公開日:2023-11-26  更新日:2024-07-04

マンション一棟買いの失敗リスクと対策!空室・災害・利回り・金利などをチェックしよう

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マンションの一棟買い

 

不動産投資で大きな収益を狙うなら、マンションやアパートの一棟買いは有力な選択肢。

 

しかし一棟投資は初期費用の高さや経営の難しさなどのデメリットもあり、区分買いと比べてハイリスクハイリターンなイメージもありますよね。

 

そこで今回は、マンション一棟買いで失敗につながりやすいリスクを1つずつ掘り下げ、対策とセットで詳しく解説します。

 

この記事のポイント
・空室率の上昇や賃料相場の低下の影響が大きいなど、マンション一棟買いのさまざまなリスクを把握しましょう。
・空室を想定した経営シミュレーション、修繕費用の予測など、事前の対策でリスクを軽減することができます

 

 

 

■マンション一棟買いの失敗リスク

 

まずは、マンション一棟買いのデメリットや失敗しやすいポイントを1つずつ把握していきましょう。

 

次の章で対策を解説するので、ここではどんなリスクがあるのか覚えておいてください。

 

 

空室発生による家賃減少リスクが大きい

 

一棟マンションの空室

 

マンション一棟買いで複数の部屋を経営する場合、空室が重なったときの家賃減少幅が大きく、失敗するリスクも高くなります。

 

戸数が多いので満室に近い状態では収益が大きいですが、退去のタイミングが重なると一気に家賃収入が減少してしまいます。

 

一棟買いは月々のローン返済や固定費の負担が大きいため、家賃収入が減ると一気にキャッシュフローが悪化し赤字状態に。

 

立地が悪い一棟マンションは空室が発生しやすく、思ったような収益が上がらないケースも多いようです。

 

 

賃料相場の影響が大きい

 

賃料相場が低下した一棟マンションの外観

 

どんな物件も築年数とともに賃料相場は下がっていきますが、一棟マンションの場合収入への影響も大きくなります。

 

仮に20戸のマンションを一棟買いした場合、数年後に一室あたり5,000円家賃を値引きすると毎月10万円も収入が減ってしまいます。

 

特に戸数が多いマンションほど、賃料相場下降によるリスクも大きくなります。

 

 

賃貸需要の変化に対応しにくい

 

一棟マンションのエリア選び

 

大手企業の移転や閉校など、地域全体の賃貸需要が大きく変化したときの対応が難しいのも、マンション一棟買いのリスクです。

 

区分マンションの場合、賃貸需要が減少するタイミングを見越して売却・買い替えなどの対策をするのが一般的。

 

しかし、一棟マンションは購入検討者が投資家に限定されるため流動性が低く、売却や買い替えの難易度は高いです。

 

区分マンションやワンルームマンションなら居住目的で売れる可能性もありますが、一棟マンションの場合は収益性を厳しくチェックされるため、需要が減少したエリアでは売却が難しくなります。

 

 

災害時の損害が大きい

 

一棟マンションの災害リスクイメージ

 

一棟マンションは災害発生時のリスクを分散できないのも、失敗しやすいポイントとして挙がることが多いです。

 

大地震や水害などの災害が発生すると、すべての部屋が影響を受けるため、一気に資産と家賃収入がゼロになってしまう可能性も考えられます。

 

区分マンションやアパートに分散投資すれば、一か所が被害を受けてもほかの部屋が無事ならカバーできます。

 

災害は予測できないため完全に防ぐのは難しく、一棟マンション経営で必ず考えるべきリスクと言えます。

 

 

収益性の判断が難しい

 

一棟マンションの収益性チェック

 

マンション一棟買いは、区分買いより収益性の判断が難しく、利益が上がらない物件を選んでしまって失敗するリスクも高いと言われます。

 

区分マンションは間取りや立地条件が似た物件を比較検討でき、家賃収入やランニングコストから経営の指標となる実質利回りも計算しやすいです。

 

一棟マンションは間取りの異なる複数の部屋が含まれるため、同じ条件の物件を比較検討するのは難しいです。

 

家賃収入やランニングコストの計算も複雑になり、正確な実質利回りを計算するのはかなり手間がかかります。

 

一区分マンションより戸数が増える分、考えるべき要素が多くなるため、不動産投資や経営のノウハウがないと収益性の判断はかなり難しいでしょう。

 

 

修繕費が大きな負担になる

 

一棟マンションの大規模修繕

 

マンション一棟買いでオーナーになると、建物全体の修繕費が大きな負担となり、キャッシュフローを圧迫して経営に失敗してしまうリスクもあります。

 

区分マンションは住民全体で修繕積立金を集めるため、大規模修繕でも一人あたりの負担はそれほど大きくありません。

 

しかし一棟マンションを賃貸経営する場合は、オーナー自身がまとめて修繕費を負担することになります。

 

外壁塗装など基本的なメンテナンスも、マンションの規模によっては数百万円単位となるため、一気に資金繰りが悪化するリスクが考えられます。

 

 

家賃滞納や住民トラブルのリスクが高い

 

一棟マンションの近隣トラブルリスク

 

マンション一棟経営は住民の人数が多くなるため、トラブル発生のリスクも大きくなります。

 

万が一近隣トラブルが発生すると、周囲の部屋が一斉に退去してしまい家賃収入が大きく減る可能性も。

 

部屋数が多い分家賃滞納の発生率も高くなり、管理スキルや正確な対応など、経営面のノウハウが求められます。

 

 

不動産投資ローンの金利変動リスクが高い

 

