公開日:2023-06-04 更新日:2024-07-04
東京でビルに住むメリット・デメリット|中古ビル価格+リノベーション費用はいくら?
戸建て・マンションでなかなか理想の物件が見つからないときは、ビルをリノベーションして住むのも一つのアイデアです。
特にビルの数が多い東京都内は中古物件を探しやすく、リノベーションで素敵なマイホームを手に入れられるかもしれません。
今回は東京でビルをリノベーションして住むメリット・デメリットを掘り下げ、実際の費用相場も詳しく解説します。
・床面積100㎡の中古ビルをフルリノベーションする費用相場は1,000~2,000万円が目安です。
目次
■東京でビル暮らしが注目されている!?
近年マンション価格の高騰が続く東京都では、ビルを住居としてリノベーションする方法が注目されています。
2023年3月の東京都マンション平均価格は2億1,750万円と高騰しており、中古のビルも十分検討できる価格帯です。
参照元:不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向2023年3月
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また東京都では2025年から太陽光発電パネル設置義務化がスタートしますが、土地の広さや日照などの課題も少なくありません。
ビルの屋上は太陽光パネルを設置しやすく、日当たりでも有利なため効率的に発電できる可能性が高いです。
またヒートアイランド現象の緩和などを目的にビルの屋上緑化が推進されており、区によっては補助金が出るケースもあります。
例えば品川区ではベランダ緑化の面積に応じて、最大30万円の補助金を用意しています。
補助金を受けてビルを屋上緑化すれば、東京都内でも素敵な庭がある暮らしを送れるのです♪
■東京でビルに住むメリット
好立地な物件が多い
オフィスビルや雑居ビルは基本的に駅前などに多く、一戸建てやマンションでは選べない好立地な物件も見つけやすいのが大きなメリット。
都内の駅前なら通勤がスムーズですし、商業施設も多いので普段のお買い物にも困りません。
耐久性が高く長く住める
鉄骨造・鉄筋コンクリート造のビルは耐久性が高く、適切なメンテナンスをすることで長く住めるのも魅力的なポイント。
分譲マンションも鉄筋コンクリート造で耐久性は高いですが、住民全体の意向でメンテナンス状況が左右され、修繕費が集まらず寿命を迎えるケースもあります。
自己所有のビルはご自身の判断でメンテナンスできるため、建物を良い状態に保って長く暮らせるのです。
築年数によっては、二世帯で長く暮らしたり、相続して引き継いだりすることもできるでしょう。
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フロアごとのプライバシー性が高い
多層階ビルの間取りは、プライバシー性が高くさまざまなライフスタイルにも対応しやすいです。
一戸建てやマンションに家族で暮らす場合、プライベートスペースの確保や就寝時の音問題などに悩むことが少なくありません。
ビルをリノベーションして住む場合、各フロアを使い分けることでさまざまな過ごし方ができます。
生活リズムのズレや音が課題となることが多い、二世帯住宅にも適しています。
ビルをコンバージョンして賃貸併用・店舗併用など複数の用途で使い分ける場合も、プライバシー性の高い暮らしができるでしょう。
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間取り変更の自由度が高い
ビルは入居する店舗や企業に合わせてレイアウト変更できるようになっていることが多く、間取り変更の自由度が高いのもリノベーション向きなポイント。
柱のない大空間LDKをつくったり、逆に間仕切りでたくさん部屋をつくったり、ライフスタイルに合わせたマイホームを考えることができます。
屋上を有効活用できる
ビルの屋上はプライバシー性が高く、さまざまな用途に活用することが可能です。
お昼寝やだんらんスペース、洗濯物や布団干し場、友達を集めてBBQやホームキャンプなどの活用方法も♪
サウナと水風呂を設置して、理想のライベートサウナ環境をつくるのも素敵なアイデアですね。
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自宅開業に向いている
もともと店舗が入っていたテナントビルなどは、店舗併用住宅にして自宅開業するのにも向いています。
立地の良いビルなら集客力が高く、賃貸ビルのように管理規約がないので思い通りの店舗やサービスをつくることができます。
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一部貸しで家賃収入を得られる
ご自身で開業する予定がなくても、ビルの一部を賃貸して賃貸併用住宅として家賃収入を得る方法もあります。
中古ビルは床面積が広い物件も多く、一部を賃貸スペースにしても居住スペースを十分確保できます。
店舗やオフィスとして貸し出す場合、入居者自身が内装工事をするケースが多いため、リノベーション費用の節約効果も♪
また多層階ビルはプライバシー性が高いため、民泊やホテルなど宿泊施設にも向いています。
■東京でビルに住むデメリット
階段の上り下りが大変
多層階ビルは階段の上り下りが負担になることがあるので要注意。
生活動線に配慮し、なるべく階段を使う頻度を減らす工夫が求められるでしょう。
内階段・外階段でも利便性がかなり変わるので、自己居住用ビルは物件選びの段階で生活のことまでしっかり考える必要があります。
リノベーションが大規模になる
雑居ビルやオフィスビルは自己居住用としてつくられていないため、ライフラインの引き込みや水回り設備の新設などが必要になります。
一般住宅のリノベーションでも配管や設備は丸ごと交換が基本ですが、ビルの場合工期が長めにかかるケースがあるかもしれません。
断熱性や防音性が低い
人が暮らす前提で設計されていないビルは、断熱性や防音性が低いケースも考えられます。
暮らしの快適性や光熱費に大きく関わる部分なので、事前調査してしっかり対策する必要があります。
ワンフロアが狭い
多層階ビルは複数のフロアを使い分けできる一方、ワンフロアの床面積が狭く設計難易度が高い点はデメリットと言えます。
ワンフロアが狭すぎると生活が上下階で分断されてしまうため、動線効率が悪化する可能性があります。
リノベーション実績が豊富な施工会社に相談し、プロ目線で暮らしやすい間取りを提案してもらうことが大切です。
洗濯物を干しにくい
ビルには一般住宅のようなバルコニーがないケースが多く、洗濯物を干しにくいのも対策すべきデメリットです。
広い床面積を活かしてインナーバルコニーを設けたり、ランドリールームをつくったりして対策しましょう。
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日当たりが悪い物件が多い
テナントビルやオフィスビルは地価の高いエリアに密集しているため、一般住宅より日当たりは悪い傾向があります。
南側の開口部を大きくしたり、部屋の隅々まで自然光が届く明るい内装カラーにしたり、リノベーション側の工夫が求められるポイントです。
価格が高い
東京都内の立地が良い中古ビルは、1億円以上の価格が付いていることも珍しくありません。
投資物件ではなく、自己居住用として考えるとかなり価格は高めですよね。
しかしエリアを広げて探せば、相場よりリーズナブルな価格のお買い得中古ビルを見つけるのも不可能ではありません。
次の章から、東京都内の中古ビル価格とリノベーション費用について詳しく見ていきましょう。
■東京の中古ビル価格はいくら?
