公開日:2022-07-10 更新日:2024-07-04
SDGs って何?リノベーションと関係ある?
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とはSustainable Development Goalsの略称で、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際ゴールです。
「持続可能でより良い世界」…と言われても???と感じる人は多いのではないでしょうか?
その大まかな意味は、地球で私たち人類全員が等しく幸せに暮らしていく為の取り組みを、世界中の人が皆、挑戦し続けるという風に解釈して良いと思います。
ただ、これでもまだ漠然としているので、具体的にSDGsの目的や在り方について考えていきましょう。
・SDGsが掲げている目標とその目標を達成することによって世界がどう変わっていくのかがわかります。
・SDGsが掲げている目標の中に、リノベーションが社会的な貢献を果たすことに繋がる項目があります。
・リノベーションは家づくりをする人にも社会的にも価値のある特徴を持っています。
■SDGsの2030年までに達成すべきゴール
SDGsには、持続可能でより良い世界」の実現に向けて、2030年までに達成すべき目標として17の項目が掲げられています。
目標1:貧困をなくそう
地域の差や、貧富の差による貧しさを強いられている人々の生活が、平等に守られるための仕組み作りや対策を進め、自立して普通の暮らしができるようにすることがゴールです。
目標2:飢餓をゼロに
戦争や自然の気候変動、国の経済事情による景気の悪化などの理由で、世界には飢餓に苦しむ人々が、一億人以上いますが、その人々が等しく飢餓に苦しまなくなる世界にすることがゴールです。
その為の対策として、食料の生産性を上げて生産量を増やす、気候変動や自然災害に強く、豊かな土壌を育てていく、農業において持続可能な食料生産の仕組みをつくるなどの取り組みが進められています。
目標3:すべての人に健康と福祉を
病気になっても治療が受けられない、リスクの高い出産や新生児、乳幼児の死亡率が高いなどの状況を改善し、全ての人が公平に基礎的な医療を受けられるようにすることがゴールです。
目標4:質の高い教育をみんなに
世界中の子ども達が無償で教育を受けられるようにすること、大人になるまで教育を受けられなかった人々が高等教育や技術教育、職業教育を受けられるようにすることがゴールです。
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
少女や女性への差別、暴力、有害な風習を失くすことがゴールです。
目標6:安全な水とトイレを世界中に
世界中の人々が、安全な飲料水を利用できること、清潔な衛生施設を使用できるようにして屋外での排泄を失くすこと、有害な物質の投棄や放出による海や川の汚染をなくすことがゴールです。
目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
再生可能エネルギーの割合を増やし、誰もが利用できるようにすることがゴールです。
目標8:働きがいも 経済成長も
世界中の人々が働きがいのある仕事で十分な生産性をあげられるようにすることがゴールです。
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
全ての人々が公平に利用できるインフラを開発すると共に、発展途上国の企業が金融サービスから融資を受けられるようになることがゴールです。
目標10:人や国の不平等をなくそう
年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位などによる不平等をなくすこと、所得の差を縮めることがゴールです。
目標11:住み続けられるまちづくりを
誰もが安全な住宅に住み、安全な公共交通を利用できることがゴールです。
目標12:つくる責任 つかう責任
飢餓に苦しむ国があると同時に、世界で生産されている食品の約3分の1にあたる13億トンが捨てられているという現実があります。
捨てられる食料を減らす、天然資源を持続的に管理し効率よく使う仕組みを作る、ゴミを減らすことなどにより、誰もがつくる責任とつかう責任を負う世界にすることがゴールです。
目標13:気候変動に具体的な対策を
気候変動に対する適応力を強化すると共に、気候変動への緩和対策を進め、気候変動による負の影響を受けない世界にすることがゴールです。
目標14:海の豊かさを守ろう
乱獲や海洋汚染から魚を守り海の生態系を持続的に管理保護できるようになることがゴールです。
目標15:陸の豊かさも守ろう
森林、湿地、山地、乾燥地の保全と回復のための対策を進め、豊かな森林と土壌へと回復させることがゴールです。
目標16:平和と公正をすべての人に
暴力や子どもに対する虐待、搾取、人身売買、拷問を失くすことがゴールです。
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
開発途上国への国際支援で貧しい国をなくすことがゴールです。
これらの目標は、国や大企業だけが取り組むものではありません。
世界に生きる一人一人が、自分には何ができるのかということを考え、実行していくことが大切です。
参考サイト 外務省 SDGsとは?
