中古マンションのリノベーションを後悔しないポイント|メリット・デメリットや費用を事例とともに解説
中古マンションをリノベーションして住む方が増えています。
しかし一方で、「新築マンションと迷っている」「本当に中古マンションでいいのか決めかねている」という方もいるでしょう。
そこで今回は、中古マンションをリノベーションするメリット・デメリットや、費用・築年数など物件を選ぶ際のチェックポイントを詳しく解説します。
事例写真を交えながら気になる補助金や減税制度も紹介しますので、人気のエリアでマイホーム計画を始める方は、ぜひ最後までご覧ください。
● 中古マンションは新築マンションと異なるメリットがあります。
● 中古マンションを購入してリノベーションしたい方は、事前に注意点とその対策を知っておきましょう。
● 中古マンションのリノベーションは、物件探し、リノベーションのプランニング、資金計画を同時に進めるのがおすすめです。
● 東京、千葉、神奈川で中古マンションの購入を考えている方は、物件探しから資金計画、設計施工までフルサポートするSHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」サービスをご利用ください。
Contents
中古マンションを購入する人が増えている理由は“メリット”にあり
中古マンションのリノベーション事例を見る:Case187「Visions」
近年、人気の高い首都圏を中心に中古マンション市場が拡大しています。
公益財団法人 東日本不動産流通機構の調査によると、 2024年6月の中古マンション成約件数は前年比でプラス4.8%、13ヶ月連続で増加していました。(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年06月度)
今、中古マンションを買う方が増えている理由は、そのメリットにあります。
新築マンション高騰
インバウンド需要の増加や地価や物価の高騰に伴って新築分譲マンションの価格が高騰している点も、中古マンション市場が拡大している要因と言えるでしょう。
東京23区内でファミリータイプの新築マンションを買おうとすると、1億円以上かかるケースは決して珍しくありません。
一方、東京23区の中古マンションの成約価格は、50ヶ月連続で前年を上回っているものの「112.5万円/㎡」で、新築よりもかなりリーズナブルです。(参考:レインズデータライブラリー|マーケットデータ2024年06月度)
そのため、当初は新築マンションを選んでいたものの価格・広さ・間取りの要望と合う物件が見つからずに中古マンションへ選択肢を変える方は少なくありません。
新築マンションの棟数が減少している・立地の選択肢が少ない
国土交通省の建築着工統計調査によると、2014年に全国で新築された分譲マンションが約51,000棟だったのに対して、2023年は約43,000棟と15%ほど減少しています。(参考:国土交通省|建築着工統計調査報告令和6年5月分)
対して中古マンションはこれまで建てられた物件の多くが売りに出される可能性があるため、駅近など好立地な物件も市場へ多く出回っています。
新築マンションよりも間取りのレパートリーが豊富
間取りや広さの選択肢が少ない新築マンションから理想的な間取りの物件を見つけるのは至難の業です。
対して、中古マンションは市場に出ている物件数が多いため、メゾネット式やロフトがあるタイプ、ルーフバルコニー付きの最上階物件など、個性的な間取りと出会えるチャンスが増えます。
新築マンションより補助金・減税制度を受けられる可能性が高い
政府は脱炭素化社会の実現に向けて、建築の省エネ化を進めています。
そのため、新築マンションの購入に際して補助金や減税制度を利用するためには、物件の省エネ性能が欠かせません。
例えば、多くの方が利用する住宅ローン控除においては、新築物件に対して長期優良住宅やZEH-M(ネット・ゼロエネルギー・マンション)などの認定を受けていることが条件です。
対して、中古物件(既存物件)は、長期優良住宅やZEH-Mの認定を受けている物件の方が控除対象となる借入金額の上限が引き上げられるものの、その他のマンションでも控除対象になります。(参考:国土交通省|住宅ローン減税)
中古マンションは特徴的なインテリアデザインを実現可能
新築マンションのようにきれいで新品なインテリアデザインを好む方も多いですが、一方でインダストリアルデザインやヴィンテージデザインのような使い込んだ無骨なテイストも人気です。
海外の古いアパートやホテルを再現したデザインもトレンドであることから、敢えて中古マンションを購入して費用をかけリノベーションする事例も珍しくありません。
また、近年は環境に配慮し自然素材を取り入れたサステナブルインテリアや、北欧デザインと和風デザインを融合させたジャパンディインテリアもトレンドに上がっています。
これら特徴的なインテリアの新築マンションはほとんどないため、敢えて中古マンションを購入してリノベーションで思い通りのデザインへ変える方が多いのです。
