公開日:2024-02-04 更新日:2024-07-04
〈マンションの窓リノベーション〉補助金でリフォームできる?工事の流れや注意点も解説
リノベーションというと、間取り変更や設備・内装のやりかえをイメージするかもしれませんが、合わせて生活を快適にするために欠かせないのが「窓リノベーション」です。
しかし、「マンションでは窓リノベーションが難しい」と思っている方も多いかもしれません。
また、いくらかかるのか、どのようなメリットがあるのか知らない方も少なくないはずです。
そこで、今回はマンションの窓リノベーションについて、メリットから「できる工事」「できない工事」、工事までの流れ、費用目安、補助金まで詳しく解説します。
お得に窓リノベーションできる補助金や減税制度も紹介しますので、マンションリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・マンションの窓リノベーションをしたい方は、施工実績が豊富で補助金や税控除に関する知識も豊富なリノベーション会社へ相談しましょう。
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目次
■ マンション窓リノベーションの必要性|築年数・耐用年数
一般的な窓サッシの寿命は、およそ「30年」なのに対して、現存するマンションの築年数は上昇しています。
1992年に売買された中古マンションの平均築年数が「11.19年」でしたが、2023年に取引された中古マンション平均築年数は、なんと「23.48年」と倍増しています。(参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構|年報マーケットウォッチ2022年度)
人気の高い首都圏に至っては、築30年を超える物件も少なくありません。
つまり、窓サッシの寿命を迎えている可能性は十分考えられるということです。
古いサッシは、建て付けが悪くなり隙間ができて、気密性が低下している可能性が高いでしょう。
サッシの耐用年数に加えて、着目すべきなのが窓サッシの「断熱性」です。
技術発展に伴い、窓サッシの断熱性はここ数十年で大きな発展を遂げています。
1960年代 | マンション用断熱サッシ誕生
(価格の高さから普及レベルではない) |
1970年代 | 複層ガラスの誕生
(価格の高さから普及レベルではない) |
1980年 | 第2次オイルショックを機に、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」が制定。
その中で、建物の省エネ性を定める「旧省エネルギー基準(昭和55年基準)」が設けられる。 ※断熱等性能等級2相当 ▶︎ようやく建築物の断熱性・気密性が重要視され始める。 |
1992年 | 「新省エネルギー基準(平成4年基準)」制定
※断熱等性能等級3相当 |
1999年 | 「次世代省エネルギー基準(平成11年基準)」制定
※断熱等性能等級4相当 |
2000年 | 「住宅性能表示制度」スタート。
窓の断熱性も評価基準になる。 ※断熱等性能等級4相当 |
2004年 | それまで住宅では単板硝ガラスが主流だったが、ペアガラスの価格が下がり、一気に普及し始める |
2009年 | 「長期優良住宅」認定制度スタート。
窓の断熱性も評価基準になる。 ※断熱等性能等級4相当 |
2013年 | 「平成25年省エネ基準」制定
※断熱等性能等級4相当 |
2015年 | 「ZEH基準」制定
※断熱等性能等級5相当 |
2016年 | 「平成28年省エネ基準」制定
※断熱等性能等級4相当 |
2023年 | 平成28年省エネ基準制定の「2025年義務化」決定。
今後は全ての建築物において「平成28年省エネ基準」が最低ラインとなる。 |
また、古いサッシと新しいサッシでは防音性も大きく異なるのが通常です。
そのため、外気温・騒音の影響を受けない快適な生活を手に入れたい方には、窓リノベーションがおすすめです。
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■ 窓リノベーションのメリット
マンションリノベーションに伴い、窓もリノベーションすることで、生活の質は一気に向上します。
窓リノベーションのメリットは、主に9点です。
