公開日:2020-10-05 更新日:2024-07-04
マンションの結露対策は建物全体で考える|リフォーム・リノベの結露対策
秋から冬場にかけて気温が低くなる朝、窓が結露してビショビショになっていることはよくありますよね。
特に気密性の高いマンションでは結露の発生が多く、カビやダニの発生から健康被害につながるケースも。
1つの箱のような構造になっているマンションは、居住スペース全体で結露対策する必要があります。
今回はリフォームやリノベーション時の結露対策と、簡単にできる日常の結露対策2つの面をご紹介します。
いま住んでいるマンションの結露に困っている方や、これからマンションを購入する方はぜひチェックしてくださいね。
目次
■ マンションの結露対策は全体で考える
湿度が高い寝室の窓など、マンションの結露は部分的に発生するケースがありますが、一部だけを対策しても高い効果は望めません。
室内がコンクリートの箱状になっているマンションでは、一か所結露対策するのではなく、お部屋全体の結露対策をすることが重要となります。
結露する窓にだけ断熱処理を施したり、一部屋だけ換気したりといった局所的な対策だけでは原因の解決にならず、あとで別の場所に結露が発生するケースも。
次でご紹介する結露の原因を把握し、お住まい全体の対策で根本的な問題を解決しましょう。
■ マンションは結露が発生しやすい?
一般的な鉄筋コンクリート造のマンションは結露が発生しやすく、湿気による不快感やカビに悩んでいる方も少なくありません。
どうしてマンションは結露が発生するのか、結露し続けるとどんな弊害があるのかチェックしておきましょう。
・結露の原因
マンションで結露が発生する主な原因は、室内外の温度差による水蒸気の凝結です。
寒い時期の外気で冷えた窓ガラスやコンクリート壁は、暖房で暖められた室内の空気との温度差で表面に水蒸気がついてしまいます。
冬の朝、窓ガラスがびしょびしょになっている光景はよく見ますよね。
日が当たらない北側のコンクリート壁など冷えやすい部分も結露しやすく、石膏ボードや壁紙で見えない部分が湿っていることも少なくありません。
コンクリートで囲まれた鉄筋コンクリートのマンションは気密性が良く、水回りや私たちの身体から出る湿気が溜まりやすいのも結露の原因。
マンションの結露対策は、室内にたまった湿気と、室内外の温度差の2点を無くすことが大切です。
・築年数が経つと健康被害に発展
窓ふきなどの後始末が大変な結露ですが、長い間湿気にさらされているとカビやダニの発生による健康被害を受けてしまうケースも。
適度な湿気があるとカビが発生しやすく、長年吸い込んでしまうと健康に良くないのは言うまでもありません。
多湿な環境を好むダニも繁殖しやすくなり、アレルギーの原因になってしまうことも。
アレルギー体質の方やもちろん、赤ちゃんや小さなペットが居るご家庭では心配ですよね。
カビやダニは一度発生してしまうとどんどん増えてしまい、完全に除去することが難しいです。
結露が発生しないように予防して、もし発生してしまったらなるべく早く対策して原因を取り除きましょう。
■ リフォーム・リノベーションの結露対策
続いて、リフォームやリノベーションするとき一緒に検討したい結露対策について見ていきましょう。
使う建材や設備にちょっと工夫するだけで、大幅に結露の発生を抑えることができます。
・ペアガラス
マンションの築年数が古く窓にシングルガラスが使われているなら、ペアガラスへの交換が結露の軽減につながります。
ガラスは熱伝導性が高いため冬の外気で冷えやすく、空気中の水分が凝結して結露が発生しやすい場所。
二重構造で間に空気層を持つペアガラスは、内側のガラスが冷えにくくなるため結露の発生が軽減します。
結露防止だけでなく、断熱性が高まってエアコンが効きやすくなり、快適で光熱費の削減効果も。
・内窓(二重窓)
上でご紹介したペアガラスより断熱性能が高く、より結露防止に役立つのが内窓の設置です。
既存窓の内側にもう一つ窓を設けることでペアガラスより厚い空気層を確保し、室内外の温度差を緩和します。
北海道などの北国で採用されていることも多く、その断熱性の高さは折り紙付きです。
ペアガラスで対策しても既存のアルミ枠が結露するケースが多いですが、金属ではなく樹脂の内窓を使えば窓枠の結露も防げます。
窓を二回開けることになるのがちょっとひと手間ですが、毎朝結露をふき取る手間と比べればメリットは大きいといえるでしょう。
