公開日:2025-08-24
雑居ビルの1人暮らしが人気?メリット・デメリットや実際に暮らす方法を解説
東京や大阪などの都市部で1人暮らしを検討する際、一般的なアパートやマンションだけではなく、飲食店や事務所などが入っている雑居ビルも選択肢の1つです。
雑居ビルは住居向けにつくられたアパートやマンションとは立地や間取りが大きく異なり、大都市ならではのおしゃれなライフスタイルを実現したい方におすすめ。
しかし、さまざまなテナントが入居する雑居ビルで暮らすには、衛生環境や治安など気になる点も多いですよね。
そこでこの記事では、雑居ビルで1人暮らしするメリット・デメリット両面と、実際に暮らす方法について詳しく解説します。
- ・雑居ビルは駅前など利便性が良い物件が多く、アパートやマンションとは異なるライフスタイルを実現しやすいのがメリットです。
- ・ニオイや騒音、不快害虫の発生や治安など、雑居ビルで1人暮らしする場合のデメリットや注意点も把握しておきましょう。
- ・理想的な雑居ビルの賃貸物件が見つからない場合は、中古物件を購入してリノベーションするのも1つの考え方です。
■雑居ビルで1人暮らしするメリット
雑居ビルには、1人暮らし向けのメリットや魅力的なポイントがたくさんあります。
アパートやマンションにないおもしろ物件に住める
一般的なアパートやマンションにはない、ユニークな立地や間取りの物件で1人暮らしできるのは、雑居ビルの魅力的なポイントです。
ビルの屋上にあるペントハウス、倉庫のような開放的な間取りなど、雑居ビルならではのおもしろ物件を見つけやすい傾向があります。
雑居ビルのユニークな間取りは、一般的な住居ではできないライフスタイルを実現したい方に向いています。
交通や生活の利便性が高い
雑居ビルは店舗や事務所が入居しやすいように、交通の利便性が良い場所に建てられていることが多く、1人暮らしの場合でも生活しやすい点もメリットです。
アパートやマンションは静かな環境や治安の良い立地などを重視していることも多く、物件によっては公共交通機関や商店などが遠いケースも少なくありません。
一方、雑居ビルは駅前など交通利便性が良い物件が多く、テナントとして店舗や飲食店が入居しているケースもあります。
スーパーやドラッグストア、飲食店などが入居していれば、毎日の生活や買い物を雑居ビル内で済ませることも可能です。
事務所兼自宅として活用しやすい
元々店舗やオフィスなどが入居している雑居ビルは、事務所兼自宅として活用しやすいのも特徴です。
住居用のアパートやマンションは、管理規約や契約内容によって事務所利用が禁止されている場合もあり、勝手に事業に使うと契約違反になってしまう可能性があります。
一方、雑居ビルは事務所利用可の物件が多く、自宅として住みながら個人事業を営むSOHOスタイルも実現しやすいです。
前述したように雑居ビルは交通利便性が良い物件が多く、事業用途として使いやすいのも相性が良いポイントです。
人の出入りが多く防犯面の心配が少ない
雑居ビルは周囲の通りやテナントへの人の出入りが多く、防犯面のリスクや心配が少ない点もメリットの1つです。
空き巣などの侵入窃盗は、人通りが少なく防犯対策されていない建物が狙われやすいと言われています。
利便性が良い場所の雑居ビルは常に人の目にさらされているため、空き巣などに狙われるリスクが少ないケースが多いのです。
また、監視カメラやセンサーライトなど、雑居ビル自体で防犯対策がされているケースも多いです。
ただし、雑居ビルはマンションのようなオートロックがなく誰でも中に入れる構造のため、物件選びの段階で防犯性をしっかりチェックしましょう。
■雑居ビルで1人暮らしするデメリット
さまざまなメリットがある反面、雑居ビルでの1人暮らしには注意すべきデメリットもあります。
実際に1人暮らしを始めてから後悔しないように、どのようなデメリットがあるのか把握しておきましょう。
ニオイや騒音などが気になりやすい
さまざまなテナントが入居する雑居ビルで一人暮らしをする場合、飲食店のニオイや店舗の騒音などが気になるケースも多いです。
例えば、ニオイが強い料理を提供する飲食店が同じビルに入っている場合、バルコニーや自宅の中でもニオイが気になる可能性があります。
また、カラオケやビリヤードなど深夜まで営業する店舗が入っている場合は、就寝中に騒音や振動が気になる可能性が高いです。
繁華街にある雑居ビルの場合は、入居しているテナントだけでなく周辺の騒音やニオイにも注意が必要です。
雑居ビルはもともと住宅用に設計されていないため、実際に1人暮らしをすることを想定して周辺環境を綿密にチェックすることが大切です。
不快害虫や害獣被害のリスクがある
飲食店が入居する雑居ビルで1人暮らしをする場合、不快害虫や害獣被害のリスクがあるのも注意すべきデメリットです。
食品や油を扱う飲食店は、どうしてもゴキブリやネズミなどが発生しやすくなります。
同じ雑居ビル内にゴキブリやネズミが棲みついていると、共用部で見かけたり住居部分に侵入されたりするリスクが高くなります。
完全に発生を防ぐのは難しいですが、飲食店が入居する雑居ビルではゴミ置き場の場所や衛生状況などをチェックして、なるべく不快害虫や害獣が発生しにくい物件を選びたいところです。
立地や入居テナントによっては治安面が不安
