公開日:2026-05-06 

中古マンションの耐震基準と耐震等級の違いは?調べ方や2026年マンション関係法改正後の物件選びのポイントを解説

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中古マンションの耐震基準と耐震等級の違いは?調べ方や2026年マンション関係法改正後の物件選びのポイントを解説

 

中古マンションを検討するとき、「旧耐震基準って危ないの?」「耐震等級1と3は何が違うの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

 

建物の耐震性の基準や指標を表す「耐震基準」と「耐震等級」は、名前こそ似ていますが、制度の目的も意味も全く異なります。

 

このコラムでは、東京・千葉・神奈川でマンションリノベーションを数多く手がけるSHUKEN Reが、中古マンション購入前・リノベーション前に知っておくべき耐震基準と耐震等級の違い調べ方を解説します。

 

2026年4月1日に施行された区分所有法やマンション再生等円滑化法改正も踏まえた、新たな中古マンション選びのポイントについてもまとめています。

 

これから中古マンションを購入してフルリノベーションを検討している方や、今お住まいのマンションのリノベーションをお考えの方は参考にしてくださいね。

 

この記事のポイント
  • ・1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けたマンションは「新耐震基準」で建てられています。
  • ・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた「旧耐震基準マンション」でも、耐震診断や耐震改修で「耐震基準適合証明書」を取得していれば、新耐震基準と同等の耐震性能があると見なされます。
  • ・マンションの耐震等級は、「住宅性能評価書」などで確認できます。ただし、住宅性能評価書がない物件でも、構造的には等級2・3相当の設計になっているケースがあります。
  • ・旧耐震マンションを購入してフルリノベーションしたい場合は、「新耐震基準に適合しているか」をまず確認し、適合していない場合は耐震診断や耐震改修の議論が進んでいるか、建替えの話が出ていないかなど、管理組合の動向を事前にしっかり確認しましょう。

 

※本記事の情報は2026年4月時点のものです。法改正・税制改正により内容が変わる場合があります。個別の税務・法律判断については専門家にご相談ください。

 

SHUKEN Re 編集部


SHUKEN Re 編集部

SHUKEN Re 編集部

住宅リノベーション専門家集団が、単に情報をまとめただけの簡易的な記事ではなく、真剣にリノベーションを検討している読者に役立つ、価値ある中身の濃い情報をお届けしています。

 

 

 

■マンションの「耐震基準」と「耐震等級」の違い

 

マンションの「耐震基準」と「耐震等級」の違い

 

はじめに、建物の耐震性を示す「耐震基準」と「耐震等級」という2つの言葉の違いについて分かりやすく解説します。

 

〈耐震基準と耐震等級の違い〉

 

項目

耐震基準

耐震等級

法的性格

義務(建築確認に必須)

任意

根拠法

建築基準法

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

制度の目的

「最低限の安全」を担保する建物の耐震性を規定

耐震基準を満たす建物の耐震性をさらに3段階に分けてランク付けする

制度開始時期

1950年〜

2000年〜

 

上記の通り、耐震基準とはクリアすべき最低限の耐震性を定めた法律で、耐震等級は耐震基準の上に重ねる任意の格付け制度です。

 

次章で詳しく解説しますが、耐震等級1は、耐震基準をクリアした建物と同程度の耐震性になります。

 

 

■マンションの「耐震基準」とは|新耐震・旧耐震の違い

 

マンションの「耐震基準」とは|新耐震・旧耐震の違い

 

マンションの耐震基準についてさらに詳しく解説します。

 

日本の耐震基準は、大きな地震の教訓をもとに繰り返し改正されてきました。

 

特に重要な改正は1981年(昭和56年)改正と2000年(平成12年)改正の2回です。

 

 

1981年(昭和56年)改正:旧耐震基準→新耐震基準へ

 

1978年(昭和53年)の宮城県沖地震で甚大な被害が生じたことを受けて、これまでの耐震基準が見直され、1981年(昭和56年)6月1日から「新耐震基準」が施行されました。

 