- ・窓辺の寒さが軽減される
- ・窓の結露が軽減される
- ・窓から差し込む日射熱を軽減できる
- ・気密性が上がり、隙間風が入らなくなる
- ・空調効率が上がり、省エネ(光熱費削減)になる
- ・室温ムラが軽減される
- ・外部の騒音が軽減される
- ・室内からの音漏れを軽減できる
- ・防犯性が向上する
特に、断熱面での効果は大きく、これまで窓ガラスの結露や寒さ・暑さで悩んでいた方にこそ、窓リノベーションはおすすめです。
そのため、窓リノベーションによって、部屋全体の断熱性を大幅に向上させられます。
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■ マンションの窓リノベーション「できる工事」「できない工事」|窓大きく・窓なくす・サッシ交換・ガラス交換
窓リノベーションと言っても、その工事内容や目的は様々です。
ところが、戸建て住宅とは異なり、マンションの場合は「できる工事」と「できない工事」があります。
【マンションで「できる工事」】
- ・断熱性や防音性、防犯性向上のための内窓(二重窓)取り付け
- ・断熱性や防音性、防犯性向上のための窓ガラス取り替え
- ・断熱性や防音性、防犯性向上のための窓サッシ取り替え(サッシ枠は残すカバー工法)
- ・破損による窓ガラス取り替え
- ・開閉不具合に伴う窓サッシ取り替え
- ・既存窓はそのままで、室内から塞ぐ工事
※カバー工法:既存窓サッシ枠は残して、その内側にひと回り小さいサッシ枠を取り付ける工法で、壁の解体が不要な点がメリット。
【マンションで「できない工事」】
- ・断熱性や防音性、防犯性向上“以外”が目的の窓ガラス取り替え
- ・断熱性や防音性、防犯性向上“以外”が目的の窓サッシ取り替え
- ・既存窓サッシを撤去して、窓を大きくする工事
- ・既存窓サッシを撤去して、塞ぐ(小さくする)工事
- ・窓開口の移動を伴う工事
窓はマンションの“共用部”と見なされるため、たとえ工事可能な内容であっても、個人の意思で自由にリノベーションできません。
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■ 窓リノベーションするまでの流れ|管理組合への申請
事例を見る:Case164「Compact × Comfort」
マンションは、共用部分はもちろん、専有部分であっても何かしら工事する際には、管理組合への工事申請が必須です。
工事内容によって流れが少々異なりますので、事前に把握しておきましょう。
【内窓(二重窓)取り付けの場合】
内窓(二重窓)は、共用部である外窓の内側、つまり専有部分につけるため、通常の工事申請をすれば着工できます。
建築会社と工事内容(仕様)と工事時期(工程)を打ち合わせる
↓
管理組合へ所定の方法で工事申請書類を提出する
↓
通常の審査期間(1〜2週間)を経て、工事許可をもらう
↓
近隣の部屋へ工事前挨拶を済ませて着工する
【窓ガラス・窓サッシ取り替えの場合】
窓ガラスや窓サッシ取り替えの場合は、共用部の改修となるため、専有部のリノベーションよりもハードルが上がります。
しかし、その目的が断熱性・防音性・防犯性向上である場合は、工事が認められるケースがほとんどです。
(窓ガラス等の改良)
第22条
共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事にあって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。
2 区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。
ただし、お住まいのマンション管理組合規約が、国土交通省の作成した「マンション標準管理規約」と同じ内容とは限りません。
そのため、工事申請の前に内容をじっくり確認し、必要な場合は管理組合へ事前相談することをおすすめします。
窓の性能向上を求める意見書を管理組合へ提出する
↓
パターン① 大規模修繕工事として全戸一斉工事が検討される
パターン② 該当する部屋のみ、個人で窓リノベーションを行う
↓
パターン① 具体的に工事計画が進むまで待たなくてはいけない。
パターン② 建築会社と工事内容(仕様)と工事時期(工程)を打ち合わせる
↓