1人暮らしをする雑居ビルの立地や入居するテナントの種類によっては、治安面の不安があるのもデメリットの1つです。
飲食店やサービス業などが密集する繁華街では、住宅街より治安が悪くなる傾向があり、人通りが少ない裏通りの雑居ビルは特に注意が必要です。
また、入居するテナントの種類によって出入りする客層も変わるため、時間帯によって治安が悪くなるケースもあります。
1人暮らしをする目的で雑居ビルを検討する際は、昼間だけでなく夜間も足を運んでみて、周辺環境を含めた治安をチェックするのがおすすめです。
立地が良い場所だと家賃が高い
複数の路線が乗り入れる大きな駅の近くなど、立地が良い雑居ビルは家賃が高いのもデメリットです。
特に、東京23区内の主要駅周辺は集客力が高いため、雑居ビルの賃料相場も高い傾向があります。
住居用の物件は店舗や事務所より賃料相場が低い傾向があるものの、一般的な住宅街のアパートやマンションより家賃の負担が高くなる可能性があります。
住みたいエリアの雑居ビルの家賃が高い場合は、賃貸ではなく後述する中古物件を購入してリノベーションする方法も検討してみてください。
■雑居ビルで1人暮らしする方法は主に2パターン
実際に雑居ビルで1人暮らしする方法は、「賃貸物件を探す」「中古ビルを購入してリノベーションする」2パターンです。
それぞれメリット・デメリットがありますので、比較検討したうえでライフスタイルにマッチする方法を検討してみましょう。
賃貸物件を探す
不動産会社やポータルサイトなど、雑居ビルの1人暮らし向け賃貸物件を探すのはスタンダードな方法です。
東京都内などは雑居ビルが多く、最近はリノベーション済みのおしゃれな住居用物件も見つけやすくなっています。
ただし、一般的なアパートやマンションより物件数は少なく、リノベーション済み物件は賃料相場や競争率も高めです。
雑居ビルならではのおもしろ物件を扱う不動産会社もありますが、日当たりや広さなど住居としては課題がある物件も少なくありません。
住みたいエリアにちょうど良い物件があればラッキーですが、見つからない場合は後述する中古ビル+リノベーションも検討してみてください。
中古ビルを購入してリノベーションする
中古の雑居ビルを1区画、または一棟まるごと購入して、住居用にリノベーションするのも1つの方法です。
初期費用は多めにかかりますが、間取りやデザインを自由にリノベーションすることで、雑居ビルの特徴を活かしたオリジナリティのある住まいをつくることができます。
例えば、こちらのお住まいは、築40年の中古ビルを1人暮らし仕様にフルリノベーションした事例です。
解体済みの中古ビルの構造を活かし、開放感がありおしゃれで暮らしやすい間取りにリノベーションしています。
中古ビル購入+リノベーションなら、内装の素材やキッチンなど、細かい部分にもこだわって賃貸物件にはない住まいをつくれるのが魅力ですね。
また、中古ビルの購入と同時にリノベーションすれば、金利が低い住宅ローンを組めるのも大きなメリットです。
住宅ローンを完済した後は資産になり、賃貸にして家賃収入を得たり、売却益を得たりすることも可能です。
中古ビルをリノベーションして住むメリットや費用相場についてこちらのコラムで詳しく解説していますので、あわせてごらんください。
〈関連コラム〉
東京でビルに住むメリット・デメリット|中古ビル価格+リノベーション費用はいくら?
■雑居ビルの1人暮らしに関するQ&A
最後に、雑居ビルで1人暮らしを検討するときによくある質問にお答えします。
Q.騒音は苦情を伝えれば改善できる?
A.基本的には難しいため物件選びに工夫しましょう
雑居ビルに入居している店舗からの騒音については、管理している不動産会社に伝えることは可能ですが、根本的改善は難しいです。
例えば、深夜まで営業しているスナックなどの店舗は、利用客の話し声やカラオケなどの騒音を完全になくすことはできないためです。
なるべく騒音のない環境で一人暮らしをしたいなら、雑居ビルに入居している店舗の業種や営業時間などをチェックして物件選びの段階で回避しましょう。
Q.ペントハウスのデメリットはある?
A.一般的な住居より利便性や快適性が低い可能性があります
雑居ビルの屋上につくられたペントハウスは、階段の上り下りによる負担やエレベーター待ち、日当たりによる暑さなどがデメリットになる可能性があります。
マンションのペントハウスは高級住宅として人気ですが、雑居ビルの場合は空きスペースを住居として活用していて、暮らしにくいケースが多いです。
屋上スペースを活用でき、眺望を楽しめるなどのメリットもありますが、実際の1人暮らしを想定して環境を確認しましょう。
■まとめ
雑居ビルでの1人暮らしには、一般的なアパートやマンションにはないメリットや魅力があります。
ただし、騒音や衛生面などのデメリットもありますので、良い面だけでなくデメリットもチェックするのが後悔を防ぐポイントです。
不動産会社やポータルサイトで理想的な雑居ビルの賃貸物件が見つからないときは、中古ビルのリノベーションも検討してみてください。
SHUKEN Reは、これまで多くの住宅リノベーションをお手伝いした経験を活かし、雑居ビルリノベーションによる理想の住まいづくりもサポート致します。
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