中古マンションはリノベーションで理想的な間取りに変えられる
リモートワークをしながらの生活やペットファーストな暮らしなど、マンションでのライフスタイルは多種多様です。
仕事場も業種によって必要な面積や設えは異なりますし、ペットの種類によって間取りや内装も工夫が必要になるでしょう。
中古マンションでしたら、リノベーションでご自身のライフスタイルに合う間取りを手に入れられます。
中古マンションのリノベーションには“デメリット・注意点”も
中古マンションのリノベーション事例を見る:Case182「Cinematic」
中古マンションには新築マンションでは得られないメリットがある反面、購入前に知っておきたいデメリットや注意点もあります。
対策方法と併せて紹介しますので、ぜひ事前にチェックしておきましょう。
マンションの寿命が短い
中古マンションは購入時に新築から既に数年経っているため、新築マンションよりも寿命が短い点は否めません。
特に首都圏では、取引される中古マンションの平均築年数は上昇しています。
2024年1〜3月で売買が成立した中古マンションの平均築年数は「23.58年」、市場へ売り出された物件は「29.99年」と、新築マンションとは約30年もの差があります。
中古マンションを購入する場合は、購入してから何年住むのかを十分シミュレーションしましょう。
国土交通省の資料によると、マンションの推定寿命は「68年」です。(参考:国土交通省|期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について)
ただし、中古マンションは新築時からこれまでのメンテナンス状況によって寿命が左右されるため、価格や間取りだけではなく建物の状態も見極められる不動産会社へ相談してください。
耐震性が低い物件もある
1981(昭和56)年5月末までに建築確認を受けたマンションは「旧耐震基準建物」で、現行の建築基準法による耐震性能を満たしていません。
また、屋上や外壁などからの漏水により、構造部が劣化して当初想定された耐震性能を発揮していない物件もゼロではありません。
旧耐震基準である古いマンションは要注意です。
また、これまで外部の大規模修繕改修を定期的にしているかも耐震性に影響します。
ただし、築40年を超える古いマンションでも、既に耐震改修・耐震補強を実施している物件もあるため、これまでの修繕履歴を必ずチェックしてください。
断熱性・省エネ性は新築よりも低い
住宅の断熱性能・省エネ性能にかかわる基準や技術は年々進化しており、基本的にマンションは新しければ新しいほど断熱性・省エネ性が高いと言えます。
中古マンションを購入する際は、内覧時に窓周りの結露やカビの有無を確認しましょう。
玄関ドアや窓サッシ、窓ガラスは共用部に該当するため、簡単には区分所有者によって改修できませんが、断熱性・省エネ性アップが目的であれば、工事を許可される可能性はあります。
また、近年は大規模改修の一環で、既に断熱工事をしているマンションも珍しくありません。
そのため、断熱性や省エネ性が気になる方は、過去にどのような改修が施されているかチェックしましょう。
構造上リノベーションでは変えられない部分がある
マンションの専有部内であっても、構造躯体である以下の部分には一切手をつけられません。
- ・床スラブ
- ・天井スラブ
- ・戸境壁
- ・コンクリート梁
- ・コンクリート柱
- ・パイプスペースやパイプシャフト(配管が縦に通っているスペース)
- ・バルコニーやベランダ
- ・玄関ドアや窓サッシ、窓ガラス(性能向上のための改修を除く)
そのため、給排口やエアコンの冷媒管を通すための孔を外壁へ開けたり、キッチンフードのダクトを梁へ貫通させたりできません。
また、間取り変更に伴う玄関ドアや窓の位置変更、排水管の勾配(傾斜)を確保するために床スラブを削るような工事もNGです。
マンションの築年数や構造によっては、専有部内の間仕切壁も構造の一部となっており、解体撤去や移動できない壁式工法のマンションもあるため注意してください。
中古マンションをリノベーションして理想通りのプランを実現するためには、物件を選ぶ際にそれを叶えられるかどうかの視点が欠かせません。
そのため、物件選びとリノベーションを同時進行できる会社へ相談するのがおすすめです。
〈おすすめコラム〉
【マンションのスケルトンリフォーム】物件選びの注意点と費用・事例を紹介
管理規約によるリノベーションプランの制限がある
中古マンションのリノベーション事例を見る:Case112「じぶん価値の家」
管理規約によってリノベーションできる範囲が狭まる可能性もあります。
よくある例は以下のとおりです。
- ・水回りの移動禁止(水漏れリスク防止)
- ・床材の仕様限定(騒音トラブル防止)
- ・工事できる時間帯や曜日限定(騒音トラブル防止)
管理規約によって、リノベーションプランや工期に影響するため、事前チェックは欠かせません。
