中古住宅のローン審査が通らない理由と対策|審査が通りやすい銀行はある?
新築より購入費用を抑えられる中古住宅ですが、やはり大きな買い物ですから住宅ローンを検討する方が多いです。
しかし中古住宅はローンが通りにくい・通らないという話も多く、心配になる方も少なくありません。
今回は中古住宅のローン審査が通らない理由を一つずつ解説し、対策もセットでご紹介します。
・中古住宅のローン審査が通らない理由はさまざまで、状況によって対策も変わります。
・ローン審査に通らなかったときは、通りやすい金融機関を探すのも一つの手です。
Contents
■中古住宅でローンは組める?
中古住宅も新築と同じようにローンを組むことは可能です。
住宅ローンの審査基準は新築も中古住宅も同じですが、物件の担保価値が低くなるので審査が通りにくくなるケースが多いのです。
住宅ローンでは建物・土地に抵当権を設定して、万が一返済が滞ってしまったときの支払いを担保します。
しかし中古住宅は建物の価値が落ちているため、金融機関が評価する担保価値も低くなります。
借入希望額より担保価値が低くなってしまうと、審査が通らなかったり融資額が足りなかったりしてしまうわけです。
中古住宅ローンの審査基準や購入の流れはこちらのコラムをご覧ください。
〈関連コラム〉
・中古住宅のローン審査は厳しい?審査基準やフルローンについて
■中古住宅のローン審査が通らない理由
中古住宅のローン審査が通らない理由はさまざまです。
それぞれのパターンを知っておくと対策を立てやすくなりますので、覚えておきましょう。
物件の担保価値が低い
前述したように中古住宅は担保価値が低いため、借入希望額によってはローン審査が通らないケースがあります。
※新築・中古の担保価値の差の例
- 新築:建物3,000万円 + 土地2,000万円 = 担保価値5,000万円
- 中古:建物1,000万円 + 土地2,000万円 = 担保価値3,000万円
新築と中古住宅では建物の評価額が異なり、担保価値に差が出ます。
金融機関は「固定資産税評価額・路線価・公示地価・法定耐用年数」などの要素で物件を評価するため、販売価格より担保価値の方が低くなるケースが多いです。
※法定耐用年数
- 木造住宅 22年
- 鉄筋コンクリート造住宅 47年
例えば国が定めた法定耐用年数では、築23年以降の木造住宅は税法上の資産価値がゼロ円とみなされます。
築古物件や販売価格が安い物件は担保価値が低くなることが多いため、フルローンや頭金が少ないケースでは審査が通りにくくなります。
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他の借入残高がある
住宅ローン審査では個人信用情報も厳しくチェックされるため、他の借入残高があると通りにくくなる傾向があります。
個人信用情報とは、クレジットカードや自動車ローンなどを含めた借入記録のことです。
借入額と年収の割合である「返済負担率」はすべてのローンを含めて計算するため、他の借入残高があると審査が不利になるのです。
※他の借入残高とみなされるもの
- クレジットカード残高やキャッシング
- カードローン
- 教育ローンや奨学金
- スマートフォンの分割支払い
- 自動車ローン
クレジットカードやスマホの分割など日常的な借入から、教育ローンや奨学金なども借入残高とみなされます。
また長期の支払い遅延や定期的な遅延を繰り返していると信用情報にキズが付き、いわゆる「ブラック」ではなくてもローン審査に影響する恐れがあります。
ローンを組めない物件を選んでいる
そもそもローンを組めない中古物件を選んでしまうと、どんな工夫をしても審査には通りません。
例えば金融機関によっては、建築後に法律が変わって「既存不適格」となった中古物件は、住宅ローンを組めない可能性があります。
特に多いのは接道義務を満たしておらず、再建築不可となっている物件です。
また勝手な増築で建蔽率・容積率をオーバーするなど、違法建築の物件も住宅ローンは組めません。
金融機関ごとに住宅ローンの要件は異なるので、しっかり確認したうえで中古住宅を選びましょう。
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収入と借入のバランスが取れていない
住宅ローンでは「返済負担率」をチェックされるため、収入に対して借入が多すぎると審査に落ちる可能性が高くなります。
返済負担率は「年収に占める年間返済額の割合」のことで、金融機関によって異なりますが30~35%が目安と言われています。
仮に年収400万円だとすると、「400×35%=140」で年間返済額の目安は140万円以内ということです。
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収入が安定していない
年収額や返済負担率は問題なくても、収入が不安定だと審査に通らない可能性もあります。
自営業などで大きく売り上げた年と落ち着いた年があると、収入が不安定とみなされ不利になることが多いです。
申込の直近や前年は問題なくても、年収に幅がある方は原因の一つとして疑ってみる必要があります。
勤続年数が短い
転職や独立した直後など勤続年数が短い方も、審査で不利になるケースがあります。
キャリアアップなど前向きなケースでも、転職回数が多いと金融機関からの信頼を得にくくなる可能性があります。
