公開日:2025-06-29 

社宅のリフォーム費用は経費計上できる?減価償却や勘定科目などの考え方を詳しく解説

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経費の対象になる社宅リノベーションの外観

 

従業員寮や役員社宅をリフォームする際、費用を経費計上できるか迷うケースが多いようです。

 

社宅のリフォーム費用を経費計上できるかどうかは状況によって異なり、判断を間違えると税務署からの指摘を受けてしまうリスクも考えられます。

 

そこでこの記事では、社宅のリフォーム費用を経費計上できるケース、できないケースに分けて分かりやすく解説します。

 

また、実際に社宅のリフォーム費用を経費計上する際の勘定科目や減価償却についても掘り下げますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

この記事のポイント

・社有社宅や会社名義で契約している借り上げ社宅のリフォームは、経費計上できるケースが多いです。

・社長や役員、個人事業主の自宅は社宅として認められないため、リフォーム費用を経費として計上するのは難しいです。

・社宅のリフォーム費用は、「修繕費」として一括で経費計上できる場合と、法定耐用年数に応じて「減価償却」として毎年経費計上する場合に分かれます。

 

 

■社宅のリフォーム費用を経費計上できるかはケースバイケース

 

社宅のリフォーム費用を経費計上する税理士

 

社宅のリフォーム費用を経費計上できるかはケースバイケースで、さまざまな要素が影響するため判断が難しいです。

 

また、社宅の機能維持のための修繕費、借り上げ社宅の原状回復工事、社有社宅の大規模リフォームなど、工事内容によっても判断が異なります。

 

会社が支払った費用だからと経費計上してしまうと、税務署から指摘されてトラブルになるリスクも考えられます。

 

リフォーム費用を経費計上できるかどうかは、税金の負担に大きく影響するポイントです。

 

実際の計画時は税務署や税理士への事前相談が必要ですが、あらかじめ大まかな状況を把握しておくとスムーズに進めやすいです。

 

次の章から、社宅のリフォーム費用を経費計上できるケース、できないケースについてそれぞれ見ていきましょう。

 

 

■社宅のリフォーム費用を経費計上できるケース

 

次のようなケースでは、社宅のリフォーム費用を経費計上できる可能性があります。

 

 

社有社宅をリフォームした場合

 

社宅リノベーション後の賃貸アパートの部屋

 

自社で保有する社宅をリフォームした場合は、基本的に費用を経費計上できます。

 

社有社宅は会社の固定資産であり、保守管理のためのリフォーム費用は必要経費である「修繕費」として認められる可能性が高いです。

 

耐久性や防水性を維持するための外壁塗装、内装の張り替えや水回り設備の入れ替え、エアコンの設置なども経費の対象になります。

 

ただし、間取り変更などを含めたフルリフォームやリノベーションなどは「資本的支出」と見なされ、耐用年数に応じて減価償却が必要となるケースもあります。

 

具体的な経費計上の方法は後半で解説しますので、そちらもあわせてご覧ください。

 

 

社有社宅の家具家電を会社が購入した場合

 

社有社宅のキッチン家電

 

リフォーム費用にくわえて、社有社宅の家具や家電などを会社が購入した場合も経費計上できます。

 

社宅の家具や家電は従業員が自分の物を使うか購入するケースが多いですが、最近は新卒採用のためにそのまま生活を始められる環境をととのえる会社も増えています。

 

社宅の家具家電を購入した場合の経費としての扱いは、固定資産・消耗品や備品など金額や会社の会計方法によって異なるため、税務署や税理士に相談するのが確実です。

 

 

借り上げ社宅の退去費用を会社が負担した場合

 

借り上げ社宅の原状回復工事

 

借り上げ社宅に従業員が入居していて、退去時の原状回復費用を会社が負担した場合も条件によっては経費計上できます。

 

経費として認められるのは、会社が不動産会社と直接契約していったん借り上げ、従業員の代わりに家賃を負担しているケースです。

 

会社が支払う家賃や原状回復費用は必要経費と見なされ、修繕費として計上し税負担を抑えることができます。

 

ただし、役員社宅や個人の趣味趣向を強く反映した社宅の場合は「豪華社宅」と見なされ、原状回復費用を経費計上できないケースもあるので注意しましょう。

 

 

■社宅のリフォーム費用を経費計上できないケース

 

経費計上できない豪華社宅のリフォーム

 

次のようなケースでは、基本的にリフォーム費用は経費計上できません。

 

修繕費などの勘定科目で経費計上すると、税務署の指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。

 

 

社長や役員の自宅をリフォームした場合

 

社長や役員が個人的に借りている、または所有する自宅のリフォーム費用は、社宅とは見なされないため基本的に経費計上できません。

 

個人名義で所有・賃貸している建物は社宅扱いにはならず、リフォーム費用も会社にとっての必要経費にはならないためです。

 

