公開日:2023-08-06 更新日:2024-12-19
〈2023年最新版〉中古住宅のリフォームで使える補助金“7選”と重要ポイントを徹底解説
「中古住宅の購入・リノベーションを少しでもお得にしたい」そんな方におすすめなのが、補助金の活用です。
しかし、補助事業の詳細を様々なサイトで調べるのは少々大変ですよね。
また、申請要件や期限はそれぞれ異なり、果たしてどれに当てはまるのか分かりづらいでしょう。
そこで、今回は中古住宅のリノベーションに関連する補助事業“7選”を詳しく解説します。
減税特例や補助金を申請する際のポイント・注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・中古住宅のリフォームが対象の補助金はいくつかありますが、それぞれ対象要件や申請期限が異なります。
・補助金申請をする前に、後悔しないためのポイントや注意点も知っておきましょう。
・中古物件の物件探しから資金計画、リノベーションの設計施工、補助金申請までの全てをプロにサポートしてもらえるSHUKEN Reの「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
目次
〈2023年版〉中古住宅のリフォームで利用できる補助金“7選”
日本の既存住宅、いわゆる“ストック住宅”は増加する一方で、今や総世帯数を上回っています。
実際に、総務省の「住宅・土地統計調査」によると、誰も住まず空き家になっている住宅の総数は、1988年から2018年の20年間で約1.5倍に増加していることというデータも。
特に、木造の一戸建て住宅で空き家になっている物件は全国で240万戸もあるとされています。(引用:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について)
さらに注目すべきなのが、空き家を含めた既存住宅の多くは、耐震性・断熱性が現在の水準に達していないという点です。
この現状を解決に導くべく、各省庁・各自治体は、中古物件のリノベーションに関していくつもの補助事業を行なっています。
ここでは、特におすすめの7事業について、詳しく見てみましょう。
その①「こどもエコすまい支援事業」
2021年に開始され当初設定された申請期限を待たずに終了してしまった「こどもみらい住宅支援事業」を引き継ぐ形で発足された「こどもエコすまい支援事業」。
2023年3月31日より申請受付が開始されており、「注文住宅の新築」・「新築分譲住宅の購入」と併せて、「既存住宅(中古住宅)のリフォーム」が対象です。
注文住宅の新築・新築分譲住宅の購入の場合は、申請要件として「子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかである」ことが求められますが、リフォームの場合は、どなたでも申請できます。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※(1)〜(3)のいずれかは必須工事で、それ以外は(1)〜(3)と同時に行った場合のみ対象 |
【補助金額】 | 上限30万円/戸(工事内容によってそれぞれ決められた金額を合算) |
【申請期限・申請方法】 | 2023年12月31日までに、「こどもエコすまい支援事業者」が代理申請 |
(2023年7月20日時点で、予算額に対して申請受理割合は「75%」)
そのため、該当するリノベーションを既に検討中の方は、施工会社としっかりスケジュールを相談しましょう。
▶︎詳細は「こどもエコすまい支援事業」公式HPをご覧ください
その②「先進的窓リノベ事業」
こちらは、工事内容を既存住宅(中古住宅)の窓断熱リノベーションに限定した補助事業です。
窓断熱リノベーションにおいては、最も補助金額が高いため、開口部の取り替えがメインの場合には、ぜひ利用してください。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※「カバー工法」とは既存サッシ枠を残したままその上から新規サッシ枠を被せる工法で、「はつり工法」は窓周辺の壁を解体して既存サッシを枠から取り替える工事 |
【補助金額】 | 上限を200万円/戸(工事内容・窓サイズ・箇所数によってそれぞれ決められた費用を合算) |
【申請期限・申請方法】 | 2023年12月31日までに、「窓リノベ事業者」が代理申請 |
ただし、期限が迫ると一斉に申請件数が増えることも想定できるため、やはり早めのスケジューリングが欠かせません。
(2023年7月20日時点で、予算額に対して申請受理割合は「戸建住宅44%」「マンション45%」)
その③「給湯器省エネ事業」
こちらは、高性能給湯器への交換やリース契約が対象の補助事業で、新築住宅・中古住宅ともに対象です。
「家庭用燃料電池(エネファーム)」「電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器(ハイブリッド給湯器)」「ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」のうち、対象商品を導入した場合に補助金が支給されます。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※リースの場合は、6年以上の契約期間がある場合に限る |
【補助金額】 |
※戸建住宅の場合は、いずれか2台分まで申請可能 |
【申請期限・申請方法】 | 2023年12月31日までに、「給湯省エネ事業者」が代理申請 |
そのため、当初設定された申請期限まで事業が継続する可能性が高いでしょう。
ただし、給湯省エネ事業者と工事契約を締結し、着工した後での交付申請(予約)となるため、注意してください。
その④「次世代省エネ建材の実証支援事業」
こちらは、他の事業とは異なり、次世代に向けた品質や技術の向上を目的とした実証を行うための事業です。
既存住宅における消費者の多様なニーズに対応することで省エネ改修の促進が期待される工期短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証を支援する。
そのため、補助金を受け取った後も、被験者としての義務が生じます。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※(1)と(3)は戸建住宅のみ対象、②は戸建住宅・集合住宅が対象 |
【補助金額】 | 補助対象経費の1/2 以内
※外張り断熱は地域によって上限額300〜400万円 ※内張り断熱は戸建住宅の場合一律で200万円・集合住宅は125万円まで(下限額20万円) ※窓断熱は仕様によって150〜200万円まで |
