公開日:2025-11-26
マンションの結露がひどい!原因&対策|発生しやすい場所や注意点、放置するリスクも解説

「マンションの結露がひどい!どうしたらいい?」とお困りの方へ。
結露が発生すると掃除の手間がかかるだけではなく、カビや健康被害の原因となるケースもあり、防止対策が欠かせません。
この記事では、マンションの結露がひどい場合の原因&対策をご紹介します。
マンションの結露がひどい状態を放置するリスクや対策する際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください♪
- ・マンションで結露が発生する原因には、「空気の温度差が激しい」「湿度が高い」という点が挙げられます。
- ・マンションの結露がひどい場合の防止対策として、「生活習慣を改善する」「住宅全体に断熱リフォームを実施する」などをご紹介します。
- ・管理規約で断熱リフォームが制限されているケースがあり、あらかじめ管理規約の内容を確認しましょう。
目次
■マンションの結露がひどい!なぜ発生する?【原因】

「マンションの結露がひどい!なぜ発生する?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
まず、マンションで結露が発生する原因を解説します。
空気の温度差が激しい
マンションで結露が発生する主な原因は、室内と室外などで空気の温度差が激しい点にあります。
空気の温度差と結露発生の関係は、以下のとおりです。
「空気の温度差」と「結露発生」の関係
空気は温度が下がると、空気中に内包できる水分量(飽和水蒸気量)が減少する性質を持っています。この空気中に含むことができなくなった水分が凝結して結露として現れます。
なお、結露が発生する温度を「露点」と呼びます。
たとえば、結露が発生しやすい「冬場の窓」を考えてみましょう。
外気の冷たさが伝わると、室内側の窓の表面温度が下がります。そこに暖房で温められた室内の空気が触れると、窓の表面付近の空気の温度が急激に下がり、内包できなくなった水分が結露になります。
とくに断熱性が低い「アルミサッシ」やガラスが1枚の「単板ガラス」を使用している場合は、熱の出入りする量が大きく、外気の影響を受けやすくなり、結露がひどくなってしまうのです。
同じメカニズムで、窓だけではなく、壁や玄関ドアなども結露する場合があります。
湿度が高い
室内の湿度が高い場合は、空気中には多くの水分が含まれており、少しの温度差でも結露が発生する可能性があります。
たとえば、冬場に過度に加湿器を使用すると空気中の水分量が増えてしまい、温度が変化しやすい窓付近の結露がひどくなるケースがあります。
具体的には、湿度が70%を超えると結露のリスクが高まるとされているため、湿度管理には注意しましょう。
湿度が高く結露が起きやすい場所については、次の章で解説します。
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■マンションの結露が発生しやすい場所

マンションの結露が発生しやすい場所は、以下のとおりです。
| 場所 |
理由 |
|---|---|
| 開口部 (窓・玄関ドア) |
外気の影響を受けて窓やドアの温度が変化しやすく、室内の空気との温度差で結露が発生する |
| 水回り周辺 (キッチン・浴室・トイレ・洗面室) |
水を利用する際に発生する水蒸気で、室内の湿度が高くなる |
| 収納スペース (押入れ・クローゼット・パントリー) |
風通しや日当たりを確保しにくく、湿気がこもる |
| 寝室 | 就寝中の呼吸や発汗により、湿度が高まる |
風通し・日当たり・換気設備の有無などの条件によっても異なりますが、上記の場所は温度差や湿気が原因で結露が起きやすく、防止対策を講じることが大切です。
次の章以降でご紹介する「マンションの結露がひどい場合の防止対策」を実践して、結露を防ぎましょう。
■マンションの結露がひどい場合の防止対策