社長や役員が住んでいる自宅でも、会社名義で契約したり、登記したりすれば、リフォーム費用が経費として認められるケースもあります。

 

ただし、社内規定の作成や適切な賃料の設定などいくつかの条件を満たす必要があり、会社名義でも経費計上できないケースもあるので要注意です。

 

 

個人事業主が自宅をリフォームした場合

 

法人化していない個人事業主の方が自宅をリフォームした場合も、基本的には経費計上はできません。

 

個人事業でも家族以外の従業員が居る場合は、社宅を提供することで福利厚生と見なされ家賃やリフォーム費用を経費計上できる可能性があります。

 

しかし、事業主本人が住む自宅は、事務所兼自宅の一部などを除いて社宅扱いにはなりません。

 

 

住宅手当を支給している場合

 

借り上げ社宅制度のある会社でも、従業員名義で契約して住宅手当を支給している場合は、リフォーム費用を経費計上できない可能性が高いです。

 

従業員が借りている賃貸物件の原状回復やハウスクリーニングなどのリフォームは、契約者本人が支払うべきものだと判断されることが多いようです。

 

 

■社宅のリフォーム費用を経費計上する方法

 

社宅のリフォーム費用を経費計上する計算

 

実際に社宅のリフォームを実施した際、かかった費用を経費計上する方法は大きく2つに分かれます。

 

軽微な原状回復工事は「修繕費」、資産価値を高めるための大規模なリフォームは「資本的支出」に分かれ、それぞれ経費計上する方法が異なります。

 

具体的な経費計上方法や考え方について見ていきましょう。

 

 

原状回復工事は「修繕費」で一括計上

 

壁紙やフローリングの張り替えなどの軽微な原状回復工事は、修繕費の勘定科目を使い一括で経費計上するのが一般的です。

 

また、次のようなリフォーム費用も修繕費として経費計上できるケースがあります。

 

※修繕費にあたるリフォーム費用の例

  • 資材の70%以上を再利用して建物を移築した場合
  • 地盤沈下した土地を前の状態に回復させた場合
  • 建物が海水等の侵害を受けたため地上げや移設をした場合

参照:国税庁 第8節 資本的支出と修繕費

 

ただし、実際の判断は状況によって異なりますので、税務署や税理士に事前相談して確認を取りましょう。

 

 

リフォーム費用は法定耐用年数で減価償却

 

建物の維持管理や資産価値を向上させるためのリフォーム費用は資本的支出と見なされ、法定耐用年数に応じて減価償却費として経費計上するのが一般的です。

 

間取り変更を伴う全面リフォームや、外壁塗装といった大規模な修繕工事は、資本的支出に分類されます。

 

構造

法定耐用年数

木造

22年

鉄骨造

19~34年(鉄骨の厚みで変動)

鉄筋コンクリート造

47年

出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

 

例えば、木造の社宅をリフォームした場合、かかった費用に償却率を掛けて毎年減価償却費として計上します。

 

具体的な計算については建物の構造やリフォーム内容によって異なるため、税理士などの専門家に相談しましょう。

 

 

■社宅をリフォームして賃貸経営するのも1つのアイデア

 

社宅リノベーションで賃貸化した事例

 

社宅の築年数が古くなり大規模改修が必要になった場合、リフォームで用途を変更して賃貸経営するのも1つの考え方です。

 

例えば、社宅が古くなり入居率が低下しているケースでは、リフォームで賃貸住宅として家賃収入を得たほうが、収益性が高くなる可能性があります。

 

賃貸経営で得た家賃収入を住宅手当として従業員に支給すれば、福利厚生も充実させることができます。

 

社宅の維持管理や運用が難しくなってきた場合は、リフォーム・リノベーションによる賃貸化も検討してみてください。

 

こちらのコラムで、社宅をリフォームで賃貸化するメリットや考え方について解説しています。

 

〈関連コラム〉

社宅をリノベーションで賃貸化するメリットとは?費用相場や満室経営のポイントも解説

 

 

■まとめ

 

社宅のリフォーム費用を経費計上できるかはケースバイケースで、判断を間違えると税務署の指摘を受けてしまうリスクも考えられます。

 

リフォーム計画を立てる前に税務署や税理士に相談し、税制上のトラブルを回避しましょう。

 

また、社宅のリフォームをする際は金額だけでなく、従業員が暮らしやすい環境をつくることも大切です。

 

せっかくリフォームをしても、従業員が暮らしにくい社宅だと入居率が上がらず、投資した費用がムダになってしまう可能性もあります。

 

社宅のリフォームやリノベーションの実績が豊富な施工会社に相談し、トレンドの間取りや設備などについても提案を受けましょう。

 

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    SHUKEN Re 編集部

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