【中古 VS 新築】住宅選びで迷わない!メリット・デメリットを徹底比較
中古住宅がメディアで取り上げられることも多く、その注目度は高まっています。
しかし、やはり新築住宅に憧れる方も多いはずです。
そこで、「中古住宅と新築住宅、どちらを選べばいいか迷っている」という方のために、メリット・デメリットや費用面での違いを詳しく解説します。
中古住宅・新築住宅それぞれに向いているケースも紹介しますので、どんな住まいを買うべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
・中古住宅と新築住宅とでは、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、ご自身の理想とできるだけ近い方を選びましょう。
・立地、間取り、コスト全てにこだわりたい方には、中古物件がおすすめです。
・中古物件探しから資金計画、リノベーションの設計施工までをトータルでプロにサポートしてもらえるhowzlifeの「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
中古物件のメリット
売り出される中古物件数は増えており、全住宅流通量に占める割合は約14.7%(2019年時点)と、シェアが大きくなりつつあります。(参考:国土交通省|既存住宅流通市場の活性化)
新築離れが進んでいる理由は、生活地域の集中化による土地高騰や、資材の高騰などが考えられますが、中古物件ならではのメリットも。
では、それぞれ詳しく見てみましょう。
①「新築より価格が安い」
不動産の資産価値、つまり価格は、引き渡された瞬間から下がり始めます。
立地条件などにもよりますが、築5年までで10〜20%減、築15年までで25〜50%程度まで価値が下がるという試算があるほどです。
つまり、一度人が住み新築から年数が経っている中古物件は、同条件の新築物件と比べて、間違いなく価格が安いということです。
②「価値の目減りスピードが緩やか」
既に価格が下がっている中古物件は、購入後の価値下落率が緩やかです。
首都圏における中古マンションの価格と築年数の関係を見ると、築30年以降は物件の平均価格がそれほど変わらないことが分かります。
(公益財団法人 東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー のデータを基に作成)
そのため、中古物件はコスパのいい不動産として注目されています。
〈関連コラム〉
中古マンションの築年数│相場の下落率と築年数ごとのポイントを解説
③「間取り・ロケーションの選択肢が多い」
間取りのレパートリーや立地条件の選択肢が多い点は、大きな魅力と言えるでしょう。
なぜなら、新築物件は、空いている土地へ徐々に建てられますが、中古物件は今まで建てられた全ての物件が含まれるためです。
また、最近の新築マンションは専有部分の面積が縮小傾向にあるため、広々としたマンションをお探しの方にとっても、中古マンションをおすすめします。
④「売主が個人だと消費税がかからない」
新築物件は、売主が不動産会社やデベロッパーであるため、建物部分については物件価格に消費税が上乗せされます。(土地は非課税)
ここでポイントとなるのが、消費税は“事業”ではない個人間の取引には発生しないという点です。
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。
(引用:国税庁|消費税のしくみ)
そのため、売主が個人であるケースの多い中古物件においては、消費税が発生するケースは少ないのです。
ちなみに、個人間の売買を不動産会社が仲介する場合に支払う「不動産仲介手数料」と比較すると、以下のようになります。
【建物価格が3,000万円の新築物件を購入した場合の消費税】
3,000万円 × 10% = 「300万円」 ※2023年9月時点
【建物価格が3,000万円の中古物件を購入した場合の仲介手数料上限】
- ・200万円までの部分
200万円 × 5.5%+ 消費税 10% = 121,000円
- ・200万円超~400万円までの部分
200万円 × 4.4% + 消費税 10% = 96,800円
- ・400万円超の部分
2,600万円 × 3.3% + 消費税 10% = 943,800円
「合計 116万円1,600円」 ※2023年9月時点
(参考:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額)
中古物件でも売主が不動産会社などの法人であれば、中古物件でも仲介手数料がかからず、消費税が課税されます。