グループ会社への転職も金融機関によって判断が異なるため、職場環境が変わることが多い方は理由の一つとしてチェックしてみましょう。
■ローン審査に落ちたときの対策
複数の金融機関に申し込む
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なるため、複数の銀行や信用金庫に申し込めば通る可能性もあります。
例えば金融機関の基準によっては、年収が高くても勤続年数がクリアできず審査が通らないケースが考えられます。
同じ条件でも勤続年数を重視しない金融機関に申し込めば、審査が通る可能性もあるのです。
審査が通りやすい金融機関の考え方・探し方は次の章で詳しく解説します。
連帯保証人を立てる
ほとんどの住宅ローンでは保証人が不要ですが、審査結果によっては連帯保証人を立てる条件付きで通るケースもあります。
ローン申し込み者の収入が不足していたり、勤続年数が短かったりするケースでは、連帯保証人でカバーできる可能性があるのです。
ただし連帯保証人は、主債務者がローンを返済できなくなった場合、全額返済の義務を負うリスクがあります。
迷惑をかけないよう確実な返済計画を立てるのはもちろん、信頼関係のある親や親族に相談する必要があるでしょう。
物上保証人を立てる
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが「物上保証人」を立てて、担保価値を補い住宅ローン審査を通す方法もあります。
物上保証人は「担保提供者」とも呼ばれ、自己所有の不動産を担保として提供する人を意味します。
例えば中古住宅の担保価値が足りない場合、両親が物上保証人となり実家や土地を差し入れてカバーするケースが多いです。
物上保証人は差し入れた担保物件以上の支払いを求められないため、連帯保証人より責任が少ないのも特徴です。
ローン返済の終わっているご実家や相続した土地などがあれば、物上保証人を相談してみる価値は大きいでしょう。
ペアローンを組む
ご夫婦共働きのご家庭なら、ペアローンで収入を合算すれば審査に通りやすくなる可能性があります。
ペアローンは一定収入がある同居親族とそれぞれが連帯保証人になり、収入を合算して申し込む方法です。
前述したように連帯保証人は責任が大きいものの、一緒に暮らすご夫婦ならリスクはそれほど大きくありません。
フラット35を申し込む
個人事業主の方や転職したばかりでローン審査に落ちてしまう場合、フラット35に申し込むのも一つの手です。
フラット35は、独立行政法人の住宅金融支援機構が手掛ける長期固定金利型ローンで、民間の住宅ローンより審査が甘いと言われています。
※フラット35の年収基準
- 年収400万円未満:返済負担率30%以下
- 年収400万円以上:返済負担率35%以下
フラット35は上記の年収基準をクリアしていれば勤続年数や就業形態は問われないため、他の住宅ローンに落ちても審査に通る可能性があります。
また団体信用生命保険の加入が任意なので、健康上の不安がある方も利用しやすいです。
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ただし現行の耐震基準や建築基準法に適合している必要があるなど、物件側のハードルは少し高め。
比較的築浅で状態の良い中古住宅の場合は、フラット35が有力な選択肢になるかもしれません。
■ローン審査が通りやすい金融機関はある?
前述したようにローン審査の基準は金融機関によって異なるため、審査の通りやすさも変わります。
ただし「審査が甘く誰でも通る」ということではなく、ご自身の条件に合った金融機関を選ぶと通りやすくなる可能性があるということです。
- ・20~65歳未満で完済時満85歳未満
- ・前年度の年収が400万円以上
- ・20~70歳未満で完済時満80歳以下
- ・安定継続した収入がある
- ・満18歳以上で完済時満82歳未満
- ・前年度の年収が400万円以上
申込時と完済時の年齢、収入の条件だけピックアップしても、上記のように金融機関によってかなり違いがあります。
例えば完済時年齢の上限が高い金融機関だと、返済負担率を調整できるため審査が通りやすくなるかもしれません。
一方公務員や大手企業などにお勤めの方は、勤続年数や収入安定性を重視する金融機関だと有利になる可能性が高いです。
また金利が低い住宅ローンは審査も厳しくなる傾向があるため、条件を変えてみるのも一つの手です。
ネット情報やウワサだけを鵜呑みにせず、各金融機関の申し込み条件を比較検討してご自身にとって有利な住宅ローンを見極めてみましょう。
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■中古住宅のローン審査もトータルサポートします
ここまでご紹介したように、中古住宅のローン審査は金融機関選びや準備が大切になります。
しかし初めての中古住宅購入では、考えることがたくさんあり手が回らないことも多いです。
中古住宅選びをスムーズに進めるためには、物件探しや資金計画もトータルサポートできる専門家に相談するのがおすすめです。
不動産会社・銀行それぞれに相談するのではなく、物件探しやローンのことをワンストップで対応できる会社を選びましょう。
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