公開日:2024-06-16 更新日:2024-12-13
【マンションのスケルトンリフォーム】物件選びの注意点と費用・事例を紹介
「中古マンションを買って好みの間取りやデザインにリフォーム・リノベーションしたい」「新築マンションと中古マンションどちらを買うか迷っている」という方も多いでしょう。
そんな方々から注目されているのが、「フルスケルトンリフォーム」です。
最近はおしゃれな事例がメディアで特集されることも多いですよね。
しかし、スケルトンリフォームをするのに適したマンションとそうでないマンションがあります。
そこで、今回は「マンションのフルスケルトンリフォーム」について、メリット・デメリットと物件選びのポイントを解説します。
併せて、1998年から8,000件超のリノベーション実績のある“SHUKEN Re”イチ押しの事例を間取り図付きで紹介しますので、中古マンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・スケルトンリフォームにはメリットとデメリットの両方があるため、事前に内容を知っておきましょう。
・スケルトンリフォームで理想の住まいを手に入れたい方は、物件選びの段階でチェックするべきポイントがあります。
・中古マンションを購入する場合は、物件購入から資金計画、リノベーションまで一社に相談できて、購入前にトータルコストが分かるワンストップリノベーションサービスがおすすめです。
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目次
マンションのスケルトンリフォームとは?メリット・デメリット
中古マンションのスケルトンリフォーム事例を見る:Case143「光あふれ、風に寄り添うワンルーム」
「スケルトンリフォーム」とは、マンションの専有部内を全て一度撤去して躯体だけ残し、そこから新たに間取りや内装を仕上げていく方法です。
スケルトンインフィル(SI)工法と呼ばれることもあり、マンションの長寿命化にも効果的であるとして、注目されています。
(引用:国土交通省|SI(スケルトン・インフィル)型住宅 )
スケルトンリフォームは、マンションにおいて公共性・共同性が強く耐久性に大きく影響のある「スケルトン(構造躯体・共用設備)」と、私有性が強く消耗しやすい「インフィル(内装・住戸内設備)」を切り分けて、合理的に改修できます。
そのため、ライフスタイルの変化へ対応しやすく、建て替えるリスクが減らせてマンションの長寿命化につながるだけではなく、建築廃材の削減など省エネ効果があるとして、政府も推奨しています。
(参考:国土交通省|SI(スケルトン・インフィル)型住宅 )
ちなみに、フルリフォームやフルリノベーションと混同されることもありますが、これらは既存部分を一部残して内装や設備だけやり替えるケースも含まれます。
では、スケルトンリフォームのメリットとデメリットを見てみましょう。
【スケルトンリフォームのメリット】
- ・新築マンションを購入するよりリーズナブル
- ・間取りの自由度が高い
- ・インテリアデザインを一新できる(完璧にトータルコーディネイトできる)
- ・隠蔽部(給排水管や電気配線等)の入れ替えもできるため、リフォーム後も長く安心して住み続けられる
- ・断熱材の追加などの工事もできるため、結露防止や省エネ効果を得られる
【スケルトンリフォームのデメリット】
- ・部分リフォームよりコストがかかる
- ・工期が長いため、仮住まいや荷物保管用コンテナの準備が必要
- ・マンションによっては、管理規約で工事内容や間取り、仕様の制限がある
- ・マンションによっては、構造的に間取りを大きく変更できない
- ・個性的な間取りやデザインにすると売却しにくくなる可能性がある
このように、フルリフォームにはメリットがある一方、物件選びやプランの検討に少々コツがいるのです。
新築マンションの価格が高騰している中、中古マンションを買って好きなようにスケルトンリフォームしたい方が増えています。
中古マンションの購入やリフォーム・リノベーションを後悔しないためには、スケルトンリフォームするのに適した物件を選ぶことが重要です。
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スケルトンリフォームに適した中古マンション
中古マンションのスケルトンリフォーム事例を見る:Case146「MIX Style」
スケルトンリフォームすることを前提として中古マンションを購入する場合は、物件選びの際に必ずチェックしなくてはいけないポイントがあるので注意しましょう。
では、スケルトンリフォームに適した中古マンションの条件をそれぞれ詳しく解説します。
コスパの良い築年数15年以上物件
中古マンションの価格は、築年数が経つほど下がるのが通常です。
実際に首都圏で売買された中古マンションの価格を築年数ごとに見ると、以下のようになります。
