公開日:2023-04-04 更新日:2024-07-04
〈マンションの水回りリノベーション〉費用目安やポイント・注意点を解説
毎日の生活に欠かせないキッチンやトイレ、浴室などの水回りを、きれい&便利にリノベーションしたいという方も多いはず。
しかし、初めてリノベーションを検討する方にとっては、一体どんなポイントを押さえればいいのか、どのくらいの費用を用意すればいいか分かりにくいかもしれません。
そこで今回は、マンションの水回りリノベーションをする際のポイント・注意点や、費用目安を紹介します。
ご自宅の水回りを変えたい方はもちろん、これから中古マンション購入を検討する方も、ぜひ参考にしてください。
・プランや仕様などによって、工事費用は大きく異なります。
・“SHUKEN Re”では、物件探しからローン相談、リノベーションの設計・施工、アフターメンテナンスまでを専門スタッフがサポートする「ワンストップリノベ」をご用意しています。
目次
■ リノベーションのきっかけ第1位は「水回り」
事例を見る:Case147「Simple × Relaxing」
皆さんは、何をきっかけにマンションリノベーションをしようと思いますか?
「内装を一新したい」「間取りを変えたい」など、理由は人ぞれぞれでしょう。
ここで、気になるアンケート結果があります。
2020年に一般財団法人 住宅リフォーム推進協議会が行なった「2020年度 住宅リフォームに関する消費者実態調査」です。
その中のリノベーション検討のきっかけに関するデータを見てみると、1位に「設備や機器が古くなった又は壊れたから(39.6%)」、4位に「水回りや家事動線の使い勝手が悪かった/悪いから(19.9%)」がランクインしており、半数を超える結果となっています。
つまり、多くの方が日常生活で水回り部分に不便さ・不快さを感じて、リノベーションしようと思い立っているということです。
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■ 知っておくべき“8つ”のポイントや注意点
では、マンションの水回りリノベーションをする際、どのようなポイントを押さえ、何に注意すれば良いのでしょうか?
リノベーションの専門家として、これから計画を検討する方にぜひ知っておいていただきたいポイントを8つ紹介します。
“移動”前提のプランには要注意
水回りを含めたフルリノベーションを検討している方の中には、間取りを既存から一新したいという方も多いはずです。
その際に、水回りの移動を前提にプランを検討するのは少々リスクが高いかもしれません。
なぜなら、以下の理由によって水回りの移動ができない可能性があるからです。
〈理由①〉
マンションの管理規約によって、水回りの移動を一切禁止している場合があります。
これは、移設に伴う水漏れトラブルの発生リスクを最小限に抑えるためです。
〈理由②〉
床スラブ(床下のコンクリート躯体)から床表面までの高さが低いと、排水管の移設に伴い、必要な排水勾配を確保できません。
なぜなら、マンションでは排水管の接続口は移動できず、そこまで排水管を延長しなくてはいけないからです。
最小勾配は排水管の直径によって異なりますが、1/50〜1/100の傾斜が必要になるため、2m排水管を延長すれば2〜4cm床を上げなくてはいけません。
ただし、天井高が確保できれば、水回りの部分だけ床を高くすることもできますし、排水の接続口へ近づける移動であれば実現可能であるため、施工会社へ相談しましょう。
〈理由③〉
排水管の接続口へ壁から接続している場合は、移動すると接続手段がなくなるため移動できません。
キッチンやトイレの排水口が、床下ではなく壁に向かって伸びているマンションは、こちらに該当する可能性が高いです。
〈理由④〉
古いマンションですと、排水管が床スラブを貫通し下の部屋の天井裏に配置されている場合があります。
この場合、移動するとなると下の階に住んでいる方のご協力をいただかなくてはいけません。
場合によっては下の階の天井を広範囲で解体しなくてはいけないため、移動のハードルは高めです。
これらの理由から、間取りを検討する際には、ひとまず水回りを極力移動しないプランから考えてみることをおすすめします。
ただし、サイズや向きを変える程度でしたら問題ない場合がほとんどです。
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築15年以上なら給排水配管・電気配線が更新されているか要チェック
事例を見る:Case143「光あふれ、風に寄り添うワンルーム」
せっかく水回りをリノベーションしても、老朽化した給排水管や電気配線がそのままでは、数年後また工事をしなくてはならなくなるかもしれません。
そのため、設備機器を取り替える際は、必ず給排水配管と電気配線が今まで更新(取り替え)されているか確認しましょう。
〈それぞれの寿命〉
- 給排水配管(鉄管・鉛管):15〜20年
- 給排水配管(銅管):20〜25年
