公開日:2022-12-22 更新日:2024-07-04
リノベーション中古一軒家の選び方|選定・内見時のポイントを解説
マイホーム探しの選択肢として、中古一軒家を買ってリノベーションする方が増えています。
しかし中古の一軒家は築年数によって設備や外装の状態が違いますし、雨漏りやシロアリ被害などの隠れトラブルも心配ですよね。
そこで今回は、リノベーションのための中古一軒家を選ぶときのチェックポイントを一つずつ紹介します。
中古一軒家のリノベーションで後悔を防ぐポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
・中古リノベーションの後悔を防ぐ基本的な取り組みのコツを紹介します。
目次
■初めての家選びでリノベーションが人気の理由
具体的な中古一軒家選びのポイントを掘り下げる前に、中古リノベが人気の理由をチェックしておきましょう。
新築より価格が安い
中古一軒家は新築より購入価格が安く、リノベーションしてもトータル費用を抑えられるのが人気の理由の一つです。
国土交通省が実施した「令和3年度住宅市場動向調査」によると、手頃な価格を理由に中古住宅を選んだ方が63.4%で1位を占めています。
データ参照元:住宅金融支援機構
戸建て住宅は築25~30年前後になると建物の評価額が低くなるので、かなりリーズナブルな価格で購入できます。
建物がゼロ円に近くなってほぼ土地の価格だけで購入できるため、リノベーション費用を掛けてもトータルでは安くなることが多いのです。
中古一軒家の数が豊富
データ参照元:e-Stat
20~30年前は新築着工数が多かったため、当時の中古一軒家が豊富に出回っていることもリノベーション人気の理由の一つです。
新築用の土地や建売住宅がなかなか見つからないエリアでも、中古一軒家だと良い物件に出会えるケースが多いです。
前述の住宅市場動向調査でも、「住みたい地域に新築住宅が無かったから」という理由で中古一軒家を選んだ方が16.6%も居ます。
住みたい街ランキングに入るような人気エリアや、駅前など利便性の高い地域では中古一軒家を選ぶメリットも大きいです。
■中古一軒家、みんなはどう選んでる?
実際に中古一軒家を購入した方が、どこを重視して選んでいるのかも気になるところですよね。
引用元:国土交通省
住宅市場動向調査のデータを見ると、間取り・部屋数・床面積の3つのポイントを重視して選んでいる方が多いようです。
中古一軒家の場合、キッチンや浴室などの設備・内外装はリノベーションでキレイにできるので重要度は低めです。
・おしゃれな洗面所レイアウト23選|1畳〜3畳の収納方法、間取りのリノベ
・10畳のリビングダイニングリノベ実例
・玄関入ってすぐリビングの家|おしゃれなリノベ実例
・寝室6~8畳の快適・おしゃれなリノベーションのポイント
床面積や部屋数が十分なら増築する必要が無いので、余計な費用も抑えることができます。
中古一軒家を選ぶ際は、まず広さや間取りに注目してみてください。
■リノベーション中古一軒家の選定ポイント
たくさんの中古一軒家から実際に見に行く候補物件を絞り込むとき、価格以外のチェックすべきポイントを見ていきましょう。
築年数
中古一軒家選びで重要となる築年数は、リノベ内容や耐震性に関わる大きなポイントです。
- ~築10年:壁紙張り替え・外壁塗装などメンテナンス中心
- ~築20年:+水回り設備の入れ替え
- ~築30年:+給排水管入れ替え・屋根葺き替え
- ~築40年:+外壁張り替え
- ~築50年:スケルトンリノベーション
上記のように築年数が進むほど家の劣化が進み、リノベーション内容と費用が増加します。
- 2000年6月以降に確認申請:住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が適用
- 1981年6月以降に確認申請:新耐震基準
- 1981年6月以前に確認申請:旧耐震基準
一軒家は確認申請を受けたタイミングによって、どの耐震基準で建てられているか変わります
