中古住宅の入居前にやることリスト|引渡しまでに済ませておきたい手続きや掃除は?
中古住宅を契約して、晴れてその家が自分のものになることが決まったら、入居(引っ越し)に向けてまずは何からすれば良いの?と気になっている人もいるのではないでしょうか?
今回は、中古住宅の契約後から入居前までに済ませておきたいこと、入居後に必要なこと、掃除やハウスクリーニングの必要性について詳しく解説します。
そして家を買った後に必要になる手続きや税金についても簡単にまとめていますので、引渡し前のチェックリストとして参考にしてくださいね。
・中古住宅の入居前には、引っ越し当日から問題なく暮らせるように準備を進めておくことが大切です。
・引渡し前や入居前、入居後に必要な手続きなどを忘れないためには、事前にやることをリストアップしておきましょう。
・中古住宅の購入時は、税金の支払いや、住宅ローン控除利用に必要な確定申告も忘れずに行いましょう。
Contents
まずは売買契約後に必要な手続きをチェック!
中古住宅の売買契約後に必要な手続きには以下のようなものがあります。
- ①住宅ローンの契約
- ②住宅ローンの前金準備
- ③火災保険の加入
- ④リノベーション・リフォーム工事の契約
- ⑤現在の賃貸物件の解約手続き(賃貸の場合)
①から順番に解説していきますので、引渡し直前に慌てないよう、しっかりチェックしておきましょう。
①住宅ローンの契約
売買契約後には、住宅ローンの正式な申し込みをします。
仮審査をした後、正式契約の締結が遅れるケースもあるので、早めに手続きを行ってください。
特に、不動産会社の紹介ではないネット銀行を利用する場合など、買主が主導で契約を進める必要のある住宅ローンを利用するときは、しっかりと契約のスケジュールを確認して進めましょう。
②住宅ローンの頭金準備
頭金は、住宅ローンを借り入れる際に必要なお金です。
物件代金の決済は通常、ローンを利用する金融機関で行われますが、その際に頭金もローンを実施する金融機関の口座に移しておかないと、
決済当日になって頭金を出金できない…という事態になってしまう場合があるので注意が必要です。
③火災保険加入
火災保険への加入は住宅ローン利用の条件になっていることがほとんどなので、忘れずに加入しましょう。
なお、火災保険・地震保険の補償開始日は、入居日(引っ越し日)ではなく、必ず「引渡し日」にして、できれば引渡し日の2週間前を目途に余裕を持って手続きを進めましょう。
火災保険の加入手続きにかかる期間は保険会社によっても異なり、契約まで1日~数日で完了できるところもあれば、1週間以上かかるところもあります。
火災保険を検討する際は、契約にかかる期間も確認しておきましょう。
〈関連コラム〉
・中古住宅の火災保険・地震保険の知識|保険料の相場や加入タイミングは?
④リフォーム・リノベーション工事の契約
事例を見る:Case20「howzlife NEXT STYLE」
中古住宅を購入し、リノベーションしてから住む場合は、住宅の売買契約後、施工会社とリノベーションの工事請負契約を結びます。
なお、リノベーションを前提で中古住宅を購入したい場合は、物件探しの段階で施工会社と相談しながら選ぶのがおすすめです。
物件選びと同時に、施工会社とリノベーションプランづくりも進めていくことで、住宅購入費用とリノベーション費用を合わせた一体型ローンの契約手続きがスムーズになりますし、
物件を購入してから、思ったようなリノベーションができなかったという失敗も防げます。
リノベーションを前提とした中古住宅の購入は、物件探しとリノベーション工事を1つの窓口で行える「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
〈関連コラム〉
・ワンストップリノベーションのメリット・デメリットは?リノベ事例も紹介
⑤現在の賃貸物件の解約手続き(賃貸の場合)
現在賃貸に住んでいる場合は、その物件を解約しなければなりません。
賃貸を解約する場合は、退去希望日の1か月前など期日が決まっていますが、急に引っ越さなくてはならなくなった場合は、1か月分の家賃を払うなどで退去できる場合があります。
詳しくは契約した際の賃貸借契約書に書かれていますので、よく確認しましょう。
また、物件の賃貸契約解約と同時に、水道・電気・ガスやインターネット、駐車場などの解約手続きも必要です。
入居前にやることをチェック!
