中古住宅の狙い目築年数と注意点|リノベ費用事例も紹介
この記事では、マイホームとして中古住宅を検討している方に向けて、狙い目の築年数や選び方の注意点を解説します。
おすすめの築年数とその理由、リノベーションに掛かった費用事例など役立つ情報もまとめてお届け♪
中古住宅をおしゃれにリノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。
・中古住宅は価格・物件数・状態のバランスが良い築25年前後が狙い目です。
・他の築年数を選ぶメリット・デメリットを把握することも、中古住宅選びに役立ちます。
Contents
中古住宅の狙い目築年数は25年前後
エリアの差や物件の個体差は多少ありますが、中古住宅は築25年前後が狙い目です。
理由について一つずつ解説していきます。
価格が落ち着いている
一戸建て・マンションともに、築25年頃になると販売価格が落ち着いて購入しやすい中古住宅が増えてきます。
東日本不動産流通機構がまとめた2021年の中古住宅平均価格のデータを見てみましょう。
築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)のデータを基に作成
中古戸建ては築10~20年まで200万円以内の価格変動ですが、築25年は389万円安くなって一気にお値打ち感が増してきます。
築30年以降も価格は安くなりますが、戸建ての場合建物の劣化も進むのでその分リフォーム費用は増加するので注意が必要です。
狙い目以外の築年数については後半で詳しく解説するので、そちらもチェックしてみてください。
動産流築年数から見た首都圏の不通市場(2021年)のデータを基に作成
中古マンションはさらに築25年のグループで一気に価格が安くなります。
築30年以降は価格が安定してあまり安くならないため、バランスの取れた築25年前後が狙い目と言えるでしょう。
〈関連コラム〉中古マンションの築年数│相場の下落率と築年数ごとのポイントを解説
新耐震基準に対応している
築25年前後の中古住宅は、現行の新耐震基準に則って建てられているため、耐震性不足のリスクが少ないのも狙い目ポイントです。
日本の耐震基準は1971年・1981年・2000年に改正されていますが、特に1981年を境とする新旧耐震基準の差が大きいです。
- 旧耐震基準:震度5程度の地震で倒壊しないこと
- 新耐震基準:震度6程度の地震で倒壊せず、震度5程度の地震で損傷しないこと
旧耐震基準で建てられた中古住宅を新耐震基準に適合させるには、耐震補強で多くの費用が掛かります。
築25年前後の中古住宅なら新耐震基準に対応しているので、大規模な補強が要らずリノベ費用の節約につながります。
リノベ費用を抑えやすい
築25年前後だと比較的状態の良い中古住宅が多いため、リノベ費用を抑えやすいのも大きなメリットです。
中古住宅メンテナンスのタイミング目安
- 外壁・屋根塗装 10~15年
- 壁紙貼り替え 10~15年
- フローリング貼り替え 20~25年
- 水回り交換 20~30年
築25年はさまざまなメンテナスの1回目~2回目のタイミングです。
10~15年が目安の外壁・屋根塗装や壁紙の張り替えは、1回目なので適切なタイミングで実施されている可能性が高いです。
水回りもちょうど交換のタイミングなので、配管の劣化などが水漏れに発展して建物にダメージを与えているリスクは低いでしょう。
逆に築30年を超えて水回りを一回も交換していない中古住宅は、水漏れ・土台の腐食・シロアリなどのリスクが高くなります。
まだ築年数が浅くメンテナス履歴が分かる物件が多いのも、リノベ費用を抑えやすいポイント♪
〈関連コラム〉
物件が豊富
データ参照元:e-Stat
25年前頃は新築着工戸数が多かったため、中古市場でも物件数が多いことも狙い目となる理由の一つです。
30万戸前後で推移している現在に対し、ピークの1996年は約64万と2倍以上の着工数でした。
物件数が多いほど希望条件を満たす中古住宅を見つけやすくなるので、積極的に狙う価値は大きいでしょう。
〈関連コラム〉中古住宅の探し方のコツと6つのチェックポイント
築25年前後の中古住宅選びの注意点
メンテナンス履歴を確認する
築25年前後の中古住宅は最初のリフォーム時期を過ぎているので、過去のメンテナンス履歴をしっかり確認しましょう。
例えば前回の外壁塗装から15年以上経っている物件は、雨漏りリスクが高くなるので注意が必要です。
履歴が分からない物件は、ホームインスペクションを実施して建物の状態をしっかり確認したほうが良いケースもあります。
戸建てはご近所や自治会などチェック
戸建て中古住宅は20年も経つとご近所関係が固まっているので、近隣トラブルなどが無いかチェックすることも大切です。
敷地から物がはみ出していたり、ゴミ置き場が荒れていたりする物件は、ご近所づきあいに要注意です。
また自治会の入会金や年会費が高く、断ったらゴミ置き場を使わせてもらえないなどのトラブルも考えられます。
周辺環境が怪しい物件は、なるべく売主に問題が無いか確認してもらうのがおすすめです。
マンションは管理状況・修繕積立費をチェック
中古マンションの場合は、物件の管理状況や修繕積立費など、リノベーションでは解決できない部分にも注意が必要です。
例えば委託していた管理会社が撤退してしまい、清掃やゴミ出しなどの運営がうまく行われていないマンションもあります。
また築25年前後になると大規模修繕などが増え、修繕積立金が高額になるケースも少なくありません。
実際の暮らしやランニングコストに大きく影響するポイントなので、問題がないかしっかり調べましょう。
〈関連コラム〉中古マンション購入の注意点は築年数?耐震性?
