公開日:2023-04-30 更新日:2024-07-04
スケルトンリフォーム・リノベーションとは|費用や後悔しないための注意点を紹介
今の住まいの間取りを大幅に変えたい場合や、購入した中古住宅を自分好みに間取り変更したいなら、「スケルトンリフォーム・リノベーション」がおすすめ。
一般的なリフォームは壁や床などを剥がさずに工事を行いますが、スケルトンリノベーションは構造躯体以外を解体して工事を行います。
そのため、間取り変更の自由度が高い点が魅力的。
建物の内部もすべて確認できるため、傷みや劣化の状況を把握して修繕できる点もメリットです。
今回は、スケルトンリフォーム・リノベーションの費用や注意点、大きく間取り変更を行ったリノベーション事例を紹介します。
・ただし、構造や費用に関する注意点があるため事前に理解しておくことが大切です。
・自分達でスケルトンリフォームをしやすい物件を見つけるのは難しいため、物件探しからリノベーションの設計・施工まで行う「ワンストップリノベーション」の会社にサポートしてもらうことをおすすめします。
目次
■スケルトンリフォームとリノベーションの違い
スケルトンリフォームとは、リノベーションの方法の一種です。
そのため、「スケルトンリノベーション」と「スケルトンリフォーム」は同じ意味を持ちます。
建物の骨組みである構造体を残して、その他の床・壁・天井などを取り払って間取りを作り直していく工事内容です。
もちろん水回り設備なども解体します。
次のような工事を行う場合は、思い切ってスケルトンリノベーションを行った方が施工がしやすいケースも多いです。
- ・大掛かりな間取り変更
- ・耐震補強工事
- ・断熱材の交換
- ・配管の交換や大掛かりな移動
工事の規模に合わせて、スケルトンリノベーションを行うか検討しましょう。
スケルトンリノベーションのメリット・デメリットはこちらをチェックしてみてくださいね。
<関連コラム>
・スケルトンリフォームのデメリットを知って後悔を防ごう|間取りビフォーアフターも
■スケルトンリノベーションの費用について
建物のフルリノベーションを行う場合の費用相場は15~20万円/㎡です。
単純計算で60㎡なら900~1,200万円、80㎡なら1,200~1,600万円の費用がかかります。
ただし、床・壁・天井など建物の内側の解体だけでなく、外壁など建物の外側も解体してスケルトンリノベーションをする場合は、別途予算をみておく必要があります。
また、スケルトンリノベーションの場合、床・壁・天井の解体時に予期せぬ工事が必要になることがあるため注意が必要です。
- ・柱や土台がシロアリの被害を受けていた
- ・浴室周りの柱が湿気によって腐食していた
- ・断熱材の劣化が進んでいて交換が必要になった
このような建物の損傷があった場合、構造体の補強工事や断熱材の交換も行わなければなりません。
シロアリ被害があった場合、箇所の補修・防蟻工事の費用は「5~10万円 × 1回の建坪」が目安です。
また、断熱材の交換を行う場合の費用は「1,000円〜4,000円/㎡」が目安となります。
断熱材の種類や厚みなどによって価格に差があります。
スケルトンリノベーションを行う時は、万が一の事態を想定してこれらの費用の予算取りを行っておきましょう。
<関連コラム>
・リノベーション費用の相場は?プロが教える業者選びと費用を抑えるコツを徹底解説!
・戸建の“耐震補強”リノベーションはここがポイント!費用から方法まで解説
・リノベーションで断熱性・気密性を高める!メリットから方法・費用目安まで解説
■スケルトンリノベーションで後悔しないための注意点
スケルトンリノベーションは大がかりの工事のため、失敗や後悔は避けたいですよね。
注意点を事前に理解して対策を行いましょう。
建物の構造によっては間取り変更ができない場合がある
建物の構造によっては、スケルトンリノベーションを行っても希望の間取り変更ができない可能性があります。
マンションなら鉄筋コンクリート造の「壁式構造」、一戸建てなら「プレハブ工法」や「2×4工法」などが、間取り変更しにくい構造です。
これらの構造は、コンクリート壁や面材を組み合わせて建物の枠組みを作っています。
そのため、床・壁・天井を解体しても構造体である枠組み自体は壊すことはできず、間取り変更できる箇所が限られてしまいます。
対して、鉄筋コンクリート造の「ラーメン構造」や一戸建ての「軸組工法」は、間取りの自由度が高いです。
こちらは柱と梁などを組み合わせている工法のため、必要な壁が少なく大幅な間取り変更にも対応することができます。
せっかくスケルトンリノベーションを行ったのに、間取り変更ができなかったということにならないように注意しましょう。
マンションではスケルトンリノベーションの範囲が限られる
マンションリノベーションは、専有部分の工事しか行えません。
玄関ドアは共有部になるため、リノベーションを行えないケースがほとんどです。
また、窓もマンションの共有部の扱いですので、基本的に交換は不可能です。
