公開日:2022-12-10 更新日:2024-07-04
古民家リノベーションのメリット・デメリット|おしゃれな事例も紹介
この記事では古民家リノベーションを検討している方に向けて、メリット・デメリット両面を詳しく解説します。
とってもおしゃれな古民家リノベですが、注意点を把握せず選んでしまうと大きな後悔につながることも・・・。
耐震性や雨漏りリスクなど古民家のデメリットもしっかり把握し、後悔のない選択ができるように準備しましょう。
・建物の状態や利便性など、古民家には注意すべきデメリットもたくさんあります。
・デメリットに対策できる「古民家風リノベ」も一つの選択肢です。
■人気の高い古民家リノベ♪
古民家とは、一般的に築50年以上の伝統的な工法で作られている建物のことを指します。
柱を露出する真壁や古材の太い梁を現代風にカスタマイズする古民家リノベは、おしゃれなマイホームとして注目を集めています。
古民家を改装したカフェやホテルなども多く、レトロ風インテリアなど一つのジャンルとして見かけることが増えてきましたよね。
築年数が古くても、リノベーションなら水回りや間取りをおしゃれ&使いやすく仕上げられます♪
リノベーションで設備や間取りがどのように変化するのかは、こちらのコラムで解説しています。
・おしゃれな洗面所レイアウト23選|1畳〜3畳の収納方法、間取りのリノベ
・寝室6~8畳の快適なレイアウトとは|おしゃれで動線もいい配置づくりのポイント
・リビングダイニング照明のおしゃれな実例
・18畳〜30畳のリビングダイニングリノベ実例
■古民家リノベーションのメリット
古民家リノベにはおしゃれなデザイン&雰囲気のほかにもさまざまなメリットがあるので、一つずつチェックしていきましょう。
オリジナリティとデザイン性
日本独自の工法で建てられた古民家は、現代の新築や中古住宅にはないオリジナリティを持っています。
長年使い込まれてきた梁や柱にはビンテージ家具のような風合いがあり、新築では再現できない魅力があります。
自由度の高いリノベーションと組み合わせれば、昔ながらの良さを残しつつ現代のデザインと融合させておしゃれに仕上げられるのもメリット♪
強度の高い部材が使われている
古民家の梁や柱は強度の高い木材が使われていることが多く、きちんと点検・補強をすれば高い耐久性が期待できるのもメリット。
そもそも現存する古民家は今までの大地震で倒壊しなかった実績があり、高品質な木材や腕の良い大工に建てられたということの証明でもあります。
築100年以上の古寺やお城が残っていることから分かるように、木造建築は正しくメンテナンスすればとても長持ちしてくれます。
リノベーションでしっかりメンテナンスを行えば、安心して長く暮らせるマイホームになるでしょう♪
広い建物と土地でのびのび暮らし♪
まだ人口や建物が少なかった時代に建てられた古民家は、広い土地と大きな建物でのびのび暮らせるのも魅力的なポイントです。
一般的な中古住宅市場でも広い物件はありますが、延べ床面積30~40坪の家がメインになります。
広い家でのびのび子育てしたい、夫婦それぞれ趣味や仕事もこなせる家で暮らしたいなど、さまざまなライフスタイルに対応しやすいです♪
税金が安い
古民家は長い年月で建物の資産価値が下がっているため、固定資産税などの税金が安いのもメリットの一つです。
固定資産税は建物の評価額を基に算出されるため、築年数が古くなるほど安くなるケースが多いのです。
また耐震改修や断熱改修など古民家で定番のリノベーションを行う場合、減税制度を活用できるケースもあります。
環境に優しく文化を継承できる
長年使われた古民家をリノベーションすることは、地球環境保護と日本文化の継承にもつながります。
50年以上使われた古民家を再生して暮らせば、廃材処分と新しい木材の伐採を減らすことができます。
また日本独自の伝統工法や建築様式を後世に伝えることも、大きな意義の一つと言えるでしょう。
将来賃貸運用や売却で有利
リノベーションでおしゃれに仕上げた古民家は希少価値が高いため、将来ライフスタイルが変化したときに賃貸運用や売却しやすいのも意外なメリットです。
古民家は賃貸市場でも人気がありますが物件数が少ないので、借り手が見つかりやすく賃料競争に巻き込まれる可能性も低いです。