次に、スムーズに新生活を始めるために、売買契約から入居までの間に済ませておきたいことをリストアップしてみます。
- ⑥入居前の建物状態をチェック
- ⑦インスペクションを検討・実施する
- ⑧引っ越し業者選びと手配
- ⑨ライフライン・ネットの開通申し込み
こちらも、順番に詳しく解説していきます。
⑥入居前の建物状態をチェック
引渡しが完了したら、入居する前に必ず建物の状態をしっかりチェックしておきましょう。
物件状況確認書や設備付帯表をチェックして、引渡し前に行った内見や現地確認では気づかなかった不具合などがあった場合、速やかに売主に伝えれば対応してもらえる可能性があります。
引っ越しが終わった後(入居後)では対応してもらえないこともあるため、入居前のチェックは必ず行いましょう。
⑦インスペクションを検討・実施する
売買契約前や引渡し前にインスペクションを行っていなかった場合、引渡しから引っ越しまでの間に実施しても良いでしょう。
インスペクションは床、壁、天井、基礎や、床下・天井の点検口、給排水管の漏れ・詰まりなどを検査することもあるので、家具や家電が入っていない入居前の実施が望ましいです。
インスペクションの結果、売主の契約不適合責任の対象となる項目で問題が見つかれば、補修を求められますし、
住宅の基礎・外壁、内装、設備の状態を早めに確認することで、より具体的にメンテナンス計画を立てられるようになります。
〈関連コラム〉
・中古住宅の売買でインスペクションは必要?費用や実施するタイミングを解説
・中古物件を購入する際に知っておきたい「ホームインスペクション」とは?“不要”“必要ない”というのは本当?メリット・費用について徹底解説
⑧引っ越し業者選びと手配
新居の売買契約が済んだら、新生活に向けて引っ越しの業者選びや日程調整も早めにしておきたいですよね。
一般的に、12月~4月や土日祝日は繁忙期で引っ越し依頼が集中するため、早めに見積もりして日程をおさえておきましょう。
また、繁忙期や曜日によって費用が変わる業者もあります。
さらに、同じ条件でも業者によって料金は変わってくるので、最低でも3社は相見積もりを取って、サービス内容を細かく比較してみることをおすすめします。
⑨ライフライン・ネットの開通申し込み
引っ越し日が決まったら、入居してからすぐに電気・ガス・水道が使えるように、ライフラインの開通手続きも忘れずに。
できれば引っ越し日の2週間前までに申し込みを済ませておきましょう。
電気と水道は使用開始手続きに立ち合いは必要なく、ネットや電話での手続きのみで使用開始できます。
ただし、ガスの使用開始には立ち合いが必要(10~15分程度)なので、引っ越し日に合わせて段取りしておくとスムーズです。
また、インターネットの開線は、工事が必要な場合は時間がかかるため、早めに契約し施工日を予約しておきましょう。
入居後にやることをチェック!
最後に、引渡し・引っ越しが完了した後にやることをまとめてみます。
- ⑩転出届・転入届の手続き
- ⑪免許証やカードの住所変更
- ⑫郵便物の転居届
引っ越し後はバタバタして後回しにしがちですが、新生活にスムーズに移行するために必要になってきますので、あと一息頑張りましょう!
⑩転出届・転入届の手続き
転出届・転入届は引っ越しをして住所が変わったことを役所に知らせる手続きです。
引っ越し日から前後2週間以内に手続きを済ませる必要がありますので忘れずに行いましょう。
違う市区町村へ引っ越した場合は、転出届と転入届の提出が必要となり、転出届は旧居のある役所に、転入届は新居のある役所に提出します(同じ市区町村内で引っ越しする場合も転居届の提出が必要)。
転出届は引っ越し日の約2週間前から受け付けていて、提出すると発行してもらえる「転出証明書」は転入届を出す際に必要となりますので、それまで保管しておきましょう。
⑪免許証やカードなどの住所変更
引っ越し前後で後回しにしがちなのが、銀行や免許証などの住所変更です。
特に、身分証明書にもなる免許証は早めに住所変更手続きをしましょう(平日の場合最寄りの警察署で手続き可能)。
免許証の住所変更には、新居の住所が記載された健康保険証や住民票が必要なので、先に転入・転居届を提出してから手続きしましょう。
銀行口座等の住所変更は、各銀行の窓口で行えるほか、インターネットの手続きで住所変更ができる場合もあります。
このほか、携帯電話の契約住所変更や、職場・学校への住所変更の手続きなども必要です。
⑫郵便物の転居届
郵便局に「転居届」を提出すると、届出日から1年間、旧住所あての郵便物等を新住所に無料で転送してもらえます。
転居届は、郵便局窓口で提出するほか、ポスト投函やインターネット等でも提出できます。
転居届を提出していないと、引っ越し後も旧住所に郵便物が届き続けてしまい、旧住所まで郵便物を取りに行くなどの手間が発生してしまうので、忘れずに提出しておきましょう。
(参考)日本郵便「転居・転送サービス」
中古住宅は入居前に掃除やハウスクリーニングした方が良い?
