公開日:2025-02-23
東京の格安中古マンションの探し方|格安物件が多い狙い目エリアやチェックポイントも紹介
このコラムでは、東京23区内でリーズナブルな中古マンションを効率的に探す方法を解説します。
格安中古マンションが見つかりやすい狙い目エリアや、格安物件を検討する際に知っておきたいチェックポイントも紹介。
都内で「条件に合った中古マンションがなかなか見つからない…」という方や、「物件価格を抑えてリノベーションにこだわった住まいづくりをしたい」という方はぜひ参考にしてくださいね。
・東京で格安の中古マンションを見つけたい場合、価格相場が安めのエリアや築年数、リノベーション済みかどうかなどの条件で絞り込むことで効率的に探せます。
・エリアの価格相場よりもリーズナブルな格安中古マンションは、構造や設備、内装などの状態はもちろん、立地や管理状況なども踏まえた上で納得できるかという視点で検討することがポイントです。
・耐震・断熱・配管等の状態が悪い中古マンションの場合、改修に必要な費用が増加しますので、物件購入費とリノベーション費用のトータルコストを踏まえた物件選びが重要です。
■東京で格安中古マンションを探す方法
東京都の中古マンションリノベーション事例を見る:Case201「Living neatly」
はじめに、東京都内で格安の中古マンションを効率的に探す方法を紹介します。
①都内でも中古マンションの平均価格が安いエリアを狙う
東京都内でも、中古マンションの価格相場が安いエリアで探す方が、より格安物件が見つかりやすくなります。
2024年12月の東京都内エリア別の中古マンション平均価格は以下のようになっています。
エリア | 平均㎡単価 | 成約平均価格 |
---|---|---|
都心3区
(千代田区、中央区、港区) |
202.5万円/㎡ | 1億1,491万円 |
城東地区
(台東区、江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区、足立区、荒川区) |
90.6万円/㎡ | 5,489万円 |
城南地区
(品川区、大田区、目黒区、世田谷区) |
116.3万円/㎡ | 6,784万円 |
城西地区
(新宿区、渋谷区、杉並区、中野区) |
125.8万円/㎡ | 6,662万円 |
城北地区
(文京区、豊島区、北区、板橋区、練馬区) |
96.6万円/㎡ | 5,441万円 |
多摩地区
(都区部・島嶼部以外) |
54.0万円/㎡ | 3,572万円 |
(出典)公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー(月例マーケットウォッチ2024年12月度)より弊社で作成
上記を見ると、千代田区、中央区、港区では平均価格が1億円を超えていますが、都心3区以外の区では平均5,000~7,000万円程度と、都内でもエリアごとに中古マンションの平均価格はかなり変わってきます。
東京23区内で格安中古マンションが多いおすすめエリア
東京都港区の中古マンションリノベーション事例を見る:Case199「LIKE A HOTEL」
東京23区内で、2024年4~6月の2LDKマンションの平均成約価格を調べ、価格が安い順にランキングしてみました。
2024第二四半期(4~6月)2LDKマンションの平均成約価格ランキング(安い順)
順位 | エリア | 成約平均価格 |
---|---|---|
1位 | 葛飾区 | 3,044万7,368円 |
2位 | 足立区 | 3,149万2,857円 |
3位 | 江戸川区 | 3,952万1,739円 |
4位 | 板橋区 | 3,998万2,352円 |
5位 | 練馬区 | 4,768万851円 |
6位 | 大田区 | 4,976万5,625円 |
7位 | 北区 | 5,277万5,000円 |
8位 | 墨田区 | 5,295万9,183円 |
9位 | 荒川区 | 5,596万2,962円 |
10位 | 杉並区 | 5,817万3,913円 |
11位 | 台東区 | 6,150万円 |
12位 | 中野区 | 6,593万7,500円 |
13位 | 豊島区 | 7,035万2,272円 |
14位 | 世田谷区 | 7,250万9,615円 |
15位 | 江東区 | 7,895万354円 |
16位 | 文京区 | 8,397万588円 |
17位 | 品川区 | 8,952万円 |
18位 | 目黒区 | 9,013万7,254円 |
19位 | 新宿区 | 9,522万9,729円 |
20位 | 中央区 | 1億1,038万4,615円 |
21位 | 渋谷区 | 1億3,930万3,571円 |
22位 | 千代田区 | 1億4,657万1,428円 |
23位 | 港区 | 1億6,851万7,241円 |
(出典)国土交通省|不動産情報ライブラリより弊社作成
上記の区ごとの平均価格を見ると、葛飾区、足立区、江戸川区、板橋区、練馬区、大田区の6区は、2LDKの平均価格が5,000万円以下で、格安の中古マンションが比較的見つかりやすいエリアと言えます。
また、杉並区や世田谷区など交通利便性や住みやすい住環境で人気の高いエリアも、6,000~7,000万円台が相場で、条件次第では平均価格以下の格安マンションも販売されています。