物件を購入する前に、管理会社などを通して内容をチェックしましょう。
その際には、リノベーションをする際に必要な工事申請についても詳細(申請期限・申請書類)を確認してください。
仕上がりが分かりにくい
新築マンションはモデルルームや実際の部屋で完成形を確認して購入を決められますが、リノベーションはそうもいきません。
そのため、SNSやブログを見ると「イメージと違った」と感じている方もいるようです。
リノベーションのイメージを膨らませて実際の仕上がりを確認するためには、施工事例豊富なリノベーション会社へ相談することが重要です。
現場見学会があれば、ぜひ参加してみましょう。
また、内装材や設備機器を選ぶ際に必ずショールームで実物を確認することも重要です。
▶︎マンションリノベーションの完成見学会やセミナー情報はこちらから
住み始められるまで期間がかかる
新築マンションは購入後に引き渡しを受ければ翌日から入居できますが、中古マンションは引き渡し後にリノベーションに着手するため、入居まで時間がかかります。
そのため、どうしても入居できるまで期間がかかります。
入居までの期間をできるだけ短縮したい方には、物件を探しながらリノベーションのプランニングを進められる会社がおすすめです。
リノベーション期間中にかかる仮住まいや荷物保管用テナントの賃料も予算へ組み込んでおきましょう。
〈おすすめコラム〉
中古住宅の物件探しから契約・引き渡しまでのスケジュールは?期間の目安はどのくらい?
トータルコストを把握しにくい
新築マンション購入に比べて、中古マンションを購入してリノベーションする場合は、様々な費用がかかりトータルコストを把握しにくいケースは珍しくありません。
新築の場合 |
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中古+リノベの場合 |
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トータルの予算内で中古マンション購入とリノベーション、その他の経費を全て収めたい方は、物件探しから資金計画、リノベーションまでまとめて相談できる会社がおすすめです。
それぞれを別の会社へ相談するよりも情報交換や連携がスムーズで、限られた打ち合わせ時間をフル活用できます。
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中古住宅の効率的な探し方とコツ|購入の流れと予算や条件の注意ポイント
中古マンションのメリット・デメリットや新築・賃貸との違いは?
リノベーション前提で中古マンションを選ぶ際は、「築年数・構造・住宅性能・長期修繕計画・コスト・共用部・管理規約・管理費や修繕積立金」のポイントを押さえましょう。
築年数
築40年を超えている物件や旧耐震基準の中古マンションは、物件の資産価値が低いとみなされて住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。
ローンを組まない場合でも、耐震性などの性能が心配です。
また、古いマンションは配管や配線からやりかえなくてはならず、リノベーションの費用が高くなる可能性もあります。
一方で、築年数が浅い物件は新築マンションとの価格差が小さく、中古マンションの購入費用+リノベーション費用の方が高くつくケースも少なくありません。
リノベーション前提で中古マンションを買う方におすすめなのが「築25〜30年」の物件です。
新築マンションの40〜50%程度で物件を購入でき、その後の資産価値目減りも緩やかです。
また、マンションの劣化がそれほど進んでいない物件が多いため、リノベーション費用を間取り変更やインテリアなどに充てられます。
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住宅性能
マンションの住宅性能は物件のグレードや劣化度合いによって変わり、区分所有者個人では根本的に改善できません。
そのため、物件を選ぶ際は以下の性能に着目してみましょう。
- ・耐震性能(建築時期や構造図面から推測)
- ・断熱性能(建築時期や仕様から推測)
- ・防音遮音性能(仕様から推測)
耐震性能は専有部分のリノベーションで変えられないため、特に入念なチェックが必要です。
断熱性能と防音遮音性能はリノベーションによってアップしますが、その分費用がかかるため、事前に予算へ含めておきましょう。
コスト(物件価格・リノベーション費用)
最も不動産価格の高い東京において、2023年に売買された中古マンションの平均価格は「5,678万円」です。
㎡単価は「95.38万円」なので、70㎡の物件では約6,700万円になる計算です。
フルリノベーションする場合は、さらに「15〜20万円/㎡」程度の工事費用がかかります。
中古マンションは新築マンションよりもリーズナブルですが、トータル予算を踏まえた資金計画が重要です。
購入後に支払う税金や管理費・修繕積立金などの費用も踏まえて、慎重にシミュレーションしましょう。
