公開日:2025-01-05 更新日:2025-07-01
中古マンションが高すぎる?東京都の中古マンション価格推移と今後の見通しについて考察

ここ数年で、港区などの都心部で1億円超えの中古マンションが販売されるなど、中古マンション価格の高騰に関するニュースを目にするようになりました。
都心部は好立地の中古マンションが多いこともあり、築年数が古くても価格が高騰するケースも見られます。
このような状況下で、「都内の中古マンションは高すぎて手が出せない」と感じている方もいるかもしれません。
しかし、23区内でもエリアごとに中古マンションの価格傾向にはばらつきがあり、タイミング次第では予算や条件に合った狙い目物件が見つかることもあります。
このコラムでは、東京都の中古マンションの価格推移と今後の見通しをデータにもとづき解説します。
都内の中古マンション価格が高水準で推移している理由と今後の見通しや買い時についてもまとめていますので参考にしてください。
・2026年7月の東京都の中古マンション平均成約価格は7,004万円(前年同月比プラス2.2%)。首都圏全体が前年割れに転じるなかでも、東京都は上昇を維持しています。
・特に東京都区部(23区)は平均成約価格7,757万円、成約㎡単価は135.77万円で75か月連続の上昇。これが「都内の中古マンションが高すぎる」と言われる直接の要因です。
・一方で、在庫件数は5か月連続で増加し、成約件数は減少しています。売り手の希望価格と成約価格の差が開いており、価格交渉の余地が生まれやすい局面に入りつつあります。
目次
■東京都の中古マンション価格推移

東京都の中古マンションリノベーション事例を見る:Case202「Like a one-room」
初めに、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の最新の中古マンション価格がどのように推移しているかを見てみましょう。
首都圏における中古マンション成約価格は5,267万円で、前年同月比マイナス0.7%と3か月連続で下落しています。
成約件数も3,638件(前年同月比マイナス8.6%)と4か月連続で減少しました。
一方、売り出し中の物件価格は上がり続けています。新規登録価格は6,834万円(前年同月比プラス20.5%)で27か月連続の上昇、在庫価格も6,866万円(同プラス29.0%)と高止まりしています。
さらに在庫件数は47,151件(同プラス5.5%)と5か月連続で増加しました。
つまり、「売り手の希望価格は上がり続けているが、実際に成約する価格は頭打ちになり、売れ残りが積み上がっている」というのが直近の首都圏市場です。
(出典)公益財団法人東日本不動産流通機構|月例速報マーケットウオッチ・サマリーレポート2026年7月度
首都圏全体では2026年に入って価格の伸びが止まり、直近は前年割れの月が続いています。
ただし、これを「東京都の中古マンションも安くなった」と読むのは早計です。
同じ2026年7月のデータを東京都だけで見ると、平均成約価格は7,004万円で前年同月比プラス2.2%、成約㎡単価も121.08万円で同プラス1.2%と、いずれも上昇を維持しています。
・東京都全体 7,004万円(前年同月比プラス2.2%)
・東京都区部(23区) 7,757万円(同プラス3.4%)
・東京都多摩 3,795万円(同プラス11.8%)
・神奈川県 3,892万円(同マイナス1.7%)
・千葉県 2,947万円(同マイナス0.3%)
首都圏平均の下落は、都心の高額物件の成約が細ったことによる影響が大きく、東京都区部の水準そのものが下がったわけではありません。
「都内は依然として高い、ただし上昇のスピードは鈍っている」というのが2026年8月時点の実像です。
東京都内でも狙い目中古マンションはある?
東京都区部(23区)の平均成約価格は7,757万円で、都心部ではこれを大きく上回る水準です。
ただし、同じ2026年7月のデータでも、東京都多摩は3,795万円、神奈川県は3,892万円、千葉県は2,947万円と、区部との差は倍近くあります。
つまり「東京の中古マンションが高すぎる」と感じる場合、選択肢は次の2段階で考えられます。
・まず予算を優先する場合 東京都多摩、神奈川県、千葉県まで範囲を広げると、平均で3,000万円台の物件が現実的な検討対象になります。物件価格を抑えた分をリノベーション費用に回せるため、内装や間取りの自由度は高くなります。
・立地を優先する場合 23区内でも、築年数の経過した物件は平均より価格が抑えられます。管理状態や修繕積立金の積立状況を確認したうえで選べば、好立地を確保しながら予算内に収めることも可能です。
なお、23区内のどのエリアが予算と条件に合うかは、以下のコラムでエリア別に整理しています。
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築年数が経過していても、状態や管理状況の良い狙い目物件を選んでリノベーションすれば、好きなデザイン・間取りで、新築のようなきれいな住まいを手に入れることもできます。
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■東京都の中古マンション価格が高騰している理由