参考サイト 環境省 持続可能な開発目標(SDGs)の推進
参考資料 持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割
■SDGsの目標12:つくる責任 つかう責任と日本の住宅事情の関連性・リノベーションの必然性
日本では長らく、ビルトアンドスクラップ方式の家づくりがされてきました。長く暮らせる家ということに対しての対策がされていない住宅です。
長く暮らせる家とは、少ないエネルギーで季節に応じた室温を維持できる、ライフスタイルの変化に応じて暮らしやすい間取りに手軽に変更できる、メンテナンスがしやすいなどを備えた家ですが、戦後の日本にはそのような家が少なかったのです。
とは言っても、日本の住宅文化には、ビルトアンドスクラップ方式の家づくりというものは実はありませんでした。
日本の木造住宅は構造部がしっかりと頑丈に造られているので、100年以上の耐久性を持っています。
ところが、戦後にビニールクロスなど、科学的に合成された建材が多用されるようになった、昭和から平成にかけて目まぐるしく庶民のライフスタイルが変化したなどの理由から、住宅ローンが終わるころには建て直すというような家が増えてしまったのです。
ビニールクロスやクッションフロアなどは、瓦や無垢材といった本来の日本の家に使われてきた建材と比べると内装の耐久性を低下させます。
現在は開発が進み、科学的に合成された建材にも優れた製品が増えています。
ただ、ビルトアンドスクラップ方式の家づくりがされていた時代は、建材の過渡期だったということも考えられます。
また、現在は住宅の断熱性と気密性を向上させ、省エネ住宅への取り組みが進んでいますが、数十年前までは、断熱性と気密性の高い住宅への知識が不十分な施工者も少なくありませんでした。
夏は暑く冬は寒い家や、間違った断熱施工をした為に構造部が腐朽してしまう家が建ってしまったという現実もあります。
その結果、日本は現在、深刻な空き家問題を抱えています。
住み手のなくなった古い住宅が放置されているのです。
このような住宅は、SDGsの目標12:つくる責任 つかう責任を負えない住宅ということになってしまいます。
そこで近年注目されている取り組みがリノベーションです。
リノベーションとはライフスタイルが変化して暮らしにくくなった持ち家や、住み手のいなくなった中古住宅を生まれ変わらせることです。
消費者にとっては、住宅の新築や建て替えよりも家づくりの費用を抑えられるという利点があり、社会的には、空き家問題の解決の一助となると共に、古い家を取り壊して大量の廃材を生み出すことが避けられます。
在来工法の木造住宅は、内装や住宅設備機器が経年劣化してしまっても、骨組みはしっかりしています。
耐震の為の補強をし、壁や屋根、床に断熱材を組み込むということをすれば、地震に強く、夏涼しく冬暖かい家に生まれ変わります。
もちろん、内部の間取りは筋交いの入った耐力壁と柱と梁以外は自由に動かせるので、自由に間取を変更できます。
子育てに備えて家を建てたが、子供が成長し独立していったので夫婦2人には暮らしにくい家になってしまったというような時に、リノベーションで暮らしやすい家に生まれ変わらせれば、作った責任も、使う責任も負うことができます。
住まい手のいなくなった中古住宅を購入してリノベーションをすることも、同じ意味合いで、つくる責任 つかう責任への取り組みに貢献することに繋がります。
自分の身近なところからSDGsに貢献するということは、難しく考える必要はありません。
建て替えや新築住宅の計画を検討し始める時に、リノベーションという選択肢もあるな…というように、視点を変えることで誰もが貢献できる課題です。
<関連コラム>
https://shuken-renovation.jp/yomimono/column/no414/
■まとめ
リノベーションは地球にやさしく、社会へも貢献できる家づくりの方法です。
注文住宅を新築するよりも家づくりの費用が抑えられるという魅力もあります。
そして柱や梁による間取りの制限はありますが、古くなった家が新築のように蘇ります。
家づくりを検討される際には、リノベーションという選択肢についても検討されませんか?
東京・神奈川・千葉エリアで素敵な家づくりを目指すなら、リノベーション専門店のSHUKEN Reにご相談ください。
お客様一人ひとりに合わせたオーダーメイドプランで、もっと素敵に暮らしやすいマイホームづくりをお手伝いします。
たくさんのリノベをお手伝いしてきたスタッフがサポートしますので、家づくりのどんなご相談もお気軽にどうぞ♪
恵比寿・世田谷・浦安の店舗での来店相談のほか、オンライン相談もご用意しています。
スタッフ一同お待ちしています♪
このコラムを見た人におすすめ
・リノベーションで成功する物件探しのコツ|中古物件選びで知りたいポイントと実例
・【2022年版】リフォーム検討中の方が知っておくべき“リフォーム減税制度”|概要から対象となる工事まで解説
・一戸建ての全面リフォーム期間・費用事例|建て替えとの比較も
・築40年の中古住宅は何年住めるか|スケルトンリフォーム・リノベ事例