公開日:2024-10-25  更新日:2024-10-29

マンションでできる断熱リフォームの内容と費用相場|工事前に確認すべきポイントと補助金制度の種類

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マンションで可能なリフォーム・リノベーションの範囲や条件を解説

 

断熱リフォームでは、壁や床、窓などの性能を高めることで、年中一定の室温が保てる快適な暮らしが実現します。

 

マンションでできる断熱リフォームには、いくつかの種類があり、どこの工事を優先すべきか、またどれくらいの費用がかかるのかなど、気になる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、マンションの断熱リフォームの方法や工事内容別の相場をはじめ、事前に押さえておきたい注意ポイントを解説します。

 

断熱リフォームに使える補助金制度も紹介しますので、ぜひ予算決めの参考にしてみてください♪

 

この記事のポイント

・マンションの断熱リフォームは、壁・床・窓の断熱性能を向上させる改修工事です。
・断熱リフォームの費用は工事箇所により異なるため、予算に合わせて優先順位を付けるがおすすめです。
・マンションの断熱リフォームは、事前に管理規約を確認しておくことが大切です。また補助金制度を活用することで、より快適に工事が進められます。

 

 

■マンションの断熱リフォームの工事方法

 

マンションの断熱リフォームに必要な工事内容

マンションのリノベーション事例を見る:Case196「Partnership」

 

マンションの断熱リフォームでは、快適な室内環境が保たれるよう、主に壁や床の断熱材や窓・ドアの性能を高めるための改修工事が行われます。

 

断熱性の高い住まいは、ご家族の健康や経済、住宅の寿命を守るために欠かせないポイントです。

 

 

①壁や床の断熱性能を高める

 

マンションの壁や床の断熱性能を高めるためには、断熱材の設置が効果的です。

 

「外断熱」が効果的な戸建てとは違い、マンションの場合は外側から住人の希望で工事ができないため、壁の内側に発泡ウレタンやグラスウールなどの断熱材を入れる「内断熱」となります。

 

まずは、マンションの壁の断熱リフォームで採用される代表的な施工方法を見てみましょう。

 

乾式断熱リフォーム:

発泡スチロール状の断熱板を下地に合わせてはめ込む施工法です。

壁の凹凸や入り組んだ箇所がある場合は、すき間ができやすいため、断熱材を二重に使用することもあります。

マンションの階層を問わず使用できるのがポイントです。

 

湿式断熱リフォーム:

泡状の断熱材を下地に吹きつける施工法で、壁の凹凸や入り組んだ部分にも入り込むため、すき間ができにくいのが特徴です。

大型のコンプレッサーからホースを通して、泡の断熱材を圧送するため、トラックを止める場所がないマンションの部屋や上層階では使用できない可能性があります。

 

床の断熱リフォームでは、冬場の底冷えを防ぐために、床下に断熱材を敷く方法や断熱効果のあるフローリング材を採用するのが一般的です。

 

室内側の床を取り外して改修するため、断熱リフォームと同時にフローリング材の交換や、床暖房の設置などができるのもポイントです。

 

施工前には、壁や床の構造、配管・配線の確認が必要な点にも注意しておきましょう。

 

 

②窓やドアの断熱性能を高める

 

窓やドアは、熱の出入りが大きな部分です。

 

そのため、断熱性能の高い窓やドアを採用することで、空調管理のしやすい快適な環境づくりはもちろん、結露によるカビやダニの発生も抑えられます。

 

また、断熱効果の高い窓やドアは、住まいの防音性を高める上でも有効です。

 

ただし、マンションの窓(外窓)やドアは「共用部分」にあたるため、事前に断熱リフォームできる範囲や規定を管理規約で確認しておく必要があります。

 

窓のガラス交換:

1枚ガラスから空気層のある複層ガラスやトリプルガラスに交換することで室内の断熱効果が高まり、結露防止や防音性向上にもつながります。

外からの直射日光をカットするコーティング加工が施されたガラスでは、夏の暑さやまぶしさも抑えられます。

 

サッシ交換:

窓ガラスだけでなくサッシからも熱が出入りするため、特に築古マンションのアルミ製サッシから、熱が伝わりにくい樹脂製サッシに交換するのもおすすめです。

マンションの場合、管理組合の許可が得られない限り、サッシ交換は原則できません。

内窓設置は可能なケースが多いので、詳しくは管理組合に相談しましょう。

 

内窓設置:

既存の窓やサッシを残したまま、新たに窓を内側に設置する方法です。

窓が二重になるため、断熱性や防音性が高まり、結露対策や省エネ・節電効果にも貢献します。

簡単な工事で完了するため、施工時間やコストも抑えられるのが魅力ですが、開閉や掃除の手間がかかるのが気になる場合には検討が必要です。

 

ドア交換:

築古マンションでは、ドアの劣化による開閉の不具合や気密性・断熱性の低下が問題になるケースがあります。

しかし、マンションでは玄関ドアの交換も原則できないため、玄関の寒さが気になる場合は、室内ドアなどの設置を検討するのがおすすめです。

 

マンションの場合、原則区分所有者である個人が外窓のガラスやサッシ、玄関ドアを交換することはできません。

 

管理規約によってはこの限りではないため、詳しくは管理組合に相談するのがおすすめです。

 

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■マンションの断熱リフォームに必要な費用の目安

 

マンションの断熱リフォームにかかる費用の相場

マンションのリノベーション事例を見る:Case189「Make Dramatic」

 

マンションをリノベーションする際に、断熱性向上をお考えなら、各工事の費用や性能を知った上で、優先度の高い順に断熱リフォームの種類を選ぶことが大切です。

 

 