パターン② 管理組合へ所定の方法で工事申請書類を提出する
↓
パターン② 管理組合員の同意をもらうための審査期間(1〜2ヶ月)を経て、工事許可をもらう
↓
パターン② 近隣の部屋へ工事前挨拶を済ませて着工する
その場合は、修繕積立金で工事費用がまかなわれ、個人で別途費用を負担する必要がないため、全体的な窓リノベーション計画が検討されていないか、必ず確認しましょう。
【窓を室内から塞ぐ場合】
既存窓を撤去せず、室内側、つまり専有部内から塞ぐ場合は、内窓工事と同様に、通常のリノベーション工事と同じ手順で進められます。
ただし、窓を塞ぐと日当たりや風通しの能力が下がり、ベランダに出る窓ですと、避難経路を減らすリスクもあります。
また、窓の断熱性が不十分ですと、塞いだ壁の裏に結露の湿気がこもり、深刻なカビや木部の腐朽を引き起こしかねません。
そのため、窓を塞ぐ工事は十分な検討が必要です。
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■ マンション窓リノベの費用目安|内窓・ガラス交換・カバー工法
「窓リノベーションしたいが、どのくらいの費用がかかるのか分からない」という方のために、各工事の費用目安を紹介します。
【工事費目安(幅180cm高さ120cmの腰窓1箇所)】
内窓(二重窓)取り付け | 8〜15万円/箇所
※オプション部材・諸経費別途 |
ガラス取り替え | 5〜7万円/箇所
※オプション部材・諸経費・足場代別途 |
サッシ取り替え(カバー工法) | 15〜30万円/箇所
※諸経費・足場代別途 |
※既存窓の状況・ガラスの仕様・新規サッシの仕様・施工箇所数によって価格は異なります。ご了承ください。
なぜなら、改修しない断熱性の低い窓へ熱の出入りが集中し、結露がひどくなる恐れがあるからです。
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■ 断熱窓リノベ補助金は「先進的窓リノベ2024事業」がおすすめ
マンションの窓リノベーションをご検討中の方におすすめの補助金が、「先進的窓リノベ2024事業」です。
性能基準を満たした窓ガラス・窓サッシへ取り替えた場合や、既存窓へ二重窓を追加した場合に、「最高200万円/戸」の補助金が受け取れます。
窓リノベーションに特化した事業なので、「窓の断熱性向上」を軸とした改修計画を検討している方は、ぜひ詳細を建築会社へ確認してください。
他にも、都道府県や市区町村単位で窓の断熱リノベーションに対する助成制度を行っている自治体もありますので、合わせて役所などへ問い合わせると良いでしょう。(例:(令和5年度)既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業)
▶︎東京・千葉・神奈川で補助金を利用したマンションリノベーションを検討中の方はこちらから
■ 税金の控除特例も要チェック
補助金の利用と合わせて、要チェックなのが「控除特例」です。
省エネを目的としたリノベーションをした場合、所得税の一部が控除されます。
【控除特例を受けるための主な条件】
・自己所有しているマンションで省エネリノベーションを行うこと
・平成26年4月1日から令和5年12月31日までの間に自身が居住していること
・省エネリノベーションしてから6か月以内に住み始めていること
・控除を受ける年の合計所得金額が「3,000万円以下」であること
・リノベーション後のマンション床面積が50㎡以上かつ、1/2以上が居住用スペースであること
・省エネリノベーションに係る標準的な費用額が「50万円」を超えていること
対象となるかどうかは、所轄の税務署へご確認ください。
■ まとめ:マンションも窓リノベーションでQOLを高めよう
築年数の経っているマンションにお住まいの方や、これから中古マンションを購入する方にとって、窓リノベーションは重要なポイントです。
窓を新しくすることで、防犯・防音性が高まるだけではなく、断熱性向上によって快適な生活を手に入れられます。
ただし、できる工事とできない工事があり、管理組合への申請などの注意点があります。
そのため、マンションの窓リノベーションをする場合は、実績豊富な会社へ相談しましょう。
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