公開日:2024-04-21 更新日:2024-07-04
【古いマンションのインテリア】築40年・50年超えのリノベーション実例で見るポイントと注意点
1970〜1990年に渡って続いたマンション建設ラッシュからおよそ30〜50年経ちますが、その時に建てられたマンションは今でも数多く残っています。
最近、古いマンションは“ヴィンテージマンション”と呼ばれ、首都圏を中心に人気が高まっています。
そこで、今回は古いマンションの魅力を活かしたインテリア事例や、物件購入・リノベーションのコツを紹介します。
コストを抑えて好立地に中古マンションを買いたい方や、自分好みにリノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。
・築50年程度の古いマンションでも、条件次第では“狙い目”の物件です。
・物件探しから資金計画、リノベーション、将来の売却相談までまかせられるワンストップリノベーションなら、トータル予算を踏まえたマイホーム計画を実現できます。
目次
■首都圏で売り出される中古マンションの平均築年数
古いマンションのインテリア事例を見る:Case62「LDKで過ごす“家族時間”」
近年、首都圏では中古マンションの市場が活発です。
2023年に新規で売り出された中古マンションの平均築年数は「29.41年」と、30年に迫っています。(参考:公益財団法人東日本不動産流通機構|レインズデータライブラリー)
国土交通省の調査によると、2022年末時点で築40年以上のマンションは約125.7万戸存在し、2032年にはその約2.1倍、2042年には約3.5倍にまで増加する見込みです。
内閣府の調べでは、2021年の総マンション戸数(約685.9万戸)のうち、約20%が築40年を超えています。
2021年時点で、築50年を超えるマンションが全国におよそ20万戸現存しているというデータもあるほどです。
一方、マンションの建て替え事例は、2013年までに全国で累計133棟しかありません。(参考:国土交通省|老朽化マンションの建替え等の現状について)
今後は中古マンション市場の物件築年数が、より一層上昇することが確実と言ってもいいでしょう。
なぜなら、マンションは立地条件の良いエリアから建設されていくからです。
そのため、人気の高いエリアに中古マンションを買いたい方は、築年数の条件を40年位まで広げると、一気に選択肢が広がります。
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■【価格・間取りが分かる】築40年超えの古いマンションをおしゃれなインテリアに甦らせたリノベ事例
SHUKEN Reは、1998年創業以来、20年以上に渡って8,000件を超えるリフォーム・リノベーションを手がけてきた実績があります。
その中には、築40年・50年を超える“古いマンション”も数多くありますので、その中からおしゃれなインテリアのリノベーション事例を紹介します。
【築36年・74㎡】
古いマンションのインテリア事例を見る:Case182「Cinematic」
工期 | 90日 |
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家族構成 | 夫婦 |
エリア | 千葉県松戸市 |
年代 | 30代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 36年 |
間取り | 2LDK + DEN + パントリー |
広さ | 74㎡ |
リノベーション費用 | 約1400万円 |
こちらは、ご希望のエリアでの物件探しからリノベーションまで、まとめてご相談いただいた事例です。
条件に合う中古マンションを探して出会ったのが、築36年の物件です。
奥様のお好みであるカラフルでポップな色使いと、ご主人のお好みであるアメリカンヴィンテージやインダストリアルなデザインを融合させました。
古いマンションのインテリア事例を見る:Case182「Cinematic」
人気のインダストリアルインテリアは、古いマンションと相性の良いデザインテイストです。
ラスティックに塗装した室内窓枠や棚板と白い壁の組み合わせは、まさにトレンドとご要望の両方を押さえたデザイン。
懐かしさのあるタイル仕上げのキッチンや、オリジナルで作った大きな室内窓など、どこを切り取ってもどこか懐かしさを感じるおしゃれな仕上がりです。