東京都の中古マンションリノベーション事例を見る:Case201「Living neatly」
エリアによって多少のばらつきはあるものの、東京都の中古マンション価格は全体的に上昇傾向が続いています。
なぜ価格高騰が続いているのか、主な理由は以下の3点です。
新築マンションの供給数減少
新築マンションの供給戸数は、首都圏で減少が続いています。不動産経済研究所の調査によると、2026年上半期(1〜6月)の首都圏の新築分譲マンション発売戸数は7,989戸で、上半期としては5年連続の減少となりました。
2025年の年間発売戸数も21,962戸(前年比4.5%減)と、1973年以降で最少を更新しています。
同時に価格も上昇しています。2026年上半期の首都圏平均価格は1億135万円と、半期ベースで初めて1億円台に乗りました。円安や資材費・人件費の上昇が背景にあります。
(参考)不動産経済研究所|首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年上半期(1〜6月)
そのため、高額で供給数が少ない新築マンションよりも、リーズナブルで供給数が豊富な中古マンションを選ぶという人も増えています。
新築マンションの供給減少に伴い中古マンションの需要が高くなることによって、価格も高騰していくと考えられます。
円安による海外投資需要の増加
近年、日本では大幅な円安傾向が続いています。
円安によって海外からの不動産投資需要が増えていることも、マンション価格高騰の一因になっています。
住宅ローン金利
住宅ローンの変動金利は、2010年代を通じて年利1%を切る水準が続き、2022年前後には0.5%を切る商品も一般的でした。
この長期の低金利が、住宅取得のハードルを下げ、マンション需要を押し上げてきた背景にあります。
ただし、この前提はすでに変わっています。
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的な利上げを続け、2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度へ引き上げました。
2026年7月31日の会合ではこの水準が据え置かれています。これに伴い変動金利の基準金利も順次引き上げられており、「0.5%を切る超低金利」はすでに過去の水準となりました。
(参考)日本銀行|金融市場調節方針の変更について(2026年6月16日)
過去に金利が低い期間が長く続いたことで住宅ローンが利用しやすくなり、マンションの需要が全体的に増えたことに伴って、中古マンションの価格も上昇してきたと言えるでしょう。
■中古マンションの価格高騰はいつまで続く?今後の見通しを予測する材料