1981年以前の旧耐震基準で建てられている一軒家は、耐震改修が必要になり追加費用がかかるケースが多いです。
新耐震基準、2000年以降の品確法の順に耐震性が高められているので、補強や補修にかかる費用を抑えられる可能性が高いです。
ただし築年数が浅いほど物件価格も高くなるので、リノベ・補強費用とのバランスが重要です。
築年数をチェックする際は、これら2つのポイントと価格のバランスに注目してみてください。
用途地域
住環境を大きく左右する用途地域も、中古一軒家選びで必ずチェックしたいポイントの一つです。
用途地域は大きく3つのジャンルに分かれ、「住居系」「商業系」「工業系」で合計13の種類があります。
- 第1種低層住居専用地域
- 第2種低層住居専用地域
- 田園住居地域
- 第1種中高層住居専用地域
- 第2種中高層住居専用地域
- 第1種住居地域
- 第2種住居地域
- 準住居地域
- 近隣商業地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 工業地域
- 工業専用地域
例えば第1種低層住居専用地域は住居の高さや床面積の制限が大きく、大きな建物による日陰や店舗の騒音が無く優れた住環境が多いです。
同じ住居系でも第1種住居地域はホテルや小規模な工場も建てることができるため、後から住環境が大きく変化するかもしれません。
商業系・工業系は店舗などが多く利便性が高いですが、その分治安や住環境が悪いエリアも多いです。
物件情報を見るときは用途地域をチェックし、どんなエリアなのか調べてみるのがおすすめです。
特殊な条件が無いか
一軒家は土地や建物の状況によって、特殊な条件・制限が付いていることもあるのでしっかりチェックしましょう。
- 市街化調整区域・居住誘導区域外
- 建築基準法違反
- 要セットバック
- 私道負担
市街化調整区域や居住誘導区域外の一軒家は、リノベーションして暮らすのは問題ありませんが、将来建て替えできない可能性が高いです。
建築基準法違反の物件は安く購入できるケースが多いですが、住宅ローンが使えず行政指導が入るケースも。
また接地道路の幅や間口が狭いと建て替え時にセットバックが必要になり、土地が減ってしまいます。
私道負担のある一軒家も、メンテナンス費用や権利関係のトラブルが多いので要注意。
ほかにも特殊な条件を見つけたら、不利な内容ではないかしっかりチェックしてみてください。
災害リスク
物件の大まかな住所から、その地域の自治体が発行するハザードマップで災害リスクもチェックしましょう。
河川や沼の近く、崖の下などのエリアは、洪水や土砂崩れといった災害リスクが高いことが多いです。
ハザードマップは自治体のホームページから無料で確認できるので、候補物件は内見の前にチェックしておきましょう。
■リノベーション中古一軒家の内見チェックポイント
実際に中古一軒家を内見する際は、次のポイントを一つずつチェックしてみてください。
ドアや窓がスムーズに開閉する?
土地の傾きや建物の歪みをチェックするため、ドアや引き戸、窓などの開口部はなるべく全部開閉してみてください。
開け閉めが重かったり、すき間が空いていたりする場合、地盤沈下や建物の歪みが発生している可能性があります。
ちょっと手間はかかりますが、内見担当者の許可をもらって開閉できる部分を総チェックしましょう。
床下・和室がカビ臭くない?
床下収納庫や点検口がある場合、なるべく覗いてカビ臭が無いかチェックしてみてください。
極端にカビ臭い場合、次のようなトラブルが発生している可能性があります。
- 地盤から湿気が上がってきている
- 雨漏りや水漏れが発生している
- シロアリ被害がある
また和室はフローリングよりカビ臭が分かりやすい床下構造なので、点検口が無い場合はニオイチェックしてみると良いでしょう。
床下のカビはそれだけで健康被害の原因になりますし、除去・対策にお金もかかりますからしっかり回避してください。
天井や壁に雨漏り跡がない?