(出所:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2023年】をもとに弊社にて作成)
上のグラフからも分かる通り、中古マンション購入するなら、価格が新築時よりも10%以上下がっている物件の多い「築15年以上」がおすすめです。
築15年以上の物件をおすすめする理由は、物件価格のリーズナブルさだけではありません。
築15年以上経っている物件は、設備などが寿命を迎える時期であるため、まさにスケルトンリフォームで一掃するタイミングとしてちょうどいい点もポイントです。
【部位】 | 【寿命・取替えのタイミング】 |
内装材 (クロス・フローリング等) |
10〜15年 |
水回り (浴室・キッチン・洗面・トイレ) |
15〜20年 |
設備機器 (照明器具・給湯器等) |
10〜15年 |
給排水管 | 20〜30年 |
電気配線 | 20〜30年 |
築10年程度の築浅物件は物件価格がまだそれほど下がっていない上に、設備機器などがまだ使える状態にもかかわらずフルスケルトンリフォームで全て撤去することになります。
そのため、あまりコストパフォーマンスが良いとは言えません。
逆に、物件価格が新築から20〜30%程度下がっている中古マンションを買ってスケルトンリフォームすれば、その後20〜30年住み続けられるマイホームを手に入れられる可能性があるのです。
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間取りの自由度が高いラーメン構造
中古マンションを購入する際に確認する物件情報には、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などの記載はありますが、フルリフォームする場合は、さらに詳細まで確認する必要があります。
RC造・SRC造の建物は、「ラーメン構造」「壁式構造」に分けられ、どちらなのかによって間取りを自由に変更できるかどうかが変わるからです。
【ラーメン構造】
柱と梁(枠組み)で建物荷重を支える構造で、専有部内の間仕切壁は基本的に構造体ではありません。
そのため、撤去や位置変更が自由にできます。
【壁式構造】
柱や梁ではなく、壁(面)で建物荷重を支える構造で、専有部内の間仕切り壁も部分的に構造体としての機能を持ちます。
そのため、いくら専有部内であっても共用部と見なされ、撤去や位置変更ができません。
購入する物件を検討している段階で「ラーメン構造」か「壁式構造」かを判断する方法は、主に3つあります。
【ラーメン構造と壁式構造を見分ける方法①「総階数で判断する」】
建築基準法では、「壁式構造は5階建てまで」と決められているため、6階建て以上のマンションは必然的に“ラーメン構造”です。
この3つの方法でラーメン構造か壁式構造か判断できない場合は、購入前に管理会社やリノベーション会社へ相談することをおすすめします。
管理規約による制限のない物件
マンションに住む上で必ず守らなくてはいけないのが「管理規約」です。
リフォーム・リノベーションする際には、必ず管理規約の中に専有部分の改修に関する規定がないか確認しましょう。
マンションによっては、騒音や水漏れなどの住民トラブルを未然に防ぐために、以下のようなルールがある物件は珍しくありません。
【リフォーム・リノベーションに関する管理規約例】
- ・水回り(浴室・キッチン・トイレ・洗面)の位置変更禁止
- ・間取り変更禁止
- ・使用できる床材の仕様限定(遮音性能・厚さ・素材)
- ・工事できる曜日や時間帯限定
水回りの移動や間取り変更が禁止されているマンションでは、スケルトンリフォームをしても、劇的にプランを変えられません。
また、床材の仕様がどれほど制限されているかによって、インテリアデザインのイメージは大きく変わるでしょう。
物件によっては、木質フローリングの使用を禁止しているケースも稀にあります。
そして、工事できる曜日・時間帯も必ずチェックしてください。
こちらの規定は、ほぼ全てのマンションでルール付けられていますが、曜日や時間帯は物件によって異なります。
工事できる時間が極端に短いと、完成までの期間が長くなり、その間の経費も増える可能性があるため注意しましょう。
スケルトンリフォームに適した中古マンションを選びたい方には、不動産仲介とリノベーションの設計施工両方を一緒に相談できる会社がおすすめです。
物件価格とリフォーム費用を合わせたトータル予算が把握でき、構造種別や管理規約の内容も細かくチェックしてもらえます。
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マンションのフルスケルトンリフォームにはいくらかかる?坪単価・費用目安
中古マンションのスケルトンリフォーム事例を見る:Case182「Cinematic」
中古マンションを購入する際に併せて把握しておきたいのが「スケルトンリフォームにかかる費用」ですよね。
首都圏でマンションをフルスケルトンリフォームする場合の単価は「50〜66万円/坪(15〜20万円/㎡)」程度です。