ただし、サッシの交換は認めないが、性能向上を目的とした窓ガラスの交換は可能としているケースもあります。
マンションの規約によって内容が異なりますので、事前に確認してみてくださいね。
「型式適合認定」を受けている住宅は新たに建築確認申請が必要になるケースも
ハウスメーカーが建てた住宅の中には「型式適合認定」を受けている建物があります。
<型式適合認定>
国に指定された指定性能評価機関が、住宅の型式(材料や構造、設備など)をあらかじめ認定する制度です。
型式適合認定を受けると、個別の建築確認や検査を簡略化できるメリットがあります。
新築時にはメリットがある「型式適合認定」ですが、リフォーム・リノベーション時にはデメリットになることも。
なぜなら、スケルトンリノベーションのような大規模な工事を行う場合は、再度建築確認申請の取得が必要になるケースもあるからです。
また、型式適合認定の資料は取得したハウスメーカーしか持っていませんので、構造計算の詳細が把握できずリノベーションの計画が立てられないことも。
取り壊してはいけない柱や壁が分からず、リノベーションを断念しなければならないこともあります。
不動産会社やリノベーション会社にサポートしてもらいながら、物件購入前に必ず確認を行いましょう。
建物の状態が悪いと建て替えと近い金額になることがある
建物の築年数が古い場合や状態が悪い場合は、スケルトンリノベーションと建て替え費用が近い金額になることもあります。
思い入れのある建物を残したいなら、スケルトンリノベーションを行うという選択をしても良いでしょう。
そうでないなら建て替えを行い、新しい構造体で作り上げた建物の方が安全性は高いです。
事前の現地調査からおおよそのスケルトンリノベーションの予測はできますが、実際に解体してみないと詳細な工事内容や費用が分からないのも事実です。
このようなリスクがあることも理解した上で、スケルトンリノベーションを検討してくださいね。
■マンション・戸建てのリノベーション事例
大幅な間取り変更を行ったリノベーション事例を紹介します。
【マンション】部屋数変更や水回り移動で大胆リノベーション
事例を見る:Case147「Simple×Relaxing」
キッチンや浴室などの水回りを大胆に移動し、同じ建物とは思えないような住まいにリノベーションした事例です。
元々居室だった空間にキッチンを配置し、玄関まわりは廊下をなくして水回りを広げました。
玄関ホールと洗面所はガラス扉を採用し開放感をアップ。
窓のない玄関まで明るい日差しが差し込みます。
夫婦の暮らしに合わせて大胆に間取り変更した事例です。
工期 | 90日 |
家族構成 | 本人 |
エリア | 東京都 |
年代 | 50代 |
物件種別 | マンション |
築年数 | 16年 |
広さ | 58.2㎡ |
【マンション】キッチンを中心とした開放感のある住まい
細切れにされていたキッチンや玄関周りの壁を取り払い、広々とゆとりのある空間に間取り変更しました。
存在感のあるⅡ型キッチンを採用し、LDKの中央に配置しました。
凸凹としていたキッチン周りの壁がなくなりすっきりとした印象に。
また、玄関周りも壁がなくなったことで、広々とした使いやすい空間になりました。
贅沢な1人暮らしを楽しめるフルリノベーション事例です。
工期 | 80日 |
家族構成 | ご本人 |
エリア | 東京都 |
年代 | 30代 |
物件種別 | マンション |
築年数 | 28年 |
広さ | 79㎡ |
【戸建て】子世帯が住む2階の間取り変更をした二世帯リノベーション
1階に親世帯、2階に子世帯が住む戸建て住宅。
2階部分の間取りを大幅にリノベーションして、子世帯の暮らしに合った住まいに生まれ変わりました。
個室は家族の人数に合わせて3部屋確保。
家族が共有で使えるファミリクローゼットは、洗面所やランドリールームへの動線を考えて作られています。
また、広々としたLDKの一角には、勉強や仕事で使えるカウンターを設置。
小上がりが目を引くおしゃれな空間です。
家族の共有スペースの広さと動線にこだわった、住み心地の良い住まいが完成しました。
工期 | 約100日 |
家族構成 | ご夫婦+お子様2人 |
エリア | 千葉県 |
年代 | 30代 |
物件種別 | 戸建 |
リノベ費用 | 約1500万円 |
■まとめ:スケルトンリノベーションで理想の間取りを実現しよう
スケルトンリノベーションを行うことで、大幅な間取り変更や水回り設備の移動がしやすくなります。
住まいの暮らし方を大きく変えたいという方は、ぜひ検討してみてくださいね。
ただし、スケルトンリノベーションはリフォームなどと比べて大掛かりな工事のため、さまざまな注意点もあります。。
スケルトンリノベーション行うことを想定し、物件選びの段階から構造や管理規約などを細かくチェックしましょう。
ワンストップリノベーションサービスを利用し、物件探しからリノベーションの設計・施工まで一貫してサポートしてくれる会社にお願いすることをおすすめします。
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