旧耐震基準と新耐震基準

〈引用〉東京都マンションポータルサイト:トップページ>マンション耐震化>マンションの耐震化のすすめ(PDFファイル)より弊社で抜粋して引用

 

耐震基準

旧耐震基準

新耐震基準

適用時期

〜1981年(昭和56年)5月31日

1981年(昭和56年)6月1日〜

耐震性

震度5程度の中規模地震で「倒壊しない」ことが基準(損傷は許容。震度6以上への規定なし)

震度5程度では「損傷しない」+震度6強〜7の大規模地震でも「倒壊・崩壊しない」 ことが基準

 

1995年の阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建物の多くが倒壊した一方、新耐震基準の建物は相対的に被害が少なく、この改正の意義が実証されました。

 

阪神・淡路大震災での建物被災状況(RC造、SRC造)

〈引用〉東京都マンションポータルサイト:トップページ>マンション耐震化>マンションの耐震化のすすめ(PDFファイル)より弊社で抜粋して引用

 

上記のように、阪神・淡路大震災で旧耐震基準の建物は、新耐震基準に比べて「大破」や「倒壊」に至った比率が大きく上回ったことが記録されています。

 

旧耐震基準のマンションでも特に被害が集中した建物の傾向として、以下の3点が挙げられます。

 

①1階がピロティ構造の建物

1階部分を駐車場や店舗として開放し柱のみで支えるピロティ構造のマンションは、地震の水平力が1階柱に集中しやすく、1階が「層崩壊」する被害が多発しました。

 

②平面・立面の形状が不整形な建物

L字型・コの字型など、平面形状が複雑な建物や、途中階でセットバックしている建物は、地震の揺れに対して建物の各部に荷重が偏り、局所的な破壊が生じやすい傾向があります。正方形・長方形に近いシンプルな形状の建物に比べ、被害が大きくなるリスクがあります。

 

③玄関ドアが開閉不能になる損傷

倒壊には至らなかった建物でも、周囲の壁にひび割れが生じ、玄関ドアの枠が変形してドアが開閉できなくなるという被害が多く報告されました。「倒れなかった=安全」ではなく、避難経路が断たれる可能性がある点も見逃せません。

 

これらの特徴(ピロティ構造・不整形な形状など)は、設計図書や外観から購入前に確認できます。

 

中古マンションを検討する際は、建物の形状や1階の構造にも目を向けてみましょう。

 

POINT

竣工日ではなく「建築確認日」で判断する

耐震基準の判定基準は竣工(完成)日ではなく、建築確認が受理された日です。

鉄筋コンクリート造のマンションは工期が1年以上かかることが多いため、1982年に完成したマンションでも、建築確認が1981年5月以前であれば「旧耐震基準」になりますので、築年数だけで判断しないよう注意しましょう。

 

 

2000年(平成12年)改正:主に木造住宅向けでマンションへの影響は限定的

 

2000年(平成12年)の改正は、木造住宅の接合部や耐力壁配置の規定が大幅に強化されたことが主なトピックです。

 

RC造のマンションへの直接的な耐震性能の変化は限定的ですが、この改正に伴い住宅性能表示制度が運用開始され、2000年以降の物件では耐震等級の確認がしやすくなっています。

 

また、RC造の場合は1971年(昭和46年)の改正で柱に入れる鉄筋(帯筋)の間隔が狭まったことから耐震性能が大きく向上しているため、旧耐震基準のマンションでも「1971年以降の物件かどうか」は確認する価値があります。

 

 

耐震基準適合証明書と税制優遇のメリット

 

原則として、住宅ローン控除などの税制優遇は新耐震基準の物件が対象になっています。

 

ただし、旧耐震基準のマンションでも、現行の耐震基準(新耐震基準)と同等の耐震性があると証明する書類である「耐震基準適合証明書」を取得することで税制優遇を受けられる場合があります。

 

旧耐震基準のマンションで、耐震基準適合証明書を取得できた場合の主な税制メリットは以下の通りです。

 

