公開日:2022-07-19 更新日:2024-07-04
リノベーションのデメリットは中古マンションならメリットより少ない?
新築マンションの価格は高騰しています。
そのような状況下で、東京を離れずに自分の家を持ちたいと考えるご家族には、中古マンションを購入しリノベーションするという方法を選択するケースが増えています。
中古マンションはリノベーションで住みやすくなるのか?新築より予算が抑えられるのか?などデメリットへの不安について考えてみましょう。
・中古マンションのリノベーションでデメリットを生まない為には見学の際の確認が大切
①耐震補強や配管などに関する長期修繕計画の履歴を確認する
②間取りの変更の可能性と内窓設置の許可について確認する
■中古マンションに考えられる個人では解決できないデメリット
東京オリンピックまでと予測する人が多かったにもかかわらず、相変わらず新築マンションは高額です。
そんな中この数年は、コロナでリモートワークが増えたから…と郊外への移住を計画する家族が増えています。
一方、利便性を考えると東京暮らしを続けたいという家族も少なくありません。
ただ、新築住宅や新築マンションを購入すると、現在の賃貸の家賃よりはるかに高額な住宅ローンになってしまうとしたら、ゆとりのある暮らしができません。
そこで中古住宅のリノベーションを検討する人が増えているのだと考えられます。
ただ、戸建て住宅と違い、中古マンションの場合、不具合などが発生しても個人では対応できないのでは…?などの不安もあります。
賃貸マンションならば家主が対応してくれますが、所有するマンションの場合、個人で対応できる部分とできない部分があるからです。
具体的には個人では解決できないデメリットとはどのような問題が考えられるでしょうか?
・耐震性
築年数によって建築時の耐震基準が異なります。
1981年以前に建てられたマンションは、震度5では倒壊しないという旧耐震基準で建築されています。
一方、1981以降に建築されたマンションは、震度6強から7の地震でも倒壊しないという新耐震基準で建築されています。
この違いは、震度5強程度の地震が発生した際に、旧耐震基準では倒壊しない、新耐震基準では軽微なひび割れ程度、震度6~7の地震に対しては、旧耐震基準では規定なし、新耐震基準では倒壊しないということです。
この違いによって、もし大きな地震が発生したら旧耐震基準のマンションは危ないのでは…?と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
ただ、築年数だけで耐震性は判断できません。
旧耐震基準で建築されたマンションの中には、耐震改修や耐震補強を行っているマンション、新耐震基準を満たすだけの耐震性を備えているマンションなどもあるからです。
マンション購入の際に耐震性の不安をデメリットにしない為には、築年数による耐震基準の違いではなく、マンションの管理のされ方を確認することが大切です。
耐震補強工事がされている、今後も定期的に修繕計画が立てられているというマンションであれば、耐震性がデメリットになることはありません。
一方、耐震補強工事や定期的な大規模修繕が確実に行われていない、修繕積立金が集まっていないというようなマンションは耐震性に対する不安があります。
大規模修繕で行われる外壁やベランダの補修は、マンションの外観を良くする為に行われるのではなく、雨漏りが発端となり、劣化が進み耐震性が低下することを防ぐことが目的です。
耐震性の低さというデメリットのある大規模修繕が適切に行われていない中古マンションは選択肢から外すべきです。
・建物の老朽化
耐震性と並んで個人では対応できない問題の中に、共用部分の配管の劣化があります。
給湯管は専有部分なので、リノベーションの際に交換できますが、50万円~100万円程度の費用がかかります。
その他の給水管や排水管、汚水管といったPS(パイプスペース)は、共有部分なので個人では修繕できません。
PSは壁の中に埋め込まれているので、中古マションを見学した際に劣化の状態を確認することができません。
それを知る為には長期修繕計画の履歴を確認する必要があります。
共用部分の配管の修繕は、マンションの管理組合が作成する長期修繕計画沿って行われます。
従って耐震性と同じように、建物の老朽化によるデメリットを発生させないためには、長期修繕計画が作成されていること、そしてその計画が着実に行われ続けているマンションを選ぶことが大切なポイントです。
参考サイト 国土交通省 「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の見直しについて
参考サイト (公財) マンション管理センター 管理組合の運営、 管理規約の内容、修繕計画について
耐震性の不十分さや建物の老朽化による劣化は、個人ではどうすることもできません。
また、そのようなマンションを購入した場合、大規模修繕の際に、高額な積立金を支払うことになるかもしれません。
中古マンションを購入する際には徹底した管理が実行されている、長期修繕計画が策定されているという2点をチェックすることが重要です。
■中古マンションに考えられるリノベーションの上でのデメリット
耐震性や建物の劣化の不安がないマンションが見つかったとしても、デメリットが全くなくなるわけではありません。
間取りの自由度の低さや室内環境がデメリットになってしまうことがあります。
・間取りの自由度
マンションには柱や梁の出っ張りがあるラーメン構造と、動かせない壁のある壁式構造があります。
その特性を知らずにマンションを購入してしまうと、思い描いた間取りにできないことがあるというデメリットがあります。
その為、ラーメン構造の場合には、柱や梁の出っ張りを活かせる間取りにできるかどうか、壁式構造の場合には動かせる壁を取り外すとどの程度の大空間を生み出せるのかなど、リノベーションによって、どの程度希望の間取りにできるのかという可能性を見極めながらマンションを見学することが大切です。
・室内環境
新築のマンションでは断熱化が進んでいますが、中古マンションの中には十分な断熱性を備えていないマンションもあります。
もしリノベーションの際に、内装や間取りだけを変更し断熱改修をしなかった場合、夏は暑く冬は寒い、電気代が嵩むなどのデメリットが生じてしまいます。
リノベーションの際には壁や床に断熱材を入れる他、窓の向いている方向に合わせて最適な機能を備えた窓を採用することで、室内環境の悪さというデメリットを避けられます。
窓は壁よりも多くの熱を出入りさせるので、室温に大きな影響があります。
ただ、窓はマンションの外観に影響する為、共有部分に指定されています。
もし断熱性のない窓、断熱性の低い窓だった場合、内窓なら許可される可能性があるので、見学の際に内窓設置が許可されるか否かを確認しておくことが大切です。
壁に断熱材を入れても窓に断熱性がないと、エアコン効率が低下し、快適な室温を維持する為に多くのエネルギーを消費してしまいます。
また、南向きの窓の場合には、遮熱タイプの内窓にすることで、夏の室温上昇や紫外線の侵入を抑えられます。
その他に、見学の際に自動車の走行音など外部からの騒音が気になった場合には、気密性の高い内窓を設置することで静かな環境を創り出せます。
■まとめ
中古マンションは安く購入できてもリノベーションの費用が嵩み、新築と変わらないほどになってしまったというような大きなデメリットを生まない為には、見学の際の確認が大切です。
見学の際に耐震性や建物の老朽化などの目に見えない部分に関しては、修繕履歴や今後の長期修繕計画を確認する、目に見える間取りはどの程度まで変更が可能なのかを確認する、室内環境を向上させるため、内窓設置が許可されるのかを確認する、この3点は外さないようにしましょう。
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