【築40年・75㎡】
古いマンションのインテリア事例を見る:Case175「Floating」
工期 | 70日 |
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家族構成 | 夫婦 |
エリア | 神奈川県 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 40年 |
間取り | 1LDK + WIC |
広さ | 75㎡ |
リノベーション費用 | 約1600万円 |
こちらのお客様は、敢えて築40年の物件を購入して費用を抑え、その分、自由にインテリアを変えたいとのご要望でした。
古いマンションでも「共用部の管理が行き届いている」「駅までの道が平坦」など、ご要望に合う物件を1年かけて探しました。
構造上、プランに制限はありましたが、プランニングスタッフとお客様で色々なアイデアを出し合い、2面採光の広々としたLDと会話を楽しめる開放的な対面キッチンを実現できました。
古いマンションのインテリア事例を見る:Case175「Floating」
築30年を超える古いマンションは、最近の工法と異なる方法で建てられているものも多く、新築マンションと同じような間取りが叶わないこともあります。
ただし、この事例のように、プランのブラッシュアップを重ねることで、当初の理想よりも魅力的なインテリアに仕上がる可能性もあるのです。
2人で並んで使える洗面室や、ゆったり靴を履ける広々とした玄関、廊下のない間取りなど、LDK以外にもお客様のご要望が詰まっています。
【築47年・40㎡】
古いマンションのインテリア事例を見る:Case135「快適ひとり暮らし」
工期 | 70日 |
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家族構成 | ご本人 |
エリア | 東京都品川区 |
年代 | 30代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 47年 |
間取り | 1LDK + SIC + ワークスペース |
広さ | 40㎡ |
リノベーション費用 | 約850万円 |
これまで賃貸物件に住み続けてきた方が、在宅勤務になったことをきっかけに、小さい頃からの憧れだったマイホームの購入を決断!
気軽に住み替えられる自由がなくなる代わりに、好みを100%叶えられる中古マンション探しからお手伝いさせていただきました。
「天井高は高く」「寝室はコンパクトでOK」「収納スペースは使いやすい場所に」というご要望を叶えるべく、新築マンションでは出会えないオリジナリティのある間取りに。
古いマンションは天井高の低い物件が多いですが、コンクリートの構造躯体を表しにすることで、高い天井を実現しました。
古いマンションのインテリア事例を見る:Case135「快適ひとり暮らし」
寝室・クローゼット・ワークスペースをミニマルにまとめ、その代わりに友人たちとおしゃべりしながら“立ち飲み”を楽しめるアイランドキッチンをLDKの中心に配置しました。
「仕事もプライベートも快適にしたい」シングル女性にぜひ参考にしていただきたい事例です。
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【築49年・55㎡】
古いマンションのインテリア事例を見る:Case177「Full Life」
工期 | 90日 |
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家族構成 | 夫婦+ワンちゃん2匹 |
エリア | 千葉県市川市 |
年代 | 50代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 49年 |
間取り | 1LDK+ワークスペース |
広さ | 55㎡ |
リノベーション費用 | 約1200万円 |
こちらは、築49年のマンションをフルリノベーションした事例です。
駅近の便利な立地のマンションに2匹のワンちゃんと暮らしていたお客様が、これまでの間取りでは狭苦しさを感じたため、リノベーションを決断されました。
壁付けの狭いキッチンは、向きを変えて使いやすくし、対面式の造作カウンターも設置して、配膳手間を省くことに成功!