制度

内容

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

原則として新耐震基準への適合が必要(2024年入居分以降、新築は省エネ基準適合も必須)。旧耐震でも耐震基準適合証明書の取得で適用可能になるケースあり。詳細は不動産会社・リノベーション会社に確認を。

不動産取得税の軽減

一定条件下で課税標準から最大1,200万円控除

登録免許税の軽減

所有権移転登記の税率が軽減(家屋2%→0.3%等)

贈与税の非課税特例

住宅取得等資金の贈与が非課税となる特例の対象に

〈参考〉
国土交通省ウェブサイト「住宅ローン減税
東京都主税局ウェブサイト「不動産取得税
国税庁ウェブサイト「No.7191 登録免許税の税額表
国土交通省ウェブサイト「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

 

ただし、耐震診断の結果として耐震基準を満たしていない場合は証明書が発行されません。

 

また、制度の詳細・適用条件は変更になる場合もありますので、購入前に税理士や不動産会社へ必ず相談することをおすすめします。

 

 

■マンションの「耐震等級」とは|等級1・2・3の違い

 

マンションの「耐震等級」とは|等級1・2・3の違い

 

耐震等級1・2・3の具体的な定義と、等級による耐震性の違いについて解説します。

 

 

耐震等級1・2・3の具体的な定義

 

耐震等級は2000年に施行された「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に基づく「住宅性能表示制度」の1項目で、1〜3の3段階で耐震性をランク付けします。

 

耐震等級

耐震性能(等級1を基準として)

求められる水準の目安

耐震等級1

建築基準法(新耐震基準)と同等

数百年に一度程度の地震(震度6強〜7相当)に対して倒壊・崩壊しないレベル

RC造やSRC造マンションのほとんどは等級1に相当する

耐震等級2

等級1の1.25倍

学校や病院など避難場所として使われる建物に求められる水準

耐震等級3

等級1の1.5倍

消防署・警察署など、大規模地震後も機能維持が求められる建物と同等の強度

マンションでは居住性やコストの観点から等級1が主流だが、近年は防災性能を訴求した等級2・3の物件も一部で見られる

 

 

なぜ多くのRC造マンションは「耐震等級1」なのか?

 

「等級1しかないマンションは危ないの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、これには合理的な理由があります。

 

①構造上の制約

マンションは鉄筋コンクリート構造が主流であり、等級2・3の基準を満たすためには柱や梁を太くしたり、耐震壁を増やしたりする必要があります。

しかし、それを行うと部屋の居住空間が狭くなったり、窓などの開口部を大きく取れなくなります。

そのため、居住性や間取りの自由度を優先して等級1の構造設計が採用されることが多くなっています。

 

②避難経路・用途の考え方

耐震等級2は学校や病院などの避難所、等級3は消防署や警察署などの防災拠点と同等の強度が目安とされる高い基準です。

一方、等級1は建築基準法が定める「数百年に一度の大地震(震度6強〜7程度)でも倒壊・崩壊しない(人命を保護する)」という要件を満たしており、居住用の分譲マンションとしては法的に十分な安全性が確保されていると見なされています。

 

③コストとの兼ね合い

等級を上げるほど建設コストは上昇し、マンション価格に直結するため、市場の現実として等級1が主流になっています。

 

 

重要なのは、マンションの耐震等級1が「ギリギリ安全」という意味ではなく、新耐震基準をクリアした設計であることを指すということです。

 

また、特にタワーマンションなどの高層RC造建築物は、部材の強度で地震に耐える「耐震」構造だけでなく、揺れを建物に伝えない「免震」構造や、揺れを吸収する「制振」構造といった高度な技術が採用されていることが多くあります。

 

品確法に基づく住宅性能表示制度では、免震建築物は耐震等級1〜3といった数字によるランク付けではなく、「免震建築物」という独立した区分として評価・表示されます。

 

そのため、書類上は特定の等級が示されない、あるいは「等級1」として扱われることがありますが、これは性能が低いことを意味しません。

 