実際に東京で自己居住用の中古ビルを購入する際どれくらいの予算が必要になるのか、平均価格をチェックしてみましょう。
国土交通省の土地総合情報システムを活用し、次の条件で中古ビル価格を絞り込みました。
※条件
- 用途:店舗・事務所
- 構造:鉄骨造・RC造・SRC造
- 2021~2022年の間に取引された中古ビル
※東京都全体の中古ビル平均価格
- 7億7,118万円 (延床面積 約525㎡)
出典:国土交通省 土地総合情報システムを基に弊社集計
東京都全体で見ると、23区内に高価格帯の物件が多く、平均価格は7億円オーバーでした。
※1億円以下の中古ビル平均価格
- 約5,176万円 (延床面積 約212㎡)
出典:国土交通省 土地総合情報システムを基に弊社集計
現実的な1億円以下の中古ビルに絞り込むと、平均価格は約5,000万円になりました。
延床面積の平均は約212㎡、一般的に流通している50~80㎡の分譲マンションと比較すると2倍以上のゆとりがあります。
市区町村名 | 取引価格(総額) | 延床面積(㎡) | 建築年 | 建物の構造 |
武蔵村山市 | 43,000,000 | 820 | 昭和51年 | RC |
江戸川区 | 50,000,000 | 490 | 平成4年 | 鉄骨造 |
町田市 | 51,000,000 | 135 | 平成30年 | 鉄骨造 |
清瀬市 | 52,000,000 | 360 | 昭和54年 | 鉄骨造 |
八王子市 | 58,000,000 | 220 | 平成7年 | RC |
江東区 | 58,000,000 | 145 | 昭和60年 | RC |
出典:国土交通省 土地総合情報システム
平均価格前後の狙い目物件をいくつかピックアップしてみました。
八王子や町田など比較的郊外エリアの物件が多いですが、江戸川区・江東区など23区内でも比較的現実的なラインの中古ビルを見つけることができそうです。
自己居住用の中古ビルを購入するなら、5,000万円~が一つの目安になりそうですね。
■東京の中古ビルリノベーション費用はいくら?
東京の中古ビルリノベーションにかかる費用は、実際の事例から目安を考えてみましょう。
- 店舗付きビル 費用:2,650万円 面積:216.19㎡(11.84万円/㎡)
- オフィスビル 費用:1,300万円 面積:69.55㎡(18.69万円/㎡)
- 店舗ビル 費用:1,800万円 面積:114.21㎡(15.76万円/㎡)
ビルの構造やリノベーション内容によって変動しますが、1㎡あたり10~20万円が費用目安となりそうです。
仮に先ほどの平均床面積に近い200㎡のビルをフルリノベーションする場合、2,000~4,000万円が費用目安になります。
ただし200㎡は居住空間としてはかなり広めなので、例えば100㎡はそのままの状態で店舗やオフィスとして貸し出せば、リノベーション費用は半分の1,000~2,000万円に抑えられます。
■総額いくらで東京のビルに住める?
現実的なラインの中古ビル平均価格と床面積、リノベーション費用の目安から総額費用を求めてみましょう。
- 中古ビル平均価格:約5,176万円
- リノベーション費用:2,120~4,240万円
- 合計:7,296~9,416万円
東京都内の中古ビルをフルリノベーションして住む費用は、7,000~9,000万円が一つの目安になりそうです。
住宅バブルが続いている東京都内の2022年度新築マンション平均価格は9,899万円。
東京都内の場合は価格面で見ても、中古ビル+リノベーションを検討する価値は大きいかもしれません。
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■中古ビル×リノベーションで世界に一つだけのマイホームを
新築・中古マンション価格が高騰している東京都内では、あえてビルをリノベーションして住むのも一つの選択肢です。
ビルリノベーションには、マンションや一戸建てではできないユニークな間取り、高い耐久性などさまざまな魅力があります。
注意すべきデメリットもありますが、施工実績の多いリノベーション会社のサポートがあれば、対策は難しくありません。
これから物件を購入する方は、中古ビル探しとプランづくりをまとめて相談できる「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
ワンストップリノベーションなら物件価格とリノベーション費用の総額がわかるので、予算オーバーの心配がありません。
内見の段階で完成後の間取りとライフスタイルのイメージもできるので、物件選びの失敗も回避できます。
東京都内のワンストップリノベーションは、私たちSHUKEN Reにご相談ください。
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