公開日:2022-03-20 更新日:2023-12-15
築40年マンションで後悔しない!物件選びとリノベーションのコツ
最近は豊富な中古のマンション物件を購入し、リノベーションしてお気に入りのマイホームに仕上げる方が増えてきました。
中でも第四次~第五次マンションブームのころに建てられた築40年前後のマンションは、価格や環境など魅力的な物件が豊富です。
しかし築年数が経っているマンションは、あと何年暮らせるのか?どんなリノベーションをすれば理想の住まいに仕上がるのか?など不安な点も多いですよね。
今回は築40年マンションの寿命、中古物件の選び方と、おしゃれなリノベーション事例を紹介しながら後悔を防ぐポイントを解説します。
■築40年マンションはいつまで住める?
マイホームとして築40年の中古マンションを選ぶ場合、実際にあと何年暮らせるのかが一番気になるポイントではないでしょうか。
せっかく費用をかけたのに、10~20年後に暮らせなくなってしまっては困りますよね。
まずは建物の寿命から、築40年の中古マンションは、あと何年住めるのかを確認しておきましょう。
【結論】築40年のマンションは、適切な管理がされていれば、あと30年程度は暮らすことが可能。
管理体制がしっかりしており、修繕計画に基づきメンテナンスが行き届いているマンションなら30~40年は暮らすことができるでしょう。
長期修繕計画に基づき適切に改修が繰り返されていることを前提にすれば、物理的には延命することが可能です。
中古マンションに暮らせる残り年数については、構造体としての鉄筋コンクリートの物理的な寿命、管理会社等のメンテナンス状態、寿命前に取り壊される可能性がある場合などそれぞれを考える必要があります。
・鉄筋コンクリートの寿命
国土交通省の調査によると、鉄筋コンクリート(RC)造のマンション本体の寿命は、適切なメンテナンスを行えば100年以上と言われています。
大蔵省主税局「固定資産の耐用年数の算定方式」では、鉄筋コンクリートの物理的な効用持続耐用年数は120年、外装仕上により延命して150年。
小松幸夫「建物の平均寿命実態調査」によれば、 鉄筋コンクリート造住宅の経済的な平均寿命(固定資産台帳の滅失データ、つまり経済的理由などで寿命前に取り壊されるまでの期間)は68年という調査結果です。
出典:国土交通省「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」
なお、RC造の法定耐用年数は47年です。法定耐用年数は減価償却の算出のために使用されるもので、建物の寿命とは関係がありません。
実際に1933年竣工の伊勢丹新宿本店のように、築90年以上の建物も現存しており、旧耐震基準で建てられたマンションは建て替えが必要なケースもありますが、耐震補強して住み続けている物件も少なくありません。
逆に言えば適切な長期修繕や外壁塗装などのメンテナンスが行き届いていないマンションは、寿命がもっと短くなるということです。
・維持管理・メンテナンスによる影響
マンションに暮らせる年数は、管理会社や自治会などの維持・管理体制も大きく影響します。
集合住宅であるマンションは、管理体制がしっかりしていないと適切なメンテナンスをすることができません。
例えば住民の高齢化が進むと子供の世帯への引越や老人ホーム入居などで空室が増え、管理費が集まらず管理会社が撤退してしまうケースがあります。
住民の自治管理だけで手が回らなくなるとマンション全体の価値が下がり、さらに空室が増えて大規模修繕が難しくなる悪循環が考えられます。
この後解説する物件選び、購入時のポイントに注目して、長く暮らせる築40年マンションを選びましょう。
■築40年マンションの中古物件選びポイント
・耐震基準
築40年以上のマンションは1981年に改正される前の「旧耐震基準」で建てられている可能性があるため、必ずチェックしましょう。
- 旧耐震基準:震度5強程度の中規模地震でほとんど建物が損傷しない設計