実際には、建物への揺れを大幅に低減することで損傷を抑え、室内の家具の転倒なども防ぐ、極めて高い安全性能を備えている場合があります。

 

 

耐震等級による地震保険料の割引メリット

 

耐震等級を取得している物件は、地震保険料の割引を受けられます。

 

地震保険は通常、建物全体(共用部)にかけるものと、各部屋(専有部)にかけるものがありますが、耐震等級による割引は区分所有者が個人で加入する地震保険料にも適用されます。

 

耐震等級

地震保険料の割引率

耐震等級1

10%割引(建築年割引との重複不可。いずれか有利な方を選択)

耐震等級2

30%割引

耐震等級3

50%割引

免震建築物

50%割引

〈参考〉財務省ウェブサイト「地震保険制度の概要

 

上記のように、等級3や免震構造のマンションは、保険料が半額になり、長期で保有するほど節約効果は大きくなります。

 

個人の地震保険料だけでなく、マンション全体にかける管理組合の地震保険料も等級に応じて安くなり、管理組合の支出が抑えられるため、将来的な管理費の値上げリスクを減らすことにもつながります。

 

 

■マンションの耐震性(耐震基準・耐震等級)を調べる方法

 

マンションの耐震性(耐震基準・耐震等級)を調べる方法

 

検討中、またはお住まいのマンションが耐震基準に適合しているか、または耐震等級がどれくらいかを調べる方法を解説します。

 

 

ステップ1:建築確認日を確認する(耐震基準の判定)

 

マンションが旧耐震基準か新耐震基準かを調べるには、「建築確認通知書」または「確認済証」(1999年5月以降の名称)の受理日を確認します。

 

  • 1981年(昭和56年)6月1日以降 → 新耐震基準
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前 → 旧耐震基準

 

確認方法は主に以下の2通りです。

 

①マンションの管理室・管理組合に問い合わせる

管理組合が保管している『建築確認済証(または建築確認通知書)』に記載された日付で確認します。なお、書類が紛失している場合はステップ②(台帳記載事項証明書の取得)が確実です。

 

②書類がない場合は「台帳記載事項証明書」を取得する

建築確認通知書が手元にない場合でも、マンション所在の区市役所(建築課・建築指導課など)で「確認台帳記載事項証明書」(有料)を申請することで、建築確認が受理された年月日を公的に証明してもらえます。

 

 

ステップ2:住宅性能評価書の有無を確認する(耐震等級の判定)

 

耐震等級は任意制度のため、「住宅性能評価書」を取得している物件にしか等級の記載はありません。

 

住宅性能評価書とは、第三者機関(登録住宅性能評価機関)が建物の性能を10項目で評価した書類で、「設計住宅性能評価書」と「建設住宅性能評価書」の2種類があります。

 

確認方法は主に以下の3通りです。

 

①売主・仲介業者に確認する:重要事項説明書に記載されている場合がある

②マンションの管理組合に問い合わせる:共用部分の書類として保管されているケースがある

③住宅性能評価書の写しを入手する:不動産会社経由で取り寄せ可能

 

ただし、住宅性能評価書がない物件でも、構造的には等級2・3相当の設計になっているケースがあります。

 

特に大手デベロッパーの物件は独自の高耐震基準を採用していることも多いため、管理組合や売主に直接構造仕様を確認することも有効です。

 

 

ステップ3:耐震診断の実施状況を管理組合に確認する(旧耐震の場合)

 

旧耐震マンションの場合は、管理組合レベルで耐震診断が行われているかどうかも必ず確認しましょう。

 

  • 耐震診断を実施したことがあるか
  • 診断結果(Is値)はどうだったか
  • 耐震補強工事の実施・計画はあるか、総会で議論されているか

 

 

耐震診断の結果の見方

 

旧耐震マンションで耐震診断を実施した場合、結果は「Is値(構造耐震指標)」という数値で表されます。

 

Is値は、建物の強さ・靱性(粘り強さ)・経年劣化の状況などを総合的に評価した指標です。

 

〈Is値の判定基準〉

 