これを一般的な分譲マンションの広さに当てはめると、以下のようになります。
【専有面積の広さ】 | 【スケルトンリフォームの費用目安】 |
50㎡ | 750〜1,000万円 |
60㎡ | 900〜1,200万円 |
70㎡ | 1,050〜1,400万円 |
80㎡ | 1,200〜1,600万円 |
90㎡ | 1,350〜1,800万円 |
100㎡ | 1,500〜2,000万円 |
※上記目安は税抜です。
※上記目安には諸経費やその他申請資料などは含まれません。
※条件や仕様によって目安範囲に当てはまらない可能性もあります。
中古マンションをこれから買う方は、この目安費用を踏まえて予算組みをしましょう。
その際には、登記費用や租税などその他諸経費も要チェックです。
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【間取り図・費用付き】マンションフルリフォームの成功事例|1,000万円以下・1000万円台
SHUKEN Reでは、1998年創業から20年以上に渡って、8,000件を超えるリノベーションを手がけてきた実績があります。
その中から、「物件探し+スケルトンリフォームの設計施工」をサポートさせていただいた事例を紹介します。
【築36年・63㎡・1,000万円以下】
工期 | 45日 |
---|---|
家族構成 | ご夫婦 |
エリア | 東京都 |
年代 | 30代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 36年 |
間取り | 2LDK + SIC |
広さ | 63㎡ |
こちらは、3LDKのマンションを広々としたLDKのある間取りへスケルトンリフォームした事例です。
ミニマルな寝室にする代わりに、収納容量たっぷりのウォークインクローゼットを作り、キッチンは昔ながらの壁付けからダイニングにいる人と会話を楽しみながら料理できる対面タイプへ変更しました。
敢えて天井や躯体壁はコンクリート剥き出しにして無骨な印象に仕上げた点もポイントです。
内装ドアや家具をダークブラウンで統一し、素材の違うアイテムを取り入れながらも統一感のある雰囲気に仕上げました。
【築17年・74㎡・1,200万円】
工期 | 90日 |
---|---|
家族構成 | 夫婦+お子様2人+ワンちゃん2匹 |
エリア | 東京都府中市 |
年代 | 40代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 17年 |
間取り | 3LDK + WIC + ワークスペース + パントリー |
広さ | 74㎡ |
リノベーション費用 | 約1200万円 |
こちらは、以前お住まいだったマンションが手狭になったことをきっかけに、住み替えを検討されたお客様の事例です。
お子さんの通学を踏まえて、元々住んでいたエリアに近い場所に理想の広さ・価格の物件をお探しでした。
出会った物件はゆったりとした庭付き1階の物件。
ワンちゃんも楽しく暮らせる物件にご満足いただけました。
「頑張りすぎないナチュラルスタイル」をコンセプトに、カラーは抑えて素材感でデザイン性をプラスした点がポイントです。
室内窓のある明るい子供部屋や、大容量のファミリークローゼット、ペットを飼っているご家庭におすすめの広い土間など、スケルトンリフォームだからこそ実現できたアイデアが詰まっています。
【築18年・82㎡・1,200万円】
工期 | 50日 |
---|---|
家族構成 | ご夫婦+お子様2人 |
エリア | 千葉県流山市 |
年代 | 40代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 18年 |
間取り | 2LDK + WTC + パントリー + ワークスペース |
広さ | 82㎡ |
リノベーション費用 | 約1200万円 |
こちらは、転勤先の名古屋にいながら千葉県で「マンション探し+リノベーション」に取り組まれた事例です。
遠距離でありながらも密なヒアリングを重ね、お客様の求める自然を感じられるマンションをご購入いただきました。
南側に広がる雑木林を眺めながらくつろげる室内窓や、広々とした造作ワークカウンター、ラスティックなフローリング、インテリアのアクセントになる真鍮製のペンダントライト…。
お客様の想いと設計スタッフのアイデアが融合した唯一無二のお部屋に仕上がりました。
【築40年・75㎡・1,600万円】
工期 | 70日 |
---|---|
家族構成 | 夫婦 |
エリア | 神奈川県 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 40年 |
間取り | 1LDK + WIC |
広さ | 75㎡ |
リノベーション費用 | 約1600万円 |
ご自分の希望に合わせて自由に間取りを変えられる点に魅力を感じ、賃貸マンションから住み替えされた事例です。