東京都の中古マンションリノベーション事例を見る:Case199「LIKE A HOTEL」
現在の中古マンション価格は上昇傾向ですが、不動産価格は世界情勢や国内の景気、需要と供給のバランスなどさまざまな要素の影響を受けて変動します。
したがって、今後価格が下がる可能性もゼロではありません。
中古マンションなどの不動産価格に影響を与える要素は主に以下の2つが考えられます。
- ①為替市場(円安・円高)による影響
- ②金利上昇による影響
それぞれの要素について今後の見通しと、価格上昇局面で買い時を見極める方法についてまとめます。
①為替市場(円安・円高)による影響
外国為替市場では円安基調が長く続いており、海外からの不動産投資需要を押し上げる要因になっています。
円安局面では、ドルなど外貨建てで見た日本の不動産が割安に映るためです。
逆に、今後円高方面に傾けば、マンション価格が下がる可能性があります。
しかし、為替相場は国内の政治や経済だけでなく世界情勢にも影響を受けるため、予想は難しく、今後円高に傾くのか、円安が進むのかは誰にも分かりません。
ただし、円安または円高になりやすい条件を知っておくことで、サインが出た後の為替相場の動きをある程度予測することは可能です。
〈円安終了の条件とは?〉
現在の円安が終了し、円高に傾く可能性が高い条件は以下の2つです。
- ①米国の物価上昇率が落ち着く、景気が減速する
- ②政府・日銀による為替介入が行われる
「①米国の物価上昇率が落ち着く、景気が減速する」については、IMFが年2回公表する「世界経済見通し(World Economic Outlook)」で、米国の経済成長率とインフレ率の予測値がどう改定されたかが判断材料になります。
成長率が下方改定され、インフレ率の低下が見込まれる局面では、米国の利下げ観測から日米金利差が縮まり、円高方向に振れやすくなります。
逆に、成長率が上方改定される局面では、円安圧力が続きやすいと考えられます。最新の改定内容は、日本貿易振興機構(ジェトロ)のビジネス短信などで確認できます。
(参考)独立行政法人日本貿易振興機構|IMFの経済見通し、米国の成長率は上振れも、関税引き上げなどに伴う下方リスクを警戒
「②政府・日銀による為替介入が行われる」については、実際に近年、急激な円安局面で円買い介入が繰り返し実施されています。
財務省の公表によれば、2026年4月から6月にかけての外国為替平衡操作額は11兆7,349億円で、円買い介入としては過去最大規模となりました。
ただし、介入による円高は一時的にとどまることが多く、中古マンション価格への影響も限定的と考えられます。
実施状況は財務省が月次・四半期で公表しているほか、日銀の金融政策決定会合の決定内容とあわせて確認しておくとよいでしょう。
②金利上昇による影響
低金利で住宅ローンが利用しやすい状況下では、不動産需要が高まるため中古マンション価格は値上がりする傾向にあります。
逆に、金利が上昇すると住宅ローンが利用しにくくなるため不動産需要が低下し、中古マンション価格も下がると予想されます。
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、以降は段階的な利上げを継続しています。
2026年6月には政策金利を1.0%程度へ引き上げ、2026年7月31日の会合では同水準を維持しました。これを受けて、住宅ローンの変動金利は基準金利の引き上げが金融機関ごとに順次進んでいます。
金利の上昇は、借入可能額と月々の返済額の両面から買い手の予算を圧迫します。
実際に、首都圏の中古マンションは2026年5月以降、成約価格が前年同月を下回る月が続いており、これまでのような価格上昇の勢いは弱まっています。
一方で東京都は前年同月比プラスを維持しており、影響の出方はエリアによって差があります。
今後さらに追加利上げが実施されるかどうかは、賃金や物価、海外経済などの状況に左右されます。日銀の金融政策決定会合の公表内容を確認しておくと、金利前提の見直しが必要なタイミングを早めに把握できます。
■価格上昇局面で中古マンションの買い時は?

東京都の中古マンションリノベーション事例を見る:Case198「Easygoing」
中古マンションの価格が今後も上がり続けるかどうかは、国内の景気状況や社会情勢など、さまざまな要素が関係してくるため、誰にも正確な答えは分かりません。
金利や経済状況などを踏まえつつも、自分にとっての買い時を逃さないことが、後悔を防ぐために重要と言えます。
自分にとっての中古マンションの買い時とはズバリ、予算や暮らしの希望など、さまざまな条件に合った物件が見つかった時です。
あらかじめ物件に求める条件や資金計画をしっかり検討しておくことで、良い物件に出会えた際に、スピーディに意思決定し動くことができます。
住宅ローンの借り方や借入金額などは、金利や景気の動向を踏まえながらも、収入や借入額、返済期間などご自身で予測しやすい部分を重視して判断することをおすすめします。
SHUKEN Reでは、まだ市場に出回っていない未公開物件を含め、リノベーション向きの優良物件探しからサポートしています。
■まとめ
2026年7月時点で、首都圏の中古マンション成約価格は5,267万円(前年同月比マイナス0.7%)と3か月連続で下落しました。
一方、新規登録価格は6,834万円(同プラス20.5%)、在庫件数は47,151件(同プラス5.5%)と、売り出し価格と在庫は増え続けています。
そのなかで東京都区部(23区)の平均成約価格は7,757万円(同プラス3.4%)と上昇を維持しており、これが「都内の中古マンションが高すぎる」と言われる要因になっています。
ただし、同じ東京都でも多摩は3,795万円、神奈川県は3,892万円、千葉県は2,947万円と水準は大きく異なります。
エリアを広げる、築年数の条件を緩める、リノベーション前提で物件を選ぶといった方法で、予算内に収める選択肢は残されています。
現在のような中古マンションの価格が上昇傾向にある局面では、金利や経済状況などを踏まえつつも、自分にとっての買い時を逃さないことが重要です。
あらかじめ物件に求める条件や資金計画をしっかり検討しておくことで、良い物件に出会えた際に、スピーディに意思決定し動くことができます。
SHUKEN Reでは、予算や暮らしの希望に合った物件探しや、一人ひとりに合わせた資金計画をサポートします。
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