Is値

判定

0.6以上

地震に対する必要な耐震性能が確保されていると判断される

0.3以上0.6未満

耐震性が不足しており、耐震補強が推奨される

0.3未満

地震の震動に対して倒壊・崩壊する危険性が高い

〈引用〉東京都マンションポータルサイト:トップページ>マンション耐震化>マンションの耐震化のすすめ

 

なお、耐震診断の方法は3種類あり、第1次診断を用いた場合はIs値0.8以上が必要となります(第2次・第3次診断ではIs値0.6以上)。

 

耐震診断の報告書を受け取った場合は、どの診断方法が使われているかを確認した上でIs値を読み取るようにしましょう。

 

 

■旧耐震基準マンションの首都直下地震におけるリスクと物件選びのポイント

 

旧耐震基準マンションの首都直下地震リスクと物件選びのポイント

 

旧耐震基準のマンションにおける首都直下地震のリスクと購入前の確認ポイントについて解説します。

 

 

旧耐震マンションには倒壊・大破のリスクがある

 

南関東では、今後30年以内にマグニチュード7クラスの大地震(首都直下地震)が70%の確率で発生すると予測されています。

 

内閣府首都直下地震対策検討ワーキンググループの被害想定(令和7年12月公表)では、都心南部直下地震による建物の全壊・焼失は最大で約40万棟に上るとされており、東京・千葉・神奈川では、首都直下地震で旧耐震マンションが倒壊・大破するリスクは現実問題です。

〈出典〉内閣府防災情報のページ「首都直下地震対策検討ワーキンググループ(令和5~7年)

 

また、倒壊を免れたとしても、大きな損傷を受けたマンションにはその後住み続けられません。

 

首都直下地震では避難所不足の問題も指摘されており、国や東京都は「在宅避難」を推奨しています。

 

耐震化されたマンションであれば、震災後も「自宅」を拠点にできる可能性が高まります。

 

 

旧耐震マンションの約7割は耐震診断を受けていない

 

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月公表)を見ると、約7割の旧耐震マンションがいまだ耐震診断を受けていないという実情が分かります。

 

項目

割合

旧耐震マンションのうち耐震診断を実施済み

31.6%

そのうち「耐震性あり」と判断された

54.2%

「耐震性なし」と判断されたうち「改修予定なし」

25.0%

〈出典〉国土交通省ウェブサイト「令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表)

 

また、診断済みのうちでも半数弱は耐震性不足と判定されており、さらにその4分の1は「改修の予定なし」と回答しています。

 

耐震診断を行っていない残り7割の旧耐震マンションにも、同じような問題が潜んでいる可能性があります。

 

 

耐震診断の実施状況と管理組合の姿勢を確認する

 

旧耐震基準マンションを検討する際は、管理組合が耐震診断・耐震補強に前向きかどうかを確認することが重要です。

 

  • 耐震診断を実施したことがあるか
  • 耐震補強工事の実施・計画はあるか
  • 耐震化に関する議論が総会で行われているか

 

耐震診断が未実施で、これまでに管理組合で実施に関する議論がないマンションは、十分な耐震性があるのか、耐震改修が必要かを判断するための材料がないため、将来性が不透明になります。

 

逆に、診断を実施し補強工事まで完了している管理組合は、旧耐震の時期に建てられていても現行基準と同等の耐震性が確保されており、建物管理全体に真摯に取り組んでいる証とも言えます。

 

なお、耐震改修工事を実施した場合は固定資産税の減額や所得税の住宅耐震改修特別控除が受けられるケースもあります。

 

〈関連コラム〉

旧耐震物件は住宅ローン審査が通りづらい?旧耐震マンション・戸建てでローンを組める条件も解説

 

 

■2026年4月区分所有法・マンション再生円滑化法改正|旧耐震マンションへの影響

 

2026年4月区分所有法・マンション再生法改正|旧耐震マンションへの影響

 

2026年4月1日、区分所有法・マンション再生円滑化法など、マンション関係法の改正が施行されました。

 

