〈築30年の中古マンション〉固定資産税はどのくらい?控除はある?
中古マンションを購入する際、物件価格へ目が行きがちですが、住み始めてから支払い続けなくてはいけない「固定資産税」の金額も重要です。
そこで、今回は築30年の中古マンション固定資産税額をシミュレーションしてみましょう。
税控除制度も紹介しますので、中古マンション購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
・固定資産税は、不動産を所有している限り永続的に支払う税金。家屋分については築年数によって税額が変わります。
・リノベーションによって、固定資産税が一部控除される可能性もあります。
・“howzlife”では、中古住宅の物件探しから資金計画までプロがサポートする「ワンストップリノベーション」で最適な住み替えをお手伝いしています。
Contents
固定資産税とは?どう税額が算出されるの?築年数は関係ある?
日本で土地・建物を持つ方全てに課税されるのが「固定資産税」。
不動産を所有している限り、永続的に支払わなくてはいけません。
固定資産税として納税されたお金は皆さんの日々の生活を支える財源として活用されています。
固定資産税は普通税(税収の使途が定められていない税)であり、徴収した市町村により、例えば皆さんが毎日使う道路や学校、友達と遊ぶ公園など、日々の生活で利用する公共施設の整備のほか、介護・福祉などの行政サービスにも使われています。
(引用:総務省|固定資産税の概要と歴史)
その年の1月1日時点における所有者に課税され、税額は以下のように算出されます。
【固定資産税額の算出方法】
課税標準額 × 税率1.4%
課税標準額とは、“適正な時価(評価時の正常な取引価格)”とされており、土地・家屋それぞれで設定方法が少々異なります。
【課税標準額の設定前提】
土地:その土地の売買実例価格などを基礎として、評価額を計算し、宅地においては「地価公示価格の7割程度」を目安に設定。
家屋:再建築価格(その場所に建て直す場合に必要となる建築費)に経年減点補正率などを考慮して、評価額を算出。
土地・家屋の場合、課税標準額は3年に一度自治体によって設定されます。
原則として、販売価格よりも評価額の方が安くなる点がポイントです。
そして、家屋については、課税標準額の算定において、築年数が大きく関わります。
キーワードは「経年減点補正率」。
木造・非木造かによって、築年数ごとに再建築価格へ係数が乗じられます。
例えば、鉄筋コンクリート造(RC造)の築30年経ったマンションの場合には、再建築価格に「0.3059」を掛けるのに対して、築10年ですと補正率は「0.7397」です。(参考:法務局|経年減点補正率)
つまり、課税標準額は築30年と10年を比較した場合、2倍程度になるということです。
ただし、築年数が古くなるにつれて、課税標準額がどんどん安くなるとも限りません。
なぜなら、物価変動に伴い建築資材額が上昇すれば、再建築価格に影響し、課税標準額が前年度よりも上回る可能性があるからです。
しかし、万が一前年度よりも課税標準額が上回った場合には、前年度の金額に据え置かれます。(参考:小平市|古い家屋の評価額が下がらないのはなぜですか)
固定資産税額は、納付先である自治体が算出します。
毎年送付される「納税通知書」へ記載されているため、税額はそちらを確認しましょう。
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固定資産税は“控除”される可能性も!対象となる要件は?
固定資産税額は、課税標準額によって求められますが、中古マンションを購入した際には、“控除”の対象となる可能性があります。
いくつか制度があるため、それぞれ該当するかどうかしっかり確認しておきましょう。
「住宅用地特例」
そのマンションが建っている土地が「小規模住宅用地」もしくは「一般住宅用地」であれば、固定資産税算出における課税標準額が大幅に少なく見積もられます。
小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分):課税標準額 × 1/6
一般住宅用地(小規模住宅用地以外の住宅用地):課税標準額 × 1/3
ただし、この特例を利用するためには、新築時に所有者が「固定資産税の住宅用地等申告書」を提出している必要があります。
〈参考ページ〉
「省エネ改修に関する特例措置」
中古物件において、一定の省エネ改修工事を行なった場合、工事完了年の翌年度分の家屋に係る固定資産税が1/3控除されます。
ここで言う“一定の省エネ改修工事”とは、以下のリノベーションを指します。
- ・窓の断熱改修工事(必須工事)
- ・床の断熱工事、天井の断熱工事、壁の断熱工事(オプション)
- ・太陽光発電装置の設置工事(オプション)
- ・高効率空調機の設置工事(オプション)
- ・高効率給湯器の設置工事(オプション)
- ・太陽熱利用システムの設置工事(オプション)
ただし、工事内容以外にも、床面積や省エネ基準、工事完了時期などの条件がありますので、リノベーションを行う前に、必ず詳細を確認してください。
〈参考ページ〉
「バリアフリー改修に関する特例措置」
省エネ改修だけではなく、バリアフリー工事を行なった場合にも、固定資産税減額の対象となる可能性があります。
一定のバリアフリー改修工事:以下のいずれかに該当する工事で、補助金等の額を引いた後の工事費用が税込50万円を超えるもの
(イ) 介助用の車いすで容易に移動するために通路又は出入口の幅を拡張する工事
(ロ) 階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限る。)又は改良によりその勾配を緩和する工事
(ハ) 浴室を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
A 入浴又はその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
B 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