また売却の場合も、しっかり手入れされてすぐ住める状態の古民家は貴重なので売り手を見つけやすいでしょう。
築古の古民家はすでに価格が落ち着いた後なので、年数経過による資産価値の減少が少ないのも売却面のメリット。
■古民家リノベーションのデメリット
物件数が少ない
築50年を超えるような古民家はそもそも物件数が少なく、理想の建物を見つけるのはかなり時間がかかります。
これまで日本の住宅は築30~40年前後で建て替えるのが一般的だったため、状態の良い古民家はかなり少ないです。
空き家バンク等に登録されている古民家も空き家期間が長い物件が多く、リノベーションしやすい物件は高値がついていることがほとんど。
古民家探しから取り組む方は、購入~完成までにかなり時間がかかると思った方が良いかもしれません。
利便性が低い
古民家が残っているのは郊外の地域がほとんどなため、利便性の低さも注意すべきデメリットです。
例えば東京都で空き家バンクに参加している自治体は、奥多摩町・檜原村・青梅市・八王子市など23区外がほとんど。神奈川や埼玉などの首都圏、大阪などの大都市も同じ傾向です。
スーパーが無い山奥などの立地も多く、車移動が必須になり学校が遠いことも多いのでお子さんの通学や進路面のデメリットもあります。
郊外暮らしのメリットはたくさんありますが、都市部で暮らしている方にはハードルも大きいかもしれません。
断熱性が低い
日本の古民家は夏の過ごしやすさを重視して作られているため、断熱性が低くそのままだと冬寒い家になってしまいます。
外壁・屋根・窓・床下など外気と接する部分は断熱改修が必要になり、工期と費用が余計に掛かるのがデメリット。
耐震改修が必要なことがある
建築基準法以前に建てられた古民家は、耐震改修が必要になることも多いです。
農家などに多い南向きの連続掃き出し窓は、現行の耐震基準に照らし合わせると耐震性不足になる可能性が高いです。
また現代の住宅と古民家は基礎構造も違い、ジャッキアップなどで基礎や土台を作り直すケースもあります。
伝統工法で頑丈に建てられている古民家も多いですが、リノベ目的で購入する場合耐震性のチェックは必ず実施するべきでしょう。
トラブルが隠れているリスクが高い
売りに出されている古民家は空き家状態の物件が多く、メンテナンスが行き届かずトラブルが隠れているケースもあるので要注意。
質の良い木材で建てられている古民家も、雨漏りが続くと柱や梁が腐食し、シロアリ被害に発展してしまいます。
築年数が古いとメンテナンス履歴も分かりにくく、物件の見極め力が求められるので難易度は高くなります。
リノベーション費用は高め
古民家は構造部以外を解体して作り直す「スケルトンリノベーション」が基本になるので、工事費用は高くなる傾向があります。
前述した断熱改修や耐震補強、電気・水道・ガスなどのインフラも引き直すことが多いのも費用が高くなる原因の一つ。
一般的な戸建てリノベーションは1,000~1,500万円に収まることが多いですが、古民家の場合2,000万円以上かかることも珍しくありません。
■おしゃれな古民家風リノベーションもおすすめ
レトロなデザインが好みなら、間取りや内装の工夫で「古民家風」にリノベーションするのも一つの方法です。
一般的な中古住宅を古民家風に仕上げるなら、上でご紹介したデメリットに対策できます。
例えば上の写真は東京都内の築37年中古戸建てをリノベーションした事例ですが、おしゃれな古民家カフェのような仕上がりです♪
こちらは築39年のマンションに古材の梁や柱を使い、本物の古民家のような温かい雰囲気になっています。
古民家リノベは魅力的だけど費用や耐久性が気になる方は、ぜひ古民家風の家づくりも検討してみてください。
■まとめ
魅力いっぱいの古民家リノベーションですが、注意すべきデメリットもあるので後悔しないようしっかり検討しましょう。
耐震性や費用などが心配な方は、古民家のデメリットに対応できる「古民家風」リノベーションも検討してみてください。
私たちSHUKEN Reは、リノベーション専門店ならではのデザイン力とアイデアで、おしゃれな古民家風の住まいづくりをご提案できます。
戸建て・マンション両方のリノベーション施工事例をたくさん掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。