今回の法改正が旧耐震マンションの管理や再生に与える影響についてチェックしておきましょう。

 

 

ポイント①建替え決議の要件緩和

 

老朽化したマンションの建替えには、原則として区分所有者および議決権の各「5分の4」以上の賛成が必要であり、この高いハードルが再生の妨げになるケースがありました。

 

今回の法改正では、この原則は維持しつつ、耐震性の不足・火災安全性の不足・外壁剥落の危険・バリアフリー基準への不適合など、法律で定められた一定の客観的な理由がある場合に限り、この要件が「4分の3」に緩和されることになりました。

 

また、所在不明の区分所有者を決議の分母から除外できる仕組みも導入され、合意形成がより現実的になっています。

※政令指定災害による被災の場合は多数決要件が「3分の2」に引き下げられます。

 

 

ポイント②一棟リノベーションによる再生も多数決で可能に

 

既存躯体を維持しながら全ての専有部分を含む建物全体を更新する「一棟リノベーション(建物更新)」は、技術的には可能でしたが、改正前の区分所有法にはこれを規律する規定がなく、民法の原則に基づき区分所有者全員の同意が必要で、事実上実現が困難でした。

 

区分所有法改正で、原則として区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成(耐震性不足など客観的事由がある場合は4分の3)で一棟リノベーション工事(建物の更新)が実施可能になり、「旧耐震基準なのに合意形成ができず補強ができない」といった問題が解決できる可能性が広がりました。

〈参考〉法務省ウェブサイト「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について

 

なお、建替えと一棟リノベーション(建物の更新)は、それぞれ別の法的手続きです。

 

今回のマンション関係法の改正は、特に築年数が古いマンション購入+リノベーションを検討している方にとって、物件を選ぶ際に、より一層「新耐震基準への適合」や「管理(管理組合)の状況」を詳しく調べることが重要になったと言えます。

 

例えば、耐震性不足のマンションの建替え決議の多数決要件が緩和されたことで、『フルリノベーションしたのに、数年後に建替えになった』という現象が起きやすくなります。

 

一方、管理組合が一棟リノベーションによる耐震補強の方向で議論を進めているマンションであれば、『リノベーションした住まいに長く住み続けられる』という見通しが立てやすくなります。

 

旧耐震マンションを購入してフルリノベーションしたい場合は、「新耐震基準に適合しているか」をまず確認し、適合していない場合は耐震診断や耐震改修の議論が進んでいるか建替えの話が出ていないかなど、管理組合の動向を事前にしっかり確認しましょう。

 

 

旧耐震マンションの資産価値への影響

 

旧耐震マンションは「買い手がつきにくい」「将来の資産価値が不透明」と見なされがちでした。

 

しかし、今回の法改正で、耐震性不足などを理由とするマンションの建替え・更新の決議要件が緩和されたため、これまで合意形成が難しかった物件で建替えや一棟リノベーションの実施が決まれば、将来性を見通しやすくなります。

 

一方で、建替え議論が具体化すると、「いつ建替えになるか分からない物件」として買い手が敬遠するようになり、売却価格が下がりやすくなるため、旧耐震マンションの資産価値がさらに下落するリスクも高まります。

 

旧耐震マンションへの投資やリノベーションを検討している方は、この法改正の動向を十分踏まえた上で判断することが重要です。

 

SHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」なら、中古マンションの耐震性や建て替え時期を確認の上、最適な物件選びをアドバイスできます。

 

2026年4月の区分所有法、マンション再生円滑化法の改正内容や、中古マンション購入・リノベーションへの影響は、以下のコラムでさらに詳しく解説していますので合わせ併せてご覧ください。

 

〈関連コラム〉

2026年4月施行の「区分所有法改正」とは?中古マンション購入・リノベーションへの影響を解説

 

 

■マンションの耐震基準・耐震等級に関するよくある質問

 

マンションの耐震基準・耐震等級に関するよくある質問

 

最後に、東京・千葉・神奈川エリアで約25年にわたり8,000件超のリノベーション設計・施工実績があるSHUKEN Reが、マンションの耐震基準・耐震等級に関する、よくある疑問にお答えします。