購入金額と借入額が高くなる一棟マンションは、金利変動の際のリスクが高いのも注意すべきポイント。

 

区分マンションより不動産投資ローンの借入額が多くなるので、金利が上がると利息と支払総額の影響も大きくなります。

 

借入額が多いと金利が1%変わるだけでも数百万円の差額になることもあり、月額負担が大きくなり返済が滞るリスクも考えられます。

 

 

■マンション一棟買いの失敗を防ぐ対策

 

需要が高いエリアの一棟マンション

 

前述した失敗リスクに対策するため、次のポイントに注目して一棟マンションを選びましょう。

 

 

賃貸需要が高いエリアを選ぶ

 

一棟マンションの空室リスク対策は、賃貸需要が高いエリアを選ぶのが基本となります。

 

少子高齢化が進む日本では、郊外エリアの賃貸需要は今後減少する可能性が高いです。

 

マンションを一棟買いする場合は、人口が減少していない都市部の物件を検討する必要があるということです。

 

エリア全体の開発計画や人口推移なども調査しながら、今後も高い賃貸需要がキープできそうな物件を選びましょう。

 

 

空室を想定して経営シミュレーションする

 

空室を想定して一棟マンション経営計画を立てる

 

一棟マンションの収益性をチェックする際は、満室時の家賃収入だけでなく、空室も想定してシミュレーションすることも重要です。

 

オーナーチェンジなどで入居率が高いマンションを一棟買いした場合、その状態がずっと続くとは限りません。

 

満室、もしくは入居率の良い状態で経営計画を立てると、空室が増えたときに運転資金がショートして失敗するリスクが高くなります。

 

賃貸物件サイトなどを参考にしてエリアの空室率を推測し、リアルな数字をもとに経営をシミュレーションすることが大切です。

 

 

管理実績の多い不動産会社に委託する

 

一棟マンションの管理を任せる不動産会社は、実績が多くスキルが高いところを選びましょう。

 

管理スキルが高い不動産会社に委託することで、家賃滞納や近隣トラブルを予防しやすくなります。

 

安心して管理を任せられる不動産会社なら、余計な手間がかからずしっかり経営に取り組むことができます。

 

 

審査基準をしっかり設ける

 

入居者の審査基準を事前にしっかり決めておくことで、トラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。

 

最近は、「マナー同意書」を用意して、入居前にサインしてもらいトラブルを予防するケースも増えているようです。

 

マナーへの取り組みがしっかりしていると、入居検討者の印象アップにもなりますね。

 

 

ハザードマップで災害リスクを確認

 

ハザードマップで一棟マンションの災害リスクをチェック

 

一棟マンションを検討するときは、必ず自治体が発行しているハザードマップで災害リスクを確認しましょう。

 

ハザードマップでは、水害や土砂災害といった災害リスクが高いエリアを地図上で確認できます。

 

災害が発生しやすいエリアを避けることで、失敗リスクを軽減することができます。

 

 

保険で災害に備える

 

万が一の災害リスクに備え、保険に加入して備えることも大切です。

 

地震保険・火災保険に加入しておけば、大きな災害でマンションが被害を受けたときの損害をカバーできます。

 

火災保険は退去時の原状回復に使えるケースもあるので、一棟マンションの経営にも役立ちます。

 

〈関連コラム〉

火災保険が退去時の原状回復に使える?不動産オーナー必見の新基礎知識

 

 

大規模修繕も踏まえて資金計画を立てる

 

マンションの修繕費による失敗リスクを回避するため、大規模修繕の内容と時期を確認して長期資金計画を立てましょう。

 

マンションの規模やそれまでのメンテナンス履歴によって、必要な修繕の内容や費用は変動します。

 

何年後にどれくらいの修繕費用がかかり、そのためにいくら積み立てておく必要があるのかまで考えると、精度の高い資金計画で失敗を予防できます。

 

 

自己資金を用意しフルローンは避ける

 

マンション一棟買いは初期費用が高額になりますが、なるべく自己資金を用意しフルローンを避けるのがセオリーです。

 

借入額が多いと金利変動の影響を受けやすくなり、賃料減少や突発的な出費で返済が滞るリスクが高くなります。

 

不動産投資では、物件価格の2~3割自己資金を用意するのが理想的と言われています。

 

急な出費に対応できる資金は残しつつ、なるべくローン返済額を抑えてリスクを減らしましょう。

 

 

■マンション一棟買いは中古物件+リノベーションが狙い目?

 

中古マンションの一棟リノベーション事例

 

マンション一棟買いでは、新築・中古どちらを買うべきかも判断が難しいポイント。

 

結論からお伝えすると、初めてマンションを一棟買いするなら中古物件がおすすめです。

 

ここまで見てきたさまざまなマンション一棟買いのリスクは、ほとんど高額な初期費用に起因しています。

 

新築マンションの入居率や収益性は魅力ですが、物件価格が高額になるので投資回収に時間がかかり、失敗リスクは大きくなります。

 

中古マンションで初期費用を抑えて短期間で投資回収すれば、収益性の高い物件や新築物件に買い替えることも可能です。

 

また、マンション一棟買いなら、丸ごとリノベーションで費用を抑えて新築同様の収益性を得ることも可能です。

 

〈関連コラム〉

一棟リノベーションのメリット・デメリット|費用相場と事例も紹介

 

shuken reの一棟リノベーション

 

SHUKEN Reは住宅改修の専門家として、マンション一棟リノベーションをサポートしています。

 

これまで多くの一棟リノベーションをお手伝いした実績がございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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    SHUKEN Re 編集部

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