希望エリアで予算にある中古マンションがないという場合でも、少し検索範囲を広げるだけで、タイミング次第では予算に合う物件が売りに出されている可能性があります。
中古マンションを購入するエリアは、価格相場だけでなく、交通事情や生活利便性などの住みやすさ、将来性もチェックしながら総合的に判断していきましょう。
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②物件条件(築年数など)で絞り込む
中古マンションは、一般的に築年数が古いほど価格が安くなる傾向があります。
また、リノベーション済みのマンションは改装費用が上乗せされているため、同じ立地や床面積の物件なら、未リノベーションの方が価格を抑えられます。
未リノベーション物件なら、物件購入費用を抑えつつ、自分好みの内装デザインや間取りにリノベーションすることも可能。
希望の立地で自由度の高い家づくりをしたい方は、フルリノベーション前提で中古マンションを探すのもおすすめですよ。
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③居住中や現状有姿渡しの物件を狙う
売主が居住中や、現状有姿渡しの中古住宅は、相場よりも安く売りに出されるケースや、多少の値引き交渉に応じてくれる可能性があります。
- ・次の家の購入資金に充てるためできるだけ早く売却したい
- ・転勤などの理由ですぐに売ってしまいたい
上記のような理由で売主が仮住まいを利用せず、早期に売却して新居に引っ越したいという場合、格安で売り出されるケースがあります。
売主の売却理由によっては、思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
ただし、居住中や現状有姿渡しの物件は、退去後に内見では分からなかった汚れや不具合が見つかるケースも多いため、フルリノベーションを前提にすることをおすすめします。
フルリノベーションを計画しているなら、中古住宅の見学時にリノベーション会社のスタッフに同行してもらうのがベスト。
「物件の状態はどうか」や「リノベーション向けの物件かどうか」などを客観的に判断してくれます。
SHUKEN Reでは、東京都内、千葉、神奈川で、条件に合った中古マンション探しから、フルリノベーションまでをワンストップでお手伝いしています。
「中古マンションを買いたいが、どんな物件を選べばいいか分からない」「新築や賃貸マンションと迷っている」という方は、お気軽にご相談ください。
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■相場よりも格安な中古マンションを検討する際のチェックポイント
東京都台東区の中古マンションリノベーション事例を見る:Case202「Like a one-room」
中古マンションの平均取引価格が1億円を超える都心3区内でも、2LDKで5,000~7,000万円前後で取引されている物件もあります。
周辺相場よりも格安な中古マンションが見つかれば、すぐに購入したいと思うかもしれません。
しかし、格安マンションは「なぜ安いのか」理由をしっかりチェックすることが重要です。
特に、建物の状態や管理状況などをしっかりチェックせずに購入してしまうと、後々大きな後悔につながりかねません。
中古マンションを比較検討する際は、以下のポイントをチェックすることで防げますので参考にしてください。
①マンションの構造
格安のマンションは築年数が古いことも多いため、特に構造に関する部分はしっかりチェックする必要があります。
〈主なチェックポイント〉
耐震性 |
|
床スラブや戸境壁の厚さ | 床スラブの厚さは200mm以上、戸境壁がコンクリートの場合の厚さは180~200mm以上が望ましい |
床・天井 | 二重床構造になっているか(床下や天井裏の空間を活用でき、配管設備のメンテナンスがしやすい) |
屋外の状態 | 外壁や屋上、バルコニー手すり、屋外階段などはメンテナンスされているか |
②配管や電気設備の状態
マンションの給排水管の更新の目安は約20~25年です。
共用部分・専有部分の給排水管の交換履歴を調べ、必要な場合は専有部分の配管や給湯器などの交換も検討しましょう。
〈主なチェックポイント〉
給水設備 | 蛇口からの水は赤水などの異常がないか |
排水設備 | 流れにくくないか、排水時に異音やニオイがないか |
給湯設備 | 給湯器の容量は十分か |
電気設備 | 電気容量は十分か、契約容量をアップできるか(ファミリータイプなら40A~50A以上が望ましい) |
換気・排気設備 | レンジフードやトイレの換気扇の性能は十分か |
③内装の状態
東京都世田谷区の中古マンションリノベーション事例を見る:Case198「Easygoing」
中古マンションの内装状態によって、必要なリフォームの種類や費用が変わってきます。
壁紙やフローリング、水回り設備などの状態をチェックし、活かせるものはそのまま使うことでトータルコストを抑えられます。
また、間取りについても、水回りの移動など大掛かりな変更が少ない方がリノベーション費用を抑えられ、効率的に理想の家づくりができます。
〈主なチェックポイント〉
リフォーム履歴 | 壁紙やフローリング、水回り設備などの交換履歴 |