C 固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者等の浴室の出入りを容易にする設備を設置する工事
D 高齢者等の身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し又は同器具に取り替える工事
(ニ) 便所を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの A 排泄又はその介助を容易に行うために便所の床面積を増加させる工事 B 便器を座便式のものに取り替える工事 C 座便式の便器の座高を高くする工事
(ホ) 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
(へ) 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事
(ト) 出入口の戸を改良する工事であって、次のいずれかに該当するもの
A 開戸を引戸、折戸等に取り替える工事
B 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事
C 戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事
(チ) 便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の材料を滑りにくいものに取り替える工事
(引用:国土交通省|バリアフリー改修に関わる固定資産税の減税措置)
上記の改修工事を行なった上で、築年数や居住者の年齢などの条件をクリアすれば、工事完了年の翌年度分の家屋に係る固定資産税が1/3控除されます。
〈参考ページ〉
「耐震改修に関する特例措置」
1982年1月1日以前に建てられた“旧耐震基準建物”を、現行の建築基準法に沿うように“新耐震基準建物”へリノベーションした場合は、工事完了年の翌年度分の家屋に係る固定資産税が1/2控除されます。
つまり、既に新耐震基準である1982年以降に建てられた中古物件を耐震改修しても、特例の対象とはなりません。
また、マンションの場合ですと一棟全体で性能基準をクリアしなくてはいけないため、適用されるケースはごく稀です。
〈参考ページ〉
「長期優良住宅化リフォームに関する特例措置」
一定の耐震改修、又は一定の省エネ改修を行い、長期優良住宅の認定を受けた場合に、翌年度分の固定資産税から3分の2が減額されます。
“一定の耐震改修”とは、「耐震改修に関する特例措置」の対象工事、“一定の省エネ改修”は、「省エネ改修に関する特例措置」の対象工事と同様です。
ただし、長期優良住宅の認定を受けるためには、以下の措置も取られていなくてはいけません。
- ・劣化対策
- ・耐震性(耐震等級(倒壊等防止)1以上)
- ・省エネルギー性(断熱等性能等級4もしくは断熱等性能等級3+一次エネルギー消費量等級4以上)
- ・維持管理・ 更新の容易性
- ・可変性
- ・バリアフリー性
- ・居住環境
- ・維持保全計画
- ・災害配慮
〈関連ページ〉
国土交通省|長期優良住宅化リフォームに係る固定資産税の減額措置
国土交通省|長期優良住宅認定制度の概要について(増築・改築版)
〈関連コラム〉
フルリノベーションするなら“長期優良住宅化”がおすすめ|メリットから工事内容まで徹底解説
築30年・中古マンションの固定資産税額はどのくらい?
では、具体的に固定資産税の概算を知りたい場合、どのくらいの税額になるのかシミュレーションしてみましょう。
物件条件は以下の通りです。
築年数:30年
専有面積:70㎡
新築時の販売価格;4,000万円(土地:1,000万円・家屋3,000万円)
(例)
- 【土地】700万円 × 1/6(控除分) × 1.4% ≒ 16,333
- 【家屋】2,000万円 × 0.3059(経年減点補正率)× 1.4% = 85,652
固定資産税の平均金額はオフィシャルに発表されていませんが、東京都の場合ですと、マンションで8〜12万円程度な物件がほとんどです。
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固定資産税だけではなく“都市計画税”もチェック
固定資産税以外にも忘れてはいけないのが「都市計画税」。
固定資産税と併せて、不動産を所有する人に課税されます。
普通税(税収の使途が定められていない税)である固定資産税と異なり、都市計画税は目的税(一定の政策目的を遂げるために、税収の使途が定められている税)であり、皆さんが住む市町村の発展のため、都市計画事業(道路、水道、公園などの公共施設の整備など)や土地区画整理事業など、決められた一定の事業に使われます。
(引用:総務省|都市計画税の概要と歴史)
税額の計算方法は以下の通りです。
【都市計画税の算出方法】
土地・家屋の課税標準額 × 税率0.3%以下(地方自治体により各自設定)
固定資産税と同様に、その年の1月1日時点での所有者に対して6月ごろに納税通知書が送られます。
税率が0.3%以下であるため、固定資産税よりも税額は少ないですが、決して安い訳ではありません。
そのため、購入後の支出シミュレーションをする場合には、都市計画税も忘れずに考慮しましょう。
中古マンションの購入と同時にリノベーションを検討する方も多いです。
しかし、購入資金・リノベーション資金、住み始めてからの諸税金額の全てを把握することは、決して簡単ではありません。
実際に、それぞれを分けて検討し、結果的に月々の支出が想定以上になってしまうケースもあります。
大切なことは、早い段階で精度の高い資金計画を立てること。
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まとめ:税金も踏まえた予算計画が重要
中古マンションを購入してリノベーションすればトータルの費用は抑えられますが、ランニングコストとしての固定資産税などの“税金”はかかります。
固定資産税・都市計画税は、不動産を所有している限り永続的に納めなくてはいけません。
そのため、購入前の資金計画を立てる際には、大体の税額を把握し、それを盛り込んでおくことが重要です。
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