公開日:2023-05-31 更新日:2024-07-04
中古マンションには何年住める?長く住めるマンションの特徴と探し方
築年数が経った中古マンションを購入する際、「あと何年住めるのか?」という点が心配になりますよね。
結論からお伝えすると、中古マンションの寿命は一軒ごとに異なり、長く住むためには「物件選び」が重要になります。
今回はマンションの寿命を決める要素を確認し、築30年、築40年、築50年のケース別に長く住める中古物件の特徴や探し方を詳しく解説します。
・築30年、築40年、築50年のケースもご紹介しますので、長く住める中古マンションの特徴を把握して、物件探しに活かしましょう。
■マンションの寿命を左右する3つの要素
集合住宅であるマンションの寿命は、建物の耐久性以外の要素も影響します。
まずは、マンションの寿命を左右する重要な要素を確認しておきましょう。
①鉄筋コンクリート造(RC造)の寿命
鉄筋コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年ですが、構造自体の物理的な寿命は100年以上と言われています。
コンクリートは年数が経つと「中性化」が進み、鉄筋まで達すると腐食してひび割れ・剥離などが発生し寿命を迎えます。
コンクリートの厚みや水セメント比などで変化しますが、国土交通省の資料によると鉄筋コンクリート造建物の物理的な寿命は117年とのことです。
参照元:国土交通省 「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書取りまとめ後の取組紹介
日本に分譲マンションが普及しはじめたのは1950年代なので実際に100年以上経っている物件は存在しませんが、物理的な寿命で見るとかなり長く住むことができそうです。
②メンテナンス状況による寿命
鉄筋コンクリート造マンションの寿命を発揮するためには、適切なタイミングで正しいメンテナンスが必要になります。
例えば適切なタイミングで防水工事や外壁塗装が行われていないマンションは、雨水が染みこんで鉄筋が錆び、膨張してコンクリートが破損する恐れがあります。
メンテナンスを怠ると、マンションの寿命が短くなってしまうということです。
マンションのメンテナンスは長期修繕計画や積立金の状況など一軒ごとに異なり、建物の寿命を左右します。
③需要や資産価値の変化による寿命
建物の耐用年数が残っていても、その地域やマンション自体の需要が減少して寿命を迎えてしまうケースもあります。
構造的には100年以上の耐久性があるのに短いサイクルで建て替えられるマンションが多いのは、需要の変化によるところが大きいです。
例えばマンション周辺の商業施設や企業などが撤退すると、地域全体の住宅需要が減ってしまい、入居率が低下します。
また築年数が経つと間取りや共用部分の設備が新しいライフスタイルに合わなくなり、資産価値も低下する傾向があります。
マンションの資産価値や需要が減って空室が増えると、管理費や積立金が集まりにくくなり、管理が行き届かず人気が無くなるという悪循環におちいるケースも。
マンション入居者の高齢化が進み、相続された部屋の管理費の滞納が続くケースも増えています。
少子高齢化が進み人口が減少していくこれからの日本では、マンションの寿命を考えるうえで重要な要素と言えるでしょう。
参照元:NHK “老いるマンション” 老朽化と高齢化にどう備えるか 解決策は
■長く住める中古マンションの特徴と探し方
実際に中古マンションを探す際、長く住める物件を見極めるためのポイントをチェックしておきましょう。
新耐震基準or耐震改修されている
1981年の建築基準法改正後の新耐震基準をクリアしている中古マンションは、旧耐震基準の物件より長く住める可能性が高いです。
旧耐震基準で設計された中古マンションは現代の耐震性能を満たしておらず、耐震改修費用が発生する可能性があります。
新耐震基準の中古マンションより倒壊リスクも高くなるため入居率が低下し、メンテナンスが行き届かなくなり寿命が短くなる可能性があります。
ただし1981年以前に建てられたマンションでも、耐震改修で現代の基準をクリアしていれば問題はありません。
大規模修繕工事が適切に実施されている
外壁塗装や防水工事など、マンションの耐久性に関わる大規模修繕工事が適切なタイミングで実施されている物件を選ぶことも重要です。