管理費・修繕積立金の額
マンションの管理費および修繕積立金の平均額は以下のとおりです。
(地域) | (管理費平均額) | (修繕積立金平均額) |
首都圏 | 12,321円/月 | 11,164円/月 |
東京23区 | 13,815円/月 | 10,736円/月 |
(参考:東日本不動産流通機構|首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金)
管理費の金額はマンションの規模や共用サービスの内容によって変わりますが、修繕積立金は築年数が経つごとに値上がりするのが一般的です。
中古マンションを購入する場合は、その時点での修繕積立金額だけではなく、その後の値上がり予定もチェックしましょう。
修繕積立金の値上がりについては、長期修繕計画書などへ記載されています。
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共用部の管理状況やサービス
中古マンションのリノベーション事例を見る:Case165「INDUSTRIAL+PLANTS」
共働き世帯や単身世帯など、日中あまり在宅していないご家庭にとって宅配ボックスは欠かせない設備ですよね。
設置されていても戸数に対してボックスの数が足りないと、結局再配達を頼まなくてはいけなくなります。
また、オートロックや防犯カメラなどセキュリティ面での備えがどのようになっているかも重要なポイントです。
マンションの管理状況やサービスの内容は、生活の利便性に影響します。
管理スタッフの常駐時間や共用スペースの充実性に加えて、ライブラリーやパーティルーム、ジムなどを備えているかチェックすると良いでしょう。
管理規約
リノベーションにかかわるルールがあるかどうかに加えて、ペット飼育に関するルールもチェックしましょう。
ペット禁止のマンションでは、基本的にペットの飼育は認められません。
ペットを飼っている方や将来飼いたいと思っている方は、以下の点を必ず確認してください。
- ・飼育できるペットの種類やサイズ
- ・飼育できるペットの数
- ・ペットを共用部へ連れ出す場合のルール
- ・ペット分の追加管理費
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長期修繕計画の内容とこれまでの改修履歴
マンションの平均的な寿命は50年を超えていますが、これはあくまでも正しく定期的にメンテナンスされている物件に限ります。
修繕積立金が不足していて劣化を手直しできていなければ、築50年を待たずに建て替えを余儀なくされる可能性は十分考えられるのです。
中古マンションを購入する際には、長期修繕計画の有無や内容と、これまでに「いつ・どこに・どのような」メンテナンス工事がされているかを確認しましょう。
長期修繕計画書には、今後のメンテナンススケジュールに加え、修繕積立金の状況も記載されているのが通常です。
ちなみに、国土交通省作成の長期修繕計画作成ガイドラインでは、大規模修繕工事の実施スパンは「15年に一度」と推奨されています。
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中古マンションのリノベーションで使える補助金・減税制度
中古マンションのリノベーション事例を見る:Case143「光あふれ、風に寄り添うワンルーム」
中古マンションを購入してリノベーションしたいとお考えの方からよくご質問いただくのが、「補助金・助成金」や「減税制度・税控除」についてです。
主な制度を紹介しますので、該当するものがあるか事前にチェックしておきましょう。
【補助金・助成金】
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業(2024年度分の「評価基準型」は受付終了)
- 【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 子育て支援型共同住宅推進事業
- 介護保険における住宅改修
- 子育てエコホーム支援事業(リフォーム)
- 先進的窓リノベ2024事業
- その他、各自治体による補助事業
補助金・助成金については、それぞれ予算額が設けられており、申請額がそれに達した時点で受付を締め切るため、早めに申請しましょう。
一方、減税や税控除特例は予算額はないものの、申請者の条件やそれぞれ対象期限が決められているため、事前に必ず確認してください。
まとめ:物件選び・リノベーションのプランニング・資金計画の同時進行がおすすめ
中古マンションを購入してリノベーションを考えている方は、物件選び、リノベーションのプランニング、資金計画を同時に進めることをおすすめします。
そこでご検討いただきたいのが、物件探しから資金計画、リノベーションまでまとめて相談できるワンストップリノベーションです。
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