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⑤「現物を見てから購入を決断できる」
好条件な新築マンションは、完成を待たずに完売することも多く、購入はモデルルームだけを見て決断しなくてはいけません。
また、注文住宅は当然完成形を見られるのは引き渡し直前です。
モデルルームがある場合でも、購入するプランと全く同じとは限らないため、間取り図やイメージ図から完成形を想像して契約しなくてはいけません。
一方、中古物件は現物をご自身の目で確認してから決断できるため、買ってから「イメージと違った」という後悔は少ないはずです。
また、マンションの場合はコミュニティがある程度できあがっている状態で引き渡しを受けるため、新築でどんな方が隣に住むかドキドキすることもありません。
⑥「減税特例や補助金が充実している」
中古物件の活用が推進されており、様々な減税特例や補助制度が設けられています。
なぜなら、既存住宅・既存マンションの数は増え続けており、空き家問題も深刻で2018年には空き家率は13.6%にまで上昇しているからです。
既に、ストック住宅は日本の全世帯数を超えており、住宅が余っているのが現状で、その改善は国の重要な取り組みのうちの一つと言って間違いありません。
(参考:内閣府ホームページ|分譲マンションストック戸数、国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について)
新築物件でも補助金や減税特例は設けられていますが、価格の高い高性能住宅が主な対象です。
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⑦「リノベーションで理想通りに変えられる」
新築でも中古でも、全ての条件が理想通りの物件と出会える確率は高くありません。
しかし、中古住宅や中古マンションであれば、物件価格が低い分、リノベーションに予算を充てて、理想に近い間取りやインテリアへ改修できます。
中古物件のデメリット・注意点
中古物件には、費用面などでメリットが多い反面、少々難しい点もあります。
必ず、デメリットや注意点についても知っておきましょう。
①「物件選びが難しい」
新築物件を選ぶ際は、立地条件と間取り、性能をチェックしますが、中古物件の場合は、さらに「築年数による劣化有無」も加味しなくてはいけません。
特に、構造や見えない部分の配管・配線などは、一般の方が見た目だけで判断することは難しいでしょう。
また、古くても手入れが行き届いていて状態がいい物件や、築浅でも不具合が多い物件もあります。
そのため、中古物件を選ぶ際には、プロの目利きが欠かせません。
②「建築時期によっては性能が低い可能性も」
国土交通省の推計によると、既存戸建住宅(約5,200万戸)のうち、約18%が現行の耐震基準を満たしていないとされています。(参考:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について)
また、約685.9万戸ある既存マンション戸数のうち、約103万戸が1981年以前に建てられた「旧耐震基準建物」で、耐震性に不安があるというデータも。(参考:内閣府ホームページ|分譲マンションストック戸数)
戸建・マンション共に、断熱基準が高まっているため、古い物件は断熱性が十分でないかもしれません。
そのため、購入後に性能向上のためのリノベーションが必要になる可能性があります。
③「引き渡し後すぐに住めないことが多い」
新築物件は引き渡し翌日でも入居できますが、中古住宅・中古マンションで築年数の古いものは、そのまま住めない可能性も。
そのため、リノベーション期間の住まいや荷物の保管にかかる費用についても、考慮する必要があります。
また、入居時期と入学などのタイミングを合わせたい方は、余裕を持ったスケジュール組みをしなくてはいけません。
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④「トータル予算の把握が難しい」
新築物件の購入に必要な資金は、物件価格・諸税・家具などの家財費用が主なので、予算把握しやすいですが、中古物件はそこにリノベーション費用が加わります。
そのため、購入前にトータル予算を把握することが難しく、大幅に費用がオーバーしてしまうケースも少なくありません。
物件探しの段階から予算を見据えて計画を進めるためには、物件探しの段階からリノベーションのプロへ相談することがポイントです。
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中古マンションのメリット・デメリットや新築・賃貸との違いは?