木造戸建てにとって雨漏りは大きなトラブルの原因となるため、天井や壁をしっかりチェックしましょう。
水が染みて乾いた跡がある場合、雨漏りの原因と構造部分の確認が必要になります。
押し入れやクローゼットに点検口があれば、天井裏も覗いて雨漏りの痕跡がないかチェックしましょう。
雨漏りを見逃すとリノベーションのほかに補修費用が掛かってしまうため、全体をしっかりチェックしてください。
日当たりは問題ない?
図面や写真だけでは分からない建物の日当たりも、内見時の要チェックポイントです。
全ての部屋を回って、自然光が届かない暗い場所がないか確認しましょう。
また朝・昼・夕で日当たりは変化するため、東・南・西方向に大きな建物がないかチェックするのも大切です。
影になりそうな建物があったら、時間を変えて訪れてみるのもおすすめです。
適切にメンテされてる?
担当者や売主さんに、これまでのメンテナンス履歴を確認するのも大切なポイントです。
例えば10年に一度外壁・屋根塗装されている物件と、前回から15年経っている物件では外装の状態や雨漏りリスクが変わってきます。
水回り設備のメンテナンスや交換、シロアリ消毒なども、建物の状態に大きく影響します。
内見時に売主が居なくて分からない時は、担当者に後で確認してもらうのが良いでしょう。
■持ち家・実家リノベーションで考えるべきこと
今住んでいる持ち家や実家リノベーションする場合は、中古一軒家とは違うポイントに注意が必要です。
持ち家・実家は築年数と「あとどれくらい住むのか」を検討し、かける費用や補修・補強のバランスを考えることが大切です。
二世帯同居、将来住み替えの可能性など、ライフスタイルの変化まで見据える必要もあります。
また敷地内の倉庫を自宅としてリノベーションするケースもあります。
倉庫なら物件取得費用が掛からない点は魅力ですが、給排水や電気などをゼロから引き込み、断熱もやり直すなど意外とお金がかかるケースも。
また増築も含めたリノベプランの場合、建蔽率・容積率の上限や建築制限がないか確認する必要もあります。
前述した用途地域や条例による建築制限などを事前確認しましょう。
■中古一軒家リノベーションの後悔を防ぐコツ
ブログで失敗例を学ぶ
ブログで先輩たちの失敗例を学ぶと、後悔ポイントが分かって防ぎやすくなるのでおすすめです。
物件選びや資金計画での失敗、リノベプランでやっておけばよかったと感じることなど、ブログには貴重な情報がたくさん。
検索やハッシュタグなどの機能を活用して、気になるテーマの失敗例や後悔談をチェックしてみてください。
・「リノベーションをやめた方がいい」という人の後悔した理由は?対策を紹介
・「シューズインクローゼットで後悔した」7つの理由|解決方法・リノベ施工事例
リノベ会社と中古物件を探す
今回基本的な中古一軒家のチェックポイントをご紹介しましたが、一般の方が漏れなく確認するのは難しいこともあります。
そこでおすすめなのは、実際に工事をするリノベ会社と一緒に中古物件を探す「ワンストップリノベーション」です。
不動産会社は施工のことまで分かりませんが、リノベ会社なら建築目線で雨漏りやシロアリ被害などのトラブルをチェックできます。
またリノベーション向きの中古一軒家も選びやすいので、結果的に工事費用の節約にもつながります。
ワンストップリノベーションについてはこちらで詳しく紹介しています。
■まとめ
リノベーションの成功は、ベースとなる中古一軒家選びに掛かっていると言っても過言ではありません。
建物の状態や建築制限、住環境などをしっかりチェックし、リノベーションで理想のマイホームを手に入れましょう。
東京・神奈川・千葉エリアの中古一軒家探し&リノベーションは、ワンストップ体制のSHUKEN Reにご相談下さい。
豊富なリノベ実績で培ったノウハウを活かし、理想のマイホームに適した中古住宅探しをサポートいたします。
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