マンションの結露対策は、①自分でできる一時的な対策と、②根本から解決するリノベーション対策の2段階で考えることが重要です。
対策レベル1:自分でできる応急処置・緩和策
まずは、コストをかけずに試せる結露防止の対策をご紹介します。
ただし、これらは発生した湿気を取り除いたり、表面的な結露を抑えたりする「対症療法」であり、結露の根本原因(=建物の断熱性の低さ)は解決しない点に注意が必要です。
【①生活習慣を改善する】
生活習慣を以下のように改善すると、マンションのひどい結露が軽減される可能性があります。
生活習慣の改善ポイント
- ・換気を徹底して室内の湿気を逃す
- ・結露が発生したら、こまめに拭き取る
- ・加湿器を使いすぎない(湿度計をチェックしながら利用する)
- ・室内干しを避けて、洋服から湿気が発生するのを防ぐ
- ・水蒸気が発生する観葉植物や水槽は風通しのいい場所に設置する
- ・家具で窓をふさがないなど、風通しのいい家具のレイアウトを心がける
上記のように、ちょっとした工夫で結露の発生を防ぐことができますよ♪
「湿気を逃す」「湿気を発生させない」を意識しながら、生活しましょう。
【②結露防止グッズを活用する】
マンションの結露がひどい場合は、以下の結露防止グッズを活用しましょう。
結露防止グッズ
- ・結露防止スプレー
- ・結露防止シート(断熱シート)
- ・断熱カーテン
- ・サーキュレーター
- ・除湿剤
- ・除湿器
- ・水蒸気の発生しない暖房器具(電気ストーブ・エアコン)
上記のグッズは、通販やホームセンターで買えるため、気軽に対策できるのがメリット◎。
ただし、結露防止グッズは結露の発生を緩和できる可能性があるものの、断熱性が低いこと自体は変わらないことから、根本的な解決につながらないケースがほとんどです。
「根本から結露の発生を防ぎたい」とお考えの場合は、次の章以降のリフォームを検討しましょう。
対策レベル2:根本原因から解決するリノベーション
結露防止グッズを試しても効果がない、または毎年冬になるたびに対策するのが面倒、という場合は、結露の根本原因である「窓や壁の断熱性の低さ」をリノベーションで解決するのが最も確実です。
【①内窓(二重窓)を設置する】
「内窓」とは、現在ある窓の内側に新たに設置する窓のことで、「二重窓」や「二重サッシ」とも呼ばれます。
マンションの窓に内窓を設けると、外窓と内窓の間にできる空気層が熱の出入りを防ぎ、外の熱気・冷気の影響を受けづらくなります。これによって、室内側の窓の表面温度が変化しにくくなるため、結露を防止できます。
加えて、「外の熱気・冷気の影響を受けづらい=室内の温度を一定に保ちやすい」ということ。室内の暑さ・寒さを軽減して、快適性アップにつながります。
また、内窓の設置は壁や窓(共用部)を壊さない「専有部分」の工事と見なされることが多いため、管理規約上の制約が少なく、リフォームの許可が下りやすい点が最大のメリットです。
【②断熱性に優れた窓ガラス・サッシに交換する】
マンションの結露がひどい場合、断熱性に優れた窓ガラス・サッシに交換するのも結露防止に効果的な方法です。
断熱性に優れた窓ガラス・サッシは熱を伝えづらく、外気の影響により室内側の表面温度が変化するのを防げるので、結露の発生を抑えられます。
断熱性に優れた窓ガラス・サッシの種類は、以下のとおりです。
| 種類 | 特徴 | |
|---|---|---|
| 窓ガラス | 複層ガラス(ペアガラス) | ガラスが2枚あるタイプで、ガラスの間に中空層を設けている |
| Low-E複層ガラス | 複層ガラスに、薄い特殊な金属膜をコーティングしている | |
| トリプルガラス | ガラスが3枚あるタイプで、ガラスの間に2つの中空層を設けている | |
| サッシ | アルミ樹脂複合サッシ | 外側にアルミ、内側に樹脂を使用している |
| 樹脂サッシ(オール樹脂サッシ) | 外側・内側の両方で樹脂を使用している | |
窓ガラスの断熱性能は「複層ガラス<Low-E複層ガラス<トリプルガラス」、サッシの断熱性能は「アルミ樹脂複合サッシ<樹脂サッシ」となります。
現在の窓の結露が窓ガラスとサッシで発生しているようであれば、両方の交換を検討しましょう。
ただし、マンションの窓ガラスやサッシ本体は「共用部分」と定められているケースが非常に多く、オーナーの判断で自由に交換できない可能性が高い点に注意が必要です。まずは管理規約をリフォーム業者と一緒に確認することが不可欠です。
【③住宅全体に断熱リフォームを実施する】
住宅全体に以下の断熱リフォームを実施すると、窓だけではなく、壁の結露も抑えられます。
断熱リフォームの種類
- ・内窓の設置
- ・窓ガラスやサッシの交換
- ・天井・壁・床の断熱材の交換や充填
壁の断熱性を高めて熱の出入りを軽くすれば、外の熱気・冷気が室内側に伝わるのを予防でき、室内の空気が壁に触れても結露は発生しづらくなります。
また、住宅全体を断熱化すると、廊下やトイレなどの非暖房室にも外の寒さ・暑さが伝わりづらくなり、すべての空間を快適に保てるのも魅力◎。
さらに、部屋同士の温度差が小さくなるため、急激な温度変化によって起こる健康被害「ヒートショック」を回避できます。
【④風通しがよく日当たりを確保できる間取りへ変更する】
リフォームで風通しがよく日当たりを確保できる間取りへ変更すると、湿気を排出しやすくなり、結露予防につながります。
たとえば、以下のような間取り変更を行えば、風通しや日当たりを改善できます。
風通しや日当たりを改善できる間取り変更
- ・壁を抜いて、住宅の中心部まで日が当たるようにする
- ・室内窓を設置して、中心部の空間まで風が通るようにする
- ・収納スペースを通り抜けられるウォークスルータイプにする
間取り変更する場合、生活・家事動線も変わります。「家事や生活がしやすいか」という点も踏まえて間取りを決めましょう。
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■マンションの結露がひどい状態を放置するリスク