【申請期限・申請方法】 | 令和5年度一次募集は2023年8月25日までに、認定を受けた事業者が代理申請
(二次募集は2023年9月4日~11月30日で実施決定済み) |
そのため、今から(2023年7月以降)ですと早くても二次募集となる可能性が高いでしょう。
申請までの期間はケースによって異なりますので、詳しくは施工会社へお問い合わせください。
▶︎詳細は「次世代省エネ建材の実証支援事業」公式HPをご覧ください
その⑤「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
長期優良住宅制度とは、定められた基準以上の性能を持つ「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅」を認定する制度で、新築住宅だけではなく、既存住宅の改築・増築も対象です。
長期優良住宅を増やす目的で行われている事業が、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」。
認定条件をクリアするための工事を行うことが要件です。
良質な住宅ストックの形成や、子育てしやすい生活環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援を行う事業です。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※(1)〜(3)は戸建住宅・集合住宅ともに必須工事、(5)・(6)は集合住宅のみ、(7)〜(10)は必須工事と同時に行った場合のみ対象 ※集合住宅において1住戸のみでの申請する場合は、耐震性・断熱性等の基準について、建物全体で基準を満たしていることが必須(参考:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|長期優良住宅に係るQ&A) |
【補助金額】 | 補助対象費用の1/3(上限は原則100万円/戸) |
【申請期限・申請方法】 | 2023年12月15日までに登録事業者によって住宅登録を行う(完了報告期限2024年2月6日)
※住宅登録が完了する前に着手したリフォーム工事は対象外 ※事業者登録が完了する前に締結した工事請負契約等は対象外 ※補助対象とする工事は必ず住宅登録後に着工すること |
ただし、予算上限に近づいているため(2023年7月20日時点)、やはり早めにスケジュールを立てることがポイントです。
▶︎詳細は「長期優良住宅化リフォーム推進事業」公式HPをご覧ください
〈関連コラム〉
フルリノベーションするなら“長期優良住宅化”がおすすめ|メリットから工事内容まで徹底解説
その⑥「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業」
公益財団法人 北海道環境財団が行なっている事業ですが、全国の既存住宅(中古住宅)が対象となります。
「令和5年6月公募」は、2023年8月10日に申請期限を迎えるため、これからリノベーションの検討を始める方は、次回以降の公募情報をチェックしましょう。
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
※(1)と(2)の同時申請は不可 |
【補助金額】 | 上限120万円/戸(工事範囲によってそれぞれ定められた金額を合算) |
【申請期限・申請方法】 | 施工会社による代理申請(令和5年6月公募は2023年8月10日で終了) |
そのため、引き続き最新情報をチェックしましょう。
▶︎詳細は「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」公式HPをご覧ください
その⑦「都道府県・市区町村による補助事業」
ここまでは、主に国の予算を財源とした事業を紹介しましたが、それ以外にも都道府県・市区町村ごとに実施されている補助事業もあります。
例えば、東京都では、既存住宅の省エネ改修が対象の「東京都既存住宅省エネ改修促進事業(令和5年度は、今後予算案の議決をもって実施が決定)」、神奈川県では「令和5年度神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金」が行われています。
その他、市区町村単位で多世帯対応リフォームや省エネ設備の導入に対して、助成金を支給しているところもありますので、リノベーションをする際は、必ず情報をチェックしましょう。
〈参考ページ〉
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」(令和5年度版は令和5年7月に公開予定)
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補助金が使えない場合でも“減税特例”の対象となるかも
事例を見る:Case154「Magical Renovation」
補助金は工事をするタイミングによって受け取れない可能性もありますが、“減税特例”は要件に当てはまればいつでも・どなたでも申告できます。
また、補助金と併用できるため、ぜひ確定申告をしてもれなく活用してください。
【所得税】住宅ローン減税
【主な要件】 |
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【減税額】 | 借入限度額や入居時期によって、最長13年間・最大35万円/年
※「長期優良住宅」「低炭素住宅」「ZEH水準住宅」「省エネ基準適合住宅」の認定を受けている場合は、借入限度額の引き上げ優遇措置あり |
(引用:国土交通省|住宅ローン減税)
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【所得税】住宅特定改修特別税額控除
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
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【減税率】 | 「一般省エネ改修工事の標準的な費用 × 10%」 +「併せて行う工事費用もしくは省エネ改修工事の標準的な費用のうち控除対象限度額を超える部分 × 5%」相当額 |
【固定資産税】長期優良住宅化リフォームに関する特例措置
【主な要件】 |
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【対象工事】 |
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【減税率】 | リノベーション工事を行った翌年度分の固定資産税から2/3が減額 |
補助金申請をする前に知っておくべきポイントは?
