公開日:2023-03-16 更新日:2024-12-19
【中古住宅の断熱リフォーム】効果が高い方法は?費用と補助金も紹介
中古住宅でより快適な暮らしを実現させるために重要なのが、「断熱性」です。
最近は、省エネの観点からも既存住宅の断熱リフォームを検討する方が増えています。
そこで、今回は中古住宅の断熱リフォームについて、効果が得られる方法や費用の目安、知っておきたい補助金情報まで解説します。
今お住まいの住宅をより過ごしやすくしたい方や、これから中古住宅の購入を検討し始める方は、ぜひ参考にしてください。
・中古住宅は、築年数が古いほど、断熱性が低い可能性は高いです。
・断熱リフォームは、補助金を活用して、効果の高い工事から始めることが重要です。
・SHUKEN Reでは、中古物件探しからローン相談、リノベーション、アフターサービスまでまとめてお任せいただける「ワンストップリノベーション」をご用意しています。
目次
中古住宅の断熱リフォームはなぜ必要?
中古住宅は、新築住宅と比べて、その断熱性能は劣ります。
なぜなら、住宅に求められる断熱基準がどんどんグレードアップしているからです。
住宅の断熱性が重要視され始めたのは、実はそれほど昔ではありません。
初めて住宅の断熱性に関する記載が盛り込まれました。
地球温暖化問題などによって住宅の省エネ性能がさらに重視され始め、住宅水準の向上が求められました。
本法律内の「住宅性能表示制度」によって、省エネルギー対策等級、いわゆる断熱等級が設けられ、昭和55年基準を「旧省エネルギー=断熱等級2」、平成4年基準を「新省エネルギー基準=断熱等級3」、平成25年基準を「断熱等級4」と定めました。
建築物の省エネ化向上のために、住宅以外の一定規模以上の建築物のエネルギー消費性能基準への適合義務の創設などが決定しました。
非住宅・住宅問わず、2025年以降は断熱等級4以上であることを義務化する決定が下されました。
築年数が古ければ古いほど、新築当時に求められた断熱基準が低いため、当然のことながら断熱性は最近の住宅と比べると劣ります。
中古住宅において、その断熱性を高めるアプローチは、主に2種類です。
- ・壁や天井、床の断熱性を高める
- ・窓サッシや玄関ドアからの熱損失を抑える
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
壁・天井・床の断熱性を高める
壁内や天井裏、床下に断熱材を追加する、もしくは性能の高いものに取り替えることで、まるで魔法瓶のように家全体を包み込むことができます。
外部に面した壁の中や、一階の床下、天井裏にグラスウールなどの繊維系断熱材や、ウレタンフォームなどの断熱パネル、発泡ウレタンなどの吹き付け断熱材を充填するのですが、ここでポイントなのが「内部結露への対策」です。
単に断熱材をプラスしただけですと、見えない部分に結露が起きてしまい、柱や土台などの腐朽やシロアリ被害を引き起こしてしまいます。
そのため、場合によっては、断熱層と併せて防湿層も作らなくてはいけません。
【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(グラスウール)】
1,000〜3,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)
【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(ウレタンフォーム)】
1,000円〜4,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)
【壁内・床下・天井裏への断熱材充填(吹き付け発泡ウレタン)】
4,000〜6,000円/㎡(内装仕上げや付帯工事別途)
開口部からの熱損失軽減
実は、夏・冬共に、開口部(窓や玄関ドア)から多くの熱気・冷気が屋外へ流れ出てしまっています。
特に冬場は、屋外へ流れ出る熱の約50%が窓からとも言われているため、断熱性を上げるための対策は欠かせません。
(引用:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会)
古いアルミサッシや単板ガラスは熱伝導率が高く(熱しやすく冷めやすい)、どうしても外気温の影響を大きく受けてしまいます。
一方で、樹脂製サッシや複層ガラスは、高い断熱性を持ちます。
(引用:YKK ap)
ただし、窓サッシを交換するとなると既存窓周りの壁を解体しなくてはいけない場合もあり、内装補修などの付帯工事が必要です。
そのため、内装リノベーションやフルリノベーションを併せて工事をすることをおすすめします。
工事範囲を最小限に抑えたいという方におすすめなのが、内窓(インナーサッシ)。
既存窓の内側にもう1セット窓を取り付けます。
2つの窓の間に大きな空気層ができるため、こちらも高い断熱効果を得られます。
ただし、窓の断熱リフォームをする際は、どの工法であっても部屋にある窓を全てを交換しないと、低断熱の窓へ熱の出入りが集中し、その部分の結露がひどくなる可能性は否めません。
そのため、断熱リフォームを検討する場合は、一部だけではなく、ある程度広範囲を対象に工事を検討してみてください。
