公開日:2022-07-07 更新日:2024-07-04
戸建て住宅のリノベーションで梁や柱は見せる?隠す?
柱や梁の見えている戸建て住宅のリノベーションをする際には、柱や梁を見せるか、隠すかで室内の雰囲気が大きく変わります。
古くから住み継いできた家をリノベーションする際には、柱の艶や傷が家族の思い出なので残したいというケースもあれば、梁や柱はすべて隠してモダンな内装にしたいというケースもあり、どちらにもそれぞれの良さがあります。
・戸建て住宅のリノベーションには耐震上変更できない梁や柱、筋交いの入った壁があります。
・壁や天井の仕上げ方で柱や梁を活かして内装のアクセントにしたり吹き抜けを設けたりすることも、柱や梁を隠してすっきりした内装にすることもできます。
・梁や柱を見せる施工事例と隠す施工事例をご覧いただけます。
■リノベーションに柱や梁が影響を与える理由
木造住宅は柱と梁で構成された構造部が家の骨組みとなり、筋交いの入った耐力壁と共に、地震の揺れをしなやかに受け止めます。
もし、リノベーションの為に柱や梁を取り外したり移動させたりすると、住宅の耐震性が損なわれ、安全な家ではなくなってしまいます。
柱の中には、土台から軒までを支えている4隅の通し柱はもちろん、それ以外の管柱の中にも重要な柱が多数あります。
これらの柱に住宅にかかった重みを伝える働きをする梁にも、外せる梁と外せない梁があります。
また、地震の横揺れを受けとめる筋交いの入った耐力壁も外すことはできません。
ただ耐力壁の場合、内部の筋交いだけにして、見通しを良くすることはできます。
これらの柱や梁、筋交いを見せて、おしゃれな空間を演出することはリノベーションの醍醐味の一つです。
もちろん、デザイン上の好みによっては、柱や梁を見せない大壁仕上げにするという方法もあります。
その場合にも、間取りプランを作成する際には、外せない柱や筋交いに配慮して進めていく必要があります。
希望の間取りや内装と外せない柱や梁、筋交いをどのように采配していくかということが大切です。
ただ、リノベーションの際には好みに合わせて、見せることも隠すこともできます。
■梁や柱を見せるリノベーション
近年の新築住宅では和室がない間取りが増えていますが、昭和から平成にかけて建築された戸建て住宅には、和室の数が多い間取りが少なくありません。
和室の壁の仕上げには、主に構造部である梁や柱を見せる真壁が使われています。
そして日本の一般的な住宅では和室以外の部屋には、ほとんど梁や柱を隠す大壁で仕上げられます
見せるにしても隠すにしても梁や柱、筋交いの入った壁は、耐震という面から撤去したり、位置を移動したりはできません。
戸建てのリノベーションではその部分をどう活かすか、その部分を残したまま、いかに間取りを変えるかということが大きな焦点となります。
リノベーションの際に、和室は一つでいい、和室はいらないという場合に、梁や柱を見せたまま、フローリングと組み合わせて洋室にする方法があります。
人気のある梁を見せる、天井のような梁や柱を見せたままにする仕上げ方は、梁や柱を活かしておしゃれで機能的な空間を生み出すことができます。
■梁や柱を活かしたリノベーションの施工事例
梁や柱を活かした内装、吹き抜けを設けた間取りの事例をご覧ください。
・大正モダン・和室でくつろぎ夫婦円満
事例を見る:Case13 大正モダン・和室でくつろぎ夫婦円満
リビングの続き間の和室は柱を見せたまま、間仕切壁は取り払い、格子とガラスの引き戸で広々とした空間になっています。
対面式だったキッチンレイアウトは壁付に変更、ダイニングとの間に調理家電が置ける造作作業台が設けられています。
造作作業台には高低差が設けられているので、ダイニングからの見え方はスッキリしています。
梁にはダウンライトがつけられています。レールにつけられているので角度だけではなく、シーンに合わせて位置も自由に動かせます。
シンクと冷蔵庫の間の間仕切りは全部壁にせず、閉塞感が出ないように柱を見せています。
押し入れ横の凹み(奥は廊下側から開閉するクローゼット)を活かした造作棚が和室を明るい雰囲気にしています。
・レトロ×グリーン
柱を活かした建具の色とガラス、溢れるようなグリーン、そしてリノベーションに備えて蒐集した家具や建具、ランプなどが調和するレトロモダンなリンベーションの事例です。
柱の色や質感と引き戸やランマの窓のサッシの色との調和が落ち着いた雰囲気を生み出しています。
ダイニングとキッチンの間にはフローリングと同じ無垢材の造作カウンター、キッチンとリビングの間には、和室の押し入れだった部分の柱を活かして仕切りの役目をしています。
カウンターの一部にグリーンに映えるアンティークのアイアンが取り付けられています。
・実家を住み継ぐ
天井を取り払って屋根裏空間とリビングの空間を繋げた梁や柱の美しさを存分に活かしたリノベーションの事例です。
リビングは天窓と掃き出し窓からの光が溢れる明るい空間です。
アーチ形の垂れ壁の奥はパントリーです。
階段の上はロフトです。
昇り降りがし難くほとんど使えない状態の屋根裏収納が、天井を取り除いたことで、明るく昇り降りのしやすいスペースになっています。
このスペースは収納だけではなく、ちょっとしたワークスペースや子どもの遊び場としても活用できます。
押し入れだったスペースは、廊下に面した洗面所と浴室の出入り口のドアを取り外し、スキップフロアを設けて家族で使えるワークスペースに変わりました。
押し入れ部分に使われた柱が活かされています。
■梁や柱をみせないリノベーションの施工事例
大壁仕様に仕上げるリノベーションはすっきりしたモダンな雰囲気、明るくナチュラルな雰囲気、高級で贅沢な雰囲気など、好みに合わせて変えられるので、内装に多彩な可能性があります。
そしてリノベーションでは、梁や柱を活用する以外に、もとからあった押し入れなどを利用することができます。
・素材の「そ」
無垢材のフローリングと白い壁が優しい雰囲気を生み出しているナチュラルテイストのリノベーションです。
梁や柱を見せない内装の良さの一つは壁面収納や家具の配置に制限が出ないことです。
梁を見せない内装でも、天井にライト用のレールを設けられます。
■まとめ
リノベーションの計画は、今までの暮らしに不満だった点を改善する為に、間取りや内装をいかに替えていくかということを焦点に進められていくと思います。
ただ、戸建て住宅のリノベーションをする場合には、柱や梁、筋交いの入った壁などは取り除いたり移動させたりできません。
構造部に手を入れるということは、住宅の耐震性、耐久性を損なう恐れが十二分にあるからです。
柱や梁を残したまま、生活しやすい動線のある間取りにしなくてはなりません。
それと並行して、柱や梁を活かした内装にするのか、柱や梁を見せない内装にするのかということを考えていくことが大切です。
リビングと和室を繋いで開放的な空間を作りたいが、取り外せない柱や筋交い入りの壁があるというような場合には、柱と筋交いを見せるという方法もあれば、壁のまま目隠しにもなる仕切りとして活用するという考え方もあります。
リノベーションでできることと、やってはいけないことを踏まえた上で、プランを進める作業は、考え方によっては、パズルのような要素が加わるので、新築住宅の間取りや内装を考えるより、楽しい作業になるでしょう。
そこに適切な専門家からのアドバイスがあれば、確実に安全で快適な楽しい家が実現します。
戸建て住宅のリノベーションを計画される際には、ぜひ私たちに理想の家の実現をお手伝いさせてください。
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