補助金申請を初めてしようとお考えの方は、ぜひ事前にポイントを押さえておきましょう。
知らずに進めると、補助金が思うように受け取れなかったり、リフォームそのものを後悔してしまうかもしれません。
その① リフォームの中でも補助金をもらえる工事は限定的
確かに既存住宅の活用が推進されていますが、どんなリフォーム工事でも補助金対象となる訳ではありません。
多くの事業において申請要件になっているのが、以下の工事に当てはまる場合です。
【補助金の対象となる主なリフォーム工事】
- ・耐震性向上工事
- ・防災性向上工事
- ・断熱性向上工事
- ・省エネ化工事
- ・住宅の長寿命化工事(耐久性・維持管理性・可変性の向上など)
- ・バリアフリー工事
- ・その他、多世帯同居対応工事、テレワーク対応工事、子育て対応工事など
キーワードは、ズバリ「長寿命」「省エネ」「持続可能性」です。
これらを踏まえて工事プランを立てると、補助金の申請要件を満たせる可能性が高まります。
その② 工期に余裕を持つことは必須
多くの補助金は、申請期限までに工事のプランや仕様を決め、施工会社と契約を交わす必要があります。
事業によっては、さらにホームインスペクションを受けなくてはいけません。
そのため、申請期限までまだ期間がある場合でも、余裕を持ってスケジュールを組むことが重要です。
中古住宅の購入から始める場合は、物件探しの段階から、不動産会社やリノベーション会社へ補助金申請を検討している旨を明確に伝えましょう。
その③ 組み合わせ次第では複数の補助金を併用できる
断熱リノベーションや耐震リノベーション、省エネ化リノベーションは、いくつかの補助事業の申請要件になっているため、併用できると思う方もいるでしょう。
しかし、原則として、一つの工事に対して国税を財源としている補助事業を同時に複数申請することはできません。
ただし、一軒の住宅に、断熱窓工事・給湯器取り替え工事など複数の工事を行う場合、それぞれで要件を満たしていれば、併用申請が認められる可能性もあります。(参考:国土交通省|住宅省エネ2023キャンペーンよくあるご質問)
また、公共団体により運営されている補助事業など、国税が財源でない事業も、同じく併用申請ができるかもしれません。
詳しくは、各自治体・各団体にお問い合わせください。
その④“補助金ありき”と焦ってしまい後悔することも
よくある失敗が、「補助金を受け取りたいがために焦ってプランニングしてしまう」というケース。
確かに、補助金は決して小さな金額ではないため、できるだけ利用したいところですが、ずっと住み続けるマイホームだからこそ、慌ててプランニングすると、住み始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれません。
重要なのは、“補助金ありき”で予算組みをしないということです。
リノベーション会社とタイミングを見て、無理なく申請できる補助金をピックアップしましょう。
そのためには、常に最新情報を収集している会社へ相談することがポイント!
また、トータルコストやトータルスケジュールを提案できる“ワンストップリノベーション”を提供している会社を選ぶのもおすすめです。
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中古住宅を購入・リノベーションをするにあたり、不動産会社へ物件探しを相談し、リノベーション会社へ設計・施工を相談すると、どうしてもトータルコストやトータルスケジュールを把握するのが難しくなってしまいます。
また、補助金申請を視野に入れている場合は、申請期限から逆算したスケジュール組みが必要です。
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一般の方が見ただけでは気づきにくい欠陥や劣化も見つけてもらえますし、どれほどのリノベーションで直せるのかも提案してもらえます。
物件購入費用とリノベーション費用を合わせたトータルコスト、引っ越しまでのスケジュールを提案してもらえる点もポイントです。
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ワンストップリノベーションのメリット・デメリットは?リノベ事例も紹介
中古住宅を購入してリノベする流れを解説|ワンストップの魅力とは
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まとめ:タイミングに合わせて利用できる補助金情報をチェック!
中古住宅の購入やリフォームには、まとまった資金が必要となるため、補助金を利用して少しでもコスパ良く“夢のマイホーム”を手に入れたいですよね。
注意しなくてはいけないのが、補助金対象となる工事は、「長寿命」「省エネ」「持続可能性」などを向上するものに限定される点や、それぞれ細かな要件・申請期限が異なるという点です。
そのため、常に新しい情報を得ているリノベーション会社へ相談しましょう。
ただし、「補助金ありき」で慌ててスケジュールを立てると、後悔しかねません。
あくまでも、リフォームの目的は住まいの性能や快適さをアップすることというのを忘れないようにしてください。
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