東京都都市整備局のマンション実態調査結果によると、大規模修繕計画実施済みのマンションは69.8%、未実施のマンションが30.2%でした。
これは東京都の一部のデータですが、大規模修繕が実施されていないマンションが約3割もあるのは驚きですよね。
国土交通省はマンションの長期修繕計画ガイドラインを策定していますが、法律で義務付けられているわけではありません。
中古マンションを選ぶ際は、大規模修繕の実施状況、長期修繕計画の内容もチェックして、適切にメンテナンスされている物件を見極めましょう。
空室が少ない
中古マンションを内見する際は、マンション全体を見回して空室率が少ない物件を見極めるのも大切なポイント。
前述したように、高齢化や資産価値の減少などで空室が多い中古マンションは、積立金が集まらず適切なメンテナンスが実施できなくなるリスクが高いです。
空室状況はカーテンの有無や生活感など外観からもチェックできるので、内見時に必ず確認しましょう。
地域全体の空き家率をチェックしたり、不動産会社に直接聞いてみたりするのも効果的です。
需要が高く資産価値が落ちにくい
地域全体の住宅需要が高く、資産価値が下落しにくい中古マンションも、長く住める可能性が高くなります。
資産価値が高いマンションは売却・賃貸など活用方法が多く、住人の入れ替えによって高齢化が進みにくいです。
空室率も低く積立金も集まりやすいため、適切にメンテナンスされて建物の寿命を全うできる可能性が高くなります。
資産価値の高いマンションは将来売却する際も有利ですし、ローン返済後は賃貸運用することもできます。
■【結論】中古マンションは何年住める?【築30年、築40年、築50年の場合】
ここまでの情報をまとめると、資産価値が高く適切にメンテナンスされている中古マンションは、築100年前後まで住める可能性があるということになります。
築30年の中古マンションは、新耐震基準で建てられている場合、鉄筋コンクリート造の寿命を最大限発揮できればあと70年住める可能性があります。
旧耐震基準で建てられている築40~50年の古いマンションでも、耐震改修や大規模修繕が適切に行われていれば、あと50年前後住めるということです。
<関連コラム>
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築40年マンションで後悔しない!物件選びとリノベーションのコツ
■寿命を過ぎた中古マンションはどうなる?
建物の耐久性や経済的な寿命を過ぎたマンションは、建て替えか、解体後に土地を売却するケースが多いです。
2022年に改正されたマンション建替法では、敷地を売却して分配、新しく建て替え方法が明示されています。
ただし建て替えには住民全体の4/5以上の可決が必要となるためハードルが高く、実際に建て替えられるケースは少ないようです。
敷地を売却する場合でも、資産価値が高いエリアでないと、新しい住宅の購入資金に届かない可能性が考えられます。
建て替えも売却もできず、そのまま空室が増えていくと、適切な維持管理ができず倒壊リスクのある廃墟マンション化する恐れもあります。
参照元:プレジデントオンライン 都市部では廃墟マンションが急増中…問題の背景に横たわる日本人の「新築信仰」という病
マイホームとして中古マンションを選択する際は、建て替えや売却益による住み替え前提とするのではなく、なるべく長く住める物件を選びましょう。
■長く住めるマンションはワンストップリノベーションで
今回は長く住める中古マンション選びのポイントを解説しましたが、一般の方が漏れなくチェックするのは難しい部分も多いです。
また一般的な不動産会社は、建築知識まではカバーしていないので、確実に寿命の長い中古マンションを選ぶのも難しいでしょう。
そこでおすすめするのが、リフォーム・リノベーション会社と一緒にマンションを探すワンストップリノベーションです。
建築の専門家と物件探しをすることで、長く住める中古マンションを確実に見極めることができます。
中古マンションとリノベーション費用の総額が分かり、予算オーバーの心配がないのも魅力ポイント。
マイホームとして中古マンションを検討している方は、ぜひワンストップリノベーションの会社に相談してみてください。
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