▶︎中古物件探し・リノベーションをトータルで相談したい方はこちらから
新築物件のメリット
日本は諸外国よりも“新築信仰”が強いと言われており、「購入するなら新築で」という方も少なくありません。
では、メリットを見てみましょう。
①「誰も住んでいない新しさが気持ちいい」
新築最大の魅力は、「今まで誰も住んでいない」という点です。
内装材や水回りなどの目に見える部分はもちろん、構造部も全て新品なので、最初から丁寧に使えます。
そのため、住まいをご自身で細かく管理したい方は、新築を選ぶ傾向が強いです。
②「引き渡し後すぐ入居できる」
新築物件は完成物を引き渡されるため、すぐに入居できる点もメリットです。
引越しのタイミングをはかりやすく、仮住まい費用などを抑えられます。
ただし、最近は建築資材の高騰や納期遅延で、完工が引き延ばされるケースもあるため、引き渡し日が確実に保証される訳ではありません。
③「光熱費を少なく抑えられる可能性がある」
新築住宅・新築マンションは、耐震性だけではなく断熱性も高いため、冷暖房にかかる電気代を最小限に抑えられます。
また、水回りの設備機器は省エネタイプの最新機種が搭載されているケースが多いため、水道代節約につながるかもしれません。
新築住宅にあって中古住宅にないメリットは、フルリノベーションで解決できます。
“新築のような中古”を手に入れたい方は、リノベーション前提で中古物件を選びましょう。
▶︎新築と中古で迷っている方はリノベーション事例集をご覧ください
新築住宅のデメリット・注意点
新築住宅のデメリットは、ずばり「コストパフォーマンスがあまり良くない」点です。
購入価格が高く、資産価値の下落スピードが早いため、投資目的ですと少々リスクが伴うかもしれません。
ご自身でずっと住むことが前提であれば、それほど初期コストを気にしない方も多いでしょう。
しかし、10年後・20年後の生活にフィットしない物件を買うと、住み替えを余儀なくされる可能性があるため、長期的視点で物件選びをすることがポイントです。
〈新築・中古〉購入後の諸費用を比較
中古と新築ではメリット・デメリットが大きく異なりますが、初期費用はもちろん、住み始めてからの維持費にも差があります。
では、それぞれの費用について詳しく見てみましょう。
初期のリノベーション資金
中古住宅・中古マンションは多くの場合、一部もしくは全体的な改修が必要となるため、リノベーション費用を用意しなくてはいけません。
当然のことながら、新築物件にはこの費用がかからないため、中古と新築の両方を検討している方は、物件価格とリノベーション費用の両方を知っておくことが重要です。
では、例として首都圏で70㎡のマンションを購入することを想定し、新築・中古の場合で比較してみましょう。
【首都圏・新築マンションの価格目安】
70㎡ × 99.5万円/㎡ = 6,965万円
※平米単価は複数情報ポータルサイトのデータを基に弊社で算出
【首都圏・中古マンションの価格目安】
70㎡ × 67.24万円/㎡ = 4,706万円
※平米単価は、公益財団法人東日本不動産流通機構|首都圏不動産流通市場の動向(2022年)を参考
【首都圏・中古マンションのリノベーション価格目安】
70㎡ × 15〜20万円/㎡ = 1,050〜1,400万円
※平米単価は、一般社団法人リノベーション協議会ポータルサイトを参考
物件の条件によっても異なりますが、平均的な価格傾向を見比べると、中古マンションを購入してリノベーションする方が、少々コストを抑えられる可能性があります。
管理費・修繕積立金(マンションのみ)
マンションは、共用部の管理・メンテナンスのために、管理費と修繕積立金を納めなくてはいけません。
これは、中古マンションも新築マンションも同じですが、注目すべき点はその金額です。
【全国平均金額】
管理費:15,956 円/月(駐車場使用料等からの充当額を含む)
修繕積立金:12,268 円/月(駐車場使用料等からの充当額を含む)
管理費・修繕積立金ともに、同グレードのマンションであれば、古いマンションほど金額が高くなる傾向が顕著です。
特に、修繕積立金の価格差は大きく、国土交通省の調査によると、築40年のマンションと新築を含む築10年未満のマンションで平均修繕積立金を比較すると、10%以上差があることが分かっています。(参考:国土交通省|管理組合向け調査の結果 P.162)
ただし、新築マンションですと修繕積立基金などの一時金を納めなくてはいけない可能性もあります。
マンションを購入する際は、管理費・修繕積立金の金額についても、事前に確認しておきましょう。
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〈新築・中古〉税金・住宅ローン控除を比較
中古と新築では、かかる税金や控除内容にも差があります。
物件価格が大きくなればなるほど、違いが影響するため、住まいを選ぶ際は、それぞれを慎重に比較しましょう。
【不動産取得税】
不動産を購入した際に納める税金で、「固定資産税評価額 × 4%」が税率です。