窓のリフォームが済んだら、玄関ドアの取り替えもしましょう。
内部に断熱材が入った断熱ドアに取り替えると、ドア部分からの熱損失を防げるだけではなく、戸先付近から冷気が入ってくることもなくなります。
【樹脂製サッシ+断熱ガラスへの取り替え(腰窓サイズ、既存と同位置・同サイズの場合)】
200,000〜600,000円/箇所(周囲壁の復旧工事、その他付帯工事別途)
【内窓の設置(掃き出し窓サイズの場合)】
80,000〜150,000円/箇所
【断熱玄関ドアへの取り替え(片開きドア、既存と同位置・同サイズの場合)】
200,000〜600,000円/箇所(周囲壁の復旧工事、その他付帯工事別途)
ご予算に限りがある場合は、まず窓などの開口部から断熱リフォームを始めてみましょう。
冬の寒さ・夏の暑さの違いを実感できます。
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【2023年】断熱リフォームに関連する補助金
中古住宅の断熱化は、国が掲げているカーボンニュートラルなどの省エネ目標とも大きく関わりがあり、強く推し進めている項目のうちの一つです。
そのため、いくつかの補助事業が立ち上げられています。
これから断熱リフォームをしたいという方は、もれなく使えるようにチェックしておきましょう。
「先進的窓リノベ事業」
先進的窓リノベ事業は、既存住宅における窓の高断熱化を促進するため、改修に係る費用の一部を補助することで、エネルギー価格高騰への対応(冷暖房費負担の軽減)や、2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)への貢献、2050年ストック平均でZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保への貢献を目的とする事業です。
(引用:先進的窓リノベ事業)
こちらは、窓の断熱リフォームに特化した補助金で、“窓リノベ事業者”として登録されている施工会社へ、窓・ガラスの交換や内窓の設置を依頼した場合が対象となります。
内窓設置の場合、最高で一箇所当たり124,000円が支給されます。
工事契約日が遅くとも2023年12月31日までであることが条件ですが、予算がなくなり次第、期限を待たずに受付終了となりますので、早めの検討をおすすめします。
「こどもエコすまい支援事業」
こどもエコすまい支援事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資の下支えを行い、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。
(引用:こどもエコすまい支援事業)
こちらは、窓周りに限らず、壁・天井・床の断熱工事や高性能給湯器などエコ設備機器の設置も対象となります。
先進的窓リノベ事業と同様に、“こどもエコすまい支援事業者”として登録された施工会社へ依頼することが条件です。
新築の場合は発注者やお子さんの年齢も条件となっていますが、リフォームについては年齢が限定されることはありません。
工事内容によって細かく補助金額が設定されています。
交付申請は2023年12月31日までですが、やはりこちらも予算がなくなり次第、期限を待たずに受付終了となってしまうので気をつけましょう。
「地方自治体独自の補助金・助成金」
国の実施している補助事業とは別に、都道府県や市区町村で補助金を設けている場合もあります。
断熱リフォームをする際は、必ずそれらについてもチェックしましょう。
ちなみに、東京都の場合は「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア)」が行われています。
また、補助金を検索できる「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」もありますので、ぜひ併せて活用してみてください。
中古住宅の購入からリノベーションまで安心して任せられる”ワンストップリノベーション”
これから中古住宅を購入する方にとって、断熱リフォームを含めてどのくらいの工事費を見込んでおけばいいか不安な方も多いでしょう。
「住宅購入資金とリノベーション資金の総額が分からない」という方も少なくありません。
そこでポイントとなるのが、不動産会社とリノベーション会社選びです。
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まとめ:断熱リフォームは補助金を使って効率良く
新築住宅と比べると、中古住宅はどうしても断熱性が劣ります。
そのため、快適な室内環境を整えるためにも、断熱リフォームを検討しましょう。
その際には、効果が高い工事を行うことが重要です。
特に熱の流出が大きい窓から検討することをおすすめします。
コストをできるだけ抑えるために、補助金を賢く活用するのもポイントです。
“SHUKEN Re”なら、今まで培った知識と経験を踏まえて、リノベーションを前提とした物件探しや、効果的な断熱改修をお手伝いさせていただきます。
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