間取りや内装材変更の自由度 | 間取り図や管理規約、使用細則をチェック |
床の遮音等級 | LL-45以上が望ましい |
壁・天井 | 雨漏りや水染み、結露などの有無 |
エアコン | エアコンを設置できない部屋はあるか |
④マンションの立地・周辺環境
マンションの立地や周辺環境も、住みやすさや資産価値に大きく影響します。
格安物件は周辺環境が理由となっている可能性もあるため、以下のようなポイントを必ずチェックしましょう。
〈主なチェックポイント〉
災害リスク | 各ハザードマップの該当エリア(要注意エリア)ではないか |
将来性・開発状況 | 居住誘導区域かどうか(区域外の場合、将来的に利便性が下がる可能性も) |
交通量や騒音、治安など | 曜日・時間帯を変えて周辺環境をチェック |
生活利便性 | 駅・買い物施設、病院、銀行などへの距離やアクセスの確認 |
子育て環境 | 学校、公園や子どもの遊び場所、避難場所などが近くにあるか |
嫌悪施設の有無 | 葬儀場、火葬場、墓地、化学工場、刑務所、ごみ処理場などが近くにないか |
⑤管理状況・住人のマナー
築年数が古いマンションでも、管理が行き届いており住人のマナーが良い物件であれば、安心して住み続けられます。
エントランスや駐輪場、ゴミ置き場など共有部分の状態も、物件の比較材料になりますのでチェックしてみましょう。
〈主なチェックポイント〉
管理方法 | 自主管理・委託管理(具体的な管理内容を確認) |
管理人の体制 | 常駐・日勤・巡回など |
日常的な管理 | エントランスや階段などはきれいに掃除されているか |
掲示板 | マナーや連絡事項などの周知がされているか、古い掲示物が貼りっぱなしになっていないか |
駐輪場・駐車場 | 整理、清掃されているか、空きはありそうか |
集合郵便受けやゴミ置き場 | 劣化していないか、チラシやゴミが散乱していないか |
防犯面 | オートロック・監視カメラの有無、バルコニーなどへの侵入対策はあるか、玄関ドアの防犯性など |
⑥長期修繕計画や建て替え予定について
長期修繕計画をチェックすることで、そのマンションが適切に管理されているかが分かります。
また、建て替え予定があるマンションは比較的リーズナブルなケースが大半です。
ただし、建て替えによって資産価値が大幅に向上する可能性がある一方で、区分所有者に追加負担金がかかる場合もあるため必ず確認しましょう。
〈主なチェックポイント〉
長期修繕計画 | 長期修繕計画があるか、過去の大修繕履歴の内容(10~15年に一度計画や履歴があるのが望ましい) |
修繕積立金・管理費 | 修繕積立金の積立状況、計画外の管理費の値上げや一時金の徴収などはないか |
建て替え予定 | 建て替え予定のあるマンションは追加負担金がかかることがある |
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⑦管理規約・使用細則について
管理規約や使用細則にはリフォームに関するルールやペットOKの物件かどうかも定められていますので、不動産会社に依頼して確認しましょう。
〈主なチェックポイント〉
管理組合の運営状況 | 会計トラブルや組合員同士のトラブルなどはないか |
管理規約 | 店舗・事務所使用やペット飼育が可能か、リフォーム・リノベーションの際の規制はあるか(フローリング変更や水回りの移動など) |
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⑧旧耐震物件のチェックポイント
東京都の築43年中古マンションリノベーション事例を見る:Case168「Paws」
旧耐震基準(1981(昭和56)年5月31日以前に建築確認)のマンションは、担保評価額が低くなるため、住宅ローン審査に通らなかったり、融資額が減額されたりしやすい傾向があります。
旧耐震物件でも「耐震基準適合証明書」があれば住宅ローンが利用可能な金融機関もありますが、証明書が取得できないと資金計画に影響が出る可能性も。
他にも、旧耐震物件は住宅ローン控除や、不動産取得税などの優遇制度が利用できない可能性もあります。
旧耐震の格安中古マンションは、ローンや税金面でのデメリットもある点も踏まえた上で購入を検討しましょう。
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■まとめ
東京で格安の中古マンションを見つけるなら、価格相場が安めのエリアや築年数、リノベーション済みかどうかなどの条件で絞り込むことで効率的に探せます。
エリアの価格相場よりもリーズナブルな格安中古マンションは、構造や設備、内装などの状態はもちろん、立地や管理状況なども踏まえた上で納得できるかという視点で検討することがポイントです。
耐震・断熱・配管等の状態が悪い中古マンションの場合、改修に必要な費用が増加しますので、物件購入費とリノベーション費用のトータルコストを踏まえた物件選びが重要です。
物件の選択肢が豊富な東京で中古マンションを購入するなら、希望の住まいを実現するリノベーションが可能かどうかを判断してくれる専門家に相談しながら探すのがおすすめです。
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