- 新耐震基準:震度6強~7の大規模地震で建物が倒壊しない設計
旧耐震基準は大地震の際の倒壊リスクが高いだけでなく、耐震補強工事による費用負担が発生する可能性があります。
新旧基準の切り替えタイミングはマンションが確認申請を受けた日なので、1981年6月1日以前に建築確認を取得しているマンションは新耐震基準への適合状況の確認が必要です。
旧耐震基準で建てられた物件でも、過去に耐震診断を受け、耐震補強済みで新基準に適合する物件もあるので、不動産会社に確認してみましょう。
・メンテナンス状況と大規模修繕予定
冒頭でお伝えしたようにマンションの寿命はメンテナンスによって大きく変動しますので、現在の状況や大規模修繕の予定を確認しましょう。
管理組合や自治会に確認すれば、大規模修繕計画のスケジュールは教えてもらえるはずです。
しっかりメンテナンスして将来の大規模修繕計画の予定も組まれている、長持ちするマンションを選びましょう。
・共有部分の設備
個人のリノベーションで変えることができない共有部分の状態も、物件選びの重要チェックポイントです。
集合ポスト、オートロック、エレベーターなどの設備が古いと、セキュリティの不安や暮らしの不便を感じることが少なくありません。
玄関ドアやドアクローザーも共有部分に含まれるケースがあり、古いまま交換できないことも。
お部屋の中だけでなくマンション全体をくまなくチェックして、古さや不便さがないか確認しましょう。
・空室率
空室率の高いマンションは管理やメンテナンスが行き届かなくなるので、全体の空き部屋を調べるのも大切なことです。
分譲マンションの空室率を不動産会社が把握しているケースは少ないので、少し手間はかかりますがご自身の目で確かめましょう。
マンション全体を歩いてみて大まかな空室状態をチェックしてみるのがおすすめです。
車移動がメインの郊外エリアなら、駐車場の空きをチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
・リノベーション向きの構造
鉄筋コンクリート造のマンションの構造は大きく2種類あり、リノベーションの自由度が変わるので要チェックポイントです。
築年数が古いマンションに多い「壁式構造」は、建物全体を面で支えるための構造壁を移動・撤去できません。
最近主流の「ラーメン構造」は、柱と梁の枠組みで建物を支えるため、壁を壊して間取り変更できる可能性が高いです。
壁式構造のマンションを選んでしまうと理想の間取りを作れないケースもあるので、物件選びの際にしっかりチェックしましょう。
リノベーションに向いている中古物件の選び方は、こちらのコラムでも詳しく解説しています。
■築40年マンションで後悔を防ぐ!リノベーションのポイント
・収納量
昭和に建てられたマンションは、一部屋に一つのクローゼットや押し入れがある程度で収納不足になるケースが多いです。
リノベプランを考える際は、ご家族のライフスタイルに合わせた収納量をしっかり確保しましょう。
・リビングの広さ&デザイン
住まいの主役となるリビングに妥協してしまうと、暮らし始めてから後悔する可能性が高いです。
築古のマンションリビングはそのまま内装を新しくしただけだと、古い印象が残ってしまうことも・・・。
トレンド感のある間取りやデザインを採り入れて、素敵なリビングプランを考えましょう。
・洗面所
昔のマンション洗面所は圧迫感や暗さを感じることが多いので、おしゃれ&使いやすく仕上げて後悔を防ぎましょう。
特別広い洗面所にしなくても、収納に工夫すれば十分おしゃれな空間にリノベーションできますよ♪
・トイレ
コンパクトなスペースのトイレですが、意外とリノベーションの満足度に影響するポイントです。
40年前の広さやレイアウトそのままリノベーションするのではなく、おしゃれ&便利な工夫を盛り込んでみましょう。
広さを変えるのが難しくても、アクセントクロスを選ぶだけでグッとおしゃれなトイレになります。
・キッチン
築40年台のマンションに多い壁付けの独立キッチンは、そのままのレイアウトだと使い始めてから不満に感じるかもしれません。