- 電気配線:20〜30年
電気配線は新規で設置されてから30年近く保つためリノベーション時の交換は必要ないと思うかもしれませんが、水回りを変えた後に10年は使い続けたいとなれば、築年数によっては同時に更新工事をした方がいいかもしれません。
築15年を超えていれば、水回りリノベーションと合わせて隠蔽部の配管・配線も新しいものへ交換することを検討してみてください。
最近一般的に使われている塩ビ(硬化ポリ塩化ビニル)管の耐用年数は20〜25年程度なので、一度やりかえてしまえば、頻繁に更新工事をする必要はありません。
家族が複数の場合は混み合う時間の動線を考える
水回りリノベーションと合わせて間取りも変える場合は、せっかくですから動線についてもじっくり検討しましょう。
ご家族暮らしで、朝など洗面室とトイレが混み合いがちなご家庭は、それぞれをしっかりと独立させて動線が交わらないようにする工夫が必要です。
また、ご夫婦・親子でキッチンに立ちたいという方は、アイランドタイプなどを採用し、周りをぐるりと回遊できるようにするのもおすすめです。
帰宅して食材などをスムーズにキッチンに運べるような廊下計画も忘れてはいけません。
このように、せっかく水回りをきれいにリノベーションするのですから、1日を通してできるだけ不便を感じないような動線計画を立てることが重要です。
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【間取り図あり】水回り動線が良い住まい|リノベで意識すべき3つのポイント
体格・ライフスタイルに合った設備を選ぶ
水回りの設備機器メーカーは、各社こぞって様々なシリーズを製造しており、それぞれサイズ感が微妙に異なります。
また、小さいお子さんがいるご家庭や車椅子で生活されている方が使う場合、複数人で同じ時間帯に使う場合など、ライフスタイルによっても適した設備機器は異なります。
商品を選ぶ際には、デザインだけではなく機能やサイズも細かく確認して選びましょう。
〈浴室〉
- ・浴槽の深さ
- ・浴槽の長さ
- ・洗い場の広さ
- ・出入り口の幅
- ・浴室暖房乾燥機とランドリーパイプの有無
〈洗面室〉
- ・洗面化粧台の高さ
- ・洗面ボウルの数
- ・洗濯機置き場の有無
〈洗面室〉
- ・手すりの有無
- ・手洗い器の有無
- ・洗浄便座の有無
〈キッチン〉
- ・キッチンカウンターの高さ
- ・加熱機器の種類
- ・シンクの大きさ
- ・食洗機とビルトインオーブンの有無
- ・食器棚キャビネットの大きさ
- ・家電収納キャビネットの大きさ
- ・吊り戸棚の有無
これらは検討するポイントの一例ですので、設備機器を選ぶ際には、まずそこをどのように使うかご家族全員で想像してみることが重要です。
また、カタログなどに記載されているサイズを参考にするのではなく、ショールームなどで現物に直接触れてみることもおすすめします。
流水音や換気音が気にならないようにする
水回り空間と切っても切り離せないのが、排水音と換気音。
間取り変更も合わせてする場合は、できるだけ寝室などと隣り合わせにすることを避けた方が良いでしょう。
水回りと寝室の間にウォークインクローゼットなどを配置するのが一般的です。
お一人暮らしの場合も、換気扇や冷蔵庫、洗濯機の稼働音が気になるという方が多いので、できるだけリラックスするための空間とは距離を離しておくことをおすすめします。
デザイン性と機能性の両方をバランスよく
水回りは空間によって来客してきた方の目にも入るため、デザインにとことんこだわりたいという方も多いでしょう。
特にリビングにキッチンが隣接している場合には、スタイリッシュに仕上げたいですよね。
このような場合も、必ず以下の点に着目して設備機器や内装材を選んでください。
- ・デザインを重視して使いづらくなっていないか
- ・日々の掃除やお手入れはしにくくないか
- ・お子さんやペットにとって危険ではないか
- ・収納量は足りているか
- ・将来的なメンテナンスは可能か
デザイン性ばかりにこだわっても長く住み続けるには少々不便になってしまうかもしれませんし、機能性を追求しすぎて見栄えが悪くなってしまうのも残念です。
「デザインも機能もどちらも欲しい!」という気持ちで、重視するポイントの優先順位を決めてから、機器などの材料選びを楽しみましょう♪
“造作”で使い勝手にこだわる
水回りリノベーションについて色々な施工事例を見てみると、システムバスルームやシステムキッチン、洗面化粧台など既製品を用いたケースが多いはずです。
既製品のいいところは、施工ムラが出ずコストも押さえられる点ですが、場合によっては次のようなデメリットが生じる場合もあります。
- ・サイズが現場にフィットせずデッドスペースができてしまう
- ・使う人の体格に合わない
- ・どうしても気に入ったデザインが見つからない
- ・収納が足りない
- ・欲しい機器が入らない
このような壁にぶつかった場合は、ぜひ「造作する」方法も選択肢に入れてみましょう。