マンションの結露がひどい状態を放置するリスクは、以下のとおりです。
●水が付着した跡やシミが残る
●カビが繁殖する(見た目が損なわれる・健康被害のおそれがある)
●腐食やカビの繁殖が進行して、窓周辺や壁が傷む
●サッシなどの金属がさびる
●傷んだ箇所の修繕費用がかかる
結露がひどい状態をそのままにすると、住宅の耐久性やデザイン性が低下するだけではなく、費用面でも負担が増えます。
また、結露を放置しつづけて劣化が進行する場合、資産価値が下がりかねないため、早めに防止対策を講じましょう。
■マンションの結露防止対策の注意点

ここでは、マンションの結露防止対策の注意点をご紹介します。
それぞれのポイントを押さえて、結露防止対策を成功させましょう。
根本的に解決したいならリフォームを選ぶ
マンションの結露がひどい状態を根本的に解決したいなら、内窓設置などのリフォームを選びましょう。
グッズは結露防止にある程度役立つものの、効果が限定的だったり、グッズを交換する手間がかかったりするので、一時的な利用に留めることをおすすめします。
また、断熱リフォームには結露防止はもちろん、「冷暖房効率アップによる光熱費の削減」や「ヒートショックの予防」などメリットが多いのも特徴です。
部分的なリフォームだと最大限の効果を得にくい
せっかく断熱リフォームをしても、部分的なリフォームだと最大限の効果を得にくく、注意が必要です。
たとえば、リビングの窓のみに内窓を設置しても、内窓を設置していないキッチンや寝室などの窓に結露が発生します。
さらに、断熱リフォームをしていない箇所から外の熱気・冷気が伝わり、室内の暑さ・寒さを軽減できない場合も。住まいの快適性アップを実現するためにも、住宅全体の断熱リフォームを検討しましょう。
管理規約で断熱リフォームが制約されているケースがある
マンションの管理規約で断熱リフォームが制約されているケースがあり、事前に以下の点をチェックしましょう。
管理規約のチェックポイント
- ・共有部分と専有部分の区分
- ・内窓のリフォームが制約されていないか
- ・壁や柱の撤去はどこまで可能か(間取り変更の自由度)
とくに共有部分は個人で勝手にリフォームができないことから、「どの箇所が共有部分に該当するか」「工事する場合はどのような手続きが必要か」などを確認しておく必要があります。
ただし、管理規約を正しく把握するには専門的な知識が求められます。施工内容はリフォーム業者と相談しながら決めましょう。
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■マンションの結露がひどい場合に関するQ&A

最後に、SHUKEN Reが、マンションの結露がひどい場合に関するよくある質問を解説します。
Q.24時間換気は切っても大丈夫?
A.24時間換気は、止めずに常時稼働させましょう。24時間換気を切ってしまうと、室内の湿気が排出されず、結露の原因となります。
さらに、24時間換気には、空気を新鮮に保ったり、ハウスダストや生活臭などを排出したりする役目があり、快適性や健康リスクの面からも24時間換気は切らないようにしましょう。
Q.結露しやすい階は何階?
A.結露しやすい階は、地表に近い1階だとされています。これは、地下や地面の湿気の影響を受けやすいからです。
ただし、住宅の断熱性・地域の気候・周辺環境などの条件により、階層に関係なく結露が発生します。
Q.マンションの玄関ドアは交換できる?
A.マンションの玄関ドアは共用部分に該当する傾向にあり、管理組合の許可なくリフォームするのは難しいといえます。
リフォームを検討し始めた段階で、管理規約をチェックして「玄関ドアは共有部分に該当するか」「共有部分をリフォームするにはどのような手続きがあるか」を確認しましょう。
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■まとめ
マンションの結露がひどい場合の防止対策として、「内窓(二重窓)を設置する」「風通しがよく日当たりを確保できる間取りへ変更する」などをご紹介しました。
結露が原因でカビが繁殖したり、腐食が進んだりすると、資産価値が低下する場合も。早めに対策を実施しましょう。
「住宅全体を断熱リフォームしたい」「中古マンションを購入して、断熱リフォームを実施したい」とお考えの方は、ぜひSHUKEN Reにご相談ください。
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