少し移動するだけでトレンド感のある使いやすい対面キッチンになるので、配置にもこだわってみてください。
・玄関の広さと使い勝手
昔のマンション玄関はコンパクトで暗い間取りが多く、内装だけきれいにすると不満・後悔が残る可能性があります。
リノベーションするなら玄関の広さと使い勝手を見直し、ライフスタイルにピッタリあう間取りを考えてみましょう。
玄関の壁を数十センチ広げるだけでも、グッと使いやすくおしゃれな空間になりますよ♪
・和室をどうするか
築40年前後のマンションでよく見る和室は、現代のライフスタイルにマッチしないことが多いです。
ただ洋室化するだけだと使い勝手や動線に不満が残る可能性があるので、しっかり暮らしに合わせてプランニングしてみましょう。
例えば上の写真のようにリビング内の小上がり和室に改装すれば、子育て・在宅勤務・応接間などマルチな間取りに♪
デザイン性もこだわれるので、おしゃれで便利な和室も検討してみてください。
・廊下の用途
昔のマンションは廊下が長い間取りが多く、居住スペースや収納を圧迫してしまうことも・・・。
長い廊下はそのままにせず、移動しながら使える収納にするととっても便利な住まいになります♪
収納が不足しがちなマンションにピッタリなので、廊下を無くすのではなく活用する方法も検討してみてください。
・ライフスタイルの変化
築古マンションのリノベーションは、ご自身で長く暮らすためライフスタイルの変化を見据えることも大切です。
築40年前後のマンションは安く購入できるのがメリットですが、裏を返すと高く売却するのは難しいということ。
売却益を新しい家の購入費用に充てて住み替えるのは難しいので、基本的には自分たちで長く暮らす計画を立てましょう。
お子さんの成長や巣立ち、ご夫婦の仕事・ライフスタイルの変化なども見据え、対応力のある間取りを考えてみてください。
■築40年マンションリノベーション事例
築40年前後のマンションを実際にリノベーションした事例を見てみましょう。
詳細ページに間取り図や他の写真もありますので、そちらもぜひチェックしてくださいね♪
事例①:築40年 約1100万円
工期 | 60日 |
---|---|
家族構成 | ご夫婦+ネコちゃん |
エリア | 千葉県 |
年代 | 30代+20代 |
物件種別 | マンション |
築年数 | 約40年 |
広さ | 約80㎡ |
リノベーション費用 | 約1100万円 |
リノベーション経緯 | 中古を買ってリノベ |
事例を見る:Case131「Living with Cats」
孤立感が強かった壁付けキッチンを対面タイプの二列型レイアウトに変更し、トレンド感があるおしゃれなLDKに変身♪
事例を見る:Case131「Living with Cats」
リノベーションで一新した内装は、築年数を感じさせないデザイナーズハウスのような 仕上がりです。
事例②:築41年 約800万円
工期 | 60日 |
---|---|
家族構成 | ご夫婦+お子様 |
エリア | 千葉県市川市 |
物件種別 | マンション |
築年数 | 41年 |
広さ | 65㎡ |
リノベーション費用 | 約800万円 |
リノベーション経緯 | 中古を買ってリノベ |
3LDKのマンションレイアウトを活かし、1,000万円以下のリーズナブルな価格とおしゃれなデザインを両立した事例です。
リビングの壁やドアの位置を少しずつ変えていて、コストを抑えながら開放感は大きくアップ♪
ほかにもたくさんのリノベーション事例を掲載しているので、こちらもぜひチェックしてみて下さい。
■まとめ
築40年前後の中古マンションは、上手に選んでリノベーションすればリーズナブルにおしゃれなマイホームに仕上げられます♪
今回ご紹介した物件選び・プラン作りのポイントを参考にして、理想のマイホームを手に入れましょう。
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