造作キッチンや造作洗面化粧台、タイル仕上げの浴室などを取り入れれば、既製品のデメリットを全てクリアできるかもしれません。
ただし、どこの施工会社でも提案できるという訳ではありませんので、水回りへ造作を取り入れたい場合は、施工実績のある会社へ相談しましょう。
できるだけまとめてリノベーションすればお得
水回りリノベーションは内装リノベーションなどとは異なり、まとまった費用がかかります。
そのため、一箇所ずつ段階的に工事したいという方も少なくありません。
確かにその方法も良いのですが、近いスパンであちこちを工事する計画を立てている場合は、水回りだけでもまとめて工事することをおすすめします。
なぜなら、水回りリノベーションは、狭い工事範囲で幾つもの業種の施工スタッフが作業するからです。
〈水回りリノベーションに必要な工事〉
- ・解体工事(既存設備機器の撤去、壁・床・天井の解体、その他仕上げ材の撤去)
- ・木工事(壁・床の復旧や下地補強、フローリング材の施工など)
- ・設備工事(給排水管の移動、設備機器の設置、給排水管の接続)
- ・電気工事(電気の先行配線、電気接続)
- ・内装工事(壁紙や床材の施工)
これらにかかわる施工スタッフが少しずつ作業しなくてはいけないため、一箇所だけの工事を複数回手配すると、あまり効率的とは言えません。
コストを重視する場合ですと、まとめて複数箇所施工した方が工事費が圧縮できる可能性がありますので、ぜひご検討ください。
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■ マンションの水回りをリノベーションする際の費用目安は?
リノベーションを検討する際に無視できないのが“費用”ですよね。
水回りを工事するとなると、一体どのくらいかかるのでしょうか。
ここでは、それぞれの工事目安を紹介します。
予算を立てる際の参考にしてください。
キッチン
現状と全く同じ位置・同じサイズでリノベーションする場合と、多少でも位置や向き、サイズを変える場合で費用は異なります。
- ・同位置、同サイズでの取り替え:50〜250万円
- ・壁付けキッチンから対面キッチンへの取り替え:60〜250万円
- ・大幅な移動を伴うキッチンの取り替え:100〜350万円
- ※内装補修工事などの付帯工事や諸経費が別途かかります。
- ※選ぶ仕様やオプション機器の有無によって費用が高くなる可能性があります。
浴室
浴室は、システムバスルームにするのかタイル仕上げの自由設計な浴室にするのかで、費用は大幅に異なります。
- ・同位置、同サイズでのユニットバス取り替え:60〜120万円
- ・同位置、同サイズでのタイル浴室の取り替え:80〜200万円
- ・同位置でのタイル浴室からユニットバスへの取り替え:70〜150万円
- ・大幅な移動を伴うユニットバスの取り替え:130〜200万円
- ・大幅な移動を伴うタイル浴室の取り替え:150〜270万円
- ※内装補修工事などの付帯工事や諸経費が別途かかります。
- ※選ぶ仕様やオプション機器の有無によって費用が高くなる可能性があります。
洗面室
キッチンや浴室よりも工事費用の幅は狭いですが、やはりサイズや仕様によって価格は異なります。
- ・同位置、同サイズでの洗面化粧台取り替え:10〜50万円
- ・大幅な移動を伴う洗面化粧台の取り替え:30〜100万円
- ※内装補修工事などの付帯工事や諸経費が別途かかります。
- ※選ぶ仕様やオプション機器の有無によって費用が高くなる可能性があります。
- ※洗濯機用水栓及び防水パンの取り替えは別途費用がかかります。
- ※ミラーや照明器具の費用は含まれません。
トイレ
トイレは水回りリノベーションの中でもコストが低いですが、洗浄便座一体型など高価なものもあるため、ご予算に合わせて機器を選んでください。
- ・同位置、同サイズでの便器+タンク+洗浄便座の取り替え:25〜45万円
- ・大幅な移動を伴う便器+タンク+洗浄便座の取り替え:55〜100万円
- ・同位置、同サイズでの便器+タンク+普通便座の取り替え:10〜30万円
- ・手洗い器の新設:+10〜25万円
- ※内装補修工事などの付帯工事や諸経費が別途かかります。
- ※選ぶ仕様やオプション機器の有無によって費用が高くなる可能性があります。
- ※紙巻器・タオルかけ・手すりの取り付けは別途費用がかかります。
■ まとめ:水回りのリノベーションはトータルプランが鍵
水回りは、毎日生活をする上で必ず使うため、きれいで使いやすいものへリノベーションしたくなりますよね。
ただし、老朽化が進んでいると設備機器だけを取り替えただけでは根本的な解決にならない場合もあります。
あと何年住むか、そこでどんな暮らしをしたいかなど、長期的な視点でリノベーション計画を立ててみてください。
場合によっては、もう少し工事範囲を広げた方がいいかもしれません。
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