壁や床の断熱リフォームの相場

 

壁や床の断熱リフォームでは、使用する断熱材の種類や施工範囲によって費用が大幅に異なります。

 

一般的には、1㎡あたり数千円から3万円程度が相場ですが、グラスウールやウレタンフォーム、吹き付け発泡ウレタンなど、高性能な素材ほどコストがかかります。

 

【壁内や床下に断熱材を充填した場合の相場】

  • ・グラスウール: 1,000円~3,000円/㎡
  • ・ウレタンフォーム: 1,000円~4,000円/㎡
  • ・吹き付け発泡ウレタン: 4,000円~6,000円/㎡

 

別途、付帯工事や内装仕上げが必要なため、実際にかかる費用は上記よりも高めに見積っておく必要があります。

 

 

窓の断熱リフォームの相場

 

窓(内窓)設置による断熱リフォームの費用は、窓の性能やサイズによって変動しますが、1か所あたり5万円~20万円程度が相場です。

 

内窓の場合、工事も比較的短時間で済み、冷暖房効率も高まるためランニングコストの節約にもつながります。

 

【マンションの内窓設置費用1か所あたりの目安】

  • ・小窓(幅780mm×高さ970mm): 2枚建て→3万円程度
  • ・腰高窓(幅1,690mm×高さ1,170mm): 2枚建て→4万円~6万円程度
  • ・掃き出し窓(幅1,690mm×高さ1,830mm~2,030mm): 2枚建て→7万円~9万円程度
  • ・掃き出し窓(幅1,690mm×高さ1,830mm~2,030mm): 4枚建て→14万円~18万円程度

 

〈関連コラム〉

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■マンションの断熱リフォームで知っておくべき注意ポイント

 

マンションの断熱リフォームの際に押さえておくべきポイント

 

次に、マンションリノベーションで断熱改修する場合の注意ポイントを紹介します。

 

 

マンションの管理規約を確認する

 

マンションで断熱リフォームをお考えの場合は、まずは管理規約で「共有部分」に関する制約内容を確認しておきましょう。

 

特に、窓やドアなど区分所有者個人の判断でリフォームできない部分があれば、リノベーション全体の性能やデザインに不具合が生じる可能性もあるため注意が必要です。

 

窓やドア交換を含むリノベーションをご希望の場合は、事前に管理組合へ工事内容を申請し、断熱リフォームの許可を得ておきましょう。

 

 

断熱リフォームの範囲を検討する

 

マンションの断熱リフォームでは、どの部分の性能を優先的に改善させるべきかを検討しましょう。

 

リノベーションの完成度を高めるためには、全ての部分の断熱改修が理想的ですが、予算や管理規約によっては、効果の出やすいエリアを優先して計画するのも大切です。

 

特に、壁や窓のように熱が逃げやすい部分を重点的にリフォームすることで、断熱効果の高い住まいが実現しやすくなります。

 

 

部屋の位置による断熱性能の違い

 

マンションの部屋の位置によっても、断熱改修の必要性やリフォームによる効果が違ってきます。

 

例えば、角部屋の窓や最上階の天井などは、外気の影響が大きいため、断熱リフォームを優先する場所として望ましいです。

一方、中間階の部屋は上下に熱の逃げ場が少なく、リフォームの優先度は低い可能性があります。

 

 

結露の仕組み・対策方法を押さえる

 

断熱リフォームで室内の気密性を高める際には、結露の発生や湿気のこもりに注意が必要です。

 

特に、窓や壁周辺に発生しやすいカビを防止するためにも、断熱材の設置に合わせて、通気性のいい空間づくりや防結露シートの設置を意識しましょう。

 

 

利用できる補助金制度をチェック

 

マンションの断熱リフォームでは、国や自治体の補助金制度が活用できる場合があります。

 

あらかじめ補助金制度の要件や申請手続きについて確認しておくことで、リノベーション資金の確保やスケジュール管理がしやすくなります。

 

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■マンションの断熱リフォームで使える補助金制度

 

マンションの断熱リフォームで活用できる補助金制度

マンションのリノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」

 

最後に、マンションの断熱リフォームで利用できる補助金制度について解説します。

 

 

先進的窓リノベ2024事業

 

先進的窓リノベ2024事業」は、窓の断熱性能向上に対するリフォーム費用の支援制度です。

 

マンションの中で最も熱が逃げやすい窓のリノベーション費用に対する補助金で、内窓設置の場合も、窓の性能やサイズによって補助額が異なります。

 

応募数が上限に達すれば早期打ち切りの可能性があるため、申請予定がある場合は早めの準備が大切です。

 

 

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

 

既存住宅の断熱リフォーム支援事業」は、断熱材・窓・ガラスを用いた「トータル断熱」や窓を用いた「居間だけ断熱」の2種類の断熱リフォームで利用できる支援事業です。

 

既存住宅の省エネ化や低炭素化を促進するために、高性能建材を用いた断熱改修をする場合に、支援が受けられるため、工事費用を効率的に抑えながら快適な住まいづくりを目指せます。

 

 

 

 

■まとめ:マンションの住み心地を高める快適な断熱リフォーム

 

マンションの断熱リフォームは、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境を実現させるためのリノベーションに欠かせない工事内容です。

 

また、住まいの断熱性を高めることで、ランニングコストの削減にもつながります。

 

中古マンションの購入やリノベーションをお考えの際には、条件に合う補助金制度を最大限に活かしながら、計画的なプランニングを進めていきましょう。

 

SHUKEN Reでは、リノベーションに関する幅広い知識を持つスタッフが、補助金の活用も視野に入れた資金計画づくりで、快適な家づくりをサポートします。

 

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