部材で、建物の荷重を支える役割があります。

 

しかし、木材であるため、床下の湿気で腐朽したりシロアリ被害を受けている可能性もあります。

 

その場合は、床を解体して取り替えをしたり、補強金物をつけるなどの工事が必要です。

 

 

方法⑦  筋交や柱などに「耐震補強金物」を追加する

 

通常時は正常に接続されている柱や梁、筋交ですが、地震によって振動が加わると、つなぎ目が緩んで最悪の場合は脱落してしまう可能性があります。

 

この問題を防ぐために用いられるのが、耐震補強金物です。

 

筋交と柱を固定する「筋交プレート」や、柱と土台や柱と梁の接合部を強固にする「ホールダウン金物」が一般的に用いられ、これらを追加することで倒壊の危険性が低くなります。

 

方法⑧ 「外壁」を補強する

 

室内側からでなく、外部から耐震補強する方法もあります。

 

既存外壁材の上から補強材を上貼りする方法や、既存外壁材を一度撤去して耐震性の高いパネルを貼る方法があります。

 

どちらにしても、日常生活に支障が出ずに住みながら耐震補強ができる点がメリットです。

 

ただし、外壁の補強はあくまでの構造躯体が正常であることが絶対条件であり、劣化していれば外側から補強しても十分な効果は得られません。

 

 

■ 費用はどのくらいかかる?

 

図面

 

では、結局耐震診断や耐震補強リノベーションには、どれほどの費用がかかるのでしょうか?

 

まず、耐震診断については調査内容によって多少変わるものの、一般的な木造2階建て・非破壊の一般診断の場合で10〜45万円程度に設定している会社が多いです。

 

いきなりその費用を支払って診断を受けることに抵抗がある方には、まずはご自身でできる簡易診断をしてみることをおすすめします。

 

こちらは、一般財団法人 日本建築防災協会が監修しており、オンライン上で築年数などの簡単な項目を記入して、耐震補強の必要性度合いを診断できます。

 

〈詳細はこちらから〉
一般財団法人 日本建築防災協会|誰でもできる我が家の耐震診断

 

では、いざ耐震補強が必要となった場合には、どの程度の工事費用を見込んでおけばよいのでしょうか?

 

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が耐震補強を行った世帯にとったアンケート調査によると、旧耐震基準から新耐震基準へ適応させるための工事費用は

 

「50〜100万円未満」が33.19%、「100〜200万円未満」が26.47%で、新耐震基準建物で耐震補強をした場合の費用は、「50〜100万円未満」が37.05%、「50万円未満」が25.39%という結果が出ています。


(参考:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合|耐震補強工事は「100万円台」がカギ

 

築年数や劣化度合いによって変動するものの、耐震補強工事の予算としては「100万円台(200万円未満)」を一つの目安として考えておくと良いでしょう。

 

 

■ 基準を満たせば補助金の利用も可能

 

間取りの自由度が高まる便利なロフト設計

 

既存住宅、いわゆる「ストック住宅」の長寿命化は、省エネの観点からもとても意義があるとされているため、国や自治体で耐震リノベーションに対して様々な補助制度を設けています。

 

耐震補強工事を検討中の方は、ぜひこれら補助制度をうまく活用しましょう。

 

 

長期優良住宅化リフォーム推進事業

 

こちらは、国土交通省が主導で進めている事業で、建物を長期に渡り健全な状態に維持するためのリノベーションをサポートしています。

 

構造躯体等の劣化対策および耐震性向上、省エネルギー対策について全ての基準を満たす必要はありますが、この条件をクリアすればバリアフリー工事やテレワーク環境整備工事、三世代同居対応住宅化工事、子育て世帯向け改修工事なども補助対象となるので、かなりお得です。

 

2022(令和4)年度の申請は既に終了していていますが、来年度以降も継続される可能性があるので、気になる方はこまめに公式サイトなどをチェックしてみましょう。

 

〈参考ページ〉
国立研究開発法人 建築研究所|長期優良住宅化リフォーム推進事業

 

 

各自治体による補助事業

 

各自治体でも、様々な補助事業を実施しております。

 

例えば、東京都世田谷区の場合は、戸建住宅の耐震診断費用の70〜100%、耐震補強工事の66〜100%を補助してもらえます。

 

千葉県浦安市の場合は、戸建住宅の耐震診断費用90%や、耐震補強工事の50%が補助対象です。

 

それぞれの自治体で補助割合や補助限度額、申請条件などが異なりますので、詳しくは下記ページを参考にしてください。

 

〈参考ページ〉
一般財団法人 日本防災建築協会|耐震支援ポータルサイト

 

デザインリノベ

 

 

■まとめ:木造住宅のリノベーションは“耐震補強”を最優先に

 

木造住宅のリノベーションにおいて、耐震補強は最も重要な項目のうちの一つです。

 

いくら間取りやインテリアデザインが理想通りになっても、地震の時に破損や倒壊しては意味がありません。

 

木造住宅のリノベーションを検討する際は、まず耐震診断を受けて現状の性能を確認しましょう。

 

そして、必要であれば必ずまず耐震補強工事を最優先ですることが重要です。

 

自治体ごとに補助金も設けられているため、それらをうまく活用すれば、低コストで丈夫な家に生まれ変わります。

 

私たちSHUKEN Reでは、耐震診断はもちろん、各種耐震補強リノベーションも承っております。

 

また、当社施工事例では、築年数の古い物件でもきれいに蘇った事例を多数ご覧いただけますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

東京・神奈川・千葉エリアで素敵な家づくりを目指すなら、リノベーション専門店のSHUKEN Reにご相談ください。

 

お客様一人ひとりに合わせたオーダーメイドプランで、もっと素敵に暮らしやすいマイホームづくりをお手伝いします。

 

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