公開日:2023-07-16 更新日:2024-07-04
〈ワンちゃんのためのお部屋づくり〉ペットスペースを増築・改修する際のポイントは?
大切な家族であるペットにとっても、住まいを快適にしたいですよね。
しかし、今のままではスペースが足りず、飼い主・ペット共に狭い思いをしているお宅も多いでしょう。
そこで頭に思い浮かぶのが、「ペットスペース」の増築や改修。
今回はワンちゃんに注目して、飼い主も犬も居心地のいい住まいづくりについてお話しします。
「生活を共にするワンちゃんのために快適なペットスペースを作りたい」「これからペットを迎え入れたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
・部屋を増築する際には、法的ハードルやご近所への配慮などを忘れてはいけません。
・1998年から約20年間で8,000件超の実績があるリノベーション専門会社“SHUKEN Re”は、マンション/戸建てを問わず、数多くの「ペットと暮らす家づくり」をお手伝いしています。
目次
■ まずはワンちゃんの好きな空間・苦手な空間を知りましょう
ワンちゃんにとって居心地のいい空間は、人間にとって必ずしも快適とは限りません。
そのため、一般的な住宅は、どうしても飼い主優先の間取りとなっているケースがほとんど。
では、ワンちゃんのためにどのような空間を作ってあげれば良いのでしょうか?
まずは、犬が好きな空間・苦手な空間について見てみましょう。
好きな空間
犬は、本来群れで生活していたため、リーダーへの忠誠心が強い動物。
飼い主の姿が見える場所、存在が感じられる場所を好む傾向が強く、信頼できる存在の近くでくつろぐことで、リラックスできるワンちゃんは多いはずです。
そのため、ペットスペースをリビングなど人が滞在する場所を遠ざけると、ストレスがかかってしまう恐れがあります。
ただし、掃除機の音やドライヤーの音、ミキサーの音、テレビの爆音など、常時聴こえない突発的な音を嫌うため、飼い主の行動範囲と一定の距離を取ることも重要です。
そして、他の動物と同様に、ワンちゃんも狭い場所を好みます。
防衛本能が強いため、不安を感じている時や体調が優れない時には、壁の隅やクレートにこもる子も少なくありません。
たしかに、室内運動のためのスペースは必要ですが、ワンちゃんの気分次第で安心して休める場所も用意しておく必要があります。
増築するスペースが取れない場合には、階段下をペットスペースとして活用するのもおすすめです。
嫌いな空間
ワンちゃんが嫌いな空間は、「高い場所」や「足元が不安定な場所」、「うるさい場所」です。
大きな生活音が聞こえる場所や、下が見えるデッキ上ですと、ワンちゃんが居心地の悪さを感じてしまいます。
また、人通りの多い場所や外の音が聞こえる場所ですと、うまくトイレができないワンちゃんも。
周りが透明のパネルで覆われているサンルームなども、あまり落ち着かないようです。
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■ ワンちゃんも飼い主も快適な“ペットスペース”にするポイントは?
事例を見る:Case106「Happy Family Home」
では、ワンちゃんにとっても飼い主にとっても居心地のいいペットスペースにするためには、どのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
衛生的である
犬は、とてもきれい好きです。
その理由は、排泄物が体につくと、天敵に見つかる可能性が高くなるため、本能で身の回りを衛生的に保つ習性があるのです。
そのため、ワンちゃんトイレを置く場所は、寝る場所や餌を置く場所から離してあげましょう。
また、落ち着いて排泄できるように、壁やケージで囲ってあげるのもおすすめです。
そして、散歩の際に足についた汚れや抜け毛、ダニを掃除しやすいように、表面に凹凸のないビニール系床材などを採用することをおすすめします。
掃除機やモップがかけやすいように、できるだけ段差を作らないこともポイント。
最近では、消臭機能・防ダニ機能を備えた床材が多く製造されていますので、ペットスペースだけでもそれらを採用してみましょう。
スペースに余裕があれば、一角にシンクを取り付けてペットケアコーナーを設けるのもおすすめです。
ペットスペース内に餌や掃除道具、トイレシートなどをしまう際には、いたずらできないように、扉付きの収納を設置してください。
運動ができるスペースを作る
日本には梅雨など長雨のシーズンがあるため、室内にワンちゃんの運動スペースを作ることも重要です。
ただし、広くなければいけないという訳ではありません。
限られた空間でもワンちゃんのストレスを軽減できる遊びはあります。
