公開日:2021-02-28  更新日:2024-07-04

躯体現し・コンクリート現し仕上げの不安・疑問を解決【東京・千葉のマンションリノベ実例】

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躯体現しの天井と壁

 

マンションリノベの内装仕上げとして人気の「躯体現し(コンクリート現し)」。

 

無骨でインダストリアルな雰囲気のお部屋にぴったりなほか、部分的にコンクリートを表したり、塗装を施したりすることで空間にアクセントをつけることもできます。

 

でも、コンクリートむき出しの壁はおしゃれだけど、家が寒くなったり、結露したりするのでは?という不安がある方もいらっしゃると思います。

 

今回は、そんな躯体現しに関する疑問について詳しく解説していきます。

 

正しい知識を身に付けて、おしゃれで快適さも損なわない躯体を活かしたリノベーションを成功させてくださいね。

 

 

 

■ 躯体現し仕上げとはどんなもの?

 

躯体現し仕上げは、SRC(鉄筋鉄骨コンクリート)造やRC(鉄筋コンクリート)造のマンションでよく用いられる手法です。

 

一戸建てでもRC造でコンクリートむき出しの壁が採用されることもあります。

 

マンションの場合は構造躯体のスラブ、柱、梁、壁を見せる仕上げになり、かっこいい内装の代表とも言えるのではないでしょうか。

 

■ 躯体現し仕上げのメリット

 

・デザイン性

 

躯体現しは、グレーのコンクリートの質感が最大の魅力です。

 

クールな雰囲気やインダストリアルスタイルが好きな人に好まれます。

 

また、リビングの天井や梁の一部など部分的に躯体現しにすることでデザインのアクセントに使われることもあります。

 

・天井が高くなるケースも

 

SRC造やRC造の住宅では、天井や床の仕上げは「直床(じかゆか)・直天井」と「二重床・二重天井」の2つのタイプがあります。

 

直床・直天井仕上げの場合は、床や天井は躯体に直接下地材を張り、その上から石膏ボードやクロスを張って仕上げています。

 

床・天井と躯体の間に空間がないので天井高が高くなります。

 

その代わり、電気配線や水回りの配管を通す場所は別に確保しなければなりません。天井の一部に別途配管用の梁(梁型)を設けて、その中に配線・配管類をまとめているケースが多いです。

 

二重床・二重天井は、躯体にまずフローリングなどを張るための土台となる床や天井を組み、その上から仕上げ材を施工するパターンです。

 

床・天井と躯体の間に空間ができるため、中に配線・配管類を通すことができます。直床・直天井よりも天井高は低くなりますが、部屋全体がすっきりと見えます。

 

つまり、二重床や二重天井の場合は、躯体現しにすると現在の天井高よりも高くなることになります。そのため、リノベーション前よりも室内に開放感が出ます。

 

・さまざまな素材と相性が良い

 

コンクリートは、単独だと無骨でクールな印象ですが、木材や漆喰、タイル、レンガ、金属などさまざまな素材とも相性が良く、組み合わせることで独特のおしゃれな空間をつくることができます。

 

モルタルの天井に木製ルーバーをアクセントで取り入れた事例

事例を見る:Case54「アンティーク×都会的MIXインテリア」

 

マンションリノベについて詳しくみる

■ 躯体現しにまつわるギモンを解説

 

それでは、躯体現しに関するよくある疑問について解説していきたいと思います。

 

・コンクリートむき出しは寒いの?

 

以前、ニュースでRC造の戸建て住宅で寒くて住めない…という実例が報道され話題になったことがありました。

 

その住宅は寒いだけでなく、外壁や窓に近い室内で結露も多発しており、住宅の劣化も進んでいました。

 

確かに、素材自体を比較すればコンクリートは木よりも熱を伝えやすいため、断熱性能は低いです。

 

RC造の住宅の寒さは、適切な断熱工事が行われなかったことからくるものです。

 

もちろん、RC造のマンションでも建築時にしっかりと断熱工事が行われている物件なら「RCだから寒い」ということはありません。

 

つまり、リノベで躯体現しを取り入れる場合は、マンションの断熱材の施工方式について確認し、断熱性能に影響を与えないようにリノベーションすることが重要になります。

 