購入費用とリノベ費用のバランスを考える
全面リフォーム・リノベーションする前提で中古住宅を選ぶ場合、物件購入費用とリノベ費用のバランスにも注意が必要です。
大まかな予算配分で先に中古住宅を購入してしまうと、後でリノベ費用が足りなくなってしまう可能性があります。
マンション・戸建てどちらも建物の状況によってリノベ費用が変動するので、必ずトータル金額を把握してから購入しましょう。
これから中古住宅を購入するなら、施工会社に物件探しとプラン作りをまとめて頼めるワンストップリノベーションがおすすめ。
ワンストップリノベーションの詳細はこちらのコラムをご覧ください。
〈関連コラム〉ワンストップリノベーションって?メリットを紹介します
築25年前後の中古住宅リノベーション費用事例
実際に狙い目築年数の中古住宅をおしゃれにリノベーションした事例を見てみましょう。
戸建て・マンションそれぞれ掛かった費用も紹介しますので、予算の参考にもどうぞ。
マンション 築22年 880万円
築22年の中古マンションのスタンダードな間取りを、4家族に合わせておしゃれにリノベーションした事例です。
独立キッチンをつなげたLDKは、スケルトン天井で開放感&デザイン性ばつぐんの空間に♪
アパレルショップのようなひろびろ玄関も、中古マンションリノベならではの間取りアイデアです。
〈関連コラム〉中古マンションのリノベーション・ケース別費用を抑えるポイント
一戸建て 築27年 940万円
築27年の戸建て間取りを上手に活用し、1000万円以内でおしゃれなリノベーションを実現♪
リビングダイニングと和室をつなげてキッチンも移動し、家族とコミュニケーションしながらお料理できるLDKに変更。
中古住宅で気になることが多い水回りも、デザイン・使い勝手ともに新築同様にしっかりバージョンアップしています。
〈関連コラム〉中古住宅のリフォーム費用と注意点を築年数やタイプ別に解説
狙い目築年数以外の中古住宅のメリット・デメリット
中古住宅は築25年前後が狙い目ではありますが、他の築年数もメリット・デメリットを把握しておけば一つの選択肢になり得ます。
~築10年
10年以内の築浅中古住宅は状態の良い物件が多く、リフォーム・リノベ費用を抑えやすいのがメリット。
キッチンやユニットバスなどの設備も比較的新しいので、状態が良ければそのまま使って節約できます。
ただし10年以内だとまだ価格が高く、売却する人も少ないので物件数が少ない点はデメリット。
ご近所トラブルが原因で手放すケースなども考えられるので、売却理由にも注意が必要です。
築30年前後
築30年前後の中古住宅は建物の資産価値がゼロに近くなり、リーズナブルな価格で購入しやすいのがメリット。
ただし大規模なメンテナンスが必要になるタイミングでもあり、状態の悪い物件も増えてくるので見極めが求められます。
例えば戸建ての場合外壁・屋根塗装が適切なタイミングで行われていないと、雨漏りによる柱・土台の腐食、シロアリ被害などのリスクが高くなります。
マンションも配管交換や外壁塗装など大規模修繕が多くなるため、積立管理費が高い物件も多いです。
ワンストップサービスで状態の良い物件を見極めることができれば、比較的お買い得な築年数と言えるかもしれません。
〈関連コラム〉ワンストップリノベーションって?メリットを紹介します
築40年~
築古のカテゴリに入る40年以上の中古住宅は、さらに建物の状態に注意が必要になってきます。
1981年以前の家は「旧耐震基準」に則っているため、現行の「新耐震基準」を満たせず耐震補強が必要になるケースがあります。
築40年を超える戸建ては屋根や外壁の貼り替えタイミングを迎え、駐車場やフェンスなど外構部分に費用が掛かるケースも。
マンションも管理組合の存続や建て替えなど、多くの課題が表面化する時期です。
ただしこの年代はバブル期に建てられた好立地な中古住宅も多いため、状態と販売価格のバランス次第では狙う価値もあります。
〈関連コラム〉築40年の中古住宅は何年住めるか|スケルトンリフォーム・リノベ事例
まとめ
中古住宅は価格・物件数・状態のバランスが取れている、築25年前後が狙い目です。
ただし実際の中古住宅選びでは、建物の構造や劣化状態、理想のライフスタイルなども踏まえて検討する必要があります。
特に中古住宅をリノベーションする予定の方は、住まいづくりの専門家と一緒に物件を探せる「ワンストップリノベーション」を活用しましょう。
私たちhowzlifeは、物件探しからリノベプランまでワンストップ体制でしっかりサポートいたします。
住まいづくりのことならなんでもご相談いただけますので、お気軽にお声掛けください。
こちらのコラムも読まれています
・中古住宅購入で住宅ローンを利用する際の“団体信用生命保険”とは?
・中古住宅購入と同時にリフォームすると住宅ローン控除は受けられない?
・中古住宅購入でもつかえる!2022年住宅ローン控除を解説します
・中古住宅購入の確定申告|住宅ローン・現金購入の場合をそれぞれ解説
・中古住宅の固定資産税はどのくらい?|新築との違いから計算方法まで徹底解説
・中古住宅を内覧する際の注意点は?|チェックポイント・コツ・マナー