税率は、中古・新築で違いはなく、それぞれ「(課税標準額 − 控除対象額)×3%」の特例が受けられます。
ただし、控除対象額に違いがあるため、注意しましょう。
【建築時期別・中古住宅(建物分)の控除対象額】
- 昭和29年7月1日~昭和38年12月31日:100万円
- 昭和39年1月1日~昭和47年12月31日:150万円
- 昭和48年1月1日~昭和50年12月31日:230万円
- 昭和51年1月1日~昭和56年6月30日:350万円
- 昭和56年7月1日~昭和60年6月30日:420万円
- 昭和60年7月1日~平成元年3月31日:450万円
- 平成元年4月1日~平成9年3月31日:1,000万円
- 平成 9年4月1日〜:1,200万円
【新築住宅(建物分)の控除対象額】
・一般的な新築住宅:1,200万円
・認定長期優良住宅:1,300万円
(参考:東京都主税局|不動産取得税)
※新築・中古ともに、一定の条件を満たした住宅が対象です。
※上記の控除対象額は、東京都の情報ですので、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
購入時にかかる税金の目安は、新築で「物件価格 × 3〜6%」、中古で「物件価格 × 6〜10%」程度を用意しておくと安心です。
【固定資産税・都市計画税】
購入後、その物件を所有する限り納めなくてはいけないのが、「固定資産税」と「都市計画税」です。
中古と新築とでは税率に違いはありません。
ただし、建物分税額の根拠となる「固定資産税評価」は、住宅を再建築した場合の費用が元となり、築年数に応じて減額係数が適用されるため、古い物件ほど低く見積もられます。
【木造建築物の経年による減額係数】
- 築1〜9年:0.80〜0.53
- 築10〜19年:0.50〜0.28
- 築20〜26年:0.26〜0.21
- 築27年以上:0.20
【非木造建築物の経年による減額係数】
- 築1〜9年:0.9579〜0.7632
- 築10〜19年:0.7397〜0.5288
- 築20〜26年:0.5054〜0.3794
- 築27年以上:0.3596〜(44年まで変動、45年以上は一律)
※上記係数は、東京都の情報ですので、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
ただし、新築住宅の場合は固定資産税の減額期間が設けられています。
【新築住宅の固定資産税減額期間(一般住宅の場合)】
- 一戸建て:3年間・1/2減額
- マンション:5年間・1/2減額
(参考:国土交通省|新築住宅に係る税額の減額措置)
※減額の対象となるためには、規定の条件を満たしていなくてはいけません
【所得税の住宅ローン控除(住宅ローン減税)】
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、中古・新築問わず、所得税の一部控除が受けられます。
ただし、中古と新築では対象条件と控除期間が異なりますので、注意してください。
【新築住宅の住宅ローン控除対象条件】
「控除期間 最長13年」
- 2024年1月以降に建築確認を受ける新築住宅の場合は、「省エネ基準を満たす住宅」であること
- 住宅ローン契約者の年間所得金額が「3,000万円以下」であること(※)
- 住宅の引き渡しを受けてから「6ヶ月以内に入居」していること(※)
- 住宅ローンの返済期間が「10年以上」であること(※)
- 対象物件の住宅として使う床面積が「50㎡以上」であること(※)
- 対象物件において自身の居住スペースが「全体の1/2以上」であること(※)
- 前後2年間で居住用財産譲渡による「長期譲渡所得課税特例」に適用されていないこと(※)
【中古住宅の住宅ローン控除対象条件】
「控除期間 最長10年」
- 新築住宅の場合と同条件(※の項目)
- 耐火建築物の場合は「築25年以内」であること
- 耐火建築物ではない場合は「築20年以内」であること
(築年数の条件を満たしていない場合)
- 「耐震基準適合証明書を取得」していること
- 既存住宅性能評価において「耐震等級1以上」であることが証明できること
- 対象住宅が「既存住宅売買瑕疵担保責任保険」に加入していること
不動産にかかわる税額の算出や控除・減税特例については、自治体によって詳細が異なるため、必ず所轄の税務署などへご確認ください。
▶︎“物件探し・リノベーションに伴う資金計画のご相談はこちらから
「新築」か「中古+リノベ」どちらがいい?
事例を見る:Case166「Design & Function」
中古・新築それぞれにメリットとデメリットがあり、維持費や税制度にも違いがあります。
ポイントは、どちらが良い・悪いという訳ではなく、あなたの計画や理想に合う物件を選ぶこと!
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▶︎中古マンションの物件探しからリノベーションまでトータルで相談したい方はこちら
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