中古住宅は「現状渡し」が多いため、場合によっては引っ越し前に掃除が必要なこともあります。
自分で掃除するのも良いですが、汚れが気になる場合や、すっきりとした気持ちで入居したいときは、水回りやエアコンなど部分的にハウスクリーニングを活用するのもおすすめ。
家具や家電が入った後だと掃除しにくい場所もあるので、あらかじめ計画を立てておきましょう。
<おすすめの掃除内容>
- ・天井・壁・床の拭き掃除
- ・換気扇や排気口にフィルター設置
- ・エアコン掃除
- ・バルサンなどの殺虫・防虫剤
- ・お風呂に防カビくん煙剤
- ・洗濯機の土台の準備 など
掃除やハウスクリーニングを依頼するタイミングは、基本的には所有権移転後で、水道の利用開始手続きが完了してからになります。
もし、所有権移転手続き前に掃除をしたい場合は、契約時に不動産業者を通じて管理会社や売主に許可を得た上で、掃除する期間を見越して入居日を決めましょう。
ハウスクリーニングの内容や費用相場は過去のコラムで解説していますので合わせてチェックしてください。
〈関連コラム〉
・中古住宅はハウスクリーニングするべき?メリットや費用相場を解説
購入時・購入後に必要な手続きや税金をチェック
中古住宅の購入で住宅ローン控除を利用するためには、確定申告が必要です。
また、住宅を購入した際には不動産取得税などの税金を支払う必要もあります。
これらの手続きや納税を購入後にうっかり忘れてしまうことがないように、あらかじめチェックしておきましょう。
住宅ローン控除を利用するなら確定申告は必須
住宅ローン控除は、年末の住宅ローン借入残高の0.7%を、10年間にわたって所得税や住民税から控除できる減税制度です。
住宅ローン控除を利用するには、適用条件を満たした上で、入居した翌年に確定申告を行う必要があります。
<確定申告に必要な書類>
- ・確定申告書/住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- ・土地・家屋の登記事項証明書
- ・本人確認書類
- ・住宅ローン年末残高証明書
- ・売買契約書、建築請負契約書の写し
- ・源泉徴収票(勤務先で入手)
<リノベーション工事をする場合>
- ・工事請負契約書の写し
- ・増改築等工事証明書
中古住宅購入時の確定申告の具体的な手続きやe-Taxについては過去のコラムで解説していますので合わせてチェックしてみてください。
〈関連コラム〉
・中古住宅購入と同時にリフォームすると住宅ローン控除は受けられない?e-taxや年末調整についても解説
・中古住宅を購入したら確定申告をしましょう|住宅ローン・現金購入の場合をそれぞれ解説
なお、入居から2年目以降は、会社員の方は勤務先に控除証明書を提出すれば年末調整で控除されます。
中古住宅の購入で発生する税金
中古住宅の購入時や購入後は、以下の税金を支払う必要があります。
- ・登録免許税
- ・不動産取得税
- ・固定資産税・都市計画税(精算分)
- ・印紙税
- ・消費税(事業者の場合のみ)
また、引渡し後は毎年「固定資産税」と「都市計画税」がかかることも忘れないようにしましょう。
それぞれの税額の目安や計算方法、支払うタイミングなどは過去のコラムで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉
・中古住宅購入の税金は?いつ・いくら課税されるの?控除についても解説
・中古住宅の不動産取得税はいくら?税金がかからない・軽減されるケースも解説
・中古住宅と消費税の仕組み|売主(法人/個人)による違いや住宅ローン控除への影響を解説
・中古マンションを購入する際に消費税はどうなる?非課税のケースやその他の税金について
・中古住宅の固定資産税はどのくらい? 新築との違いから計算方法まで徹底解説
まとめ|中古住宅は入居前の準備が大切!スムーズに引っ越し日を迎えよう
中古住宅の入居前には、引っ越し当日から問題なく暮らせるように準備を進めておくことが大切です。
引渡し前は入居前、入居後に必要な手続きなどを忘れないためには、事前にやることをリストアップしておきましょう。
やることリストは紙で作るほか、スマホアプリで作成するのもおすすめ。
家族でリストを共有&チェックできるアプリを使えば、手続きの漏れを防げて効率的に進められますよ。
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