高い断熱性能で夏のエアコンも効きやすくなり、光熱費を抑えて一年中快適に過ごせるのも魅力ポイント。
外の環境音を軽減してくれる効果もあるため、寝室やワークスペースなど静かにすごしたい場所にもおすすめです。
・調湿建材
室内の湿度をちょうど良く保ってくれる調湿建材を選ぶのも、マンションの結露防止に有効です。
珪藻土や調湿タイルなどの建材には非常に細かな空気孔が空いていて、湿度が高いときは水分を吸い込み、乾燥すると吐き出して快適な空気を保ってくれます。
結露の原因である空気中の水分量を減らすことで、冬の朝などに窓がビショビショになることを防げます。
夏の梅雨時期などジメジメした季節にも効果を発揮してくれて、結露を防ぐだけでなく気持ちの良い空気も作ってくれます。
除湿器のように電気を使わず乾燥を防ぐこともできるため、健康に気を遣っている方にもおすすめです。
・24時間換気
築年数が経っていて24時間換気システムがついていないマンションの場合、設置することで結露の発生を軽減できます。
2003年の建築基準法改正では、マンションや戸建てすべての住宅に24時間換気システムの設置が義務付けられましたが、義務化以前のマンションではついていないことも少なくありません。
気密性が良く湿気が溜まりやすいマンションは、常に空気を入れ替えて湿気を追い出すことが結露対策になります。
単純な換気扇の設置だけでは全体を効率良く換気するのは難しいですが、リノベーション時ならスムーズな換気計画も立てられます。
また、24時間換気システムがついているマンションでも、寒いからと換気口を閉じて換気扇を切ってしまう方も少なくありません。
換気は結露を防ぐだけでなく、有害物質や二酸化炭素を排出してきれいな空気を保つことにもつながりますので、なるべくスイッチを切らずに使いましょう。
■ 簡単にできる日常の結露対策
リフォームやリノベーションによる結露対策に加えて、毎日の生活でできる対策もご紹介します。
ちょっとの工夫で結露を減らすことができますので、積極的に取り組んで習慣にしてしまいましょう。
・風呂フタを閉める
お風呂の残り湯を翌日の洗濯に使う場合など、浴槽に水が残っているときは風呂フタを閉めることで結露を軽減できます。
フタが空いていると少しずつ蒸発した水分が湿度を上げてしまうため、結露する量が増えてしまうのです。
最後にお風呂を出る人がフタをしっかり閉めておけば、ユニットバスのカビ防止にもなりますよ♪
・こまめに換気する
結露を防ぐためには空気中の湿気を減らすことが大切。
普段の生活の中で湿気が出るシーンでは、こまめに換気扇を回したり窓を開けたりすることが有効です。
キッチンでお湯を沸かすとき、お風呂を上がったあとなど、湿気が発生するシーンでは必ず換気扇を回しましょう。
冬場はちょっと寒いと感じることもあるかもしれませんが、お部屋も定期的な換気をして湿気を追い出すのが大切です。
・北側の壁に家具をぴったりつけない
日が当たらず温度が上がらない北側の壁は結露しやすいため、本棚などをピッタリとつけてしまうとカビが発生してしまいます。
マンションの構造にもよりますが、コンクリートの躯体に直接ビニールクロスを貼っている場合、特に結露が発生しやすくなるため注意が必要です。
石膏ボード仕上げの場合も湿気が溜まりやすいのは同様ですので、なるべく北側の壁には直接家具を接地させない方が良いでしょう。
北側のお部屋にあるクローゼットや押し入れも湿気が溜まりやすいため、市販の調湿材などもうまく活用してみてください。
■ まとめ:リノベ&日々の工夫で結露を防ぎ健康な暮らしを
マンションで悩む方が多い結露の問題は、リフォームやリノベーションの検討時が全体の対策で解消するチャンスです。
水回り設備の寿命や内装の張り替えなどのタイミングと一緒に検討して、気持ち良く過ごせる住まいを目指しましょう。
わたしたちSHUKEN Reはたくさんのマンションリノベーションをお手伝いした経験をもとに、結露を防いで快適な住環境もご提案します。
おしゃれなデザイン・暮らしやすさ・快適な環境すべて妥協せず、理想の住まいづくりを目指しています。
住まいづくりが大好きなスタッフがお手伝いしますので、結露だけでなくどんなお悩みもお気軽にご相談ください。
東京世田谷と千葉県浦安のショップを中心に、リノベーションに対応しています。
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