左官工事とは

【左官工事(さかんこうじ)】
1. 概要
「左官工事」とは、「左官職人」と呼ばれる専門の職人が、「コテ(鏝)」という道具を用いて、壁、床、天井などを塗り上げて仕上げる伝統的な工事手法のことです。
リノベーションにおいては、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)、モルタルといったペースト状の材料を使い、職人の手仕事によって独特の質感や風合いを生み出す仕上げ工事を指します。
2. メリット(リノベーションにおける魅力)
ビニールクロスやフローリングのように工場生産された材料を「張る」工事(乾式工法)とは対照的に、左官工事(湿式工法)には以下のような魅力があります。
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シームレスで上質な仕上がり: クロスのような「継ぎ目」が一切ない、一体的で美しい壁面や床面を作ることができます。
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独特の意匠性(デザイン): 職人のコテさばき一つで、フラットな仕上げから、あえて塗り跡(コテむら)を残した模様のある仕上げまで、空間に豊かな表情と陰影(いんえい)を生み出します。手仕事ならではの温かみと高級感が魅力です。
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素材の機能性: 使用する材料(漆喰、珪藻土など)が持つ調湿性や消臭性、防火性といった自然の機能を、そのまま住まいに取り入れることができます。
3. デメリットと注意点
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コスト(費用): 材料費に加え、職人の高い技術力と手間(作業時間)が必要となるため、ビニールクロスの張り替えなどと比べて工事費用は高額になります。
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工期(時間): 材料を水で練り、塗り、そしてそれが完全に乾燥するまでの養生(ようじょう)期間が必要です。そのため、乾式工法に比べて工期は長くなります。
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職人の技術力への依存: 仕上がりの美しさや耐久性は、担当する左官職人の経験と技術力に大きく左右されます。
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ひび割れ(クラック): 材料の特性や建物の揺れなどにより、表面に細かなひび割れ(ヘアークラック)が発生する可能性があります。
4. リノベーションでの主な用途
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モルタル: 玄関の土間、キッチンの床や腰壁、洗面台のカウンターなど(無機質でクールなデザイン)
5. 関連語
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