一年かけて「管理が行き届いている」、「駅までの道が平坦」などご希望に合う物件を探しました。
当初のウォークスルークローゼットを住まいの中心に配置するプランは構造上の制約で叶いませんでしたが、プランナーとご主人がアイデアを出し合い、2面採光の広々としたLDと家事動線を意識した収納力もある対面キッチンを実現できました。
移動できない構造体の脇にできたデッドスペースも、ニッチタイプの造作棚にして無駄なく活用するなどの工夫ポイントも。
そのほかにも、大容量のウォークインクローゼットや、2人で並んで使える洗面カウンター、圧迫感がなくゆったりとした玄関など、住まいの随所にこだわりが詰まっています。
▶︎マンションの「物件購入+リノベーション」実例はこちらから
最後に、初めて中古マンションを買う方やスケルトンリフォームを検討している方からよくいただく質問を紹介します。
Q.「マンションスケルトンリフォームで使える補助金は?」
A.「断熱性・耐震性・省エネ性いずれかをアップさせるための工事が含まれる場合は、補助金の対象となる可能性があります。」
既存マンションの戸数は増え続け、同時に築年数の経った中古マンションの空室率が上昇しています。
この現状を打破すべく、既存マンションの性能向上を目的としたリフォーム・リノベーションに対して、国や自治体が補助金を支給しています。
ただし、単に間取りを変更したり内装をきれいにしたりするだけでは対象とならないので注意しましょう。
内窓(インナーサッシ)設置などの断熱改修や高性能設備機器の導入などが条件となっている補助事業がほとんどです。
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Q.「マンションスケルトンリフォームに関連する減税制度は?」
A.「住宅ローンを使ってリフォームする場合や、特定の改修工事を含む場合は、減税対象となる可能性があります。」
住宅ローンの融資を受けて中古マンションを購入してスケルトンリフォームする場合、以下の条件を満たすと融資残高(その年の年末時点)の0.7%が所得税(一部、翌年の住民税)から控除されます。
- ・その年の総所得が2,000万円以内
- ・専有部分の面積が50㎡以上
- ・対象となる借入金額の上限が2,000万円以内(高い省エネ性を証明できる場合は上限3,000万円)
さらに、特定のリフォーム工事(耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居)を含む場合は、最高35万円がその年の所得税から控除される制度もありますので、事前に税理士や管轄の税務署へ詳細をご確認ください。
(参考:国土交通省|住宅ローン減税の制度内容が変更されます!~令和6年度税制改正における住宅関係税制のご案内~|(別紙1)令和6年度住宅税制改正概要)
Q.「マンションスケルトンリフォームにはどのくらいの期間がかかる?」
A.「物件を探し始めてから入居するまでで半年〜1年程度かかります。」
中古マンションを探し始めてからリフォームして入居するまで、早い方でも半年弱、長い方では1年近くかかるケースもあります。
【物件探し・購入手続き・物件引き渡し】 | 1〜3ヶ月 |
【リフォームの設計・打ち合わせ】 | 1〜3ヶ月 |
【工事契約・着工準備】 | 1ヶ月 |
【リフォーム工事】 | 2〜3ヶ月 |
(合計の期間) | 5〜10ヶ月 |
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中古住宅の物件探しから契約・引き渡しまでのスケジュールは?期間の目安はどのくらい?
マンションを購入してからリフォーム工事が終わるまでの期間が長引くほど、その間の住まいにかかる家賃などの経費がかさんでしまいますよね。
じっくりプランを検討しながらもできるだけ早く新居へ引っ越したい方におすすめなのが「ワンストップリノベーション」サービスです。
SHUKEN Reのワンストップリノベーションは、物件が決まる前からリノベーションのプラン相談を進められるため、リノベーションに適した物件を選べて、トータルコストを把握しやすい点が魅力です。
また、建築知識を踏まえ、一般の方では分かりにくい不具合を見つけられる点や、ファイナンシャルプランナーへ資金計画を相談できるため、初めてのマイホーム計画でも安心してお任せいただけます。
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まとめ:スケルトンリフォーム向きの中古マンションを選ぶ際はポイントを押さえて
スケルトンリフォームを前提に中古マンションを購入する場合は、「理想の間取りを実現できる物件かどうか」という視点が重要です。
物件を選ぶ際は、築年数や構造の種類、マンション管理規約の内容などを必ずチェックしてください。
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