例えば、室内のどこかに隠されたおやつを見つけるゲームや、シェイピングゲーム(クリッカーゲーム)と呼ばれる行動トレーニングなど、体にも脳にも刺激的な遊びをすることで、ワンちゃんのストレスを発散させてあげられます。
遊びに集中させてあげるためには、テレビなどの音が聞こえず、人通りがあまりない場所がおすすめ。
また、ロープを引っ張り合う遊びをする場合は、床を滑りにくくしておく必要があります。
安全性が確保されている
飼い主との適度な距離感が保てる
ペットスペースを配置する場所は、飼い主のくつろぎスペースと近い方が良いでしょう。
遠く離れた場所に設けてしまうと、ワンちゃんが孤独感を感じてしまうかもしれません。
ただし、リビングなど生活音が多い場所の一角や、廊下・階段の近くですと、どうしても落ち着けないため、適度な距離感を保つか、ペットドアなどで遮りましょう。
インテリア性を損なわず空間を区切るのにおすすめなのが、最近人気の「室内窓」。
光を通しつつも、しっかり間仕切りとしての機能を果たします。
(引用:Panasonic|しきり窓)
匂いや汚れが気にならない内装
飼い主にとってストレスにならないように、匂いや汚れにも対策をとっておきましょう。
例えば、防臭性・防汚性のあるビニールクロスを採用すれば、ペット臭を軽減できますし、汚れがついても水拭きしやすいです。
また、珪藻土などの塗り壁は、水拭きできないものの、高い防臭性を持ちます。
デザイン性にもこだわりたいという方には、壁タイル材もおすすめです。
(引用:LIXIL|エコカラット)
壁のキズが気になる方は、ぜひ腰壁パネルをご検討ください。
ペット対応壁紙よりも表面強度が高く、万が一壁がキズ付いても、全面を張り替える必要がありません。
(引用:大建工業|ハピアウォール)
快適な温度・湿度環境
人にとっても温度や湿度は快適性と大きく関係しますが、ワンちゃんにとってもそれは同じ。
犬の平熱は、37.5~39℃程度なので、飼い主よりも暑さを感じやすいのです。
ペット保険を提供しているアニコム損害保険株式会社の調査によると、犬の熱中症発生率は、屋外が48.7%なのに対して、室内は43.2%とそれほど変わらないことが分かっています。
また、熱中症になった際の気温は、「25~30℃」が48.7%、「30~35℃」が27%という結果が出ました。(参考:PR TIMES|【残暑も要注意!犬の熱中症を徹底調査】熱中症が起きやすい条件は『屋外×昼過ぎ×晴れ×25℃以上』)
つまり、飼い主にとっては快適でも、ワンちゃんにとっては健康被害のリスクにつながるということ。
ただし、冷やしすぎては空調負荷が大きくなってしまいますし、飼い主の方が体調を崩してしまうかもしれません。
また湿度が高いと、温度がそれほど高くなくても熱中症を発症する可能性があります。
そのため、ペットスペースの室温は、25〜28℃、湿度は40〜60%に保てるようにしましょう。
ワンちゃんの成長に合わせられる可変性
ワンちゃんは、子犬から成犬、老犬へと成長する過程で、体の大きさだけではなく行動パターンも変わります。
トイレトレーニングをするためには、ケージなどが必要ですし、足が不自由になれば、介護の必要も出てくるでしょう。
また、途中から多頭飼いをすることになれば、一頭ごとにトイレやケージを置くことになります。
つまり、ずっとワンちゃんとの生活を続けたい場合には、ある程度の可変性も必要だということです。
例えば、将来的に空間の構成を変えられるように、作り付け家具ではなく置き家具を配置したり、間仕切り壁の位置や仕様を変えることを前提にしておいたりすると良いでしょう。
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■ ペットスペースを増築する際の注意点
一戸建て住宅を増築することは決して無理なことではありません。
ただし、いくつかのクリアしなくてはいけないハードルがあることも事実です。
ワンちゃんのための部屋を増築したい方は、これから紹介するポイントをクリアしているかどうかをチェックしてください。
〈関連コラム〉
増築リノベーションの注意点と費用目安|戸建てスケルトンリフォーム事例も紹介
増築面積が10㎡以上・準防火地域もしくは防火地域内だと建築確認が必要
増築面積や地域によって、増築をする際に建築確認が必要かどうかが異なります。
増築する面積が10㎡以上、10㎡以下であっても防火地域や準防火地域に指定されている地域であれば、増築時に建築確認申請をしなくてはいけません。
「申請するだけならそれほど大変でないのでは」と思うかもしれませんが、建築確認には専門的な知識が必要なので、建築士に代理申請してもらわなくてはならず、費用や日数がかかってしまいます。
「建蔽率・容積率」はオーバーしないか
建築確認申請を行う場合、当然ながら建蔽率・容積率の上限以内でなければ認可されません。