・マンションの断熱は「内断熱」「外断熱」を確認

 

マンションの断熱は、躯体に対して内側(室内側)に断熱材を入れる「内断熱」と、躯体に対して外側(屋外側)に断熱材を入れる「外断熱」の2種類があります。

 

RC造のマンションの場合は、躯体を外側からすっぽり包む外断熱が優れていると言われていますが、物件によっては内断熱のマンションも存在します。

 

また、前の持ち主が断熱リフォームで躯体の内側に吹き付け断熱材を入れている場合もあります。

 

マンションで内断熱を施している場合は、躯体現しにすると断熱材も撤去しなくてはならないため、部屋全体の断熱性能が落ちてしまう危険性があります。

 

また、断熱工事が不十分な物件の場合は、躯体現しにすると外気に面する壁や最上階の天井部分に結露が起きやすくなる可能性もあります。

 

初めの物件調査の段階で、「躯体現しを取り入れた場合、住宅自体の性能に影響を与えないか」をしっかり確認することが成功へのポイントです。

 

・コンクリートの粉が落ちてくる?

 

コンクリートブロックを石などでこすると、細かい粉が出てきます。

 

築年数が古いRC造で天井を躯体現しにした場合、劣化したコンクリートの粉や長年蓄積したほこりなどがパラパラと落ちてくるケースがあります。

 

これを防ぐために、天井や壁に「防塵塗装」を施す方法があります。

 

防塵塗装によって振動などで埃や粉が落ちてくるのを防ぐことができるだけでなく、コンクリートの風化を防ぐこともできます。

 

・床を躯体現しにすることはできる?

 

マンションには上下階へ足音や振動が伝わることによるトラブルなどを防ぐため、リノベーションやリフォームを行う際には管理規約で「床材の遮音等級」が定められていることが多いです。

 

フローリングやカーペットを変更する際も、定められた遮音等級をクリアした建材の組み合わせ・工法を使うことが求められます。

 

したがって、床を躯体現しにすることはおすすめしません。

 

床材にモルタルやタイルなどを使って土間風に仕上げる、などは可能です。

 

■ 躯体現しのリノベーション実例

 

・ギャラリー風のアーティスティックな家

 

天井スラブとダクトレール、配管のラインが美しい躯体現しの天井

躯体現しの梁にアートを飾ってギャラリーのような雰囲気に

事例を見る:Case102「我が家はアートギャラリー」

 

コンクリート打ちっぱなしの天井や壁、ステンレスのキッチンなどクールでドライな質感の中に、アート作品群が並ぶ、まるでギャラリーのようなおうちです。

 

白い壁とアンティークドアや室内窓、ヴィンテージ風のフローリングが無機質の中にあたたかさをプラスして、個性的な内装に仕上がっています。

 

・モルタル現しと塗装で明るく開放的な室内に

 

白いモルタル壁が明るい空間を演出します

事例を見る:Case101「主役は蒼い壁」

 

こちらは、天井と壁をモルタル打ちっぱなしに仕上げ、壁のモルタルを白で塗装した事例です。

 

躯体現しにすることで空間をすっきり広く見せ、さらに壁は白にすることで明るくクリーンな印象のリビングになりました。

 

・コンクリートと木の組み合わせでほっこり温かい空間づくり

 

躯体現しの天井の一部に木の天井材を組み合わせた事例

素材の異なる天井が奥行きを生み出します

事例を見る:Case91「気ままな一人暮らし」

 

躯体現しと木の天井材を組み合わせたLDK。

 

無骨と温かみがミックスした居心地の良い空間ができました。

 

木の部分とコンクリートの部分に段差を付けることで、奥行きも生まれています。

 

■ まとめ

 

躯体現しは、RC造の特徴を生かしたマンションリノベならではの個性的でおしゃれなリノベーション手法です。

 

ただし、どの部分でもあらわしにできるとは限らないということは知っておきましょう。

 

物件の工法や状態によってそれぞれ注意すべきポイントがありますので、リノベーションの施工会社としっかり相談しながらプランを決めましょう。

 

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