 

 

 

■まとめ

 

中古マンションの内装や設備は後からリノベーションで変えられますが、建物の耐震性は個人では変えられません。

 

物件を選ぶ段階で、耐震基準と管理組合の耐震への取り組み姿勢をチェックすることが、後悔のないマンションリノベーションにつながります。

 

1981年6月以降に建築確認を受けた「新耐震基準」の物件を基本とし、旧耐震を検討する場合は耐震診断のIs値・適合証明書の取得可否・管理組合の姿勢を必ず確認してください。

 

2026年の区分所有法改正により旧耐震マンションを取り巻く状況は変化しており、購入前のひと手間が、後の暮らしの安心につながります。

 

SHUKEN Reでは、東京・千葉・神奈川で、中古マンションのリノベーションを物件探しからワンストップでサポートしています。

 

中古マンションの耐震性や建て替え時期を確認の上、最適な物件選びをアドバイスいたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

Q 旧耐震基準のマンションは絶対に買ってはいけないですか?

A

そうとは限りません。

 

第2次・第3次診断ではIs値0.6以上、第1次診断ではIs値0.8以上であれば、必要な耐震性能が確保されていると判断されます。

 

この基準を満たし耐震基準適合証明書が発行されれば、新耐震基準と同等の耐震性があると認定されます。

 

耐震基準適合証明書が取得できれば、住宅ローン控除などの税制優遇を受けられる場合があります。

 

ただし適用には取得タイミングや所得・床面積などの諸条件があるため、購入前に不動産会社・リノベーション会社に必ずご確認ください。

 

耐震診断未実施・補強未完了の物件は購入前に必ず状況を確認してください。

Q 竣工年が1982年なら新耐震基準ですか?

A

必ずしもそうではありません。

 

判断基準は竣工日ではなく建築確認の受理日です。

 

工期が長いRC造マンションでは、1982年竣工でも建築確認が1981年5月以前であれば「旧耐震基準」になります。

 

管理組合に建築確認通知書を確認するか、区市役所で台帳記載事項証明書を取得してください。

Q マンションの耐震等級が「1」しかないのは問題ですか?

A

問題ありません。

 

RC造やSRC造の分譲マンションの大多数は耐震等級1であり、これは新耐震基準(震度6強〜7で倒壊しない水準)と同等です。

 

タワーマンションなどは免震・制振構造を採用していても、品確法上は、免震は耐震等級の「評価対象外」となるため、書類上は等級が示されない、 あるいは等級1として扱われる場合があります。

 

等級の数字だけでなく、免震・制振 などの構造や採用工法を合わせて確認することが重要です。

Q 専有部分をフルリノベーションすれば建物の耐震性も上がりますか?

A

専有部分のフルリノベーションでは上がりません。

 

マンションの耐震性を左右する構造躯体(柱・梁・耐力壁)は「共用部分」であるため、区分所有者が個人の判断で変更することは原則できません。

 

室内の内装・設備はリノベで一新できますが、耐震性は購入前に物件・管理組合レベルで確認する必要があります。

Q 旧耐震マンションを購入してリノベーションしようとしています。2026年の法改正は関係しますか?

A

関係します。

 

2026年4月施行の改正区分所有法により、行政が耐震性不足を認定した場合に限り、建替え決議の要件が「5分の4以上」から「4分の3以上」に緩和されました。

 

耐震性が不足しているマンションでは、個人でフルリノベーションに大きな費用をかけた後に建替え決議が通るリスクが以前より高まっています。

 

管理組合の建替え・再生議論の状況を事前に必ず確認してください。

 

一方、今回の改正では一棟リノベーションによる耐震補強も多数決(原則5分の4以上、 耐震性不足認定時は4分の3以上)で実施できるようになりました。

 

管理組合が耐震補強方向で議論を進めているマンションであれば、長く住み続けられる見通しが立てやすいケースもあります。

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    SHUKEN Re 編集部

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