(引用:国土交通省|市民景観まちづくりリーフレット)
つまり、増築する場合は、既存住宅の建築面積・延べ面積との合計が、建蔽率・容積率以内でなければいけないということです。
「建築確認申請が不要な増築なら、多少は建蔽率・容積率がオーバーしてもよいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、将来、建築確認申請が必要となるリノベーションをする際や、売却する際に、「既存不適格建築物(現行の法律にそぐわない建物)」とみなされて、不利になる可能性があります。
新築時の「確認済証・確認申請図書・検査済証」はあるか・「既存不適合建築物」ではないか
その家がきちんと合法な建築物であることが証明できないと、リノベーション時の建築確認申請はできません。
そのため、新築時の確認済証・確認申請図書・検査済証があるかどうかを確認してください。
〈確認済証〉
確認申請が受理されたことを証明する書類
〈確認申請図書〉
確認申請時に作成・提出した書類の写し
〈検査済証〉
自治体による完了検査をクリアしたことを証明する書類
最近建てられた住宅ですと、必ずこれらの書類が作成されますが、特定行政(建築主事)による建物の中間検査・完了検査が義務付けられたのは1999年(東京都の場合)なので、それ以前に建てられた場合ですと、そもそも作られていない可能性もあります。(参考:東京都都市整備局|現行計画の取組状況)
建築確認申請に必要な書類がない場合には、「法適合状況調査」を受け、法令に遵守していることが証明できなくてはいけません。(参考:国土交通省|「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について)
ウッドデッキ・バルコニーの新設も要注意
ワンちゃんのためのスペースとして、ウッドデッキやバルコニーを増築したいと考える方も多いでしょう。
部屋を増設する訳ではないので、建築確認が必要ないと思われがちですが、仕様によってはそうとも限りません。
建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。
(引用:建築基準法施行令)
屋根がかかっており、3方向以上を壁で囲われているようなウッドデッキやバルコニーは、建築面積としてみなされる可能性がありますので、必ず知識の豊富な建築士へ確認しましょう。
既存建物の耐震性に問題はないか
増築するということは、少なからず既存住宅への負荷が増えてしまうということ。
そのため、築年数の古い家への増築をする際には、改めて耐震診断を受けることをおすすめします。
耐震診断の結果に基づき、増築部分以外にも耐震改修を施さなくてはいけなくなる可能性もあるということです。
〈関連コラム〉
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近隣住宅に迷惑をかけないか
法規上・構造上で特に問題がなかったとしても、ご近所への配慮を忘れてしまっては、気持ちよく住み続けられないですよね。
特に、ワンちゃんのためのスペースとなれば、鳴き声や匂いが漏れ伝わらないようにしなくてはいけません。
いくら私有地内の工事であったとしても、事前にご近所へ説明することはとても大切です。
法的には、増築に際して近隣の方の許可は必要ありませんが、工事前にお話ししておくことで、後からのトラブルを未然に防げます。
DIYの増築は雨漏りのリスクが上がる可能性も
建築確認申請が必要な範囲でDIYによってペットスペースを増築したいと考える方もいるかもしれません。
その際に、外壁にビス穴を開ける工事には要注意!
小さな穴でも雨漏りを引き起こしてしまいます。
雨が侵入しないように、隙間をコーキングで埋める方法もありますが、場合によっては侵入した雨水の出口まで塞いでしまい、逆に症状を悪化してしまうかもしれません。
また、屋根の傾斜や納まりによっては、雨水が家に向かってどんどん流れてくる恐れもあります。
そのため、家そのものに傷をつけるような作業は、やはりプロに任せるのがおすすめです。
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■ まとめ:飼い主もワンちゃんも快適に住める家にリノベーションしませんか?
快適な住まいは、ワンちゃんファーストだけでも飼い主ファーストだけでもいけません。
どちらもストレスなく住める環境を整えることが重要です。
そのためには、空間構成や仕上げなど、様々なポイントを押さえなくてはいけませんし、増築するとなると、さらに建築的な知識も必要となります。
リノベーション会社を選ぶ際には、ペットと暮らす家の施工実績が豊富な会社を選びましょう。
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