オールステンレスのキッチンと白いサブウェイタイル、コンクリート表しの天井、ラスティックな木目のフローリング…この組み合わせはご主人のこだわりです。
古いマンションのインテリア事例を見る:Case177「Full Life」
以前は寝室として使っていたスペースが、間仕切り壁を取り払って広々としたリビングに。
一部の床を約1m上げて、ご主人のワークスペース+床下収納にするなど、限られた空間を余すことなくフル活用しています。
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【築51年・108㎡】
古いマンションのインテリア事例を見る:Case149「FLAT LIFE」
工期 | 80日 |
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家族構成 | ご夫婦 |
エリア | 東京都目黒区 |
年代 | 50代 |
物件種別 | マンションリノベーション |
築年数 | 51年 |
間取り | 3LDK + WIC + パントリー+ ワークスペース |
広さ | 108㎡ |
リノベーション費用 | 1900万円 |
こちらは、東京都目黒区という超人気エリアで中古マンション探しからリノベーションまで、まとめてお手伝いさせていただいた事例です。
これまでおよそ20年間、3階建て戸建て住宅で暮らしていたお客様ですが、フロアを上がり下がりする生活に負担を感じるようになったことをきっかけに、マンションへの住み替えを決められました。
物件購入が急であったこともあり、リノベーションのプランが固まらないまま計画をスタートさせましたが、海外のアパートをイメージしたビビットカラーのドアや大柄のアクセントクロスなど、お客様の理想が詰まっています。
古いマンションのインテリア事例を見る:Case149「FLAT LIFE」
構造上動かせない柱やパイプスペースなどをプランへうまく組み込み、築50年という古さを感じさせない高級感のあるスタイリッシュなお部屋に仕上がりました。
新築マンションでは得られない、ラグジュアリーで“好き”に囲まれた空間にしたい方は、ぜひ古いマンションも選択肢に入れてみてください。
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■古いマンションをリノベーションする時のポイント・注意点
古いマンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case161「BOOKSHELF」
立地の割にはリーズナブルでコスパのいい“古いマンション”ですが、インテリアをリノベーションする際には、気をつけなくてはいけない点がいくつかあります。
これから中古マンションを探す方だけではなく、今お住まいのマンションをリノベーションしたい方は、以下のポイントに注意してください。
スケルトンフルリノベーションするのが基本
比較的新しいマンションであれば、部分的なリノベーションでも良いでしょう。
ところが、既に30年を超えている古いマンションは、内装・水回りなど目に見える部分だけではなく、設備配管や電気配線など、見えない部分も寿命を迎えている場合がほとんどです。
そのため、古いマンションは既存部分を全て解体する「スケルトンフルリノベーション」が基本です。
断熱性が不十分な場合も
古いマンションをリノベーションする際にチェックすべきなのは、経年劣化による不具合だけではありません。
築30年を超えているマンションは断熱性が低い可能性もあるため、外壁に面した壁や、窓・玄関ドアの断熱リノベーションも検討しましょう。
せっかくインテリアをきれいにリノベーションしても、冬に窓が結露し、壁に水ジミが付いてしまう可能性があります。
間仕切り壁を撤去して開放的な空間に
古いマンションは、部屋が細かく分かれている間取りが多いので、おしゃれなインテリアにしたい方は、思い切って間仕切り壁を撤去するプランを検討しましょう。
コンパクトな2部屋を1部屋にするだけで、雰囲気は激変します。
ただし、専有部分内の間仕切り壁も構造体になっていて撤去できないマンションもあるので、注意してください。
白を基調とした明るいカラーコーディネイトがおすすめ
古いマンションリフォーム・リノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」
古いマンションは、最近建てられた新しいマンションよりも窓が小さい物件が多く、方角によっては室内が暗くなりがちです。
ヴィンテージインテリアやインダストリアルインテリアは、ダークブラウン・グレー・ブラックと相性の良いデザインですが、暗さが気になる場合は白を基調とした明るいカラーコーディネイトがおすすめです。
ホワイトをベースにして明るめの木目と組み合わせると、コンパクトな物件でも開放的に仕上がります。
既存部分を活かせるデザインでまとめる
マンションは、視界に入る全てを変えられる訳ではありません。
古くなった窓サッシや玄関ドアなどはそのままになるのが通常です。
また、1980〜1990年頃、いわゆる“バブル期”に建てられたマンションは、最近のマンションよりもハイグレードな内装材を使っている物件もあります。
そのため、「古いから」と一掃するのではなく、既存部分で活かせる部分はないか、探ってみるのも面白いです。
例えば、重厚な木製内装ドアを一度外して新たに付け直すこともできますし、既存の造作キッチンを改良して再び使えるようにすることもできます。
古いマンションのインテリアをリノベーションする際には、ぜひ、その部屋の“ポテンシャル”をフル活用できるデザインを検討してみてください。
そのためには、不動産知識と建築知識の両方を持った会社へ相談するのがおすすめです。
〈関連コラム〉
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古いマンションを購入・リノベーションする際の注意点は?意外なポイントを解説
▶︎古いマンションの購入からリノベーションまでのご相談はこちらから
■【古いマンションのフルリノベーション】費用目安はどのくらい?
古いマンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case128「ふたりで育てる「白い箱」」
マンションのフルリノベーションにかかる費用目安は「15〜20万円/㎡」です。
こちらを平均的な間取りと広さに当てはめると、以下の金額になります。
間取り |
平均的な面積 |
リノベーション価格相場
(平均物件価格との合計) |
1LDK | 30㎡ | 450〜600万円 |
2LDK | 55㎡ | 825〜1,100万円 |
3LDK | 70㎡ | 1,050〜1,400万円 |
築年数が30年を超える古いマンションは、上記費用に加えて、「断熱リノベーション」の費用もかかる可能性があります。
また、物件価格を抑える代わりにインテリアのデザインにとことんこだわりたい方も多いでしょう。
その場合は、上記費用目安に加えて、10〜20%の予備費を準備しておくと安心です。
物件探しの段階から、リノベーションのプランや見積もりを確認できるため、安心してマイホーム計画を進められます。
▶︎古いマンションの購入からリノベーションまでに関するご相談はこちらから
■「こんなヴィンテージマンションが狙い目」物件選びのチェックポイント
古いマンションのリフォーム・リノベーション事例を見る:Case168「Paws」
最後に、これから中古マンションを買う方へ、“狙い目”なヴィンテージマンションの条件を紹介します。
【“狙い目”ヴィンテージマンションのチェックポイント】
- ◻︎ 好立地で新築物件が少ないエリアに建っている(※1)
- ◻︎人気が高く新築マンションが高騰しているエリアに建っている(※1)
- ◻︎1981年以前に建てられている旧耐震基準マンションだが、既に耐震補強工事が完了している
- ◻︎大規模修繕工事の一環として、玄関ドアと窓が既に交換されている
- ◻︎大規模修繕工事の一環として、断熱改修工事されている
- ◻︎(広々としたインテリアにしたい場合は)ラーメン構造である(※2)
- ◻︎築40年以上でも、建て替え計画が持ち上がっていない(※3)
- ◻︎空室が少なく、管理費や修繕積立金の滞納がない(※4)
- ◻︎管理会社が短いサイクルで変わっていない(※5)
※1 この条件に当てはまる中古マンションは、古くても需要があり、売却する際のハードルが低く、資産の目減りを抑えられる可能性が高い。
※2 ラーメン構造とは、垂直方向の「柱」と、水平方向で柱をつなぐ「梁」によって建物荷重を支えている構造で、一方、壁で建物荷重を支える方法を「壁式構造」と呼び、間仕切り壁を撤去できない。
※3 築40年経ち共用部の劣化が激しいと、建て替え計画が持ち上がるが、逆に古くてもこれまで大規模修繕計画が定期的に実施されているマンションは、劣化が少ない。
※4 計画的に管理費・修繕積立金が徴収されているマンションは、今後も長期修繕計画に則ってきちんとメンテナンスされる可能性が高い。売主から「重要事項に関わる調査報告書」を取り寄せると、滞納額や残高、管理組合の借り入れ有無が分かる。
※5 同じ管理会社が長年安定して携わっているマンションは、住民との関係が良好かつ円滑であるところが多く、マンション管理に関する話し合いをきちんと行っている可能性が高い。
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■まとめ
古いマンションの人気が高まっている理由は、物件の購入価格を抑えて、その分、好きなようにインテリアをリノベーションできる点にあります。
スケルトンフルリノベーションすれば、またさらに何十年も住み続けられます。
ただし、その際には、注意しなくてはいけない点がありますし、これから物件を買う場合は、どんなマンションを選ぶかが重要です。
そのため、古いマンションのインテリアをリノベーションしたい方は、施工実績が豊富な会社へ相談しましょう。
購入前の方は、物件探しから資金計画、リノベーションまで、まとめて頼めるリノベーション会社がおすすめです。
SHUKEN Reのワンストップリノベーションは、経験豊富な各部門のプロが、理想のライフスタイルやご予算から逆算し、満足度の高い住まいづくりをご提供いたします。
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