スケルトンとは

スケルトンRC造

【スケルトン】

 

 

1. 概要

 

「スケルトン」とは「骨格・躯体」を意味します。リノベーションにおける「スケルトン」とは、マンションや戸建ての室内を、一度すべて解体・撤去し、柱・梁・床といった建物の構造躯体(コンクリートの箱)だけの状態に戻すことを指します。

 

この何もない状態から、間取り、内装、設備、さらには給排水管や電気配線といったインフラまで、すべてをゼロから新しく設計・構築する大規模な改修手法です。「フルリノベーション」とほぼ同義で使われることも多いです。

 

 

2. メリット

 

  • 圧倒的な間取りの自由度 既存の間仕切り壁をすべて撤去するため、ライフスタイルに合わせて「リビングをもっと広く」「水回りを移動させたい」といった抜本的な間取り変更が自由自在に行えます。

 

  • インフラ(配管・配線)の一新 目に見えない壁の内部や床下を通っている給排水管や電気配線、ガス管などをすべて新品に交換できます。漏水や漏電のリスクを大幅に減らし、住まいの性能を根本から向上させ、建物の長寿命化(資産価値の維持・向上)に貢献します。

 

  • 断熱性・遮音性の向上 壁や床を解体するからこそ、外気に面する壁の内側に断熱材を充填したり、床下に遮音材を施工するなど、住まいの快適性を高める根本的な対策を施すことが可能です。

 

 

3. デメリットと注意点

 

  • コストと工期 すべてを解体し、ゼロから作り直すため、壁紙の張り替えなどの「表層リフォーム」と比較して、解体費用や内装の造作費用がかかり、工期も長くなります。

 

  • 躯体の確認が必須 解体して初めて、構造躯体の状態(ひび割れや劣化状況など)が判明することもあります。特に古い建物の場合は、耐震性や劣化状況について専門家による診断が重要です。

 

  • マンションの制約 マンションには「専有部分」と「共用部分」があり、スケルトンリフォームであっても共用部分(玄関ドア、窓サッシ、バルコニーなど)は変更できません。また、構造上撤去できない壁(構造壁)が存在する場合もあるため、事前の確認が必要です。

 

 

4. 対義語・関連語

 

  • 表層リフォーム(表層リノベーション) スケルトンとは対照的に、構造躯体や間取りには手を加えず、壁紙(クロス)や床材の張り替え、キッチンの交換など、目に見える表面的な部分の改修を指します。

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